5 / 28
5
しおりを挟む
国境を越え、馬車はドラグーン公国の領都へと入った。
車窓から見える街並みは、予想に反して整備され、活気に満ちていた。
「あら。もっと荒廃した世紀末のような風景を想像していましたけれど」
「期待外れですまないな。治安維持とインフラ整備は、支配の基本だ」
向かいの席で、キース公爵が不敵に笑う。
彼は道中、私の馬車に同乗してきた。
曰く、「面白い玩具(お前)から目を離したくない」とのことだ。
「さあ、見えてきたぞ。あれが俺の居城、ドラグーン城だ」
彼が指差した先には、切り立った崖の上にそびえる巨大な城があった。
黒い石材で組まれた尖塔、空を覆う雷雲、そして周囲を飛び交うワイバーン。
「……」
「どうだ? 威圧的だろう?」
「ええ。趣味が悪いですわね」
「は?」
キースの眉がピクリと動く。
「あんなに尖っていたら、掃除が大変でしょうに。それにあの雷雲、演出のために魔法で維持していますわね? 魔石の無駄遣いですわ」
「……そこを突っ込むのか」
「悪の居城たるもの、実用性と恐怖のバランスが大事です。あれではただの『お化け屋敷』ですわよ」
私は扇で口元を隠し、辛辣な評価を下した。
キースは一瞬呆気にとられたようだが、すぐにククッと喉を鳴らした。
「やはり面白い。外見にビビるどころか、維持費の心配をするとはな」
馬車が城門をくぐる。
門番の兵士たちが、キースの姿を見るなり直立不動で敬礼した。
その顔には、恐怖と尊敬が入り混じっている。
「閣下! お帰りなさいませ!」
「うむ。留守中、変わりはなかったか?」
「はい! 北の森でオークの集団が発生しましたが、第三部隊が殲滅しました!」
「ご苦労。負傷者は?」
「軽傷が二名のみです! すでに治癒魔法班が対応しております!」
「よろしい。後で特別手当を出しておけ」
「はっ! ありがとうございます!」
……おや?
私は扇の隙間から、そのやり取りを観察した。
(部下の負傷を気遣い、特別手当? 魔王と呼ばれる男が?)
意外とまともな上司なのかもしれない。
だが、油断は禁物だ。
これは私を油断させるための高度な演技かもしれないのだから。
馬車を降り、私はキースに案内されて城の最上階へ向かった。
通されたのは、広大な執務室だった。
壁一面の本棚には難しそうな書物が並び、巨大な執務机には書類が山積みになっている。
「ここが俺の職場だ。……さて」
キースは革張りの椅子にどっかりと座ると、足を組んで私を見据えた。
その瞳が、先ほどまでのふざけた色を消し、統治者としての冷徹な光を帯びる。
「ルミナス・ヴァン・ローゼン。改めまして、面接といこうか」
「面接、ですの?」
「ああ。俺はお前をスカウトしたが、具体的に何の役に立つのか、まだ聞いていない」
彼は指先でコツコツと机を叩いた。
「ただの『金持ちの跳ねっ返り娘』なら、ペットとして飼うくらいしか能がないぞ?」
試されている。
その言葉に含まれた圧力を感じ取り、私は背筋を正した。
怯えると思ったか?
生憎だが、私はこういう駆け引きが大好物なのだ。
私は優雅に歩を進め、彼の机の前まで行くと、積み上げられた書類の山を指先でなぞった。
「その書類、領地の税収報告書ですわね?」
「……ほう。遠目によく分かったな」
「表紙の色と厚みで分かりますわ。……処理に何日かかっていますの?」
「三日だ。これでも早い方だが?」
「遅すぎますわ。私なら半日で終わらせます」
「なんだと?」
キースが目を細める。
「嘘だと思うなら、今ここでやらせてごらんなさい。ただし……」
私はニヤリと笑い、彼の机に両手をついて顔を近づけた。
「私が勝ったら、私の言い値で雇用契約を結んでいただきますわよ?」
「……いいだろう。乗った」
キースは一束の書類を私に放り投げた。
「期限は一時間だ。この地区の税収の計算ミスと、横領の兆候を見つけ出せ」
「一時間? 十分で十分ですわ」
私は近くのソファに座り、書類を広げた。
そこからは、私の独壇場だった。
パラパラパラパラ……!
高速でページをめくる音だけが室内に響く。
アラン王子の尻拭いで鍛えられた事務処理能力は、伊達ではない。
数字の羅列が、私には美しい旋律のように見えてくる。
違和感のある数字、つじつまの合わない経費、水増しされた請求……。
それらが勝手に目に飛び込んでくるのだ。
「……終わりましたわ」
「なっ……!?」
キースが懐中時計を見る。
「八分だと……? 適当にめくっただけだろう」
「いいえ。……3ページ目の5行目、パンの購入費が相場より二割高いです。これは納入業者との癒着ですわね」
「……!」
「12ページ目、橋の修繕費。工事完了の報告がないのに、予算だけ消化されています。架空請求の疑いが濃厚」
「……!!」
「そして極め付けは25ページ。この『ドラゴン対策費』。この地区にドラゴンなんて出ませんわよね? 代官が自分の別荘を建てるための隠し財布でしょう」
私は赤ペンで修正した書類を、キースの前に叩きつけた。
「以上、計十五件の不正と、三十箇所の計算ミスです。……検算なさいます?」
キースは書類を手に取り、しばらく無言で目を通していた。
その表情が、驚愕から感心へ、そして歓喜へと変わっていく。
「ククッ……ハハハハハ!」
彼は突然、天井を仰いで爆笑した。
「素晴らしい! 完璧だ! 俺の専門官でも半日かかる精査を、茶を飲むような速さで!」
彼は立ち上がり、私の肩をガシッと掴んだ。
「合格だ、ルミナス! お前がいれば、俺の睡眠時間は倍に増える!」
「あら、それは何よりですわ」
「で、希望条件はなんだ? 金か? 地位か? それとも俺の愛か?」
「愛はいりませんわ。そんな不確定なもの、資産価値がありませんもの」
私は即答し、懐から羊皮紙を取り出した。
「これが私の要求する雇用契約書案です」
「用意がいいな……どれ」
キースは契約書に目を通し、その目が点になった。
「……基本給、金貨五百枚? これ、大臣クラスだぞ」
「私の能力を考えればバーゲンセールですわ」
「週休二日制、残業代は15分単位で支給、有給休暇は年20日……」
「労働環境の整備は効率化の第一歩です」
「さらに……『悪役としての品位を保つためのドレス代、美容代は全額経費とする』だと?」
「当然ですわ。魔王公爵の側近がボロボロの服では、公国の恥になりますもの」
とんでもない条件だ。
普通なら激怒して破り捨てるだろう。
だが、キースの口角は吊り上がったままだった。
「……面白い。実に強欲で、ふてぶてしい」
彼はペンを取り、サラサラと署名した。
「採用だ。今日からお前は、俺の『首席補佐官』兼『公爵夫人(仮)』だ」
「あら、『(仮)』は余計ですわ。それに公爵夫人業務は別料金になりますけれど?」
「ハハハ! がめつい女だ。だが、そこがいい」
キースは私に手を差し出した。
「よろしく頼むぞ、相棒(パートナー)。この国を、そして世界を、俺たちの手で面白おかしく改造してやろう」
「ええ、お任せくださいませ」
私はその手を取り、不敵に微笑んだ。
「まずはこの城のインテリアから変えさせていただきますわ。あのドクロのシャンデリア、趣味が悪すぎて吐き気がしますもの」
「おい、あれは先代からの遺産だぞ……」
こうして、私は無事に再就職を果たした。
職場は魔王城。
上司は魔王公爵。
だが、この時の私はまだ知らなかった。
この職場が、想像を絶するほど「ホワイト」であり、同時に私の「悪役としての常識」を覆す場所であることを。
(さあ、まずは執務室の掃除からね。……アラン王子の国より、やりがいがありそうだわ!)
車窓から見える街並みは、予想に反して整備され、活気に満ちていた。
「あら。もっと荒廃した世紀末のような風景を想像していましたけれど」
「期待外れですまないな。治安維持とインフラ整備は、支配の基本だ」
向かいの席で、キース公爵が不敵に笑う。
彼は道中、私の馬車に同乗してきた。
曰く、「面白い玩具(お前)から目を離したくない」とのことだ。
「さあ、見えてきたぞ。あれが俺の居城、ドラグーン城だ」
彼が指差した先には、切り立った崖の上にそびえる巨大な城があった。
黒い石材で組まれた尖塔、空を覆う雷雲、そして周囲を飛び交うワイバーン。
「……」
「どうだ? 威圧的だろう?」
「ええ。趣味が悪いですわね」
「は?」
キースの眉がピクリと動く。
「あんなに尖っていたら、掃除が大変でしょうに。それにあの雷雲、演出のために魔法で維持していますわね? 魔石の無駄遣いですわ」
「……そこを突っ込むのか」
「悪の居城たるもの、実用性と恐怖のバランスが大事です。あれではただの『お化け屋敷』ですわよ」
私は扇で口元を隠し、辛辣な評価を下した。
キースは一瞬呆気にとられたようだが、すぐにククッと喉を鳴らした。
「やはり面白い。外見にビビるどころか、維持費の心配をするとはな」
馬車が城門をくぐる。
門番の兵士たちが、キースの姿を見るなり直立不動で敬礼した。
その顔には、恐怖と尊敬が入り混じっている。
「閣下! お帰りなさいませ!」
「うむ。留守中、変わりはなかったか?」
「はい! 北の森でオークの集団が発生しましたが、第三部隊が殲滅しました!」
「ご苦労。負傷者は?」
「軽傷が二名のみです! すでに治癒魔法班が対応しております!」
「よろしい。後で特別手当を出しておけ」
「はっ! ありがとうございます!」
……おや?
私は扇の隙間から、そのやり取りを観察した。
(部下の負傷を気遣い、特別手当? 魔王と呼ばれる男が?)
意外とまともな上司なのかもしれない。
だが、油断は禁物だ。
これは私を油断させるための高度な演技かもしれないのだから。
馬車を降り、私はキースに案内されて城の最上階へ向かった。
通されたのは、広大な執務室だった。
壁一面の本棚には難しそうな書物が並び、巨大な執務机には書類が山積みになっている。
「ここが俺の職場だ。……さて」
キースは革張りの椅子にどっかりと座ると、足を組んで私を見据えた。
その瞳が、先ほどまでのふざけた色を消し、統治者としての冷徹な光を帯びる。
「ルミナス・ヴァン・ローゼン。改めまして、面接といこうか」
「面接、ですの?」
「ああ。俺はお前をスカウトしたが、具体的に何の役に立つのか、まだ聞いていない」
彼は指先でコツコツと机を叩いた。
「ただの『金持ちの跳ねっ返り娘』なら、ペットとして飼うくらいしか能がないぞ?」
試されている。
その言葉に含まれた圧力を感じ取り、私は背筋を正した。
怯えると思ったか?
生憎だが、私はこういう駆け引きが大好物なのだ。
私は優雅に歩を進め、彼の机の前まで行くと、積み上げられた書類の山を指先でなぞった。
「その書類、領地の税収報告書ですわね?」
「……ほう。遠目によく分かったな」
「表紙の色と厚みで分かりますわ。……処理に何日かかっていますの?」
「三日だ。これでも早い方だが?」
「遅すぎますわ。私なら半日で終わらせます」
「なんだと?」
キースが目を細める。
「嘘だと思うなら、今ここでやらせてごらんなさい。ただし……」
私はニヤリと笑い、彼の机に両手をついて顔を近づけた。
「私が勝ったら、私の言い値で雇用契約を結んでいただきますわよ?」
「……いいだろう。乗った」
キースは一束の書類を私に放り投げた。
「期限は一時間だ。この地区の税収の計算ミスと、横領の兆候を見つけ出せ」
「一時間? 十分で十分ですわ」
私は近くのソファに座り、書類を広げた。
そこからは、私の独壇場だった。
パラパラパラパラ……!
高速でページをめくる音だけが室内に響く。
アラン王子の尻拭いで鍛えられた事務処理能力は、伊達ではない。
数字の羅列が、私には美しい旋律のように見えてくる。
違和感のある数字、つじつまの合わない経費、水増しされた請求……。
それらが勝手に目に飛び込んでくるのだ。
「……終わりましたわ」
「なっ……!?」
キースが懐中時計を見る。
「八分だと……? 適当にめくっただけだろう」
「いいえ。……3ページ目の5行目、パンの購入費が相場より二割高いです。これは納入業者との癒着ですわね」
「……!」
「12ページ目、橋の修繕費。工事完了の報告がないのに、予算だけ消化されています。架空請求の疑いが濃厚」
「……!!」
「そして極め付けは25ページ。この『ドラゴン対策費』。この地区にドラゴンなんて出ませんわよね? 代官が自分の別荘を建てるための隠し財布でしょう」
私は赤ペンで修正した書類を、キースの前に叩きつけた。
「以上、計十五件の不正と、三十箇所の計算ミスです。……検算なさいます?」
キースは書類を手に取り、しばらく無言で目を通していた。
その表情が、驚愕から感心へ、そして歓喜へと変わっていく。
「ククッ……ハハハハハ!」
彼は突然、天井を仰いで爆笑した。
「素晴らしい! 完璧だ! 俺の専門官でも半日かかる精査を、茶を飲むような速さで!」
彼は立ち上がり、私の肩をガシッと掴んだ。
「合格だ、ルミナス! お前がいれば、俺の睡眠時間は倍に増える!」
「あら、それは何よりですわ」
「で、希望条件はなんだ? 金か? 地位か? それとも俺の愛か?」
「愛はいりませんわ。そんな不確定なもの、資産価値がありませんもの」
私は即答し、懐から羊皮紙を取り出した。
「これが私の要求する雇用契約書案です」
「用意がいいな……どれ」
キースは契約書に目を通し、その目が点になった。
「……基本給、金貨五百枚? これ、大臣クラスだぞ」
「私の能力を考えればバーゲンセールですわ」
「週休二日制、残業代は15分単位で支給、有給休暇は年20日……」
「労働環境の整備は効率化の第一歩です」
「さらに……『悪役としての品位を保つためのドレス代、美容代は全額経費とする』だと?」
「当然ですわ。魔王公爵の側近がボロボロの服では、公国の恥になりますもの」
とんでもない条件だ。
普通なら激怒して破り捨てるだろう。
だが、キースの口角は吊り上がったままだった。
「……面白い。実に強欲で、ふてぶてしい」
彼はペンを取り、サラサラと署名した。
「採用だ。今日からお前は、俺の『首席補佐官』兼『公爵夫人(仮)』だ」
「あら、『(仮)』は余計ですわ。それに公爵夫人業務は別料金になりますけれど?」
「ハハハ! がめつい女だ。だが、そこがいい」
キースは私に手を差し出した。
「よろしく頼むぞ、相棒(パートナー)。この国を、そして世界を、俺たちの手で面白おかしく改造してやろう」
「ええ、お任せくださいませ」
私はその手を取り、不敵に微笑んだ。
「まずはこの城のインテリアから変えさせていただきますわ。あのドクロのシャンデリア、趣味が悪すぎて吐き気がしますもの」
「おい、あれは先代からの遺産だぞ……」
こうして、私は無事に再就職を果たした。
職場は魔王城。
上司は魔王公爵。
だが、この時の私はまだ知らなかった。
この職場が、想像を絶するほど「ホワイト」であり、同時に私の「悪役としての常識」を覆す場所であることを。
(さあ、まずは執務室の掃除からね。……アラン王子の国より、やりがいがありそうだわ!)
10
あなたにおすすめの小説
殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
さこの
恋愛
恋がしたい。
ウィルフレッド殿下が言った…
それではどうぞ、美しい恋をしてください。
婚約者候補から外れるようにと同じく婚約者候補のマドレーヌ様が話をつけてくださりました!
話の視点が回毎に変わることがあります。
緩い設定です。二十話程です。
本編+番外編の別視点
前世の旦那様、貴方とだけは結婚しません。
真咲
恋愛
全21話。他サイトでも掲載しています。
一度目の人生、愛した夫には他に想い人がいた。
侯爵令嬢リリア・エンダロインは幼い頃両親同士の取り決めで、幼馴染の公爵家の嫡男であるエスター・カンザスと婚約した。彼は学園時代のクラスメイトに恋をしていたけれど、リリアを優先し、リリアだけを大切にしてくれた。
二度目の人生。
リリアは、再びリリア・エンダロインとして生まれ変わっていた。
「次は、私がエスターを幸せにする」
自分が彼に幸せにしてもらったように。そのために、何がなんでも、エスターとだけは結婚しないと決めた。
いつまでも変わらない愛情を与えてもらえるのだと思っていた
奏千歌
恋愛
[ディエム家の双子姉妹]
どうして、こんな事になってしまったのか。
妻から向けられる愛情を、どうして疎ましいと思ってしまっていたのか。
私は愛する人と結婚できなくなったのに、あなたが結婚できると思うの?
あんど もあ
ファンタジー
妹の画策で、第一王子との婚約を解消することになったレイア。
理由は姉への嫌がらせだとしても、妹は王子の結婚を妨害したのだ。
レイアは妹への処罰を伝える。
「あなたも婚約解消しなさい」
何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は
だましだまし
ファンタジー
何でもかんでも「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢にその取り巻きの侯爵令息。
私、男爵令嬢ライラの従妹で親友の子爵令嬢ルフィナはそんな二人にしょうちゅう絡まれ楽しい学園生活は段々とつまらなくなっていった。
そのまま卒業と思いきや…?
「ひどいわ」ばっかり言ってるからよ(笑)
全10話+エピローグとなります。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※短編です。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4800文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる