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第一章
アリスの憂鬱
しおりを挟む出稼ぎに行くと決意をした次の日。とうとう私の家が無くなった。
お父さんが借金をしすぎて首が回らなくなった為、差し押さえられたとでも言っておこう。
早朝から扉を強く叩かれ、外に出ると、いつも家に来る借金取りがズラリと並んでいて、私が扉を開けた途端にゾロゾロと中へ入って来たのだ。
「やめて!不法侵入よ!!」
「ふん、家賃も払えねぇクソ家族が一丁前に言いやがるぜ。ここはもう差し押さえだ、とっとと出て行きな。」
まだお父さんとお母さんは寝ていたというのに暴力で叩き起された挙句、身ぐるみ全部剥がされて。外に放り出された朝。
壁に守られていた生活だったのが一転し、私達が居るのは壁も何も無い寒い外。
空が見える場所で呆然と差し押さえられた家を見ながら、涙した。
そこで私達はとうとう、ホームレスになってしまったのだと実感した。
「仕方ない、良い場所を見つけるまでは公園で過ごすか…、」
「…そう、ね。」
お父さんとお母さんはそれなりにショックを受けながらも、その場に座っていつまでもうじうじとしているわけではなく。
すぐに次の住む場所を見つけようと、お母さんと一緒に話していた。
逞しいとは思ったけれど、18年間生きていて初めての感覚に私は慣れる事が出来ず、呆然としたまま二人の後ろについて行く。
「アリス…、大丈夫か?」
「…お父さん、今は…、」
「そうだよな、アリスにとっては初めての追い出しだもんな…。」
「…ええ、」
公園に着くと、二人がけのベンチが二つと、昨日話していた水道が私達を出迎えていた。
二人がけのベンチにはお母さんとお父さんが座って。
私は一人でもう一つのベンチに座り、ただ空を見上げていた。
そして、心の中に焦りを抱いていたのだ。
本当に、出稼ぎに行かないとやばいな、と。
このままだと私達は野垂れ死ぬ。
家族で美味しいものを一度でもいいから食べたい……。
「お母さん、お父さん、」
「どうしたんだい、アリス」
決心をして二人に話し掛けると、最初にお父さんが反応をする。
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