14 / 18
新進気鋭パーティの雑用係が追放されて盲目剣聖様の世話係になるお話
14
しおりを挟む
「ん。ほれ。要望の金貨だよ。受け取れ」
ユキは不機嫌そうに、収納袋から取り出した3枚の黒い金貨をティルレッサへと放り投げた。3枚の金貨は宙を舞い、ティルレッサの元へと飛んでいく。
「わ、わっ!?ユキ様!この金貨をぽんと投げないでください!!」
その金貨を何とか受け止めると、かつてないほどに慌てたティルレッサが語気を強める。
「ん。軽く要望しておいて、何言う」
「私じゃないでしょう!?」
3枚の黒金貨を布で丁寧に包み込むと、次に頑丈そうな金庫を用意する。その中に布で包まれた金貨を仕舞い、しっかりと鍵が掛かったことを確認。その表面に、内容物について簡単に記入した専用の紙を貼り、転送用の魔道具の中へと置いた。
ここまで厳重な保管が普通だ。ユキのように、他の硬貨と同じ場所に乱雑に放り込むことなんてしない。それほどの価値を持つ硬貨なのだ。
世間一般で知られている硬貨は全部で7つ。下から鉄貨、半銅貨、銅貨、半銀貨、銀貨、半金貨、金貨となっている。しかし、それより上の硬貨も存在している。ただしその額が非常に高いため、一般市民には伝えられていないだけだ。
金貨100枚分の価値を持つ白金貨。白金貨100枚分の価値を持つ黒金貨である。これらは大企業や国の運営でしか殆ど使われない。
今回、ユキが支払った黒金貨3枚。金貨に直すと30000枚分。単位を直すと300億マロ。
ファナが知れば卒倒するかフリーズする金額だ。白金貨と黒金貨の存在を知らないで良かった、とティルレッサはほっとする。
「はぁ············それにしても、総長は思い切った判断をしましたね」
「ん。ボクを金蔓としか考えてないんだろ、アイツ。使わないから良いけどさ」
ムスッとした態度になり、杖で床を叩くユキ。それをファナが宥めようとするも効果は無かった。
「あはは······まぁ、お昼頃にやってくるそうですし、その間は客室で寛いでいてください」
久々に機嫌がいいと思えば悪くなったユキ。このままでは誰か負傷者が出てしまう、とティルレッサは隔離を試みる。
「ん。それがいい。さ、ファナ君行こう」
「あ、はいっ!」
ほっと胸を撫で下ろしたティルレッサは、ユキとファナをギルドにある客室へと案内した。その後、仕事を理由にそそくさと退出する。ユキとは1年近い付き合いとなるが、機嫌の悪いユキの相手はしたくない。ファナならばどうにかできるだろう、とティルレッサは丸投げした。
「ん············お茶も出さずに行ったな」
気の利かない受付嬢に、ユキは苛立ちを込めながら呟いた。
「お茶を飲みますか?僕が淹れますよ」
「ん?そう。じゃ、適当に頼む。あとお菓子······は、無いよね?」
「いえ、手作りので良ければ············」
ファナは机の上にカップとスプーン、ティポットなどを出していき、最後にお皿の上に焼いておいたクッキーを盛り付けた。お湯は《水生成》の応用で作り出し、慣れた手つきでお茶を作る。ファナがオススメしたい、クッキーと合うように作ったお茶だ。
昔は自分の趣向ではなく、メンバーの好みに合わせていた。しかし、ユキからは適当に、気遣いは要らない、と言われている。そこで、勇気をだしてこのお茶を選んだ。
「ん············早いねぇ」
「そうですか?」
用意から何までが異次元な程の速度で済んでいく。ユキは理解できるが、普通の者なら理解出来ないであろう。やはり、と確信しながら、ファナが出してくれたクッキーを1口齧る。
「んっま!············うまっ············これ、ファナ君の手作りなんだよね?」
「はいっ!フィアちゃん達に好評だったので、沢山焼いておきましたっ!」
「ん。これ凄く美味しいよ。売ってても不思議じゃない。むしろ毎日買うね」
饒舌になりながらパクパクとクッキーを口に放り込んでいく。甘味には目がないユキが言うのだから、相当美味しいクッキーなのであろう。
「あ、ありがとうございます······」
「ん~~············っ!?············なにこれ············このお茶美味しい············」
乾いた喉にお茶を流せば、ユキに新たな衝撃が走る。
これは、完成されたお茶だ。
