9 / 18
第八章:危険な誘惑
しおりを挟む
ある夜、エリアスが図書室で植物の専門書を読んでいると、背後の重厚な扉が静かに開かれた。
振り向かなくても、その圧倒的な存在感で誰か分かってしまう。冷ややかに澄み渡りながらも、どこか人の心を惹きつけてやまない、白檀の香り。
――アレクシスだった。
図書室は、この広大な屋敷の中でもエリアスが特に気に入っている場所だった。天井まで続く巨大な本棚には、古今東西の書物が革の美しい装丁に包まれてぎっしりと並んでいる。
蝋燭の柔らかな光が、その背表紙に並ぶ金文字を鈍く照らし出し、静寂と知性に満ちた空間を演出していた。彼は、月下美人の次にアレクシスを喜ばせる花を探して、古い植物図鑑のページを熱心にめくっていた。
「アレクシス、お戻りでしたか」
エリアスが立ち上がって振り返ると、常とは違うアレクシスの様子に息を呑んだ。
普段の氷のように張り詰めた隙のない佇まいではなく、その肩は目に見えて落ち、銀灰色の瞳には深い疲労の色が浮かんでいる。いつもは抑制されているはずのαとしてのフェロモンが、彼の疲労に呼応するかのように揺らぎ、微かな緊張と苦悩の香りを漂わせていた。それはエリアスのようなΩにとっては、ひどく心を掻き乱される危険な香りだった。
「ああ。少し、考え事をしにきた」
彼の声は低く、ひどく掠れていた。公務の重圧が、彼の心身を蝕んでいるのは明らかだった。
隣国との水面下での外交交渉、領内の貴族たちの利権を巡る醜い駆け引き。そのすべてを、この男はたった一人で背負っている。
「お疲れのようですね。顔色も優れません」
エリアスが心配そうに声をかけると、アレクシスは重いため息をつき、こめかみを指で押さえた。
「……少し、頭が痛むだけだ」
その弱々しい姿に、エリアスの胸がちくりと痛んだ。放っておけない。この人を、少しでも楽にしてあげたい。その衝動は、ほとんど本能的なものだった。
エリアスは迷わず立ち上がり、彼が腰掛けた革張りの長椅子へと近づいた。
古書の匂いに混じって、彼の疲れたαの香りが濃くなる。エリアスの足音が、静寂な図書室に小さく響いた。
「もし、よろしければ……僕の力で、少しだけ……」
エリアスがおずおずと申し出ると、アレクシスは驚いたように顔を上げた。
しかし、彼の申し出を拒絶する力も残っていないのか、静かに目を閉じてこくりと頷いた。
「……頼む」
許可を得て、エリアスは彼の背後に回り込んだ。
心臓が早鐘を打っているのが分かる。
彼の頭に、自分の手を置く。その単純な行為が、これほどまでに緊張するとは思わなかった。
彼の銀髪は、見た目の冷たい印象とは裏腹に、驚くほど柔らかく、指先に上質な絹のような感触が伝わってくる。その感触だけで、エリアスの体の芯が熱くなった。
そっと両の手のひらを彼のこめかみに当てる。最初の接触の瞬間、アレクシスの肩が微かに震え、エリアスも息を呑んだ。柔らかな光がエリアスの手のひらから溢れ出し、温かい「恵みの魔法」が、アレクシスの張り詰めた精神へと流れ込んでいく。
「……ああ……」
アレクシスの唇から、安堵のため息が漏れた。
彼の強張っていた表情が、少しずつ和らいでいく。エリアスは、彼のこんなにも無防備な姿を見るのは初めてだった。普段の威厳に満ちた「氷血公爵」ではなく、ただ疲れ果てた一人の男としてのアレクシスが、そこにいた。
こんなにも近くで、彼の顔立ちをじっくりと見るのも初めてだった。
整った鼻筋、夜の湖面のように静かな瞼を縁取る長い睫毛。そして、普段は厳しく真一文字に結ばれている唇が、今は穏やかに緩んでいる。蝋燭の光が、その彫刻のように美しい横顔をドラマティックに照らし出していた。
(こんなにも、美しい人だったのか……)
エリアスの心臓が、甘い痛みを伴って静かに高鳴る。魔法を通じて、彼の肉体的な疲労だけでなく、その精神の奥深くにあるものまでが流れ込んでくるようだった。それは、誰にも理解されない深い孤独。
すべてを一人で背負い続けなければならない王者の宿命。そして、その魂を覆う、分厚い氷の壁。
「アレクシスは、いつもお一人で……こんなにも重いものを背負って……」
思わず漏れたエリアスの声に、アレクシスは閉じていた瞼をゆっくりと開いた。
「それが俺の役目だ。生まれた時から、そう定められている」
その声は低く、どこか諦観を帯びていた。けれど、エリアスは首を横に振った。
