26 / 28
26
しおりを挟む
「……あの、レオニード様」
「ん?」
「重いです」
「……筋肉だからな。密度が高いんだ」
「そういう物理的な話ではありません! 物理的にも重いですが、精神的な圧がすごいのですよ!」
グライフェン邸の執務室。
私は机に向かい、山積みの書類(温泉旅館の拡張計画書)と格闘していた。
しかし、作業が一向に進まない。
なぜなら。
私の背中に、巨大な熊……ではなく、レオニード様がへばりついているからだ。
彼は私の椅子(一人用)に無理やり一緒に座り込み、後ろから私を抱きすくめる形で固定している。
太い腕が私のお腹周りに回され、顎が私の肩に乗っている。
彼の吐息が、ちょうど耳元にかかる位置だ。
「レオニード様。これではペンが動きません」
「動くだろう。手首は自由だ」
「可動域が狭すぎます! それに、耳元で『ふぅ……』とか溜息をつかないでください! くすぐったくて集中できません!」
「……すまん。お前のうなじが良い匂いだったもので、つい深呼吸を」
「変態ですか!?」
私は肘で彼の鳩尾(みぞおち)を突いた。
ドスッ。
「ぐっ……(良い肘だ)」
「喜ばないでください!」
ここ数日、レオニード様の「甘えん坊モード」が暴走している。
温泉や観光事業の成功で、私の仕事が増えた反動だろうか。
彼は隙あらば私にくっつき、離れようとしない。
「ねえ、エーミール」
「何ですか(カリカリと書類にサインしながら)」
「休憩しないか?」
「さっきしました」
「糖分補給はどうだ?」
「お腹いっぱいです」
「……キスは?」
「業務時間外です」
私は冷たくあしらい続けた。
しかし、レオニード様はめげない。
彼は私の手からペンを取り上げ、ポイッと机の端に投げた。
「あっ!?」
「もう十分だ。……俺を見ろ」
彼は強引に私を振り向かせ、そのアメジストの瞳で見つめてきた。
「書類と俺、どっちが大事なんだ?」
出た。
面倒くさい彼女みたいな台詞。
普段なら「はいはい、あなたですよ」とあしらうところだが、今日は納期が迫っている契約書があるのだ。
私の堪忍袋の緒が、プツンと切れた。
「……書類です」
「なっ……!?」
レオニード様がショックで固まる。
私は彼を押し退け、椅子から立ち上がった。
「いい加減にしてください! あなたが『構ってちゃん』をしている間にも、利子は発生し、ビジネスチャンスは逃げていくのです!」
私は執務室のドアを指差した。
「出て行ってください!」
「え……」
「仕事が終わるまで、入室禁止です! 顔も見たくありません!」
「そ、そんな……」
レオニード様は、捨てられた大型犬のような悲壮な顔をした。
「エーミール……本気か?」
「本気です! 邪魔です! 筋肉が視界に入ると、気が散るんです!」
「……筋肉が、邪魔……」
その言葉がトドメだったらしい。
彼はガックリと肩を落とし、よろよろと立ち上がった。
「……分かった。……頭を冷やしてくる」
彼はとぼとぼと部屋を出て行った。
パタン、とドアが閉まる。
静寂が戻った。
「ふぅ……やっと静かになったわ」
私は椅子に座り直し、ペンを拾った。
これで仕事に集中できる。
さあ、バリバリ片付けるわよ!
……。
…………。
「…………」
ペン先が止まる。
静かすぎる。
いつもなら、背後から聞こえる重低音の寝息や、紙をめくる音、そして時折感じる温かい体温があった。
それがなくなると、この広い執務室は、急に寒々しく感じられた。
(……言いすぎたかしら)
「筋肉が邪魔」は、彼にとっては「存在否定」に近い暴言だったかもしれない。
彼があんなに体を鍛えているのは、私との契約(と、私へのアピール)のためなのに。
「……はぁ」
私はペンを置いた。
集中できない。
さっきとは逆の意味で、全く仕事が手につかない。
「ダメね。……私ったら、いつの間に『彼成分』がないと動けない体になってしまったのかしら」
私は苦笑し、席を立った。
謝りに行こう。
そして、ちょっとだけ休憩して、彼をナデナデしてあげよう。
そう思い、私は部屋を出た。
◇
「レオニード様? どこですか?」
屋敷の中を探したが、彼の姿はない。
ギルバートに尋ねると、彼は裏庭の方を指差した。
「旦那様なら、裏の森へ行かれました」
「森へ?」
「はい。……『薪を割る』と仰って」
「薪? もう十分備蓄があるはずだけど……」
嫌な予感がして、私は裏庭へと急いだ。
そこには、異様な光景が広がっていた。
ドカォォォォン!!
バギィィィィン!!
凄まじい轟音と共に、巨木が次々とへし折られている。
レオニード様だ。
彼は斧も使わず、素手(手刀)で丸太を叩き割っていた。
その表情は無心。
ただひたすらに、目の前の木材を破壊し続けている。
周りには、すでに数年分はありそうな薪の山が築かれていた。
「レ、レオニード様!?」
私が声をかけると、彼はピタリと動きを止めた。
ゆっくりと振り向く。
その目は、少し赤くなっていた。
「……エーミール」
「何をしているのですか! これ以上薪を増やして、キャンプ場でも開くつもりですか!?」
「……寂しさを、筋肉への負荷に変えていた」
彼はボソリと言った。
「筋繊維を破壊すれば……心の痛みも紛れるかと思って」
「バカなの!?」
私は駆け寄り、彼の泥だらけの手を取った。
「ごめんなさい。言いすぎました」
「……いや、俺が悪い。お前の仕事の邪魔をした」
彼はシュンとして俯く。
「俺は……お前が忙しそうにしていると、不安になるんだ」
「不安?」
「ああ。お前は優秀だ。俺がいなくても、一人で生きていけるんじゃないか……。俺はただの『お飾り』なんじゃないかと思って」
彼は私の手を強く握った。
「だから、くっついていないと……お前がどこかへ飛んでいってしまいそうで」
なんて可愛い、そして面倒くさい男なのだろう。
私はため息をつき、そして背伸びをして、彼の唇に軽くキスをした。
チュッ。
「……!」
レオニード様が目を見開く。
「バカな旦那様。私がどこへ行くというのです?」
私は彼の胸板をトントンと叩いた。
「私の居場所はここです。この、硬くて温かい『特等席』だけです」
「エーミール……」
「仕事熱心なのは、二人の将来のためです。決してあなたをないがしろにしているわけではありません」
私はニッコリと笑った。
「でも、そうですね。……少し、働きすぎだったかもしれません」
私は彼の手を引き、屋敷の方へと歩き出した。
「戻りましょう、レオニード様」
「仕事は……いいのか?」
「いいえ、まだ残っています」
私は悪戯っぽく彼を見上げた。
「ですから、手伝ってください」
「手伝う? 俺に計算はできんぞ」
「計算はいりません。……『椅子』になってください」
「椅子?」
◇
数分後。
執務室には、元の光景――いや、さらに密着度の高い光景が戻っていた。
レオニード様が椅子に座り、私はその膝の上に座って仕事をしているのだ。
いわゆる「お姫様抱っこ座り」である。
「……これ、作業効率はどうなんだ?」
レオニード様が、私の腰に手を回しながら尋ねる。
「最高です」
私は即答した。
「背もたれ(あなたの胸板)は温かいし、クッション(あなたの太腿)は弾力がある。そして何より……」
私はペンを走らせながら言った。
「あなたが逃げないように監視できるので、安心です」
「……それは俺の台詞だ」
レオニード様が、私の首筋に顔を埋め、クスクスと笑う。
「悪くないな、この体勢」
「でしょう? これなら、いくら邪魔しても許してあげますわ」
「じゃあ……」
彼の手が、少し際どい場所(脇腹)をくすぐってきた。
「きゃっ!? こら、仕事中です!」
「お前が『許す』と言った」
「限度があります! ……あ、そこっ!」
「ふふ、ここが弱いのか」
初めての夫婦喧嘩は、結局、ただの「イチャイチャ時間の延長戦」として幕を閉じた。
書類が終わったのは、深夜のことだったけれど。
完成した計画書には、なぜか余白にレオニード様の似顔絵(落書き)が描かれていたのは、ここだけの秘密である。
「ん?」
「重いです」
「……筋肉だからな。密度が高いんだ」
「そういう物理的な話ではありません! 物理的にも重いですが、精神的な圧がすごいのですよ!」
グライフェン邸の執務室。
私は机に向かい、山積みの書類(温泉旅館の拡張計画書)と格闘していた。
しかし、作業が一向に進まない。
なぜなら。
私の背中に、巨大な熊……ではなく、レオニード様がへばりついているからだ。
彼は私の椅子(一人用)に無理やり一緒に座り込み、後ろから私を抱きすくめる形で固定している。
太い腕が私のお腹周りに回され、顎が私の肩に乗っている。
彼の吐息が、ちょうど耳元にかかる位置だ。
「レオニード様。これではペンが動きません」
「動くだろう。手首は自由だ」
「可動域が狭すぎます! それに、耳元で『ふぅ……』とか溜息をつかないでください! くすぐったくて集中できません!」
「……すまん。お前のうなじが良い匂いだったもので、つい深呼吸を」
「変態ですか!?」
私は肘で彼の鳩尾(みぞおち)を突いた。
ドスッ。
「ぐっ……(良い肘だ)」
「喜ばないでください!」
ここ数日、レオニード様の「甘えん坊モード」が暴走している。
温泉や観光事業の成功で、私の仕事が増えた反動だろうか。
彼は隙あらば私にくっつき、離れようとしない。
「ねえ、エーミール」
「何ですか(カリカリと書類にサインしながら)」
「休憩しないか?」
「さっきしました」
「糖分補給はどうだ?」
「お腹いっぱいです」
「……キスは?」
「業務時間外です」
私は冷たくあしらい続けた。
しかし、レオニード様はめげない。
彼は私の手からペンを取り上げ、ポイッと机の端に投げた。
「あっ!?」
「もう十分だ。……俺を見ろ」
彼は強引に私を振り向かせ、そのアメジストの瞳で見つめてきた。
「書類と俺、どっちが大事なんだ?」
出た。
面倒くさい彼女みたいな台詞。
普段なら「はいはい、あなたですよ」とあしらうところだが、今日は納期が迫っている契約書があるのだ。
私の堪忍袋の緒が、プツンと切れた。
「……書類です」
「なっ……!?」
レオニード様がショックで固まる。
私は彼を押し退け、椅子から立ち上がった。
「いい加減にしてください! あなたが『構ってちゃん』をしている間にも、利子は発生し、ビジネスチャンスは逃げていくのです!」
私は執務室のドアを指差した。
「出て行ってください!」
「え……」
「仕事が終わるまで、入室禁止です! 顔も見たくありません!」
「そ、そんな……」
レオニード様は、捨てられた大型犬のような悲壮な顔をした。
「エーミール……本気か?」
「本気です! 邪魔です! 筋肉が視界に入ると、気が散るんです!」
「……筋肉が、邪魔……」
その言葉がトドメだったらしい。
彼はガックリと肩を落とし、よろよろと立ち上がった。
「……分かった。……頭を冷やしてくる」
彼はとぼとぼと部屋を出て行った。
パタン、とドアが閉まる。
静寂が戻った。
「ふぅ……やっと静かになったわ」
私は椅子に座り直し、ペンを拾った。
これで仕事に集中できる。
さあ、バリバリ片付けるわよ!
……。
…………。
「…………」
ペン先が止まる。
静かすぎる。
いつもなら、背後から聞こえる重低音の寝息や、紙をめくる音、そして時折感じる温かい体温があった。
それがなくなると、この広い執務室は、急に寒々しく感じられた。
(……言いすぎたかしら)
「筋肉が邪魔」は、彼にとっては「存在否定」に近い暴言だったかもしれない。
彼があんなに体を鍛えているのは、私との契約(と、私へのアピール)のためなのに。
「……はぁ」
私はペンを置いた。
集中できない。
さっきとは逆の意味で、全く仕事が手につかない。
「ダメね。……私ったら、いつの間に『彼成分』がないと動けない体になってしまったのかしら」
私は苦笑し、席を立った。
謝りに行こう。
そして、ちょっとだけ休憩して、彼をナデナデしてあげよう。
そう思い、私は部屋を出た。
◇
「レオニード様? どこですか?」
屋敷の中を探したが、彼の姿はない。
ギルバートに尋ねると、彼は裏庭の方を指差した。
「旦那様なら、裏の森へ行かれました」
「森へ?」
「はい。……『薪を割る』と仰って」
「薪? もう十分備蓄があるはずだけど……」
嫌な予感がして、私は裏庭へと急いだ。
そこには、異様な光景が広がっていた。
ドカォォォォン!!
バギィィィィン!!
凄まじい轟音と共に、巨木が次々とへし折られている。
レオニード様だ。
彼は斧も使わず、素手(手刀)で丸太を叩き割っていた。
その表情は無心。
ただひたすらに、目の前の木材を破壊し続けている。
周りには、すでに数年分はありそうな薪の山が築かれていた。
「レ、レオニード様!?」
私が声をかけると、彼はピタリと動きを止めた。
ゆっくりと振り向く。
その目は、少し赤くなっていた。
「……エーミール」
「何をしているのですか! これ以上薪を増やして、キャンプ場でも開くつもりですか!?」
「……寂しさを、筋肉への負荷に変えていた」
彼はボソリと言った。
「筋繊維を破壊すれば……心の痛みも紛れるかと思って」
「バカなの!?」
私は駆け寄り、彼の泥だらけの手を取った。
「ごめんなさい。言いすぎました」
「……いや、俺が悪い。お前の仕事の邪魔をした」
彼はシュンとして俯く。
「俺は……お前が忙しそうにしていると、不安になるんだ」
「不安?」
「ああ。お前は優秀だ。俺がいなくても、一人で生きていけるんじゃないか……。俺はただの『お飾り』なんじゃないかと思って」
彼は私の手を強く握った。
「だから、くっついていないと……お前がどこかへ飛んでいってしまいそうで」
なんて可愛い、そして面倒くさい男なのだろう。
私はため息をつき、そして背伸びをして、彼の唇に軽くキスをした。
チュッ。
「……!」
レオニード様が目を見開く。
「バカな旦那様。私がどこへ行くというのです?」
私は彼の胸板をトントンと叩いた。
「私の居場所はここです。この、硬くて温かい『特等席』だけです」
「エーミール……」
「仕事熱心なのは、二人の将来のためです。決してあなたをないがしろにしているわけではありません」
私はニッコリと笑った。
「でも、そうですね。……少し、働きすぎだったかもしれません」
私は彼の手を引き、屋敷の方へと歩き出した。
「戻りましょう、レオニード様」
「仕事は……いいのか?」
「いいえ、まだ残っています」
私は悪戯っぽく彼を見上げた。
「ですから、手伝ってください」
「手伝う? 俺に計算はできんぞ」
「計算はいりません。……『椅子』になってください」
「椅子?」
◇
数分後。
執務室には、元の光景――いや、さらに密着度の高い光景が戻っていた。
レオニード様が椅子に座り、私はその膝の上に座って仕事をしているのだ。
いわゆる「お姫様抱っこ座り」である。
「……これ、作業効率はどうなんだ?」
レオニード様が、私の腰に手を回しながら尋ねる。
「最高です」
私は即答した。
「背もたれ(あなたの胸板)は温かいし、クッション(あなたの太腿)は弾力がある。そして何より……」
私はペンを走らせながら言った。
「あなたが逃げないように監視できるので、安心です」
「……それは俺の台詞だ」
レオニード様が、私の首筋に顔を埋め、クスクスと笑う。
「悪くないな、この体勢」
「でしょう? これなら、いくら邪魔しても許してあげますわ」
「じゃあ……」
彼の手が、少し際どい場所(脇腹)をくすぐってきた。
「きゃっ!? こら、仕事中です!」
「お前が『許す』と言った」
「限度があります! ……あ、そこっ!」
「ふふ、ここが弱いのか」
初めての夫婦喧嘩は、結局、ただの「イチャイチャ時間の延長戦」として幕を閉じた。
書類が終わったのは、深夜のことだったけれど。
完成した計画書には、なぜか余白にレオニード様の似顔絵(落書き)が描かれていたのは、ここだけの秘密である。
1
あなたにおすすめの小説
勝手にしろと言われたので、勝手にさせていただきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
子爵家の私は自分よりも身分の高い婚約者に、いつもいいように顎でこき使われていた。ある日、突然婚約者に呼び出されて一方的に婚約破棄を告げられてしまう。二人の婚約は家同士が決めたこと。当然受け入れられるはずもないので拒絶すると「婚約破棄は絶対する。後のことなどしるものか。お前の方で勝手にしろ」と言い切られてしまう。
いいでしょう……そこまで言うのなら、勝手にさせていただきます。
ただし、後のことはどうなっても知りませんよ?
* 他サイトでも投稿
* ショートショートです。あっさり終わります
婚約なんてするんじゃなかったが口癖の貴方なんて要りませんわ
神々廻
恋愛
「天使様...?」
初対面の時の婚約者様からは『天使様』などと言われた事もあった
「なんでお前はそんなに可愛げが無いんだろうな。昔のお前は可愛かったのに。そんなに細いから肉付きが悪く、頬も薄い。まぁ、お前が太ったらそれこそ醜すぎるがな。あーあ、婚約なんて結ぶんじゃなかった」
そうですか、なら婚約破棄しましょう。
愛されていたのだと知りました。それは、あなたの愛をなくした時の事でした。
桗梛葉 (たなは)
恋愛
リリナシスと王太子ヴィルトスが婚約をしたのは、2人がまだ幼い頃だった。
それから、ずっと2人は一緒に過ごしていた。
一緒に駆け回って、悪戯をして、叱られる事もあったのに。
いつの間にか、そんな2人の関係は、ひどく冷たくなっていた。
変わってしまったのは、いつだろう。
分からないままリリナシスは、想いを反転させる禁忌薬に手を出してしまう。
******************************************
こちらは、全19話(修正したら予定より6話伸びました🙏)
7/22~7/25の4日間は、1日2話の投稿予定です。以降は、1日1話になります。
【完結】旦那様、わたくし家出します。
さくらもち
恋愛
とある王国のとある上級貴族家の新妻は政略結婚をして早半年。
溜まりに溜まった不満がついに爆破し、家出を決行するお話です。
名前無し設定で書いて完結させましたが、続き希望を沢山頂きましたので名前を付けて文章を少し治してあります。
名前無しの時に読まれた方は良かったら最初から読んで見てください。
登場人物のサイドストーリー集を描きましたのでそちらも良かったら読んでみてください( ˊᵕˋ*)
第二王子が10年後王弟殿下になってからのストーリーも別で公開中
むしゃくしゃしてやりましたの。後悔はしておりませんわ。
緑谷めい
恋愛
「むしゃくしゃしてやりましたの。後悔はしておりませんわ」
そう、むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない。
私は、カトリーヌ・ナルセー。17歳。
ナルセー公爵家の長女であり、第2王子ハロルド殿下の婚約者である。父のナルセー公爵は、この国の宰相だ。
その父は、今、私の目の前で、顔面蒼白になっている。
「カトリーヌ、もう一度言ってくれ。私の聞き間違いかもしれぬから」
お父様、お気の毒ですけれど、お聞き間違いではございませんわ。では、もう一度言いますわよ。
「今日、王宮で、ハロルド様に往復ビンタを浴びせ、更に足で蹴りつけましたの」
【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました
よどら文鳥
恋愛
ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。
ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。
ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。
更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。
再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。
ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。
後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。
ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる