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俺の過ち side浅井 透
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昨日、海斗の様子がおかしかった。俺はてっきり職場で怒鳴ってしまったのが原因かと思ってたけど…それにしては態度がおかしかった…気になりながらも鍵をかけてまで閉じこもってしまったので、そっとしておくのもいいかと思った。
でも心配で夜中ドアの前にいくと中から啜り泣く声が聞こえて胸が痛んだ…そんなに泣くほど辛かったのか…でもいつもならそこまでじゃないのに…他に何かあるのかもしれない。不安になりながらも朝からのアポの為、職場に向かった。
今日は早く帰ろう。今日こそは海斗とちゃんと話をしようと声をかけたら海斗は同期の平井と飲みに行くと…
前々から平井の海斗に対する接し方が同期以上の何かがあるんじゃないかと心配で海斗が誰かと2人きりにならないようにしていたのに…朝からの商談が思ったよりも長引いてしまって俺がいない間に約束してしまっていた。心配になった俺は四ノ宮を頼った。
「頼む。海斗が同期と飲みに行くことになった。見張りでもつけてくれないか?」
「は?別にそんなんしなくても大丈夫じゃない?」
「いや…昨日の様子がおかしくて…頼む四ノ宮」
「仕方ないなーそんな大事な子なら泣かすようなこと済んじゃないぞ。とりあえず飲んで家に帰るのを見届ければいいんだな。頼んどくから」
「ありがとう四ノ宮、恩に切るよ」
「はいはーい」
それから3時間後、家で待ってた俺は四ノ宮からの電話で衝撃を受けた。学の店で四ノ宮と西原が飲んでいたが、尾行している部下から、海斗がずいぶん飲んだようで足元も覚束ない。そのまま平井の家に連れて行かれた…と。四ノ宮に頼んで平井の家に向かった。でも海斗が俺に対しての様子がおかしかった意味をその時に知った。
川上さんと会ってたのを見られていたとは…頭を抱えたくなった。まだ海斗には知られたくなかったのに…ただもう知られてしまった以上、真実を話べきと判断したが、海斗にそれすら拒否をされた…俺は海斗しかいらないのに…海斗がいてくれればそれでいいのに…どうしたら…
「それで?お前はなんでその川上さん?っていう女性といたの?お前まさか女とやったのか?できちゃったの?」
「四ノ宮、お前バカなの?んっな訳ないだろ」
「浅井…それは知ってる。けど何故だ?その女といた理由は?散々苦しんできた海斗にこれ以上、心に負担をかけるな。悠人が誰よりも信頼してる海斗に何かあったら俺はお前を許さないからな」
「わかってる。全部話すよ」
先週、親父とお袋に会った。その時に俺はゲイだから男しか抱けないこと。だから女性と結婚できないし、するつもりもないこと。いずれ社長になるために頑張ってきたけど、親父が受け入れられないなら縁を切ってほしい。その場合は仕事も辞める…とただ今、結婚したい人と同棲してることを伝えたらさ、親父もお袋も全く反対しなくて…お袋はそんな気がしてたって言われたよ。
それならば、そろそろ社長業の勉強をしないかと言われて…そうなったら管理の為に秘書を付けろと…俺の付けたい秘書でいいと言われた。海斗を秘書として俺の側に居させたいって言ったんだ。もしそうなったらいいなって前から思ってたし…親父から秘書室長の土居さんに秘書について教えてもらえと言われたけど、海斗が俺と男の人が会うのを嫌がるかな?と思って…秘書主任の川上さんと会うことになってさ。まさかその現場を見られてるなんて思ってなかった…
「海斗は、この前お前に女は抱けないと言われても元カレの浮気現場を見ただろう?やっぱ重なったんじゃないの?しかもタクシーって、どこかで待ち合わせしたらよかったんじゃないか?かわいそうに…もう少し気を使えよ。それでなくても心が弱い子なのに…両親のことがようやく落ち着いたのに、お前がそんなんで誰が海斗を支えて守ってあげられるんだよ」
「学の言う通り。女だからいいって訳じゃないぞ。なんで1番に伝えなかった。内緒にしておくメリットってあるのかよ。海斗くんが秘書になりたくないって言ったら?そう言われることだってあるんだぞ。ヘタレかお前は」
「秘書の仕事内容の把握を先にしておきたくて…」
「でも2人きりで会わなくてもよかったんじゃない?」
「タクシーで2人で向かったけど、場所には親父も室長もいたから…たまたま出口で会ったから行こうってなって…」
「2日続けて?」
「一昨日は偶然、昨日は秘書セミナーがあるからって見学に誘われて…」
「お前、狙われてる?彼女に…」
「告白は何度かされたことがあるけど、ちゃんと断ったし…」
「海斗くんを秘書にしたいって言ったの?」
「いや…詳しい話は何も、ただ秘書になるにはどうしたらって…彼女は親父と俺の関係性知ってるから」
「お前が秘書になると思ってるんじゃん?」
「その人、大丈夫なの?例えば抱きつかれたり、甲斐甲斐しく世話焼いたりされてないか?」
「あぁ…一昨日タクシーに乗る時に急によろけて抱きつかれた」
『はぁ?』
「それ…海斗くん見たんじゃね?だから浅井のこと全身で拒否したんじゃ?」
「海斗、トラウマ持ってるし…このままだと拗らせたまんまだぞ。一眠りして迎えに行こう。悠人から海斗寝たって連絡きたから朝までは寝てると思うし…まぁ3時間くらいは寝れるか…その辺のソファーで寝ろよ。今掛けるもん持ってくるから…」
まさか見られた?あれは咄嗟に転ばないように支えただけで…でも海斗のことだから絶対に勘違いしてる。この勘違いをどうしたらわかってもらえるか…川上さんに頼むか?それだと余計にダメか?俺は一体どうしたら…
「浅井、とりあえず寝ろ。明日みんなで話しよ」
俺は結局、眠れない夜を過ごした。あんなに海斗を泣かせた俺は…ヘタレで最低だ…
でも心配で夜中ドアの前にいくと中から啜り泣く声が聞こえて胸が痛んだ…そんなに泣くほど辛かったのか…でもいつもならそこまでじゃないのに…他に何かあるのかもしれない。不安になりながらも朝からのアポの為、職場に向かった。
今日は早く帰ろう。今日こそは海斗とちゃんと話をしようと声をかけたら海斗は同期の平井と飲みに行くと…
前々から平井の海斗に対する接し方が同期以上の何かがあるんじゃないかと心配で海斗が誰かと2人きりにならないようにしていたのに…朝からの商談が思ったよりも長引いてしまって俺がいない間に約束してしまっていた。心配になった俺は四ノ宮を頼った。
「頼む。海斗が同期と飲みに行くことになった。見張りでもつけてくれないか?」
「は?別にそんなんしなくても大丈夫じゃない?」
「いや…昨日の様子がおかしくて…頼む四ノ宮」
「仕方ないなーそんな大事な子なら泣かすようなこと済んじゃないぞ。とりあえず飲んで家に帰るのを見届ければいいんだな。頼んどくから」
「ありがとう四ノ宮、恩に切るよ」
「はいはーい」
それから3時間後、家で待ってた俺は四ノ宮からの電話で衝撃を受けた。学の店で四ノ宮と西原が飲んでいたが、尾行している部下から、海斗がずいぶん飲んだようで足元も覚束ない。そのまま平井の家に連れて行かれた…と。四ノ宮に頼んで平井の家に向かった。でも海斗が俺に対しての様子がおかしかった意味をその時に知った。
川上さんと会ってたのを見られていたとは…頭を抱えたくなった。まだ海斗には知られたくなかったのに…ただもう知られてしまった以上、真実を話べきと判断したが、海斗にそれすら拒否をされた…俺は海斗しかいらないのに…海斗がいてくれればそれでいいのに…どうしたら…
「それで?お前はなんでその川上さん?っていう女性といたの?お前まさか女とやったのか?できちゃったの?」
「四ノ宮、お前バカなの?んっな訳ないだろ」
「浅井…それは知ってる。けど何故だ?その女といた理由は?散々苦しんできた海斗にこれ以上、心に負担をかけるな。悠人が誰よりも信頼してる海斗に何かあったら俺はお前を許さないからな」
「わかってる。全部話すよ」
先週、親父とお袋に会った。その時に俺はゲイだから男しか抱けないこと。だから女性と結婚できないし、するつもりもないこと。いずれ社長になるために頑張ってきたけど、親父が受け入れられないなら縁を切ってほしい。その場合は仕事も辞める…とただ今、結婚したい人と同棲してることを伝えたらさ、親父もお袋も全く反対しなくて…お袋はそんな気がしてたって言われたよ。
それならば、そろそろ社長業の勉強をしないかと言われて…そうなったら管理の為に秘書を付けろと…俺の付けたい秘書でいいと言われた。海斗を秘書として俺の側に居させたいって言ったんだ。もしそうなったらいいなって前から思ってたし…親父から秘書室長の土居さんに秘書について教えてもらえと言われたけど、海斗が俺と男の人が会うのを嫌がるかな?と思って…秘書主任の川上さんと会うことになってさ。まさかその現場を見られてるなんて思ってなかった…
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「学の言う通り。女だからいいって訳じゃないぞ。なんで1番に伝えなかった。内緒にしておくメリットってあるのかよ。海斗くんが秘書になりたくないって言ったら?そう言われることだってあるんだぞ。ヘタレかお前は」
「秘書の仕事内容の把握を先にしておきたくて…」
「でも2人きりで会わなくてもよかったんじゃない?」
「タクシーで2人で向かったけど、場所には親父も室長もいたから…たまたま出口で会ったから行こうってなって…」
「2日続けて?」
「一昨日は偶然、昨日は秘書セミナーがあるからって見学に誘われて…」
「お前、狙われてる?彼女に…」
「告白は何度かされたことがあるけど、ちゃんと断ったし…」
「海斗くんを秘書にしたいって言ったの?」
「いや…詳しい話は何も、ただ秘書になるにはどうしたらって…彼女は親父と俺の関係性知ってるから」
「お前が秘書になると思ってるんじゃん?」
「その人、大丈夫なの?例えば抱きつかれたり、甲斐甲斐しく世話焼いたりされてないか?」
「あぁ…一昨日タクシーに乗る時に急によろけて抱きつかれた」
『はぁ?』
「それ…海斗くん見たんじゃね?だから浅井のこと全身で拒否したんじゃ?」
「海斗、トラウマ持ってるし…このままだと拗らせたまんまだぞ。一眠りして迎えに行こう。悠人から海斗寝たって連絡きたから朝までは寝てると思うし…まぁ3時間くらいは寝れるか…その辺のソファーで寝ろよ。今掛けるもん持ってくるから…」
まさか見られた?あれは咄嗟に転ばないように支えただけで…でも海斗のことだから絶対に勘違いしてる。この勘違いをどうしたらわかってもらえるか…川上さんに頼むか?それだと余計にダメか?俺は一体どうしたら…
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