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番外編
罪の重さ side奏
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あれから俺たちは結城先生が借りてくれた施設から徒歩10分くらいのマンションに一緒に住み始めた。それと同時に番契約と入籍をした。
まだ生活力のない俺はバイトをしているが俺の両親にも頼ってしまっている。
純平に俺の両親を紹介した時、両親は謝ってた。純平の存在を知らずに俺を野放しにしていた事を…純平は笑って今が幸せだからいいですって言ってくれた。
純平と再会できて愛を確かめ合うことができた。俺の事も許してくれたけど…でも俺は…
「結城先生…」
「あら?奏くん、どうしたの?」
「俺…純平の事恨んで、ほっといて言えない事してきて…その間に純平、ヒートに苦しんで自殺未遂までしてて…純平許してくれたけど…でも…俺は罪を犯したと思ってます。罰せられる事をしたと…」
「罪の重さを感じてるの?」
「…そうかも知れません。」
「奏くんがどんなに謝っても純平くんが辛い思いした過去は消えない。それより奏くんがした事を知った方が純平くんは苦しむ。彼は自己肯定感が低すぎだから、あなたの過去を知ったら、やっぱり自分はいない方がいいんじゃないかって、番にならなければ…って絶対に思う。また自分の心に蓋をする可能性だってある。純平くんに自分の過去を隠す事も優しさで…彼の心の不安を取り除いてやれるんじゃないのかな?」
「そうですね…わかりました」
そう言われても自分の罪の重さを感じていた。自分がいた場所よりも遠いこの街だが、いつ自分と関わった人と会わないか…もし会ってしまったら…俺のことを人伝に聞いた時、純平に嫌われてしまうかもしれない…軽蔑されたら…そう思うことが増えていった…
講義がある日は大学に行き、そのまま塾の講師をして帰ってくるのは21時を回ることも多い。
純平は家事全般、全てやってくれ昼間は健太さんと買い物にいったり施設のお掃除にも行ってるらしい。
「ただいま。純平」
「おかえり奏」
玄関で触れるだけのキスを落とす。
「今日はどうだった?」
「ん?健太さんと買い物に行ってきたよ」
「足の具合は?転ばなかった?」
「今日は大丈夫だったよ」
純平はまだふらつく事もあり、1人では、まだ出歩かないように買い物は健太さんや施設の人と行くようにしている。
「ねぇー奏。アルファってなんで何人も番を持てるのかな?」
「…えっ」
「どうして、オメガは番になったらその人だけなの?拒否反応が出ちゃったりするの?番を解消する薬とかできないのかな?そしたら苦しむ人が減るのに…」
「それはっ…」
「なんで奏はオメガの事、勉強する為にあの大学に来たの?僕と会ったのは偶然?それとも…」
「純平…ごめんなっ…本当ごめん。俺…っ…」
「…ごめん。…ちょっと今日、施設で色々聞いて…酷いアルファって一部でもいるんだなぁーって…あそこにいるオメガはみんな過去に番と色々あった人たちだから……奏も誰かと番たいと思った事あったでしょ?昔からモテててたし…俺の事、記憶になかったなら番、持てただろうし、まぁーいないからこうやって一緒にいられるんだけどね」
「確かに俺は…酷い、クズなアルファだと思う。そう言われても仕方ない事をしてきたんだ…でも今まで1度も誰かと番たいと思った事はないよっ…純平と…純平だけを番にしたかったんだから…」
「そんなにクズな事したの?例えば?」
「それはっ…まぁー若かったのと色々あって…なんというか…」
「結構、酷いことしてたんだ…僕、奏に思い出してもらえなかったらどーなってたんだろうね…僕に言えないの?教えて欲しいんだけど…教えたくないの?ねぇー奏?」
「純平…どうした?今日、何があった?純平が聞きたいのなら全部教えてもいい…でもそれで純平を傷つけることもあるかもしれないと思うと…言えないよ…純平に辛い思いさせたくないから…純平に軽蔑されると思う…」そういうと純平は涙を浮かべて
「僕、知ってるよ…聞いたんだ…昔…奏が…ぐすっ…色んな人とエッチしてたって…」
「…それはっ…」
「奏にとっては僕なんかと番にならない方がよかった?ちゃんと学校にも出てないし、体に傷つけちゃったし…歩くのもへたっぴだし…それに…それに」純平の言葉を遮って抱きしめた。
「純平、俺が悪いんだ。純平は悪くない。俺がズルかったんだっ…純平に番ができたってわかったあの日、どうしようもない喪失感で、それで…っ…その…確かにそういう事はしたっ…軽蔑されても仕方がないと思う。でも…オメガだけは…純平を思いだすから…手は…出さなかった…本当にごめん」
「そっかぁーあの時、言えばよかったね。番相手は奏だよって…でも僕、言わなかった…言えなかった…みんなにも言わないでって…奏に運命の番ができるかもしれないと思って…でもあんなに苦しくて辛くなるなんて、あの時わからなかったから…」
「純平…どんなに謝っても俺は…許されないことをした。軽蔑されたっていい…でも俺の運命の番は純平だし、純平の運命の番も俺だよ。」
「っ…僕、奏の運命の番なの?これからずっとずっと一緒?」
「当たり前だよ。純平は俺だけの番でオメガだから」
「…うん。わかった。じゃあー奏にはお仕置きしよっ」
「お仕置き?…」
「うん。色々としてきたんだろけど、僕聞いただけだから…過去を恨んでも仕方ないし……何がいいかな?僕と離れて暮らすとか?僕と喋らないとか…」
「いやいや…純平?」
「それは僕も寂しくて泣いちゃいそうだから…うーん……あ!」
「どうした?」
「ちょっと待ってて…」
そう言って俺の腕から離れていった…純平は大丈夫なんだろうか?俺のこと軽蔑したよな…純平の心が崩れないようにするにはどうすれば…
「なに難しい顔してるの?これ…今日から1週間つけてね。俺はほぼ付けたことないからわからないけど…それしてると目立つし、色んな人から見られるでしょ?そしたらオメガの人の気持ち少しは理解するかな?あ!服で隠したりはしないでよ!」
「これは流石に…これがお仕置…き?」
「ごめん…っお仕置きってどうすればわからなくて…叩かれる事とか施設長に奉仕されられる事しか知らないからっ…そんな痛い事、苦しいこと奏にできないし…」
「純平…もういい。もういいから…何にも知らなくてごめん。純平にいっぱい辛い思いさせたのは俺だよ。純平が悪いんじゃない。俺が全部悪い。純平は何も悪くないんだよ。かなり恥ずいけど…明日からつけるよ。学校と塾と…大丈夫かな?俺?」
「今日から、今から付けるのそれ…つけてあげるからっねーその前にお風呂入ろうっ…一緒に…入ってくれるっ?」
「もちろん!一緒に入ろう。今すぐ入るよ。はい行くよー」
「わっ」
純平を抱えてお風呂場に向かった…
純平のお仕置きは俺が1週間、オメガ用の「チョーカー」を付けて歩くことだったっ…
大学も塾も…みんな俺がアルファだったと知っている。結婚した事だって知ってる。
でも純平はそんな事しか思い浮かばない…って…
大好きで可愛い番をこれから、心穏やかに明日も過ごせるように…そう思いながら今日も純平を腕に閉じ込めて眠りにつく…
「愛してるよ純平。これから、どんな事があってもずっとずっと一緒だから。安心していいからね…」
まだ生活力のない俺はバイトをしているが俺の両親にも頼ってしまっている。
純平に俺の両親を紹介した時、両親は謝ってた。純平の存在を知らずに俺を野放しにしていた事を…純平は笑って今が幸せだからいいですって言ってくれた。
純平と再会できて愛を確かめ合うことができた。俺の事も許してくれたけど…でも俺は…
「結城先生…」
「あら?奏くん、どうしたの?」
「俺…純平の事恨んで、ほっといて言えない事してきて…その間に純平、ヒートに苦しんで自殺未遂までしてて…純平許してくれたけど…でも…俺は罪を犯したと思ってます。罰せられる事をしたと…」
「罪の重さを感じてるの?」
「…そうかも知れません。」
「奏くんがどんなに謝っても純平くんが辛い思いした過去は消えない。それより奏くんがした事を知った方が純平くんは苦しむ。彼は自己肯定感が低すぎだから、あなたの過去を知ったら、やっぱり自分はいない方がいいんじゃないかって、番にならなければ…って絶対に思う。また自分の心に蓋をする可能性だってある。純平くんに自分の過去を隠す事も優しさで…彼の心の不安を取り除いてやれるんじゃないのかな?」
「そうですね…わかりました」
そう言われても自分の罪の重さを感じていた。自分がいた場所よりも遠いこの街だが、いつ自分と関わった人と会わないか…もし会ってしまったら…俺のことを人伝に聞いた時、純平に嫌われてしまうかもしれない…軽蔑されたら…そう思うことが増えていった…
講義がある日は大学に行き、そのまま塾の講師をして帰ってくるのは21時を回ることも多い。
純平は家事全般、全てやってくれ昼間は健太さんと買い物にいったり施設のお掃除にも行ってるらしい。
「ただいま。純平」
「おかえり奏」
玄関で触れるだけのキスを落とす。
「今日はどうだった?」
「ん?健太さんと買い物に行ってきたよ」
「足の具合は?転ばなかった?」
「今日は大丈夫だったよ」
純平はまだふらつく事もあり、1人では、まだ出歩かないように買い物は健太さんや施設の人と行くようにしている。
「ねぇー奏。アルファってなんで何人も番を持てるのかな?」
「…えっ」
「どうして、オメガは番になったらその人だけなの?拒否反応が出ちゃったりするの?番を解消する薬とかできないのかな?そしたら苦しむ人が減るのに…」
「それはっ…」
「なんで奏はオメガの事、勉強する為にあの大学に来たの?僕と会ったのは偶然?それとも…」
「純平…ごめんなっ…本当ごめん。俺…っ…」
「…ごめん。…ちょっと今日、施設で色々聞いて…酷いアルファって一部でもいるんだなぁーって…あそこにいるオメガはみんな過去に番と色々あった人たちだから……奏も誰かと番たいと思った事あったでしょ?昔からモテててたし…俺の事、記憶になかったなら番、持てただろうし、まぁーいないからこうやって一緒にいられるんだけどね」
「確かに俺は…酷い、クズなアルファだと思う。そう言われても仕方ない事をしてきたんだ…でも今まで1度も誰かと番たいと思った事はないよっ…純平と…純平だけを番にしたかったんだから…」
「そんなにクズな事したの?例えば?」
「それはっ…まぁー若かったのと色々あって…なんというか…」
「結構、酷いことしてたんだ…僕、奏に思い出してもらえなかったらどーなってたんだろうね…僕に言えないの?教えて欲しいんだけど…教えたくないの?ねぇー奏?」
「純平…どうした?今日、何があった?純平が聞きたいのなら全部教えてもいい…でもそれで純平を傷つけることもあるかもしれないと思うと…言えないよ…純平に辛い思いさせたくないから…純平に軽蔑されると思う…」そういうと純平は涙を浮かべて
「僕、知ってるよ…聞いたんだ…昔…奏が…ぐすっ…色んな人とエッチしてたって…」
「…それはっ…」
「奏にとっては僕なんかと番にならない方がよかった?ちゃんと学校にも出てないし、体に傷つけちゃったし…歩くのもへたっぴだし…それに…それに」純平の言葉を遮って抱きしめた。
「純平、俺が悪いんだ。純平は悪くない。俺がズルかったんだっ…純平に番ができたってわかったあの日、どうしようもない喪失感で、それで…っ…その…確かにそういう事はしたっ…軽蔑されても仕方がないと思う。でも…オメガだけは…純平を思いだすから…手は…出さなかった…本当にごめん」
「そっかぁーあの時、言えばよかったね。番相手は奏だよって…でも僕、言わなかった…言えなかった…みんなにも言わないでって…奏に運命の番ができるかもしれないと思って…でもあんなに苦しくて辛くなるなんて、あの時わからなかったから…」
「純平…どんなに謝っても俺は…許されないことをした。軽蔑されたっていい…でも俺の運命の番は純平だし、純平の運命の番も俺だよ。」
「っ…僕、奏の運命の番なの?これからずっとずっと一緒?」
「当たり前だよ。純平は俺だけの番でオメガだから」
「…うん。わかった。じゃあー奏にはお仕置きしよっ」
「お仕置き?…」
「うん。色々としてきたんだろけど、僕聞いただけだから…過去を恨んでも仕方ないし……何がいいかな?僕と離れて暮らすとか?僕と喋らないとか…」
「いやいや…純平?」
「それは僕も寂しくて泣いちゃいそうだから…うーん……あ!」
「どうした?」
「ちょっと待ってて…」
そう言って俺の腕から離れていった…純平は大丈夫なんだろうか?俺のこと軽蔑したよな…純平の心が崩れないようにするにはどうすれば…
「なに難しい顔してるの?これ…今日から1週間つけてね。俺はほぼ付けたことないからわからないけど…それしてると目立つし、色んな人から見られるでしょ?そしたらオメガの人の気持ち少しは理解するかな?あ!服で隠したりはしないでよ!」
「これは流石に…これがお仕置…き?」
「ごめん…っお仕置きってどうすればわからなくて…叩かれる事とか施設長に奉仕されられる事しか知らないからっ…そんな痛い事、苦しいこと奏にできないし…」
「純平…もういい。もういいから…何にも知らなくてごめん。純平にいっぱい辛い思いさせたのは俺だよ。純平が悪いんじゃない。俺が全部悪い。純平は何も悪くないんだよ。かなり恥ずいけど…明日からつけるよ。学校と塾と…大丈夫かな?俺?」
「今日から、今から付けるのそれ…つけてあげるからっねーその前にお風呂入ろうっ…一緒に…入ってくれるっ?」
「もちろん!一緒に入ろう。今すぐ入るよ。はい行くよー」
「わっ」
純平を抱えてお風呂場に向かった…
純平のお仕置きは俺が1週間、オメガ用の「チョーカー」を付けて歩くことだったっ…
大学も塾も…みんな俺がアルファだったと知っている。結婚した事だって知ってる。
でも純平はそんな事しか思い浮かばない…って…
大好きで可愛い番をこれから、心穏やかに明日も過ごせるように…そう思いながら今日も純平を腕に閉じ込めて眠りにつく…
「愛してるよ純平。これから、どんな事があってもずっとずっと一緒だから。安心していいからね…」
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