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第4話 クエスト
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Side ルフラン
バリボリと店内に響く豪快な音は咀嚼音。
お客さんや店員さんたちが鬱陶しいものを見るような、或いは恐ろしいものを見るような目で私たちのテーブルを横目で覗いています。
なんで私は半年も我慢したゲームを始めてすぐ、こんな極寒の空気を味わなければいけないのでしょうか?
「どーした、蘭。食わねぇのか?」
「先輩の図太さには呆れを通り越して恐怖を覚えますよ。あとこの世界での自分はルフランです」
そうだったか、と笑いながら先輩は海老を丸一匹掴んで口に運びます。
先ほどから鳴っているこの香ばしい音は甲殻類の殻を強靭な歯で磨り潰す音でした。
目の前の炎髪の女性はプレイヤー名『ティティス』
リアルでは高校のときの部活の先輩です。
居残り練習とかでよくいじめられ――こほん、可愛がられたりしてもらっていたそんな感じの間柄です。
「でも先輩が《Imaginaire Candrillon》をやっているとは思いませんでしたよ。ゲームとか好きだったんですか?」
「全然。このゲームも兄貴がやろうとしてたのを気まぐれでぶんどって始めて見ただけだ。そしたらハマっちまった。魔物だろうがプレイヤーだろうが勝負に勝つのは楽しいもんだ」
でましたよ根っからの戦闘狂。
そして名前も知らない先輩のお兄さんに合掌。
こんな妹をもって大変でしょう……強く生きてください、私からはそれだけです。
「で、先輩はこの世界で何をしたんですか?」
「あーん、別に何もしてねぇけど?」
嘘つけ。
何もしてないんならこの周りから受ける熱烈なラブコールをどう説明するんですか。
でもまあ何となく想像はできます。
「先輩が最近で印象に残っていることは何ですか?」
「印象……そうだな。二日前に狩場の争奪で言い争っているパーティを見つけてな、いつまでもぐちぐち言い争っててムカついたから全員燃やした」
「よく何もしてないなんて言えましたね」
短気で喧嘩っ早く、傲慢だがそれだけの実力がある。
その性格で先輩のチームメイトがよく泣かされていたのを覚えています。
「弱きを燃やし強きも燃やす。それがオレの信条だ」
「名言っぽく言ってもそれではただの放火魔です」
ぐしゃッ、と海老の殻を握りつぶしながら宣言する先輩に突っ込んでおきました。
たぶん、この人は聞きませんけど。
「さて、腹も膨れたし行くとするか」
先輩は満足そうに腹を叩いた後すぐに立ち上がりました。
我が道を行くとはこのようなことを言うのでしょう。
私はため息を一つついてから急いで魚介のスープを飲み干します。
「待ってくださいよ、先輩」
私は先輩の後を追おうとテーブルを立ったとき――。
「お客さん、お会計」
強面の料理長っぽい人に肩をガシッと掴まれました。
先輩の姿はもうありません。
「おいくらですか?」
「3,500ガルド」
チュートリアル時に貰ったガルドはたしか4,000ガルドでしたね。
「…………ふむ」
こうして私の初期ガルドは大空へと羽ばたいていきました。
ふざけんな、こんちくしょう。
***
店を出て、勇み足でどこかへ向かう炎髪の背中を追いかけます。
「先輩、どこに行くつもりですか?」
「狩りだよ」
「まずその説明をして下さい。先輩の口は飾りですか?」
「カカッ! オレにそんな口を聞けるのはお前だけだよ!」
だから気に入ってんだ、と先輩は私の頭を撫で回します、痛い痛い。
冗談じゃなく痛い、たぶんステータス差の影響でしょう。
だってHPがみるみる減ってますもん、先輩、ストップ!
「そもそも初心者にはまず街案内とかじゃないですか?」
「やだよ。つまんねぇ」
「先輩はどこまでも自分が世界の中心ですね」
こうなってしまった先輩は言うことを聞きません。
初期装備で冒険に行くのは少し気が引けますが、仕方がないと諦めましょう。
「ならせめて初心者でも問題ない狩場にして下さい」
「当たり前だ。お前オレを何だと思ってんだ?」
人間の言葉を話す爆薬庫だと思っています。
言ったらたぶん怒るので言いませんけど。
「そーいや初期武器は何にしたんだ?」
先輩が何の気もなしに聞いてきます。
チュートリアルでアイさんに見せられた武器カタログには細かく部類分けすれば百を超える選択肢がありました。
西洋剣に刀にレイピア、弓やボウガンに苦無やチャクラムといった変わり種まで。
そんな中で私が選んだのはーー。
「私はこれです」
言って両拳に装備した、蒼い宝玉の付いた皮手袋を見せつけました。
私の初期装備は術式篭手。
攻撃方法は強化魔法をかけた拳でぶん殴るといった、頭の悪そうな物理全振りの超近距離武器です。
「ああ、なるほど。お前らしくていいんじゃねぇの?」
先輩は、いかにも悪役! みたいな笑みを浮かべます。
それを見た隣の女の子が泣き出しましたけど気付かなかったことにしましょう。
と、そのタイミングで――。
「ハァッ!!」
「…………っ」
かち合わされる金属音。
短い気合と共に、重く、高く、弾け合う剣気のせめぎ合い。
音のする方に視線を向ければ、そこで繰り広げられるのは剣戟による命の奪い合いでした。
「この国に仇為す者を私は許さない!」
まず片方は女騎士。
輝きを閉じ込めた黄色い目に、ひたすら目を引く桜色の長い髪。
その身を包むのは白を基調として蒼いラインの入った銀鎧。
手に持つレイピアは際限なく黄金の色彩を放ち続けており、近くにいるだけで波打つような闘気を感じられました。
「…………」
もう片方は黒頭巾と称しておきましょう。
全身黒ずくめで顔も頭巾のせいでよく見えません。
女騎士の攻撃を躱しながら時折ナイフで素早い一撃。
キィィィン! と澄んだ金属音を発しながらお互いの剣撃が交わります。
「ここで始まったか」
先輩は何やら分かった風な口ぶりで二人の戦いを見ています。
「先輩、何か知ってるんですか?」
「女のほうは知ってるが黒いほうは知らねぇ。あの騎士様は聖樹騎士団……あー、この国のウィードの中で最強の騎士団の副団長様だ。美人で気高くてプレイヤーのなかでファンクラブができるほどの人気なんだとよ。オレも一回だけ戦ったことがあるがいい女だったよ」
先輩のいい女の基準はたしか『強い女性』という意味でしたね。
「ところでウィードとは?」
「NPCの総称。プレイヤーじゃねぇ人間」
なるほど、NPCの総称……え?
あの女騎士様ってNPCなんですか?
あの人の剣を振るときの表情とか叫びの中に含まれる感情的なものは全部作り物?
「改めて、この世界すげぇって思いましたよ」
「オレがハマるだけあるだろ?」
なぜ貴女が自慢気味なのでしょうか?
「ところでほっといていいんですか?」
続けて二度三度と繰り返される剣舞を眺めながら私は尋ねます。
先輩は苦い顔をしながら――。
「手ぇ出してぇところだかオレは無理だ。バトルエリア外でNPCと戦うとペナルティになっちまう。それに、これはお前のイベントだ」
と、答えました。
私のイベントですか?
「どういう意味で?」
「負けイベントだ」
「もう少し詳しく」
「《Imaginaire Candrillon》を始めたばかりのプレイヤーの近くで必ず現れるイベントがある。対立しているウィードを見つけて、それを助けるかどうかってクエストがな」
その時、ピコンと私の意志を無視して目の前にウィンドウが現れました。
そこに示された一文。
【クエスト『騎士の剣は国の剣』発生】
【クリア条件:聖樹騎士団副団長アリシア・レイホープに加勢する】
「これのことですね」
「そうだ」
「負けイベントとは?」
「このクエストだが、プレイヤーは絶対に勝てない。そういうふうにできてる」
先輩は自分のウィンドウを弄って、何やら双眼鏡みたいなものを取り出しました。
それでウィードの二人を観察しながら説明を続けます。
「あの黒ずくめのレベルは18だな。レベル1のお前じゃ絶対に勝てない。ステータスが違う。ここまで露骨に差が出てるのは珍しいが、それでもこのクエストは圧倒的な格上が相手になる」
「それでは絶対にデスぺナを受けると?」
「そうはならない。プレイヤー側のHPが半分くらいまで減ったら何かしらの理由で戦闘は中断になる。助太刀した方が隠していた奥義を解放するとか、お相手さんが急に逃げ出すとかな。クエストをよく見てみろよ。クリア条件は相手を倒すんじゃなくて戦いに参戦することだろ?」
確かに、クリア条件には加勢するとしか書いてありませんね。
「ネットでは、新入りにこの世界のリアルさを見せるための運営側のデモじゃないかって言われてる。ここで参戦せずに見殺しにした誰かが本当に死んじまったりしたらは永遠にこの世界から消える。オレの知ってるうちじゃどっかの国王が死んだって話を聞いたな」
国王、その肩書きは間違いなく重要なNPC、もといウィード。
そんな人物が死ねば、たとえゲーム内の世界といえど何かしらの変動が起きたことでしょう。
この世界は生きている――そう思わせる誰かの意図を感じますね。
「つまり私がここで参戦しなければ、あの騎士様が死ぬ可能性があると?」
「参戦しても死ぬ可能性はあるぞ。お前のHPが半分を切った瞬間に騎士様が命を賭けた奥義を発動するとかな。そんな例もなかったわけじゃねぇ」
なるほど、だいたいの事情は分かりました。
「つまり、私があの黒頭巾を倒してしまえばハッピーエンドですね」
先輩が目を丸くしました。
この人のこんな表情は珍しいですね。
「本気かよ、この野郎」
「戦う前から私が負ける気でいると思いますか?」
「思わねぇよな、そりゃ」
先輩は呵々大笑と大空を見上げます。
そして。
「ぶちかませ」
「仰せのままに」
こうして、私の初めてのクエストがスタートしました。
バリボリと店内に響く豪快な音は咀嚼音。
お客さんや店員さんたちが鬱陶しいものを見るような、或いは恐ろしいものを見るような目で私たちのテーブルを横目で覗いています。
なんで私は半年も我慢したゲームを始めてすぐ、こんな極寒の空気を味わなければいけないのでしょうか?
「どーした、蘭。食わねぇのか?」
「先輩の図太さには呆れを通り越して恐怖を覚えますよ。あとこの世界での自分はルフランです」
そうだったか、と笑いながら先輩は海老を丸一匹掴んで口に運びます。
先ほどから鳴っているこの香ばしい音は甲殻類の殻を強靭な歯で磨り潰す音でした。
目の前の炎髪の女性はプレイヤー名『ティティス』
リアルでは高校のときの部活の先輩です。
居残り練習とかでよくいじめられ――こほん、可愛がられたりしてもらっていたそんな感じの間柄です。
「でも先輩が《Imaginaire Candrillon》をやっているとは思いませんでしたよ。ゲームとか好きだったんですか?」
「全然。このゲームも兄貴がやろうとしてたのを気まぐれでぶんどって始めて見ただけだ。そしたらハマっちまった。魔物だろうがプレイヤーだろうが勝負に勝つのは楽しいもんだ」
でましたよ根っからの戦闘狂。
そして名前も知らない先輩のお兄さんに合掌。
こんな妹をもって大変でしょう……強く生きてください、私からはそれだけです。
「で、先輩はこの世界で何をしたんですか?」
「あーん、別に何もしてねぇけど?」
嘘つけ。
何もしてないんならこの周りから受ける熱烈なラブコールをどう説明するんですか。
でもまあ何となく想像はできます。
「先輩が最近で印象に残っていることは何ですか?」
「印象……そうだな。二日前に狩場の争奪で言い争っているパーティを見つけてな、いつまでもぐちぐち言い争っててムカついたから全員燃やした」
「よく何もしてないなんて言えましたね」
短気で喧嘩っ早く、傲慢だがそれだけの実力がある。
その性格で先輩のチームメイトがよく泣かされていたのを覚えています。
「弱きを燃やし強きも燃やす。それがオレの信条だ」
「名言っぽく言ってもそれではただの放火魔です」
ぐしゃッ、と海老の殻を握りつぶしながら宣言する先輩に突っ込んでおきました。
たぶん、この人は聞きませんけど。
「さて、腹も膨れたし行くとするか」
先輩は満足そうに腹を叩いた後すぐに立ち上がりました。
我が道を行くとはこのようなことを言うのでしょう。
私はため息を一つついてから急いで魚介のスープを飲み干します。
「待ってくださいよ、先輩」
私は先輩の後を追おうとテーブルを立ったとき――。
「お客さん、お会計」
強面の料理長っぽい人に肩をガシッと掴まれました。
先輩の姿はもうありません。
「おいくらですか?」
「3,500ガルド」
チュートリアル時に貰ったガルドはたしか4,000ガルドでしたね。
「…………ふむ」
こうして私の初期ガルドは大空へと羽ばたいていきました。
ふざけんな、こんちくしょう。
***
店を出て、勇み足でどこかへ向かう炎髪の背中を追いかけます。
「先輩、どこに行くつもりですか?」
「狩りだよ」
「まずその説明をして下さい。先輩の口は飾りですか?」
「カカッ! オレにそんな口を聞けるのはお前だけだよ!」
だから気に入ってんだ、と先輩は私の頭を撫で回します、痛い痛い。
冗談じゃなく痛い、たぶんステータス差の影響でしょう。
だってHPがみるみる減ってますもん、先輩、ストップ!
「そもそも初心者にはまず街案内とかじゃないですか?」
「やだよ。つまんねぇ」
「先輩はどこまでも自分が世界の中心ですね」
こうなってしまった先輩は言うことを聞きません。
初期装備で冒険に行くのは少し気が引けますが、仕方がないと諦めましょう。
「ならせめて初心者でも問題ない狩場にして下さい」
「当たり前だ。お前オレを何だと思ってんだ?」
人間の言葉を話す爆薬庫だと思っています。
言ったらたぶん怒るので言いませんけど。
「そーいや初期武器は何にしたんだ?」
先輩が何の気もなしに聞いてきます。
チュートリアルでアイさんに見せられた武器カタログには細かく部類分けすれば百を超える選択肢がありました。
西洋剣に刀にレイピア、弓やボウガンに苦無やチャクラムといった変わり種まで。
そんな中で私が選んだのはーー。
「私はこれです」
言って両拳に装備した、蒼い宝玉の付いた皮手袋を見せつけました。
私の初期装備は術式篭手。
攻撃方法は強化魔法をかけた拳でぶん殴るといった、頭の悪そうな物理全振りの超近距離武器です。
「ああ、なるほど。お前らしくていいんじゃねぇの?」
先輩は、いかにも悪役! みたいな笑みを浮かべます。
それを見た隣の女の子が泣き出しましたけど気付かなかったことにしましょう。
と、そのタイミングで――。
「ハァッ!!」
「…………っ」
かち合わされる金属音。
短い気合と共に、重く、高く、弾け合う剣気のせめぎ合い。
音のする方に視線を向ければ、そこで繰り広げられるのは剣戟による命の奪い合いでした。
「この国に仇為す者を私は許さない!」
まず片方は女騎士。
輝きを閉じ込めた黄色い目に、ひたすら目を引く桜色の長い髪。
その身を包むのは白を基調として蒼いラインの入った銀鎧。
手に持つレイピアは際限なく黄金の色彩を放ち続けており、近くにいるだけで波打つような闘気を感じられました。
「…………」
もう片方は黒頭巾と称しておきましょう。
全身黒ずくめで顔も頭巾のせいでよく見えません。
女騎士の攻撃を躱しながら時折ナイフで素早い一撃。
キィィィン! と澄んだ金属音を発しながらお互いの剣撃が交わります。
「ここで始まったか」
先輩は何やら分かった風な口ぶりで二人の戦いを見ています。
「先輩、何か知ってるんですか?」
「女のほうは知ってるが黒いほうは知らねぇ。あの騎士様は聖樹騎士団……あー、この国のウィードの中で最強の騎士団の副団長様だ。美人で気高くてプレイヤーのなかでファンクラブができるほどの人気なんだとよ。オレも一回だけ戦ったことがあるがいい女だったよ」
先輩のいい女の基準はたしか『強い女性』という意味でしたね。
「ところでウィードとは?」
「NPCの総称。プレイヤーじゃねぇ人間」
なるほど、NPCの総称……え?
あの女騎士様ってNPCなんですか?
あの人の剣を振るときの表情とか叫びの中に含まれる感情的なものは全部作り物?
「改めて、この世界すげぇって思いましたよ」
「オレがハマるだけあるだろ?」
なぜ貴女が自慢気味なのでしょうか?
「ところでほっといていいんですか?」
続けて二度三度と繰り返される剣舞を眺めながら私は尋ねます。
先輩は苦い顔をしながら――。
「手ぇ出してぇところだかオレは無理だ。バトルエリア外でNPCと戦うとペナルティになっちまう。それに、これはお前のイベントだ」
と、答えました。
私のイベントですか?
「どういう意味で?」
「負けイベントだ」
「もう少し詳しく」
「《Imaginaire Candrillon》を始めたばかりのプレイヤーの近くで必ず現れるイベントがある。対立しているウィードを見つけて、それを助けるかどうかってクエストがな」
その時、ピコンと私の意志を無視して目の前にウィンドウが現れました。
そこに示された一文。
【クエスト『騎士の剣は国の剣』発生】
【クリア条件:聖樹騎士団副団長アリシア・レイホープに加勢する】
「これのことですね」
「そうだ」
「負けイベントとは?」
「このクエストだが、プレイヤーは絶対に勝てない。そういうふうにできてる」
先輩は自分のウィンドウを弄って、何やら双眼鏡みたいなものを取り出しました。
それでウィードの二人を観察しながら説明を続けます。
「あの黒ずくめのレベルは18だな。レベル1のお前じゃ絶対に勝てない。ステータスが違う。ここまで露骨に差が出てるのは珍しいが、それでもこのクエストは圧倒的な格上が相手になる」
「それでは絶対にデスぺナを受けると?」
「そうはならない。プレイヤー側のHPが半分くらいまで減ったら何かしらの理由で戦闘は中断になる。助太刀した方が隠していた奥義を解放するとか、お相手さんが急に逃げ出すとかな。クエストをよく見てみろよ。クリア条件は相手を倒すんじゃなくて戦いに参戦することだろ?」
確かに、クリア条件には加勢するとしか書いてありませんね。
「ネットでは、新入りにこの世界のリアルさを見せるための運営側のデモじゃないかって言われてる。ここで参戦せずに見殺しにした誰かが本当に死んじまったりしたらは永遠にこの世界から消える。オレの知ってるうちじゃどっかの国王が死んだって話を聞いたな」
国王、その肩書きは間違いなく重要なNPC、もといウィード。
そんな人物が死ねば、たとえゲーム内の世界といえど何かしらの変動が起きたことでしょう。
この世界は生きている――そう思わせる誰かの意図を感じますね。
「つまり私がここで参戦しなければ、あの騎士様が死ぬ可能性があると?」
「参戦しても死ぬ可能性はあるぞ。お前のHPが半分を切った瞬間に騎士様が命を賭けた奥義を発動するとかな。そんな例もなかったわけじゃねぇ」
なるほど、だいたいの事情は分かりました。
「つまり、私があの黒頭巾を倒してしまえばハッピーエンドですね」
先輩が目を丸くしました。
この人のこんな表情は珍しいですね。
「本気かよ、この野郎」
「戦う前から私が負ける気でいると思いますか?」
「思わねぇよな、そりゃ」
先輩は呵々大笑と大空を見上げます。
そして。
「ぶちかませ」
「仰せのままに」
こうして、私の初めてのクエストがスタートしました。
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