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第11話 師弟の契り
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Side 降井蘭月
今更ですが、時計を見ると本当にあの世界は現実と時間の進みが違うのですね。
うろ覚えですがプレイ時間は六時間ちょい。
ですが、現実での時間は時計の短針が二つと進んでいませんでした。
大学生活や未だに続けているアルバイトなどを考えるとこの機能は便利のように見えますが、逆に考えるともしリアルで一日ログインができないとなると《Imaginaire Candrillon》では四日間も時間が流れてしまうということに。
「期間限定クエストなどがあれば厄介ですね」
そんなこんなを考えながら私はとりあえず済ませられることを済ませることにしました。
ご飯を食べてお風呂に入って携帯のメッセージアプリに入っていた着信を返して――。
その全ての行動の中でも、頭の中ではアルメディアさんとの戦いを思い描いていました。
「絶対に辿り着いて見せますよ」
六時間が過ぎ、私は再びヘッドギア型の専用ハードを被りました。
可能性と、戦いの中にある興奮を求めて。
私は再び《Imaginaire Candrillon》の世界へと――。
***
Side ルフラン
ログインポイントを街のセーブエリアか私がデスした座標かに選べたので後者を選択しました。
暗転した視界が色彩を取り戻して、私は《Imaginaire Candrillon》に戻ってきたことを確認します。
確かにここは、私が六時間前にデスしたポイント。
素朴な小屋に、一本の巨大な木。
涼やかな泉には水浴びをしている見事なプロポーションを誇る美女がいて……。
「わお」
アルメディアさん、水浴び、全裸。
片言の情報が脳内を高速回転して、次の自分の行動を選択します。
まず《Imaginaire Candrillon》は全年齢対象ゲームです。
しかし、仮想現実を語るだけありプレイヤー同士はもちろん、ウィードに対しての行き過ぎたハラスメント行為は言うまでもなく禁止行為。
それを破った場合には相応の罰則が存在します。
ですがこのハラスメント行為というものは実証が曖昧です。
被害者の感情によって左右されるこの犯罪行為は非常に判断が難しく、ましてやプログラムによって動くウィード達が何を以てハラスメントだと認識するのか、その線引きをコードで再現することは可能なのか。
倫理、モラル、マナー、言葉にできても形のないこれらの要素をどう処理する?
それは答えのない問いでしょう。
ならばどうする、と私の本能が問いかけます。
時間にしては秒にも満たない思考。
それを挟んだ私の行動は――。
「御一緒してもよろしいでしょうか!」
答えがわからないのなら、とにかく前へ進め。
それが私の出した結論でした、文句は受け付けません。
私はウィンドウを操作して装備を全解除します。
いまから私はルフラン・パンツマンです。
さて、私の宣言を耳にしたアルメディアさんはこちらをきょとんと見ています。
しばらくの沈黙の後、濡れた髪をゆっくりと手で掻き上げました。
宝石のような水珠が散り、その女神もかくやという美貌に見惚れること数秒。
水纏いの女神はにっこりと笑いながら、両手で水を掬います。
そのまま思いっきり振りかぶって――。
「おおっとぉ! 手が滑ったぁぁぁ――ッッ!!」
ステータスの暴力によって放たれた高速の水弾が私へと襲いかかりました。
早い、ヤバい、ぶおおおおお! とか言いながら風を切っています。
私は上半身を反らして、その破壊的水弾を躱しました。
後ろでは大木がみちみち言いながら折れてますけど気付かなかったことにしましょう。
「すまない、ルフランくん。手が滑ってしまったようだ」
「いえいえ、手が滑ったなら仕方がありませんよ」
「そうだな、仕方がないよな」
あっはっは、と二人して笑ってみました。
何というか、とっても馬鹿みたいですね。
しばらく泉に二人分の笑い声が響いたかと思うと、やがてそれがぴたっと止み――。
「またまた手が滑ったぁぁぁぁ――ッッ!!」
「喰らってたまるかってんですよ!」
ひゅんひゅんひゅん! と、音速の水弾がマシンガンみたいに飛んできます。
極限の集中力を発揮して私はそれを躱し続けました。
この反応速度であればアルメディアさんの攻撃すらもついていけるのでは? と思うまでに身体が冴えわたっていました、煩悩って凄い。
さて、肝心のアルメディアさんですけど、水の飛沫の中で躍動するお姉さんボディはゲームのシステム的なものなのか大事な部分には不自然な光の靄がかかっていました。
それでもグラビア雑誌なんか比較にならない露出に私の眼鏡が光ります。
これでペナルティを受けても一片の悔いなし。
そんなアホみたいな思考が頭に過ぎった時です。
超スピードで背後に移動してきた全裸のセクシーお姉さんが、野良猫を持つかのように私の首根っこを摘まみました。
「ふははははっ、油断したなぁ!」
そのまま野球ボールを投げたみたいな勢いで泉へと投げ飛ばされます。
奇跡的な入水角度によりダメージはゼロ。
いや、おそらくアルメディアさんがそう計算して投げてくれたんでしょう。
ぶぱっ、と水面に顔を出した私を見下ろすアルメディアさん。
なんで水面に立っているんですか、忍者ですか?
「どうだいルフランくん、アタシの身体は?」
腰に手を当てて堂々とその黄金比たるプロポーションを見せつけてくるメルメディアさん。
公認の閲覧許可を貰った私は、その身体をマジマジと視姦して――。
「エロい」
「あはははっ! やっぱり馬鹿だろ、ルフランくん!」
本能が紡ぎだした結論に、アルメディアさんは御満悦な様子。
どうやら当人の許可があればハラスメント行為と見なされないようですね。
「そうさね。男の子が褒めてくれた身体だ。たまにはちゃんと洗ってみようか」
アルメディアさんはちょいと視線を小屋の方に向けた後。
「どうだい、ルフランくん。背中でも流してくれないかい?」
「是非」
人生最高峰の反射速度で私は頷きました。
***
小屋の裏には木製の浴槽があり、泉の水を汲んで魔法的な道具で温めていました。
湯を沸かす間、宣言通りにアルメディアさんの身体を洗うことに。
ふっ、私に背中を見せたな?
「覚悟してくださいね」
「なんの覚悟だい?」
疑問をよそに、私はシャンプーを手に零してアルメディアさんの緑の髪をわしゃわしゃし始めました。
さて、本気を出しますか。
「ん、あっ!?」
天使のように繊細に、悪魔のように大胆に。
私のシャンプー技術を前に、アルメディアさんは色っぽい声を発しながら震えています。
「な、なんだい、ルフランくん! その絶妙な、あっ、力加減は……んっ!?」
「妹がシャンプーにうるさい人間だったので」
妹が中学に上がるまで、シャンプー係は私の役目でした。
日に日に要求の上がる妹のシャンプー接待は負けず嫌いの性格も相まって、いまや私はプロのシャンプリストです……なにそれ。
「た、堪らない……」
「お気に召したようで何より」
うっとりと目を細めるアルメディアさんが熱い吐息を漏らします。
あれですね、なんか蠱惑的な背徳感がぞくぞくってしますね。
そこから背中を洗い流し、流石に前は自分で洗ってもらって二人で湯船に移動しました。
大きくない浴槽なので密着率がヤバいです。
背中に感じるむにゅって感覚は、女性についてるあれのむにゅですよね?
流石に心がむにゅむにゅしてきます……私は何を言っているんですか?
「ルフランくん、君は強くなりたいかい?」
私が煩悩に頭まで浸かっていると、不意にアルメディアさんが尋ねます。
「当然です」
そしてその答えは、私の中では常識とも言える当たり前の感情でした。
食欲と似た堪えようのない純粋な渇望。
降井蘭月という人間に定められた魂の宿業です。
「アタシも強くなりたい。行ける場所まで行ってみたい」
いつの間にか陽は沈み、空には無数の輝きが。
緑の髪に滴る水滴が月や星の光を浴びて、燦々と煌めいています。
夜空を見上げたアルメディアさんもきっと、星に手を伸ばす人なのでしょう。
私もそうで在りたいと思っています。
「ルフランくん。君をアタシの弟子にする」
「ありがとうございます」
もはや彼女を師範することに一切合財の迷いはありません。
それは、子供がいつか野球選手になりたいとでも言うような幼き憧憬。
いつか貴女に辿り着くために、ただひたすらに先にいる貴方の背中を追い続けるために。
そしていつか、追い抜かすために。
「弟子にするにあたって一つだけ条件がある。君が強くなったらもう一度、今度は手加減なしの全力勝負をアタシとしてくれないかい?」
「喜んで」
答えると、アルメディアさん――師匠は湯船から上がってこちらを向き直ります。
私もそれに続き、彼女の前で膝を折りました。
そうしなければいけないと、身体が自然と動いていました。
「永く続く武の螺旋を受け継ぎし者よ。新たな道を踏み出す若き輝きよ。我が授けし武の徒ルフランよ。アルメディア・トロワの名に従い、いまここに師弟の契りを交わそう」
「高名なるアルメディア・トロワ師よ。我が身体に、我が魂に誓いを。其の訓えを血肉とし、遥かなる高みへと手を伸ばし続けることを誓います」
脳内に溢れ出す言葉の羅列を口にしました。
こちらを見下ろす師匠の顔には穏やかな笑顔が浮かんでいます。
太陽の輝きとはまた違う静かな美しさがそこにはありました。
「よろしく頼むよ、アタシの初めての弟子」
「はい、師匠」
優しく頭を撫でられました。
次いで現れたウィンドウに流れるメッセージ。
【ジョブ【魔法拳士】に就きました】
これが私のこの世界でのジョブ。
遥か高みを目指すために、真正面からその肩書きを受け入れます。
期待、好奇心、私の中に生まれた感情は途方もないワクワクでした。
「しかし、あれだね」
師匠は緑の髪を掻き上げながら、どこか可笑しそうに言いました。
「師弟の契りは全裸でやるもんじゃないね」
「それ言っちゃ台無しじゃないですか?」
半眼でツッコむと同時、月空の下で師匠は豪快なくしゃみをしました。
今更ですが、時計を見ると本当にあの世界は現実と時間の進みが違うのですね。
うろ覚えですがプレイ時間は六時間ちょい。
ですが、現実での時間は時計の短針が二つと進んでいませんでした。
大学生活や未だに続けているアルバイトなどを考えるとこの機能は便利のように見えますが、逆に考えるともしリアルで一日ログインができないとなると《Imaginaire Candrillon》では四日間も時間が流れてしまうということに。
「期間限定クエストなどがあれば厄介ですね」
そんなこんなを考えながら私はとりあえず済ませられることを済ませることにしました。
ご飯を食べてお風呂に入って携帯のメッセージアプリに入っていた着信を返して――。
その全ての行動の中でも、頭の中ではアルメディアさんとの戦いを思い描いていました。
「絶対に辿り着いて見せますよ」
六時間が過ぎ、私は再びヘッドギア型の専用ハードを被りました。
可能性と、戦いの中にある興奮を求めて。
私は再び《Imaginaire Candrillon》の世界へと――。
***
Side ルフラン
ログインポイントを街のセーブエリアか私がデスした座標かに選べたので後者を選択しました。
暗転した視界が色彩を取り戻して、私は《Imaginaire Candrillon》に戻ってきたことを確認します。
確かにここは、私が六時間前にデスしたポイント。
素朴な小屋に、一本の巨大な木。
涼やかな泉には水浴びをしている見事なプロポーションを誇る美女がいて……。
「わお」
アルメディアさん、水浴び、全裸。
片言の情報が脳内を高速回転して、次の自分の行動を選択します。
まず《Imaginaire Candrillon》は全年齢対象ゲームです。
しかし、仮想現実を語るだけありプレイヤー同士はもちろん、ウィードに対しての行き過ぎたハラスメント行為は言うまでもなく禁止行為。
それを破った場合には相応の罰則が存在します。
ですがこのハラスメント行為というものは実証が曖昧です。
被害者の感情によって左右されるこの犯罪行為は非常に判断が難しく、ましてやプログラムによって動くウィード達が何を以てハラスメントだと認識するのか、その線引きをコードで再現することは可能なのか。
倫理、モラル、マナー、言葉にできても形のないこれらの要素をどう処理する?
それは答えのない問いでしょう。
ならばどうする、と私の本能が問いかけます。
時間にしては秒にも満たない思考。
それを挟んだ私の行動は――。
「御一緒してもよろしいでしょうか!」
答えがわからないのなら、とにかく前へ進め。
それが私の出した結論でした、文句は受け付けません。
私はウィンドウを操作して装備を全解除します。
いまから私はルフラン・パンツマンです。
さて、私の宣言を耳にしたアルメディアさんはこちらをきょとんと見ています。
しばらくの沈黙の後、濡れた髪をゆっくりと手で掻き上げました。
宝石のような水珠が散り、その女神もかくやという美貌に見惚れること数秒。
水纏いの女神はにっこりと笑いながら、両手で水を掬います。
そのまま思いっきり振りかぶって――。
「おおっとぉ! 手が滑ったぁぁぁ――ッッ!!」
ステータスの暴力によって放たれた高速の水弾が私へと襲いかかりました。
早い、ヤバい、ぶおおおおお! とか言いながら風を切っています。
私は上半身を反らして、その破壊的水弾を躱しました。
後ろでは大木がみちみち言いながら折れてますけど気付かなかったことにしましょう。
「すまない、ルフランくん。手が滑ってしまったようだ」
「いえいえ、手が滑ったなら仕方がありませんよ」
「そうだな、仕方がないよな」
あっはっは、と二人して笑ってみました。
何というか、とっても馬鹿みたいですね。
しばらく泉に二人分の笑い声が響いたかと思うと、やがてそれがぴたっと止み――。
「またまた手が滑ったぁぁぁぁ――ッッ!!」
「喰らってたまるかってんですよ!」
ひゅんひゅんひゅん! と、音速の水弾がマシンガンみたいに飛んできます。
極限の集中力を発揮して私はそれを躱し続けました。
この反応速度であればアルメディアさんの攻撃すらもついていけるのでは? と思うまでに身体が冴えわたっていました、煩悩って凄い。
さて、肝心のアルメディアさんですけど、水の飛沫の中で躍動するお姉さんボディはゲームのシステム的なものなのか大事な部分には不自然な光の靄がかかっていました。
それでもグラビア雑誌なんか比較にならない露出に私の眼鏡が光ります。
これでペナルティを受けても一片の悔いなし。
そんなアホみたいな思考が頭に過ぎった時です。
超スピードで背後に移動してきた全裸のセクシーお姉さんが、野良猫を持つかのように私の首根っこを摘まみました。
「ふははははっ、油断したなぁ!」
そのまま野球ボールを投げたみたいな勢いで泉へと投げ飛ばされます。
奇跡的な入水角度によりダメージはゼロ。
いや、おそらくアルメディアさんがそう計算して投げてくれたんでしょう。
ぶぱっ、と水面に顔を出した私を見下ろすアルメディアさん。
なんで水面に立っているんですか、忍者ですか?
「どうだいルフランくん、アタシの身体は?」
腰に手を当てて堂々とその黄金比たるプロポーションを見せつけてくるメルメディアさん。
公認の閲覧許可を貰った私は、その身体をマジマジと視姦して――。
「エロい」
「あはははっ! やっぱり馬鹿だろ、ルフランくん!」
本能が紡ぎだした結論に、アルメディアさんは御満悦な様子。
どうやら当人の許可があればハラスメント行為と見なされないようですね。
「そうさね。男の子が褒めてくれた身体だ。たまにはちゃんと洗ってみようか」
アルメディアさんはちょいと視線を小屋の方に向けた後。
「どうだい、ルフランくん。背中でも流してくれないかい?」
「是非」
人生最高峰の反射速度で私は頷きました。
***
小屋の裏には木製の浴槽があり、泉の水を汲んで魔法的な道具で温めていました。
湯を沸かす間、宣言通りにアルメディアさんの身体を洗うことに。
ふっ、私に背中を見せたな?
「覚悟してくださいね」
「なんの覚悟だい?」
疑問をよそに、私はシャンプーを手に零してアルメディアさんの緑の髪をわしゃわしゃし始めました。
さて、本気を出しますか。
「ん、あっ!?」
天使のように繊細に、悪魔のように大胆に。
私のシャンプー技術を前に、アルメディアさんは色っぽい声を発しながら震えています。
「な、なんだい、ルフランくん! その絶妙な、あっ、力加減は……んっ!?」
「妹がシャンプーにうるさい人間だったので」
妹が中学に上がるまで、シャンプー係は私の役目でした。
日に日に要求の上がる妹のシャンプー接待は負けず嫌いの性格も相まって、いまや私はプロのシャンプリストです……なにそれ。
「た、堪らない……」
「お気に召したようで何より」
うっとりと目を細めるアルメディアさんが熱い吐息を漏らします。
あれですね、なんか蠱惑的な背徳感がぞくぞくってしますね。
そこから背中を洗い流し、流石に前は自分で洗ってもらって二人で湯船に移動しました。
大きくない浴槽なので密着率がヤバいです。
背中に感じるむにゅって感覚は、女性についてるあれのむにゅですよね?
流石に心がむにゅむにゅしてきます……私は何を言っているんですか?
「ルフランくん、君は強くなりたいかい?」
私が煩悩に頭まで浸かっていると、不意にアルメディアさんが尋ねます。
「当然です」
そしてその答えは、私の中では常識とも言える当たり前の感情でした。
食欲と似た堪えようのない純粋な渇望。
降井蘭月という人間に定められた魂の宿業です。
「アタシも強くなりたい。行ける場所まで行ってみたい」
いつの間にか陽は沈み、空には無数の輝きが。
緑の髪に滴る水滴が月や星の光を浴びて、燦々と煌めいています。
夜空を見上げたアルメディアさんもきっと、星に手を伸ばす人なのでしょう。
私もそうで在りたいと思っています。
「ルフランくん。君をアタシの弟子にする」
「ありがとうございます」
もはや彼女を師範することに一切合財の迷いはありません。
それは、子供がいつか野球選手になりたいとでも言うような幼き憧憬。
いつか貴女に辿り着くために、ただひたすらに先にいる貴方の背中を追い続けるために。
そしていつか、追い抜かすために。
「弟子にするにあたって一つだけ条件がある。君が強くなったらもう一度、今度は手加減なしの全力勝負をアタシとしてくれないかい?」
「喜んで」
答えると、アルメディアさん――師匠は湯船から上がってこちらを向き直ります。
私もそれに続き、彼女の前で膝を折りました。
そうしなければいけないと、身体が自然と動いていました。
「永く続く武の螺旋を受け継ぎし者よ。新たな道を踏み出す若き輝きよ。我が授けし武の徒ルフランよ。アルメディア・トロワの名に従い、いまここに師弟の契りを交わそう」
「高名なるアルメディア・トロワ師よ。我が身体に、我が魂に誓いを。其の訓えを血肉とし、遥かなる高みへと手を伸ばし続けることを誓います」
脳内に溢れ出す言葉の羅列を口にしました。
こちらを見下ろす師匠の顔には穏やかな笑顔が浮かんでいます。
太陽の輝きとはまた違う静かな美しさがそこにはありました。
「よろしく頼むよ、アタシの初めての弟子」
「はい、師匠」
優しく頭を撫でられました。
次いで現れたウィンドウに流れるメッセージ。
【ジョブ【魔法拳士】に就きました】
これが私のこの世界でのジョブ。
遥か高みを目指すために、真正面からその肩書きを受け入れます。
期待、好奇心、私の中に生まれた感情は途方もないワクワクでした。
「しかし、あれだね」
師匠は緑の髪を掻き上げながら、どこか可笑しそうに言いました。
「師弟の契りは全裸でやるもんじゃないね」
「それ言っちゃ台無しじゃないですか?」
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