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「リーフィー・バーベナ! 貴様との婚約は、今この時をもって破棄する!」
王立学園の卒業記念パーティー。
華やかな音楽と談笑が満ちていた大広間は、その一言で水を打ったように静まり返った。
壇上で高らかに叫んだのは、この国の第一王子であるアラン。
その隣には、小柄で可愛らしい男爵令嬢ミナが、怯えたようにアランの腕にしがみついている。
衆人環視の中、私は扇を静かに閉じ、ゆっくりと一礼した。
「……アラン殿下。それは、正気で仰っているのでしょうか?」
「正気も何も、俺はいつだって本気だ! 貴様のような可愛げのない、冷酷な悪女を王妃にするわけにはいかん!」
アランが大げさに腕を振り上げる。
周囲の貴族たちからは、ひそひそと嘲笑の声が漏れ聞こえてきた。
「見ろよ、悪役令嬢だ」
「ついに捨てられたか」
「いつも能面のように無愛想で、殿下に説教ばかりしていたからな」
やれやれ、と私は心の中で溜息をつく。
確かに私は、彼に厳しく接してきた。
だがそれは、次期国王としての自覚が足りない彼を矯正するためであり、決して悪意があったわけではない。
公務をサボって街へ遊びに行こうとするのを止め、予算会議で居眠りをするのを小突き、女性関係のだらしなさを諫めてきただけだ。
それが「冷酷な悪女」とは、随分な言い草である。
「リーフィー、貴様はミナにいじめを働いただろう! 教科書を隠したり、ドレスにワインをかけたり、階段から突き落とそうとしたり!」
「……身に覚えがございませんが」
「嘘をつくな! ミナは全て俺に打ち明けてくれたぞ! 『リーフィー様が怖いですぅ』と泣きながらな!」
アランが守るように抱き寄せると、ミナは上目遣いで私を見つめ、勝ち誇ったように口元を歪めた。
「そ、そうですわリーフィー様……。私、もう耐えられません……っ」
「ミナ、可哀想に……。俺が守ってやるからな」
「アラン様ぁ……」
二人の茶番劇に、こめかみがピクリと引きつる。
いじめ?
そんな暇があるなら、領地の経営改革案でも練っている。
そもそも、その男爵令嬢に興味などない。
しかし、完全に愛想が尽きた。
これほど愚かだったとは。
私は冷めた目で二人を見据える。
「証拠はあられるのですか?」
「証拠だと!? ミナの涙が証拠だ!」
「……左様でございますか」
会話が成立していない。
これ以上、ここで問答を続けても時間の無駄だろう。
国益を考えれば、こんな王子に嫁ぐこと自体がリスクでしかない。
むしろ、向こうから願い下げてくれるなら好都合だ。
「わかりました。婚約破棄の件、謹んでお受けいたします」
私のあっさりとした返答に、アランは拍子抜けしたような顔をした。
「なっ……。泣いて縋るかと思えば、随分と殊勝な態度だな。まあいい、貴様のような冷たい女には、王太子の婚約者という地位は重荷だったのだろう」
「ええ、大変重荷でございました」
嫌味を込めて肯定するが、アランには通じていないようだ。
彼はふんぞり返り、私に右手を差し出した。
「ならば、婚約の証である『王家の指輪』を返してもらおうか。それは代々の王太子妃に受け継がれる由緒ある指輪だ。貴様のような女が着けていていい代物ではない」
「はい、ただいま」
私は左手の薬指に手をかけた。
王家から贈られた、大粒の黒い宝石がついた指輪。
『加護の指輪』だと聞かされていたが、正直なところ、これを着けてからというもの、常に体が鉛のように重く、気分が優れなかった。
しかも、妙に指に食い込んで外れにくいのだ。
「ぐっ……」
指輪を引っ張るが、なかなか抜けない。
まるで私の指に吸着しているかのようだ。
「ふん、往生際が悪いぞ。指輪を返したくないのか?」
「いいえ、少しきつくて……」
「見苦しい! 早く渡せ!」
「くっ……んんっ!」
私は指が千切れんばかりの力を込め、一気に指輪を引き抜いた。
スポンッ!
勢いよく指輪が外れた、その瞬間だった。
バチバチバチッ!!
指輪からどす黒い火花が散り、強烈な閃光が会場全体を包み込んだ。
「うわっ!?」
「なんだ!?」
「きゃあああっ!」
会場が悲鳴に包まれる。
私も思わず目を閉じた。
数秒後。
光が収まり、私は恐る恐る目を開ける。
「……あれ?」
何かが違う。
まず、体が軽い。
今まで背負っていた重石が消えたように、羽が生えたような軽やかさを感じる。
視界もクリアだ。
世界がこんなにも鮮やかだったとは。
「おい、どうなっているんだ……?」
アランの呆けたような声が聞こえた。
顔を上げると、アランも、ミナも、そして会場にいる貴族たちも、全員が私を凝視していた。
先ほどまでの嘲笑や軽蔑の眼差しではない。
まるで、見たこともない稀少な生物を見るような、あるいは神々しいものを拝むような、驚愕と陶酔が入り混じった目だ。
会場はしんと静まり返っている。
私は首を傾げた。
「あの……アラン殿下? 指輪をお返しいたしますが」
外した指輪を差し出す。
すると、アランは口を半開きにし、顔を真っ赤にして後ずさった。
「だ、誰だ……貴様は……?」
「はい?」
何を言っているのだろう。
「リーフィー・バーベナでございますが」
「う、嘘をつくな! リーフィーはもっと……こう、陰気で、目つきが悪くて、パッとしない女だったはずだ! なんだその……光り輝くような美貌は!?」
美貌?
何を寝ぼけたことを。
私は自分の顔をペタペタと触る。
感触は変わっていない。
しかし、周囲の反応は異常だった。
近くにいた令息が、ふらふらと夢遊病のように私に近づいてくる。
「あ、ありえない……。女神だ……」
「なんて美しいんだ……」
「あんな方が、学園にいたのか?」
さざ波のように、どよめきが広がっていく。
今まで私を「悪役令嬢」と陰口を叩いていた令嬢たちでさえ、頬を染めて私に見惚れているではないか。
(一体、何が起きたの?)
混乱する私をよそに、アランの横にいたミナが、引きつった声で叫んだ。
「な、なによこれ!? どうして急に、そんなに綺麗になるのよ! ずるいじゃない!」
「ずるいと言われましても……」
私は手元の指輪に視線を落とす。
黒い宝石は、指から外れた途端に色を失い、ただの薄汚い石ころのように変色していた。
まさか。
これが『加護』などではなく、何か別の――例えば『呪い』の類だったとしたら?
私の魅力を封じ込め、周囲に悪印象を与えるような認識阻害の呪いだったとしたら?
「……ふふ」
思わず笑みがこぼれた。
だとしたら、アランは自らの手で、私にかかっていた呪いを解いてしまったことになる。
「あ、あの……リーフィー……嬢?」
アランが戸惑いながら、手を伸ばそうとしてくる。
その瞳には、先ほどまでの嫌悪感はなく、明らかに欲情と執着の色が浮かんでいた。
「やはり婚約破棄は……」
「待てェェェェいッ!!」
アランの言葉を遮るように、会場の扉がバーンと開け放たれた。
低い、しかしよく通る男の声が響き渡る。
「その婚約破棄、確かに聞き届けたぞ!」
カツカツカツと、重厚な足音が近づいてくる。
現れたのは、漆黒の騎士服に身を包んだ長身の男。
鋭い眼光、鍛え上げられた肉体、そして荒々しくも整った顔立ち。
我が国の騎士団長、ジェラルド・アイアンサイドその人であった。
彼は私の目の前まで大股で歩み寄ると、アランを押しのけるようにして、その場に片膝をついた。
「なっ、ジェラルド騎士団長!? 貴様、何をするつもりだ!」
アランの抗議など耳に入っていない様子で、ジェラルドは私の手を取り、熱っぽい瞳で見上げてきた。
「リーフィー・バーベナ嬢! いや、麗しの女神よ!」
「は、はい?」
「ずっと見ていた! 君のその凛とした立ち振る舞いを! だが、今夜の君は輪をかけて美しい! アラン殿下が君を手放すというのなら、私が立候補させてもらう!」
「はい?」
ジェラルドは私の手の甲に、音が出るほどの口づけを落とした。
「私と結婚してくれ! 今すぐにだ!」
「……はぁ!?」
思考が追いつかない。
婚約破棄された直後、呪いが解けたと思ったら、今度は国一番の堅物騎士団長に求婚されている。
会場は阿鼻叫喚の嵐となった。
私の新しい、そして騒がしい人生は、どうやらここから幕を開けるらしい。
王立学園の卒業記念パーティー。
華やかな音楽と談笑が満ちていた大広間は、その一言で水を打ったように静まり返った。
壇上で高らかに叫んだのは、この国の第一王子であるアラン。
その隣には、小柄で可愛らしい男爵令嬢ミナが、怯えたようにアランの腕にしがみついている。
衆人環視の中、私は扇を静かに閉じ、ゆっくりと一礼した。
「……アラン殿下。それは、正気で仰っているのでしょうか?」
「正気も何も、俺はいつだって本気だ! 貴様のような可愛げのない、冷酷な悪女を王妃にするわけにはいかん!」
アランが大げさに腕を振り上げる。
周囲の貴族たちからは、ひそひそと嘲笑の声が漏れ聞こえてきた。
「見ろよ、悪役令嬢だ」
「ついに捨てられたか」
「いつも能面のように無愛想で、殿下に説教ばかりしていたからな」
やれやれ、と私は心の中で溜息をつく。
確かに私は、彼に厳しく接してきた。
だがそれは、次期国王としての自覚が足りない彼を矯正するためであり、決して悪意があったわけではない。
公務をサボって街へ遊びに行こうとするのを止め、予算会議で居眠りをするのを小突き、女性関係のだらしなさを諫めてきただけだ。
それが「冷酷な悪女」とは、随分な言い草である。
「リーフィー、貴様はミナにいじめを働いただろう! 教科書を隠したり、ドレスにワインをかけたり、階段から突き落とそうとしたり!」
「……身に覚えがございませんが」
「嘘をつくな! ミナは全て俺に打ち明けてくれたぞ! 『リーフィー様が怖いですぅ』と泣きながらな!」
アランが守るように抱き寄せると、ミナは上目遣いで私を見つめ、勝ち誇ったように口元を歪めた。
「そ、そうですわリーフィー様……。私、もう耐えられません……っ」
「ミナ、可哀想に……。俺が守ってやるからな」
「アラン様ぁ……」
二人の茶番劇に、こめかみがピクリと引きつる。
いじめ?
そんな暇があるなら、領地の経営改革案でも練っている。
そもそも、その男爵令嬢に興味などない。
しかし、完全に愛想が尽きた。
これほど愚かだったとは。
私は冷めた目で二人を見据える。
「証拠はあられるのですか?」
「証拠だと!? ミナの涙が証拠だ!」
「……左様でございますか」
会話が成立していない。
これ以上、ここで問答を続けても時間の無駄だろう。
国益を考えれば、こんな王子に嫁ぐこと自体がリスクでしかない。
むしろ、向こうから願い下げてくれるなら好都合だ。
「わかりました。婚約破棄の件、謹んでお受けいたします」
私のあっさりとした返答に、アランは拍子抜けしたような顔をした。
「なっ……。泣いて縋るかと思えば、随分と殊勝な態度だな。まあいい、貴様のような冷たい女には、王太子の婚約者という地位は重荷だったのだろう」
「ええ、大変重荷でございました」
嫌味を込めて肯定するが、アランには通じていないようだ。
彼はふんぞり返り、私に右手を差し出した。
「ならば、婚約の証である『王家の指輪』を返してもらおうか。それは代々の王太子妃に受け継がれる由緒ある指輪だ。貴様のような女が着けていていい代物ではない」
「はい、ただいま」
私は左手の薬指に手をかけた。
王家から贈られた、大粒の黒い宝石がついた指輪。
『加護の指輪』だと聞かされていたが、正直なところ、これを着けてからというもの、常に体が鉛のように重く、気分が優れなかった。
しかも、妙に指に食い込んで外れにくいのだ。
「ぐっ……」
指輪を引っ張るが、なかなか抜けない。
まるで私の指に吸着しているかのようだ。
「ふん、往生際が悪いぞ。指輪を返したくないのか?」
「いいえ、少しきつくて……」
「見苦しい! 早く渡せ!」
「くっ……んんっ!」
私は指が千切れんばかりの力を込め、一気に指輪を引き抜いた。
スポンッ!
勢いよく指輪が外れた、その瞬間だった。
バチバチバチッ!!
指輪からどす黒い火花が散り、強烈な閃光が会場全体を包み込んだ。
「うわっ!?」
「なんだ!?」
「きゃあああっ!」
会場が悲鳴に包まれる。
私も思わず目を閉じた。
数秒後。
光が収まり、私は恐る恐る目を開ける。
「……あれ?」
何かが違う。
まず、体が軽い。
今まで背負っていた重石が消えたように、羽が生えたような軽やかさを感じる。
視界もクリアだ。
世界がこんなにも鮮やかだったとは。
「おい、どうなっているんだ……?」
アランの呆けたような声が聞こえた。
顔を上げると、アランも、ミナも、そして会場にいる貴族たちも、全員が私を凝視していた。
先ほどまでの嘲笑や軽蔑の眼差しではない。
まるで、見たこともない稀少な生物を見るような、あるいは神々しいものを拝むような、驚愕と陶酔が入り混じった目だ。
会場はしんと静まり返っている。
私は首を傾げた。
「あの……アラン殿下? 指輪をお返しいたしますが」
外した指輪を差し出す。
すると、アランは口を半開きにし、顔を真っ赤にして後ずさった。
「だ、誰だ……貴様は……?」
「はい?」
何を言っているのだろう。
「リーフィー・バーベナでございますが」
「う、嘘をつくな! リーフィーはもっと……こう、陰気で、目つきが悪くて、パッとしない女だったはずだ! なんだその……光り輝くような美貌は!?」
美貌?
何を寝ぼけたことを。
私は自分の顔をペタペタと触る。
感触は変わっていない。
しかし、周囲の反応は異常だった。
近くにいた令息が、ふらふらと夢遊病のように私に近づいてくる。
「あ、ありえない……。女神だ……」
「なんて美しいんだ……」
「あんな方が、学園にいたのか?」
さざ波のように、どよめきが広がっていく。
今まで私を「悪役令嬢」と陰口を叩いていた令嬢たちでさえ、頬を染めて私に見惚れているではないか。
(一体、何が起きたの?)
混乱する私をよそに、アランの横にいたミナが、引きつった声で叫んだ。
「な、なによこれ!? どうして急に、そんなに綺麗になるのよ! ずるいじゃない!」
「ずるいと言われましても……」
私は手元の指輪に視線を落とす。
黒い宝石は、指から外れた途端に色を失い、ただの薄汚い石ころのように変色していた。
まさか。
これが『加護』などではなく、何か別の――例えば『呪い』の類だったとしたら?
私の魅力を封じ込め、周囲に悪印象を与えるような認識阻害の呪いだったとしたら?
「……ふふ」
思わず笑みがこぼれた。
だとしたら、アランは自らの手で、私にかかっていた呪いを解いてしまったことになる。
「あ、あの……リーフィー……嬢?」
アランが戸惑いながら、手を伸ばそうとしてくる。
その瞳には、先ほどまでの嫌悪感はなく、明らかに欲情と執着の色が浮かんでいた。
「やはり婚約破棄は……」
「待てェェェェいッ!!」
アランの言葉を遮るように、会場の扉がバーンと開け放たれた。
低い、しかしよく通る男の声が響き渡る。
「その婚約破棄、確かに聞き届けたぞ!」
カツカツカツと、重厚な足音が近づいてくる。
現れたのは、漆黒の騎士服に身を包んだ長身の男。
鋭い眼光、鍛え上げられた肉体、そして荒々しくも整った顔立ち。
我が国の騎士団長、ジェラルド・アイアンサイドその人であった。
彼は私の目の前まで大股で歩み寄ると、アランを押しのけるようにして、その場に片膝をついた。
「なっ、ジェラルド騎士団長!? 貴様、何をするつもりだ!」
アランの抗議など耳に入っていない様子で、ジェラルドは私の手を取り、熱っぽい瞳で見上げてきた。
「リーフィー・バーベナ嬢! いや、麗しの女神よ!」
「は、はい?」
「ずっと見ていた! 君のその凛とした立ち振る舞いを! だが、今夜の君は輪をかけて美しい! アラン殿下が君を手放すというのなら、私が立候補させてもらう!」
「はい?」
ジェラルドは私の手の甲に、音が出るほどの口づけを落とした。
「私と結婚してくれ! 今すぐにだ!」
「……はぁ!?」
思考が追いつかない。
婚約破棄された直後、呪いが解けたと思ったら、今度は国一番の堅物騎士団長に求婚されている。
会場は阿鼻叫喚の嵐となった。
私の新しい、そして騒がしい人生は、どうやらここから幕を開けるらしい。
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