クッキーを食べていたことで、口は水分を欲していた。その要求を満たす為だけのお茶。ユキはその程度の印象であった。あくまでクッキーがメインである、と。
しかしファナの出したお茶は、お茶が完全なる主役。クッキーはその引き立て役に過ぎず、主役が華麗に踊る為の伴奏であった。
甘い口の中で広がる、お茶が持つ独特の苦味、香り、そして甘み。全てが上手く構成され、口の中で1つになった。
完璧なるティータイム。ユキはここ何百年のうち一番の至福を味わっていた。
「喜んでいただけて何よりですっ!昔は出すことが出来なかったので······」
「ん······勿体ない······勿体ないねぇ······そんなの······いや、でも!これはボクだけが堪能していると思えば悪くないな······ファナ君!ボク命令だ!このお茶を他の誰かに出すことを禁ずる!いいね!?」
ぐいとファナの顔に近づいて、いつにも増して強めな声で発言する。
「ひゃ、ひゃいっ······!」
「ん··················ふぅ、おかわり」
ユキの顔が至近距離となり、間の抜けた返事となる。頬は赤らみ、耳まで赤く染めてしまう。そんなファナに気付かないふりをしたユキは、素知らぬ顔でカップを傾ける。
空いたカップにファナはお茶を注ぎ、少なくなったお皿に更なるお菓子を用意した。そのお菓子達をユキはお茶と共に楽しんだ。
以前は感じなかった、奉仕の喜びをファナも感じていた。この人になら身を捧げてもいい。そう強く思うようになっていた。
ティータイムを楽しむ令嬢と仕えるメイドの構造になっているが、それを視姦する受付嬢だけは存在しなかった。
ユキは不機嫌そうに、収納袋から取り出した3枚の黒い金貨をティルレッサへと放り投げた。3枚の金貨は宙を舞い、ティルレッサの元へと飛んでいく。
「わ、わっ!?ユキ様!この金貨をぽんと投げないでください!!」
その金貨を何とか受け止めると、かつてないほどに慌てたティルレッサが語気を強める。
「ん。軽く要望しておいて、何言う」
「私じゃないでしょう!?」
3枚の黒金貨を布で丁寧に包み込むと、次に頑丈そうな金庫を用意する。その中に布で包まれた金貨を仕舞い、しっかりと鍵が掛かったことを確認。その表面に、内容物について簡単に記入した専用の紙を貼り、転送用の魔道具の中へと置いた。
ここまで厳重な保管が普通だ。ユキのように、他の硬貨と同じ場所に乱雑に放り込むことなんてしない。それほどの価値を持つ硬貨なのだ。
世間一般で知られている硬貨は全部で7つ。下から鉄貨、半銅貨、銅貨、半銀貨、銀貨、半金貨、金貨となっている。しかし、それより上の硬貨も存在している。ただしその額が非常に高いため、一般市民には伝えられていないだけだ。
金貨100枚分の価値を持つ白金貨。白金貨100枚分の価値を持つ黒金貨である。これらは大企業や国の運営でしか殆ど使われない。
今回、ユキが支払った黒金貨3枚。金貨に直すと30000枚分。単位を直すと300億マロ。
ファナが知れば卒倒するかフリーズする金額だ。白金貨と黒金貨の存在を知らないで良かった、とティルレッサはほっとする。
「はぁ············それにしても、総長は思い切った判断をしましたね」
「ん。ボクを金蔓としか考えてないんだろ、アイツ。使わないから良いけどさ」
ムスッとした態度になり、杖で床を叩くユキ。それをファナが宥めようとするも効果は無かった。
「あはは······まぁ、お昼頃にやってくるそうですし、その間は客室で寛いでいてください」
久々に機嫌がいいと思えば悪くなったユキ。このままでは誰か負傷者が出てしまう、とティルレッサは隔離を試みる。
「ん。それがいい。さ、ファナ君行こう」
「あ、はいっ!」
ほっと胸を撫で下ろしたティルレッサは、ユキとファナをギルドにある客室へと案内した。その後、仕事を理由にそそくさと退出する。ユキとは1年近い付き合いとなるが、機嫌の悪いユキの相手はしたくない。ファナならばどうにかできるだろう、とティルレッサは丸投げした。
「ん············お茶も出さずに行ったな」
気の利かない受付嬢に、ユキは苛立ちを込めながら呟いた。
「お茶を飲みますか?僕が淹れますよ」
「ん?そう。じゃ、適当に頼む。あとお菓子······は、無いよね?」
「いえ、手作りので良ければ············」
ファナは机の上にカップとスプーン、ティポットなどを出していき、最後にお皿の上に焼いておいたクッキーを盛り付けた。お湯は《水生成》の応用で作り出し、慣れた手つきでお茶を作る。ファナがオススメしたい、クッキーと合うように作ったお茶だ。
昔は自分の趣向ではなく、メンバーの好みに合わせていた。しかし、ユキからは適当に、気遣いは要らない、と言われている。そこで、勇気をだしてこのお茶を選んだ。
「ん············早いねぇ」
「そうですか?」
用意から何までが異次元な程の速度で済んでいく。ユキは理解できるが、普通の者なら理解出来ないであろう。やはり、と確信しながら、ファナが出してくれたクッキーを1口齧る。
「んっま!············うまっ············これ、ファナ君の手作りなんだよね?」
「はいっ!フィアちゃん達に好評だったので、沢山焼いておきましたっ!」
「ん。これ凄く美味しいよ。売ってても不思議じゃない。むしろ毎日買うね」
饒舌になりながらパクパクとクッキーを口に放り込んでいく。甘味には目がないユキが言うのだから、相当美味しいクッキーなのであろう。
「あ、ありがとうございます······」
「ん~~············っ!?············なにこれ············このお茶美味しい············」
乾いた喉にお茶を流せば、ユキに新たな衝撃が走る。
これは、完成されたお茶だ。
クッキーを食べていたことで、口は水分を欲していた。その要求を満たす為だけのお茶。ユキはその程度の印象であった。あくまでクッキーがメインである、と。
しかしファナの出したお茶は、お茶が完全なる主役。クッキーはその引き立て役に過ぎず、主役が華麗に踊る為の伴奏であった。
甘い口の中で広がる、お茶が持つ独特の苦味、香り、そして甘み。全てが上手く構成され、口の中で1つになった。
完璧なるティータイム。ユキはここ何百年のうち一番の至福を味わっていた。
「喜んでいただけて何よりですっ!昔は出すことが出来なかったので······」
「ん······勿体ない······勿体ないねぇ······そんなの······いや、でも!これはボクだけが堪能していると思えば悪くないな······ファナ君!ボク命令だ!このお茶を他の誰かに出すことを禁ずる!いいね!?」
ぐいとファナの顔に近づいて、いつにも増して強めな声で発言する。
「ひゃ、ひゃいっ······!」
「ん··················ふぅ、おかわり」
ユキの顔が至近距離となり、間の抜けた返事となる。頬は赤らみ、耳まで赤く染めてしまう。そんなファナに気付かないふりをしたユキは、素知らぬ顔でカップを傾ける。
空いたカップにファナはお茶を注ぎ、少なくなったお皿に更なるお菓子を用意した。そのお菓子達をユキはお茶と共に楽しんだ。
以前は感じなかった、奉仕の喜びをファナも感じていた。この人になら身を捧げてもいい。そう強く思うようになっていた。
ティータイムを楽しむ令嬢と仕えるメイドの構造になっているが、それを視姦する受付嬢だけは存在しなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
パーティーの役立たずとして追放された魔力タンク、世界でただ一人の自動人形『ドール』使いになる
日之影ソラ
ファンタジー
「ラスト、今日でお前はクビだ」
冒険者パーティで魔力タンク兼雑用係をしていたラストは、ある日突然リーダーから追放を宣告されてしまった。追放の理由は戦闘で役に立たないから。戦闘中に『コネクト』スキルで仲間と繋がり、仲間たちに自信の魔力を分け与えていたのだが……。それしかやっていないことを責められ、戦える人間のほうがマシだと仲間たちから言い放たれてしまう。
一人になり途方にくれるラストだったが、そこへ行方不明だった冒険者の祖父から送り物が届いた。贈り物と一緒に入れられた手紙には一言。
「ラストよ。彼女たちはお前の力になってくれる。ドール使いとなり、使い熟してみせよ」
そう記され、大きな木箱の中に入っていたのは綺麗な少女だった。
これは無能と言われた一人の冒険者が、自動人形(ドール)と共に成り上がる物語。
7/25男性向けHOTランキング1位
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる