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1章 始まりの高2編

中身はそのまま

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 ホットケーキを食べ終えると、コーヒーを飲んでいた朔に押し倒された。そして、待ってましたと言わんばかりに、深いキスを交わす。

「甘いな。結人はいつでも全身甘いけどな」

「ん、朔は苦ぁい」

 僕が、べっと舌を出すと、それに朔が吸い付く。いつも、啓吾にされるやつだ。

「ふぁ····はふ····ふぇ····」

 上手く息ができない。朔は僕の舌を吸いながら、口の中で舌を絡める。啓吾も朔も器用なんだ。
 吸い終わったかと思うと、続けて喉まで舌を挿れてくる。熱い吐息を漏らしながら、口内を余す所なく舐め回す。同時に胸を弄るものだから、余裕なんてさらさらない。
 皆より口の小さい僕は、舌を挿れられるといっぱいになってしまう。いつも呼吸の仕方がわからなくなって、しがみついて苦しい事を伝える。

「んぁ····苦しかったか? わりぃ。もっと優しくしてやるからな」

「大丈夫だよ。苦しいの、ふわふわして気持ちぃから。もっとシて。いっぱいキスしたい」

「それじゃぁ、次は結人からしてくれ」

「うん。朔····目、瞑って?」

「ん」

「乳弄られながら目ぇ瞑れって····可愛すぎかよ」

「場野、意味わかんない。けど、結人は1個1個が精一杯なんだよなぁ。可愛いなぁ」

「ゆいぴは何しても可愛いよ。どうしたって可愛いよ」

 さっきはカッコイイって言ってくれたのに。やはり、見た目だけ変わっても、中身はそう変わらないんだ。けど、僕だって皆にカッコイイ所を見せて、ドキドキさせてやるんだ。
 まぁ、えっちになると絶望的に無理だと、りっくんの反撃にあってわかったけど。

 それにしても、朔のキスを待っている顔はなんだ。彫刻か何かか。整いすぎていて、迂闊に顔を近づけられない。

「どうした? まだか?」

「えっとね、朔の顔が良すぎてできない」

 僕がヘタレな事を言うと、朔の目がパチッと開いた。

「じゃ、お前も目ぇ瞑ったらできるんじゃないか?」

「朔、頭良いね。もっかい目ぇ瞑って?」

「ん」

 もう一度、朔が目を瞑って待ってくれている。僕も目を閉じて、そっと唇を重ねる。すると、外野からコソコソ話しているのが聞こえた。

「これ、笑っちゃダメなやつ? も、俺無理なんだけど····」

「ゆいぴも朔も真面目にやってんだから、笑っちゃダメでしょ····」

「コイツら小学生かよ····。結人はわかるけど、朔ふざけんなよ。クソ真面目に何言ってんだ····」

「朔はほら、天然だから····ん゙ふぅっ」

「啓吾、笑うなって。マジで巻き込まないで。笑ったらゆいぴ拗ねるでしょ」

「全部聞こえてるよぉ!」

 誰が小学生だ。僕と朔が絡むとよく笑われてしまうけど、失礼じゃないかな。3人と違って、僕も朔も経験が浅いんだから、仕方ないじゃないか。

「朔、僕もえっちなキスする! ····あれ? 朔、僕とが初めてって言ってたよね?」

「ああ。キスもセックスも、お前が初めてだぞ。それがどうかしたか?」

 朔がキスやセックスと言うと、こっちが恥ずかしくなるのは何故だろう。とまぁ、今はそんな事はさて置いてだ。

「なんで僕はまだできないのに、朔はえっちなキスとかできるの? 僕1人だけ遅れてない?」

「遅れてるとか、そういうんじゃねぇだろ。俺はお前相手だと、本能のままヤっちまうだけだ。それに、お前は受け身だからだろ。俺は、お前を気持ち良くしてやりてぇって思って、コイツらに色々教えてもらってるしな」

「え、皆とキスの練習とかしてるの?」

「してねぇよ。気持ちわりぃな。なんでそうなるんだ。舌の絡ませ方とか、ケツの弄り方とか、口頭で聞いただけだ」

「聞いただけでできるの? ホント、朔もチート過ぎるよ」

「チート? なんか知らねぇけど、褒められてんのか?」

「僕の彼氏はみんな凄いんだなぁって、褒めてるの。ね、僕にもえっちなキス、教えて?」

「いいぞ。俺でいいなら」

 朔は僕の反応を見ながらゆっくり舌を絡め、どこをどうすると気持ち良いのか教えてくれた。けれど、僕の舌が小さい所為か、上手く舌を絡めたり舐め回すことができない。

「んふぅ····上手くできないよぉ」

「お前が一生懸命してくれるだけで気持ち良いぞ。それに、やっぱり俺主導でしたい」

 そう言って、朔はいつも通り口内を犯し始めた。僕も諦めて、されるがまま任せることにした。きっとこれが、僕たちの気持ち良いなんだ。
 朔は僕の顔を両手で包み、耳を弄りながらキスをするのがお気に入りらしい。

「そうだ。ちゃんと言ってなかったけど、髪似合ってるぞ。カッコイイって言ったの、嘘じゃねぇからな」

「んぅ····ありがと。朔もね、染め直してもっとカッコ良くなったね。えへへ。大好きぃ」

「そうか。満の我儘聞いて良かった。なぁ結人、キスもういいか? 挿れるぞ」

「うん。····んぁっ、おっきぃ······」

 亀頭を押し挿れるだけで、ミリミリと穴が拡げられていく。入り口で亀頭を出し挿れされると、穴が閉じなくなりそうで怖い。けど、それよりも排泄感が堪らなく気持ち良い。
 奥を抉られるのも好きだけど、入り口をぬぽぬぽされるのも好きだ。

「朔ぅ····気持ちぃ。朔も気持ちぃ?」

「あぁ。すげぇ気持ち良い。もうちょい挿れるぞ」

 朔はぬぽぬぽするのをやめ、もう少しだけ奥を擦る。大きな亀頭で、前立腺を押し潰すように擦るんだ。

「そぇだめっ、勝手に出ちゃう····。精液出ちゃうのぉ」

「ん。出ちゃうな。出なくなるまでやるからな」

「ふぇっ····も、そんなに出ないよ」

「精液が出なくなったら、潮も出なくなるまで噴かせてやるからな」

「むぃらよ、死んじゃうよぉ」

「死んじまったら困るな。それじゃ、奥抜いて、お前の好きなぐぽぐぽしてやる。けど、手加減しねぇからな」

 朔は、僕の腰を持ち上げて突きやすい角度にすると、本当に容赦なく奥を貫きピストンを繰り返す。

「ひあぁぁっ、しょこらめっ、い゙っあ゙ぁ゙ぁぁっ····んぇ゙っ」

「お、吐くのはナシだ。せっかくおやつ食ったんだからな」

 吐かない程度には加減してくれるらしい。けれど、本当に吐かないだけであって、それ以外は泣こうが噴こうがお構い無しだった。

「最後だけ、吐くの我慢してくれ。奥で出すぞ」

「んぅ····ひぇっ····ん゙っ、んぶっ····イッぅ゙ん゙ん゙ん゙ん゙っ!!」

 なんとか吐くのは我慢できた。いや、よく耐えたと思う。それを見て待ちかねた八千代は、僕をひっくり返し後ろから突っ込んできた。

「お前、朔のアレよく耐えたな。けど、また食わしてやるから、吐いてもいいぞ」

「そういう問題じゃ、ない、でしょ····。せっかく、八千代と啓吾がぁ、作ってくれたのに、吐くの、やだよぉ」

「可愛い事ばっか言いやがって····。まだそんなに食ってねぇだろ。後で食いたいだけ焼いてやるから、なっ」

「やぁっ、ん゙ぇ゙っ····ぅん゙ん゙っ」

「ほら、奥もっかいなっ」
 
「ひぐぅっ····ぉ゙え゙ぇ゙ぇぇぇ····ゴホッ····ぅ゙え゙っ、ん゙ぇ゙ぇぇ····ゲホッゴホッゴホッ····八千代ぉ、奥、潰しゃないれぇ····」

「潰されて気持ち良いか? 吐いてイけんだろ? 吐く度にすげぇ締まんだよ」

「やらぁ····お゙え゙ぇぇ······イッちゃう、出ちゃう、出ちゃうよぉ」
 
「おー、いっぱい出せ。ははっ。すっげぇ噴くな」

「んあぁぁぁっ! 止まんないっ、やらっ、止まんないぃっ!! 奥らめぇっ、待っ、止まっへ、イクの止まんにゃいよぉ」

「気持ち良いな。ナカずっと痙攣しててめっちゃ気持ち良いぞ」

「手、手ぇ力入んにゃい····」

 僕は上体を支えていられず、お尻を突き上げた状態で突かれ続けている。イキ続けて声も出なくなってきた。

「ん゙っ、やちぉ、も、らめ····苦し····んぐっ、ケホッ、カハッ····」
 
「んっ····。俺もイク。奥に流し込むからな。全部飲めよ」

「ひぁいっ、飲むっ、んっ····ゴホッ、お腹で、全部飲むからぁ」

「出すぞっ····ん゙ぁっ」

 八千代がえっちな声を漏らした。もっと聞きたいと思ってしまった僕は、変態と言われてしまうのだろうか。
 八千代は抜かないまま僕を半回転させると、口移しで水を飲ませてくれた。

「んくっ、んっ····んはぁっ」

「すげぇ締まるな。どした。んなに良かったか?」

「う? うん、良かったぁ····。しゅごかったぁ」

「そうか。んじゃ、抜くぞ」

「あっ、待って! 今抜いたらイッちゃ──んあぁっ」

「お前、抜く時好きだよな。そんな気持ち良いんか」

「ふぁぁ····気持ちぃ。じゅるんて抜けるの、気持ちぃの」

「そうか」

 八千代は僕の頭を撫で、髪をクシャクシャッと乱した。

「やだぁ。髪グシャグシャにしないでよぉ」

「ん。ちょっと見慣れたから触りたくなった。わりぃ」

「なぁ、結人。もう坊主にしなくて大丈夫になった?」

「ぅー····。なんで啓吾は意地悪ばっかり言うの····。しないよ。したら皆笑うんでしょ」

「ごめんね。坊主のゆいぴは流石に笑っちゃうと思う。けど、それでも俺は好きだよ」

「皆が似合ってるって言ってくれたから、もう大丈夫」

 わかっているんだ。皆、僕が少しでも不安になると、ちゃんと言葉にして伝えてくれる。それぞれに僕の髪を褒めてくれたのは、そういう事なのだ。

 りっくんと朔がベッドを片付けてくれている間に、啓吾とお風呂に入る。八千代は贖罪のホットケーキを焼いている。
 啓吾は皆の中では1番背が低いから、僕と1番目線が近い。湯船に浸かる時に背中を預けると、誰よりも顔が近くて前髪が僕の耳に触れる。

「んっ····」

「ん? どした?」

「啓吾の前髪、耳に当たって擽ったいの」
 
「あぁ、ごめんごめん。今日留めるもん全部忘れちゃってさ」

 そう言って、お湯で濡らして前髪をあげた。

「う、わー····」

「エッ? 何その反応····なんか変だった?」

「違····カッコ良すぎて····」

 啓吾の顔を見れなくなった僕は反対側に逃げ、口までお湯に浸かって誤魔化した。

「結人ってさぁ、ベタなん好きだよな。すげぇ単純っつーか、チョロい」

「めちゃくちゃ失礼だね。啓吾はあけすけに物を言い過ぎだよ」

「だぁってさぁ······ほら、顔真っ赤」

 啓吾は僕の腰を抱き寄せ、顎クイをして目を細めて僕を見つめる。キスされるのかと思った。
 いや、イケメンにこんな事をされたら、誰だって赤面必至だろう。

「僕じゃなくても真っ赤になるよぉ····」

「結人にしかしねぇけど? していいの?」

「やだっ!」

「あははっ。可愛いなぁ」

「んぅ····」

 啓吾は顎クイしたまま、深くて長くていやらしいキスをする。そして、お尻に硬いものが当たる。

「挿れるよ」

 と、言いながらもう先っちょを挿れている。当然、お湯も一緒に入ってくる。

「け、ご····お湯····入ってる······」

「うん。ナカ余計に熱いな」

「そう、じゃなくてぇ····変な感じ······」
 
「ナカで出したら、俺の薄まっちゃうねぇ」

「そうじゃ、ないってばぁ······」

「んぁ、すっげぇ締まる····。やっべ、まだ全部挿れてねぇのに、もうイきそ····」

 動く度お湯が入ってくる所為で、変に力が入ってしまう。啓吾よりも先に、僕の方がイッてしまう。
 
「もっ、だめ····イッちゃう····」

「俺も。結人、出すよ。あーっ、めっちゃ出る····」

 一旦湯船から出て、シャワーでナカを綺麗にしてもらう。
 
「んぅ····さっきいっぱい出したのに····凄い量だね」

「俺もビックリした。結人が可愛すぎていっぱい出たみたい」

 無邪気に笑う啓吾は、さっきまでとは別人のように可愛い。よくもまぁ、僕のことを可愛い可愛いと言えたものだ。後で、皆にどっちが可愛いか聞いてみよう。


 長風呂を終え、八千代が焼いてくれたホットケーキを食べる。
 お風呂での事をみんなに話し、啓吾の可愛いについて聞いてみた。

「啓吾が可愛い? え、1回も微塵も思ったことないけど」

「あるわけねぇだろ。気持ちわりぃ」

「俺もねぇぞ。この先も、一生ないと思う」

「ちょっとさ? そんなに全否定されたら傷つくんですけど」

「え、僕しょっちゅう可愛いなって思うよ?」

「ゆいぴのそれって、あれじゃない? 母性本能くすぐられる的な」

「確かに。女の子にはよく可愛いって言われてたなぁ····。そういう事だったんだ」

「いや、知らないけどね。だって、俺らは1回も可愛いなんて思ったことないもん」

「じゃ、朔は? 朔にも可愛いなって思うことあるんだけど····」

「ねぇよ」

「ないね」

 啓吾もりっくんも即答だ。

「あー····可愛いじゃねぇけど、結人見てるみたいな感覚になる事はあるな」

「なんだそれ。場野、俺の事どう思ってんだ」

「どうもこうも、ガキみてぇだなって」

「待ってよ。それって僕も子供っぽいってこと!?」

「おー····そうなるな」

 啓吾に続き、失礼千万だ。この2人はどうして、僕の心を抉るような事を平気で言ってくるのだろう。一度、ガツンと言わないとダメなのだろうか。

「朔はちょっとポケッとしてるからなんだろうけどね、僕のはサイズ感含めだよね。八千代も啓吾もね、僕に失礼な事言い過ぎだよ。次言ったら、しばらく口きかないからね」

「できんの?」

「え?」

「俺と場野と口きかないとか、できんのかって聞いてんの」
 
「で、できるもん。するもん!」

「ほぉ~····楽しみだな。おい、大畠。どっちが先に口きかすか勝負すっか」

「ちょっと! 僕で遊ばないでよぉ!」

「なぁ、俺ポケッとしてんのか?」

 朔は本当にタイミングを考えてくれない。そこがまた可愛いんだけどね。そういうトコなんだけどね。

「してるよ。僕は朔のポケッとしたとこ好きだよ。なんかね、可愛いの。ギュッてしたくなる」

「そうなのか」

「朔はどこで照れてんの? まぁ、確かにゆいぴの言ってる事はわからなくもないかな。朔はゆいぴとは違った癒しがあるんだよね」

「俺、癒せてんのか? そうか」

 朔は、とても嬉しそうに笑った。本当にそういう所なんだよ。ギュッてしたくなるの。

「んで、八千代と啓吾は本当に口聞かないからね。僕、頑張るからね。コンプレックス抉るのやめてね!」

「はーい。気ぃつけるね~」

「ははっ。楽しみだな」

 八千代と啓吾は翌日、しっかりとコンプレックスを弄ってきたので謝るまで口をきかないことにした。これが、自分の首を絞めることになるなんて、この時は思ってもみなかった。
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