「ですが、時には誰かに頼っても……弱い部分を見せても、いいのではないでしょうか」
エリアスの優しい言葉が、アレクシスの心の氷壁に、小さなひびを入れた。
彼はゆっくりと振り返り、エリアスの顔をじっと見つめた。
魔法を終え、エリアスが手を離そうとした、その瞬間。アレクシスは素早い動きでその手首を掴んだ。
彼の大きく、骨張った指が、エリアスの細い手首に触れた瞬間、びり、と電流のような感覚が全身を駆け巡った。
「ありがとう。お前の力は、本当に温かい」
彼の親指が、エリアスの手首の内側、とくとくと脈打つ柔らかい部分を、確かめるように優しく撫でる。
その直接的で官能的な感触に、エリアスは全身の血が沸騰するかのような熱さを感じた。
図書室の静寂の中、二人の浅い息遣いだけがやけに大きく聞こえる。揺らめく蝋燭の炎が、壁に寄り添う二人の影を艶めかしく踊らせていた。
「お前の手は、いつも温かいな。まるで……陽だまりのようだ」
アレクシスの声は、熱に浮かされたように低く、甘く響いた。
彼の指が、エリアスの手のひらをゆっくりと撫で、指を絡めとる。それは治癒の魔法とは全く違う種類の、抗いがたい熱をエリアスに与えた。
「アレク、シス……」
エリアスの声も、自分のものではないように掠れていた。彼の瞳が、蝋燭の光を反射して金色に爛々と輝いている。
その瞳の奥には、今まで見たことのない、独占欲と渇望の熱が燃え盛っていた。それは、獲物を前にしたαの瞳だった。
「エリアス、俺は……」
彼が何かを言いかけた時、アレクシスは掴んだ腕を引き、エリアスの体を自分の膝の上へと引き倒した。
「あっ……!」
突然のことに、エリアスは短い悲鳴を上げて彼の胸に倒れ込む。
アレクシスの硬い筋肉と、どくどくと力強く打つ心臓の鼓動が、薄いシャツ越しに伝わってきた。顔を上げると、触れ合うほどの間近に、彼の美しい顔がある。白檀の香りと、濃密なαのフェロモンに包まれ、エリアスの思考は完全に麻痺していた。
「……もう、我慢できない」
囁くような声と共に、アレクシスの顔が近づいてくる。エリアスは反射的に目を閉じた。
彼の唇が、自分のものに重なる――。
その、刹那だった。
「公爵様、緊急のご報告が……あ、これは、大変失礼いたしました!」
図書室の扉が勢いよく開かれ、執事のセバスチャンが焦った様子で現れた。
そして、二人の密着した姿を見るなり、血の気の引いた顔で慌てて踵を返そうとする。しかし、時すでに遅し。甘く危険な空気は無残にも引き裂かれ、二人は弾かれたように体を離した。
エリアスの頬は林檎のように真っ赤に染まり、心臓は破れそうなほど激しく鼓動していた。
アレクシスもまた、動揺を隠せずにいた。彼の整った顔には気まずそうな赤みが差し、エリアスから乱暴に視線を逸らしている。その瞳には、邪魔されたことへの明確な苛立ちが浮かんでいた。
「……来客の対応をしなければならない」
アレクシスは咳払いを一つして立ち上がりながら、エリアスに振り返った。その瞳には、まだ先ほどの熱い光の名残が揺らめいている。
「エリアス。また、頼むかもしれない。
お前の……力が」
その言葉には、単なる治癒以上の、もっと深い意味が込められているように感じられた。エリアスは、彼の熱い視線から逃れるように俯きながらも、か細い声で答えるしかなかった。
「はい……いつでも、お待ちしております」
エリアスの返事に、アレクシスの唇の端が、ほんのわずかに満足げに持ち上がった。それは、彼だけに見せる、特別な微笑みだった。
アレクシスがセバスチャンと共に図書室を出て行った後も、エリアスはしばらくその場から動けなかった。膝はがくがくと震え、熱い体のまま、一人椅子に座り込む。手首にはまだ彼の指の熱い感触が、唇には触れる寸前だった彼の吐息が、生々しく残っている。
(僕は、一体どうしてしまったんだろう……)
彼は自分の激しい感情に戸惑っていた。
これは、ただの主従関係などでは断じてない。Ωとしてαに惹かれる本能だけではない。もっと深く、純粋な何かが、彼の心の中心で確かに芽吹いていた。
そして、彼もまた、同じような気持ちを抱いているのではないだろうか。あの熱を帯びた瞳が、それを物語っていた。
蝋燭の炎が静かに揺らめく中、エリアスは自分の心の劇的な変化を、恐れと共に受け入れ始めていた。それは、恋という名の、甘く危険で、抗いがたい感情だった。
図書室での一夜は、二人の関係を確実に新たな段階へと進ませた。しかしそれは同時に、決して後戻りのできない、より複雑で困難な道のりの始まりでもあったのだ。
振り向かなくても、その圧倒的な存在感で誰か分かってしまう。冷ややかに澄み渡りながらも、どこか人の心を惹きつけてやまない、白檀の香り。
――アレクシスだった。
図書室は、この広大な屋敷の中でもエリアスが特に気に入っている場所だった。天井まで続く巨大な本棚には、古今東西の書物が革の美しい装丁に包まれてぎっしりと並んでいる。
蝋燭の柔らかな光が、その背表紙に並ぶ金文字を鈍く照らし出し、静寂と知性に満ちた空間を演出していた。彼は、月下美人の次にアレクシスを喜ばせる花を探して、古い植物図鑑のページを熱心にめくっていた。
「アレクシス、お戻りでしたか」
エリアスが立ち上がって振り返ると、常とは違うアレクシスの様子に息を呑んだ。
普段の氷のように張り詰めた隙のない佇まいではなく、その肩は目に見えて落ち、銀灰色の瞳には深い疲労の色が浮かんでいる。いつもは抑制されているはずのαとしてのフェロモンが、彼の疲労に呼応するかのように揺らぎ、微かな緊張と苦悩の香りを漂わせていた。それはエリアスのようなΩにとっては、ひどく心を掻き乱される危険な香りだった。
「ああ。少し、考え事をしにきた」
彼の声は低く、ひどく掠れていた。公務の重圧が、彼の心身を蝕んでいるのは明らかだった。
隣国との水面下での外交交渉、領内の貴族たちの利権を巡る醜い駆け引き。そのすべてを、この男はたった一人で背負っている。
「お疲れのようですね。顔色も優れません」
エリアスが心配そうに声をかけると、アレクシスは重いため息をつき、こめかみを指で押さえた。
「……少し、頭が痛むだけだ」
その弱々しい姿に、エリアスの胸がちくりと痛んだ。放っておけない。この人を、少しでも楽にしてあげたい。その衝動は、ほとんど本能的なものだった。
エリアスは迷わず立ち上がり、彼が腰掛けた革張りの長椅子へと近づいた。
古書の匂いに混じって、彼の疲れたαの香りが濃くなる。エリアスの足音が、静寂な図書室に小さく響いた。
「もし、よろしければ……僕の力で、少しだけ……」
エリアスがおずおずと申し出ると、アレクシスは驚いたように顔を上げた。
しかし、彼の申し出を拒絶する力も残っていないのか、静かに目を閉じてこくりと頷いた。
「……頼む」
許可を得て、エリアスは彼の背後に回り込んだ。
心臓が早鐘を打っているのが分かる。
彼の頭に、自分の手を置く。その単純な行為が、これほどまでに緊張するとは思わなかった。
彼の銀髪は、見た目の冷たい印象とは裏腹に、驚くほど柔らかく、指先に上質な絹のような感触が伝わってくる。その感触だけで、エリアスの体の芯が熱くなった。
そっと両の手のひらを彼のこめかみに当てる。最初の接触の瞬間、アレクシスの肩が微かに震え、エリアスも息を呑んだ。柔らかな光がエリアスの手のひらから溢れ出し、温かい「恵みの魔法」が、アレクシスの張り詰めた精神へと流れ込んでいく。
「……ああ……」
アレクシスの唇から、安堵のため息が漏れた。
彼の強張っていた表情が、少しずつ和らいでいく。エリアスは、彼のこんなにも無防備な姿を見るのは初めてだった。普段の威厳に満ちた「氷血公爵」ではなく、ただ疲れ果てた一人の男としてのアレクシスが、そこにいた。
こんなにも近くで、彼の顔立ちをじっくりと見るのも初めてだった。
整った鼻筋、夜の湖面のように静かな瞼を縁取る長い睫毛。そして、普段は厳しく真一文字に結ばれている唇が、今は穏やかに緩んでいる。蝋燭の光が、その彫刻のように美しい横顔をドラマティックに照らし出していた。
(こんなにも、美しい人だったのか……)
エリアスの心臓が、甘い痛みを伴って静かに高鳴る。魔法を通じて、彼の肉体的な疲労だけでなく、その精神の奥深くにあるものまでが流れ込んでくるようだった。それは、誰にも理解されない深い孤独。
すべてを一人で背負い続けなければならない王者の宿命。そして、その魂を覆う、分厚い氷の壁。
「アレクシスは、いつもお一人で……こんなにも重いものを背負って……」
思わず漏れたエリアスの声に、アレクシスは閉じていた瞼をゆっくりと開いた。
「それが俺の役目だ。生まれた時から、そう定められている」
その声は低く、どこか諦観を帯びていた。けれど、エリアスは首を横に振った。
「ですが、時には誰かに頼っても……弱い部分を見せても、いいのではないでしょうか」
エリアスの優しい言葉が、アレクシスの心の氷壁に、小さなひびを入れた。
彼はゆっくりと振り返り、エリアスの顔をじっと見つめた。
魔法を終え、エリアスが手を離そうとした、その瞬間。アレクシスは素早い動きでその手首を掴んだ。
彼の大きく、骨張った指が、エリアスの細い手首に触れた瞬間、びり、と電流のような感覚が全身を駆け巡った。
「ありがとう。お前の力は、本当に温かい」
彼の親指が、エリアスの手首の内側、とくとくと脈打つ柔らかい部分を、確かめるように優しく撫でる。
その直接的で官能的な感触に、エリアスは全身の血が沸騰するかのような熱さを感じた。
図書室の静寂の中、二人の浅い息遣いだけがやけに大きく聞こえる。揺らめく蝋燭の炎が、壁に寄り添う二人の影を艶めかしく踊らせていた。
「お前の手は、いつも温かいな。まるで……陽だまりのようだ」
アレクシスの声は、熱に浮かされたように低く、甘く響いた。
彼の指が、エリアスの手のひらをゆっくりと撫で、指を絡めとる。それは治癒の魔法とは全く違う種類の、抗いがたい熱をエリアスに与えた。
「アレク、シス……」
エリアスの声も、自分のものではないように掠れていた。彼の瞳が、蝋燭の光を反射して金色に爛々と輝いている。
その瞳の奥には、今まで見たことのない、独占欲と渇望の熱が燃え盛っていた。それは、獲物を前にしたαの瞳だった。
「エリアス、俺は……」
彼が何かを言いかけた時、アレクシスは掴んだ腕を引き、エリアスの体を自分の膝の上へと引き倒した。
「あっ……!」
突然のことに、エリアスは短い悲鳴を上げて彼の胸に倒れ込む。
アレクシスの硬い筋肉と、どくどくと力強く打つ心臓の鼓動が、薄いシャツ越しに伝わってきた。顔を上げると、触れ合うほどの間近に、彼の美しい顔がある。白檀の香りと、濃密なαのフェロモンに包まれ、エリアスの思考は完全に麻痺していた。
「……もう、我慢できない」
囁くような声と共に、アレクシスの顔が近づいてくる。エリアスは反射的に目を閉じた。
彼の唇が、自分のものに重なる――。
その、刹那だった。
「公爵様、緊急のご報告が……あ、これは、大変失礼いたしました!」
図書室の扉が勢いよく開かれ、執事のセバスチャンが焦った様子で現れた。
そして、二人の密着した姿を見るなり、血の気の引いた顔で慌てて踵を返そうとする。しかし、時すでに遅し。甘く危険な空気は無残にも引き裂かれ、二人は弾かれたように体を離した。
エリアスの頬は林檎のように真っ赤に染まり、心臓は破れそうなほど激しく鼓動していた。
アレクシスもまた、動揺を隠せずにいた。彼の整った顔には気まずそうな赤みが差し、エリアスから乱暴に視線を逸らしている。その瞳には、邪魔されたことへの明確な苛立ちが浮かんでいた。
「……来客の対応をしなければならない」
アレクシスは咳払いを一つして立ち上がりながら、エリアスに振り返った。その瞳には、まだ先ほどの熱い光の名残が揺らめいている。
「エリアス。また、頼むかもしれない。
お前の……力が」
その言葉には、単なる治癒以上の、もっと深い意味が込められているように感じられた。エリアスは、彼の熱い視線から逃れるように俯きながらも、か細い声で答えるしかなかった。
「はい……いつでも、お待ちしております」
エリアスの返事に、アレクシスの唇の端が、ほんのわずかに満足げに持ち上がった。それは、彼だけに見せる、特別な微笑みだった。
アレクシスがセバスチャンと共に図書室を出て行った後も、エリアスはしばらくその場から動けなかった。膝はがくがくと震え、熱い体のまま、一人椅子に座り込む。手首にはまだ彼の指の熱い感触が、唇には触れる寸前だった彼の吐息が、生々しく残っている。
(僕は、一体どうしてしまったんだろう……)
彼は自分の激しい感情に戸惑っていた。
これは、ただの主従関係などでは断じてない。Ωとしてαに惹かれる本能だけではない。もっと深く、純粋な何かが、彼の心の中心で確かに芽吹いていた。
そして、彼もまた、同じような気持ちを抱いているのではないだろうか。あの熱を帯びた瞳が、それを物語っていた。
蝋燭の炎が静かに揺らめく中、エリアスは自分の心の劇的な変化を、恐れと共に受け入れ始めていた。それは、恋という名の、甘く危険で、抗いがたい感情だった。
図書室での一夜は、二人の関係を確実に新たな段階へと進ませた。しかしそれは同時に、決して後戻りのできない、より複雑で困難な道のりの始まりでもあったのだ。
336
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。
これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。
無自覚両片想いの勇者×親友。
読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
いい加減観念して結婚してください
彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話
元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。
2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。
作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。
オメガはオメガらしく生きろなんて耐えられない
子犬一 はぁて
BL
「オメガはオメガらしく生きろ」
家を追われオメガ寮で育ったΩは、見合いの席で名家の年上αに身請けされる。
無骨だが優しく、Ωとしてではなく一人の人間として扱ってくれる彼に初めて恋をした。
しかし幸せな日々は突然終わり、二人は別れることになる。
5年後、雪の夜。彼と再会する。
「もう離さない」
再び抱きしめられたら、僕はもうこの人の傍にいることが自分の幸せなんだと気づいた。
彼は温かい手のひらを持つ人だった。
身分差×年上アルファ×溺愛再会BL短編。
過労死転生した悪役令息Ωは、冷徹な隣国皇帝陛下の運命の番でした~婚約破棄と断罪からのざまぁ、そして始まる激甘な溺愛生活~
水凪しおん
BL
過労死した平凡な会社員が目を覚ますと、そこは愛読していたBL小説の世界。よりにもよって、義理の家族に虐げられ、最後は婚約者に断罪される「悪役令息」リオンに転生してしまった!
「出来損ないのΩ」と罵られ、食事もろくに与えられない絶望的な日々。破滅フラグしかない運命に抗うため、前世の知識を頼りに生き延びる決意をするリオン。
そんな彼の前に現れたのは、隣国から訪れた「冷徹皇帝」カイゼル。誰もが恐れる圧倒的カリスマを持つ彼に、なぜかリオンは助けられてしまう。カイゼルに触れられた瞬間、走る甘い痺れ。それは、αとΩを引き合わせる「運命の番」の兆しだった。
「お前がいいんだ、リオン」――まっすぐな求婚、惜しみない溺愛。
孤独だった悪役令息が、運命の番である皇帝に見出され、破滅の運命を覆していく。巧妙な罠、仕組まれた断罪劇、そして華麗なるざまぁ。絶望の淵から始まる、極上の逆転シンデレラストーリー!
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
『2度目の世界で、あなたと……』 ― 魔法と番が支配する世界で、二度目の人生を ―
なの
BL
Ωとして生まれたリオナは、政略結婚の駒として生き、信じていた結婚相手に裏切られ、孤独の中で命を落とした。
――はずだった。
目を覚ますと、そこは同じ世界、同じ屋敷、同じ朝。
時間だけが巻き戻り、前世の記憶を持つのは自分だけ。
愛を知らないまま死んだ。今度こそ、本物の愛を知り、自ら選び取る人生を生きる。
これは、愛を知らず道具として生きてきたΩが、初めて出会った温もりに触れ、自らの意思で愛を選び直す物語。
「愛を知らず道具として生きてきたΩが転生を機に、
年上αの騎士と本物の愛を掴みます。
全6話+番外編完結済み!サクサク読めます。
悪役令息(Ω)に転生した俺、破滅回避のためΩ隠してαを装ってたら、冷徹α第一王子に婚約者にされて溺愛されてます!?
水凪しおん
BL
前世の記憶を持つ俺、リオネルは、BL小説の悪役令息に転生していた。
断罪される運命を回避するため、本来希少なΩである性を隠し、出来損ないのαとして目立たず生きてきた。
しかし、突然、原作のヒーローである冷徹な第一王子アシュレイの婚約者にされてしまう。
これは破滅フラグに違いないと絶望する俺だが、アシュレイの態度は原作とどこか違っていて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる