鬼上司と秘密の同居

なの

文字の大きさ
29 / 105

新しい家族

しおりを挟む
「いゃいゃ…小沢くん、勘違いさせてしまってたらごめんな?2人が同性同士だから公にできないとかそんなんじゃなくて…公にはしたい…したいんだけど、その…対策とか…色々と…」

僕が落ち込んでると思ったお父さんは違うと言ってくれてるが、何が違うのかわからない。対策って何?僕はどうしたらいいんだろう…と悩んでしまった。

「全く、社長なのに、まったく言葉が足りなくてごめんね海斗くん。誠さん、ちゃんと透と海斗くんに説明してあげないと…勘違いしたままよ。この際、全部伝えてもいいんじゃない?」
お母さんに謝られてしまった…

「兄さんは海斗くんを守るために発表を遅らせようとしてるんだよ。これからの2人の為に…」

「叔父さん、それどういう意味?ごめん。俺も意味わからないんだけど…説明してもらってもいい?ちゃんとわかるように…それとも、まだ説明はできない?」

透さんもわからないでいると里中さんが「とりあえず座ろうか…」
僕たちはもう一度、ソファーに座った。

里中さんがタブレットで見せてくれた中身には

《これからの対策について》

・同性パートナーを配偶者と同様に扱う福利厚生制度の整備、見直しを行う

・誤解や偏見を解消する対策

・理解を促すことを目的とした研修、周知啓発

・同性パートナーがいることに対してのパワハラ、モラハラ、セクハラに関しての相談窓口の拡充

・職場環境の整備

・同性婚に賛同を表明する企業を増やす努力

様々な対策が挙げられていた…

「親父これって…」

「2人がこれから先、社長と秘書になるんだ。必要だろ?できるだけ小沢くんが辛い立場にならないように…もしかしたら、お前たち以外にも、そういうことで悩んでいる人が、この会社の中にいるかもしれない。気づかなかっただけでな。前々からこういう対策は必要なんじゃないかと外部でも話はしていたんだが…なかなかどうしたらいいのかわからなくて進められなくて悪かったな。小沢くん理解してくれたかな?早急に対策を考えるから、もう少し公にするのは待ってもらってもいいかな?」

「親父…こんなことまで考えてくれてたなんて知らなくて…ただ俺たちが同性だからとか公にできないんじゃないかって考えてた。ありがとう。色々と対策とか考えてくれて。海斗、俺も親父とこれからのこと考えながら頑張るから。待っていてくれるか?海斗?」

社長は賛成してるけど、公にできないと言った意味がわからなかった…それは、僕たち2人が会社からも世間からも批判されたりしないように…僕は嬉しくて涙が浮かんできた。僕はすっかり泣き虫になってしまった…

「ありがとうございます。社長も里中さんも常務も…そんなに考えてくれてたなんて知らなくて…」

「嬉しいな海斗。これから俺たちも頑張っていこうな」
俯いてた顔を覗かれてしまった。

「まぁ透がもう少し早く、小沢くんとのことを教えてくれたら早急に対策も考えてたんだが…ついこの前聞いたばかりだったからな。でもきっかけは透だが、前からそういう対策は必要だと、そんな話があったのは本当なんだ。透も知ってるだろ?芳賀のこと」

「芳賀さん?親父の友達の?」

「そう。芳賀の会社は前からそういう対策をとってたからな。遅れてるって言われてたよ。じゃあ小沢くん、これからもよろしく頼むな」

「あっはい。よろしくお願いします」

「誠さん、いつまで小沢くん呼びにしてるの?わが家の息子になるんでしょ?私達は家族になるんだから…ねぇ海斗くん。名前でちゃんと呼んであげないと壁があると感じちゃうじゃない。海斗くんも、会社以外では社長は禁止だからね!」

「あぁ悪かったね…海斗っくん」

「……っ。ありがとうございます。………お義父さん、お義母さんっ」

「あら…嬉しい。お義母さんなんて言ってもらって…」

「姉さんばっかり…私のこともお母さんでいいからね!私達には子供がいないの、だから透も優太も私の子供だと思って接してるのよ。だから透が大事にしてる子だもの。海斗くんも私の大事な子供よ。私達は家族。だからこれから先、何かあったらすぐに連絡するのよ。透とケンカしたらうちに来なさい。じゃあ連絡先、交換しよ!」

透さんのお母さん、智子お母さんと連絡先を交換した。僕には一気に2人のお母さんができた。とっても嬉しかった。僕の新しい家族…みんなに温かくしてもらって心にぽっかり空いてた穴が少し塞がった気がした。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる

衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。 男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。 すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。 選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。 二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。 元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

黒の執愛~黒い弁護士に気を付けろ~

ひなた翠
BL
小野寺真弥31歳。 転職して三か月。恋人と同じ職場で中途採用の新人枠で働くことに……。 朝から晩まで必死に働く自分と、真逆に事務所のトップ2として悠々自適に仕事をこなす恋人の小林豊28歳。 生活のリズムも合わず……年下ワンコ攻め小林に毎晩のように求められてーー。 どうしたらいいのかと迷走する真弥をよそに、熱すぎる想いをぶつけてくる小林を拒めなくて……。 忙しい大人の甘いオフィスラブ。 フジョッシーさんの、オフィスラブのコンテスト参加作品です。

【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。

紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。 相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。 超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。 失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。 彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。 ※表紙をAI君に描いてもらいました。(2026.2.21) ※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とスタッフ達とBL営業をして腐女子や腐男子たまに普通のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

若頭と小鳥

真木
BL
極悪人といわれる若頭、けれど義弟にだけは優しい。小さくて弱い義弟を構いたくて仕方ない義兄と、自信がなくて病弱な義弟の甘々な日々。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

処理中です...