27 / 27
番外編
2人の命
しおりを挟む
予定帝王切開の日が近づいてきた。不安だったりすることもあるけど奏が背後から抱きしめてくれてお腹を撫でてくれる。それだけで安心して毎日眠れるけど…やっぱり正面から抱きしめて欲しい。お腹が大きくなってしまって無理だけど…
「純平、明日から入院だけど支度できた?」
「うん。お母さんが手伝ってくれたから大丈夫」
「明後日にはもう赤ちゃんが産まれるのか…楽しみだな」
「…っうん」
「どうした?何が不安?」
「やっぱり…手術怖いなーって…」
「そうだよな。不安だよな。でも俺も一緒に入るから。ずっと手を握っててあげるよ」
「本当?」
「うん。本当。だから安心して」
手術は不安だ。でも赤ちゃんに会える…頑張らないと。
入院当日は奏がずっと一緒にいてくれた。先生や看護師さんに明日の説明をしてもらった。
「明日、会えるね。楽しみだね」
「うん…緊張してるけど」
「大丈夫。一緒に赤ちゃんに会おうね」
手術当日
朝9時からの手術のため朝から準備が行われた。
点滴をつけ、手術着に着替え、奏と一緒に手術室に向かった。俺は腰椎麻酔をする為に少しお別れだ。
「純平、後でね。またすぐ会えるから」抱きしめてキスをしてくれた。
予定通り手術が始まり僕は女の子を産んだ。
「オギャーオギャー」
「佐伯さんおめでとう。元気な女の子よ。よく頑張ったね」
「純平、頑張ったな。ありがとう。俺の子を産んでくれて」
「奏…ありがとう」
2人でぼろぼろ泣いてしまった。
手術中、奏は僕の手をずっと握っててくれて安心した。
術後は痛みがあったけど先生が痛み止めの処置をしてくれて、奏も側にいてくれたので落ち着いていられた。
産まれた女の子は奏にそっくりな琥珀色の瞳に、僕に似た大きな目だった。
「かわいい。大きくなるんだよ」
「純平…名前どうしようか?」
「夢に叶うって書いて夢叶ってどう?」
「夢叶…いいね。この子も自分の夢を叶えられる子になるといいね」
「うん。僕は奏と出会えて、番になれて幸せだから」
「俺も純平に会えてよかった。色々、遠回りもしたし、お互いすれ違ったけど…やっぱり運命だったんだよ。俺たちは…そんな俺たちに天使が降りてきたんだ。2人でこの子の夢が叶うように応援してあげよう」
「夢叶…これからいっぱい大きく育ってね」
僕たちは言葉では言い表せないほど色んな経験をしてきた。
辛いこと、苦しいこと、寂しいこと、痛む心も、傷ついたり、傷つけられたりしたことも…でもそれは今の幸せになる為に必要なことだったのかもしれない。今、生きている。奏が側にいて抱きしめてくれる。その幸せの中に僕たちの夢だった子供の夢叶が産まれた。僕たちはこれから親として、もっともっと成長しないといけない。
「純平、ありがとう。純平と番になれて本当に幸せだ。愛してるよ純平」
「僕も奏のこと愛してる」
「純平、明日から入院だけど支度できた?」
「うん。お母さんが手伝ってくれたから大丈夫」
「明後日にはもう赤ちゃんが産まれるのか…楽しみだな」
「…っうん」
「どうした?何が不安?」
「やっぱり…手術怖いなーって…」
「そうだよな。不安だよな。でも俺も一緒に入るから。ずっと手を握っててあげるよ」
「本当?」
「うん。本当。だから安心して」
手術は不安だ。でも赤ちゃんに会える…頑張らないと。
入院当日は奏がずっと一緒にいてくれた。先生や看護師さんに明日の説明をしてもらった。
「明日、会えるね。楽しみだね」
「うん…緊張してるけど」
「大丈夫。一緒に赤ちゃんに会おうね」
手術当日
朝9時からの手術のため朝から準備が行われた。
点滴をつけ、手術着に着替え、奏と一緒に手術室に向かった。俺は腰椎麻酔をする為に少しお別れだ。
「純平、後でね。またすぐ会えるから」抱きしめてキスをしてくれた。
予定通り手術が始まり僕は女の子を産んだ。
「オギャーオギャー」
「佐伯さんおめでとう。元気な女の子よ。よく頑張ったね」
「純平、頑張ったな。ありがとう。俺の子を産んでくれて」
「奏…ありがとう」
2人でぼろぼろ泣いてしまった。
手術中、奏は僕の手をずっと握っててくれて安心した。
術後は痛みがあったけど先生が痛み止めの処置をしてくれて、奏も側にいてくれたので落ち着いていられた。
産まれた女の子は奏にそっくりな琥珀色の瞳に、僕に似た大きな目だった。
「かわいい。大きくなるんだよ」
「純平…名前どうしようか?」
「夢に叶うって書いて夢叶ってどう?」
「夢叶…いいね。この子も自分の夢を叶えられる子になるといいね」
「うん。僕は奏と出会えて、番になれて幸せだから」
「俺も純平に会えてよかった。色々、遠回りもしたし、お互いすれ違ったけど…やっぱり運命だったんだよ。俺たちは…そんな俺たちに天使が降りてきたんだ。2人でこの子の夢が叶うように応援してあげよう」
「夢叶…これからいっぱい大きく育ってね」
僕たちは言葉では言い表せないほど色んな経験をしてきた。
辛いこと、苦しいこと、寂しいこと、痛む心も、傷ついたり、傷つけられたりしたことも…でもそれは今の幸せになる為に必要なことだったのかもしれない。今、生きている。奏が側にいて抱きしめてくれる。その幸せの中に僕たちの夢だった子供の夢叶が産まれた。僕たちはこれから親として、もっともっと成長しないといけない。
「純平、ありがとう。純平と番になれて本当に幸せだ。愛してるよ純平」
「僕も奏のこと愛してる」
122
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(10件)
あなたにおすすめの小説
ずっと好きだった幼馴染の結婚式に出席する話
子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき
「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。
そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。
背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。
結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。
「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」
誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。
叶わない恋だってわかってる。
それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。
君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
運命じゃない人
万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。
理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。
《完結》僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ
MITARASI_
BL
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。
揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。
不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。
すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。
切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。
続編執筆中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
お疲れ様でした。
あーちょっと心配しましたが、感動的な結末、ありがとうございます🥲
純平も奏も、あんなに辛い事沢山あったのに、それは今の幸せになる為だったとか、すごく前向きで、これから3人でもっともっと幸せになって行く事と思います。
素敵なお話をありがとうございました😊
バナナクレープさん。コメントありがとうございます。
感動していただき嬉しいです。
3人には幸せな未来を歩んでほしいと思っています。ありがとうございました。
お疲れ様です。
続きありがとうございます😊
なんか意味ありげな終わり方だったのが、ちょっと気になりますが…大丈夫ですよね?
続きも楽しみに、気長に待ってます。
バナナクレープさん。コメントありがとうございます。
お読みくださりありがとうございます。私なりに最後まで書かせていただきました。どんな結末になったのかは夜にまたUP予定です。お楽しみにしてください。
お疲れ様です。
今の新作も読ませていただいています。
お忙しいのかな?とも思うのですが、こちらの作品の『その後の二人のその後』が気になってます。
続きお願いします🙇♀️
バナナクレープさん。コメントありがとうございます。明日更新予定でした。お待たせしてしまい申し訳ありません🙏待っていてくれてて嬉しいです。