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第1章
知佳さんとの関係
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**有紀**
修二さんはなにかを隠している。
思いつめたようすで涙していた、昨夜の修二さんを思い出す。
過去のあやまちを悔やんでの涙なのかと思っていたけれど。
何があったの?
やはり知佳さんとはただならぬ関係で、別れることが難しいのかも知れない。
午後美冬がお昼寝するのを待って、お母様にお願いをし、修二さんのアパートを見に行った。
スマホで住所検索をすると、ここの家からでも徒歩10分ほどだ。
まだ建ったばかりの新しい賃貸マンションは、白い外壁がステキだった。
もう少し広さがあるなら、ここでもいいのにと思った。
カードキーをかざしてドアを開けた。
まだ新築の真新しい匂いが漂った。
靴を脱いで静まり返っているリビングへ入った。
確かに広くはないけれど、今風のステキなデザイナーズマンション。
まだ二人がけのソファやテーブルが残されてはいたけれど、生活感はまったく感じられなかった。
しばらく釧路へ行って、家を空けていたからだろうか。
冷蔵庫の中は空っぽで、すでにコンセントも抜かれていた。
リビングの隣は5畳ほどで、部屋の隅に箱詰めされたダンボールが数個置かれてあった。
空っぽのカラーボックスひとつに、セミダブルのベッド。
掛け布団や枕はなく、シーツも剥がされていた。
まるで私が来ることを予見していたかのように、なんの痕跡も見当たらなかった。
キッチンの排水溝も、バスルームも綺麗に磨きあげられていた。
修二さんはなんて几帳面なんだろう。
私以上に綺麗好きかも知れない。
知佳さんや女性と暮らしたような痕跡は、なにひとつも見つからなかった。
「よかった。長い髪の毛なんかが落ちてたら、どうしようかと思っちゃった」
ホッとして、そんなひとり言がもれた。
その時、玄関のドアが開く音がきこえた。
えっ、だ、だれ?
修二さんだろうか、
恐る恐るリビングのドアを開けた。
「キャァーッ!!」
と叫んだのは私ではなかった。
バケモノにでも遭遇したかのように、その女性は私を見て目を丸くした。
ち、知佳さん!!
「あなた、誰? どうしてここにいるの?」
居丈高に咎める知佳さんにライバル意識が芽ばえた。
「そんなことに答える義務はありません。ちゃんと許可を得て来てますから」
「あなたって、この間ルパンに声をかけた人よね? 修二さんから許可を得てるってことなの?」
「そうです!」
まだ役所には提出されていないかも知れないけど、私と修二さんはもう夫婦なのだ。
どんなに知佳さんが修二さんと深い関係だろうと、尻ごみすることなどない。
「あ、そうか、わかったわ。お掃除を頼まれたんでしょう? だけどもう、することないわよ。レンジフードも浴室も私がきれいにしておいたから」
知佳さんは私のことを、お手伝いかなにかと勘違いしているようだった。
「お掃除なんて頼まれてません。どんな感じのマンションか見に来ただけです。気に入ったら来月からここに住むつもりですからっ!」
修二さんと美冬と親子3人で!!
すっかり取り乱し、ひどく挑戦的になる気持ちを抑えきれなかった。
「そうだったの。ごめんなさい、勘違いしていたわ。物件を探していたなんて思わなくて。修二さんからここを紹介されたってわけなのね」
誤解をした知佳さんは、すっかり機嫌をよくして微笑んだ。
「そ、そうじゃなくて、、」
「私は犬の世話を頼まれてるの。買い置きの餌を持ち帰るの忘れてしまったから取りに来ただけよ。ちょっとあがらせてもらうわね」
知佳さんはズカズカとリビングへ入ってくると、キッチンの収納棚の扉をあけた。
「あったわ、これこれ」
上部の棚から犬の餌が入った袋を引っ張り出した。
「見学中にお邪魔してごめんなさいね。じゃあ、ごゆっくり」
知佳さんは爽やかな笑みを浮かべてマンションを出て行った。
玄関のドアがパタリと閉じた途端、悔し涙があふれた。
やっばり知佳さんとここで一緒に暮らしていたんだ。
知佳さんのあの様子からして、修二さんは未だに別れようとさえしていないのだろう。
ここを引っ越して、今はどこで一緒に暮らしているの?
朝早く出かけて、夜遅くまで帰って来られないのはそのせいだったのね。
取材で釧路へ行くと言っていたのも、なんとなく嘘の匂いがしていた。
これから幸せな結婚生活が待っているのだとばかり思っていたのに。
現実は結婚前からこんな状況なんだ。
" 有紀、……僕は君にひどいことをしている ”
昨日の夜、修二さんはそう言って泣いていた。
もしかしたら修二さんは、知佳さんと結婚するつもりでいたのかも知れない。
突然子供を連れて現れた私と美冬は、修二さんを苦しめているの?
すっかり意気消沈して、谷家へ戻った。
「ただいま」
「おかえりなさい。早かったのね。マンションはどんな感じだった? やっぱり狭いのでしょう?」
「……そうですね。ちょっと狭かったです」
「ちょっとこれ見て欲しいいんだけど、、」
お母様は新聞の折り込み広告を、テーブルに広げて私を手招きした。
それは分譲マンションのチラシだった。
「差し出がましいようだけど、マンションぐらいは私たちに用意させてもらえないかしら? 有紀ちゃんにはそれくらいのことしてあげないと気がすまないわ。もちろん、このマンションが気に入らないなら別のでもかまわないのよ」
豪華なダイニングキッチン。広々としたリビングの大きなベランダから、きらめく札幌の夜景が写し出されていた。
札幌駅まで徒歩3分という好立地。
分不相応な高級マンションに現実感はともなわなかった。
「お母様、せっかくですが二人で頑張りますから……」
マンションなど今はもう、どうでも良い気持ちになっていた。
そもそも、この結婚は正しいことなの?
「それからね、明日の美冬のお誕生会だけれど、メニューはこれでよかったかしら? 」
お母様はメニューが書かれたお品書きをひろげた。
パドルフィッシュキャビア添え、道産合鴨フォワグラのソテー、、、
食べたこともない高級料理を私が判断できるはずもない。
「お母様にお任せします」
「有紀ちゃんのご家族にお会いできるなんて、本当に楽しみだわ。家にも今度連れていらしてね」
「ありがとうございます」
うちの両親も顔合わせを兼ねた美冬のお誕生会を、とても楽しみにしていたけれど。
美冬が修二さんの子供だということは、まだ両親に言えてなかった。どう説明していいのかわからなくて。
この結婚はやっぱり考え直したほうがいいのかもしれない。
深刻に思いつめていたら、お母様に気づかれた。
「あら、どうしたの? なんだか元気がないわね」
「そ、そんなことないです。あ、美冬まだ寝てるんですね。あまり昼寝させると夜寝てくれなくて困っちゃう。もう起こしちゃおうかなぁ~」
少しおどけて、寝ている美冬を見に行った。
婚姻届は修二さんがサインをして提出すると言っていたけれど……。
もう提出されているのだろうか。
遼介と結婚するときはふたりで一緒に役所へ行って提出した。
ふたりで結婚指輪を買いに行ったり、新居を探しまわったり、いつも一緒だった。
そんな事のひとつひとつがとっても楽しくて幸せで。
今が一番幸せなはずなのに……。
修二さんは忙しそうに朝早く家を出て、遅くまで帰ってこない。
ライターなのだから、どこかにパソコンを持ち込んで書いているのに違いない。
釧路での取材は終わったというのに、なぜ家で仕事ができないのだろう。
資料が足りないからだなんて、あまりにも見え透いた言い訳だ。
今頃は知佳さんと……。
修二さんはなにかを隠している。
思いつめたようすで涙していた、昨夜の修二さんを思い出す。
過去のあやまちを悔やんでの涙なのかと思っていたけれど。
何があったの?
やはり知佳さんとはただならぬ関係で、別れることが難しいのかも知れない。
午後美冬がお昼寝するのを待って、お母様にお願いをし、修二さんのアパートを見に行った。
スマホで住所検索をすると、ここの家からでも徒歩10分ほどだ。
まだ建ったばかりの新しい賃貸マンションは、白い外壁がステキだった。
もう少し広さがあるなら、ここでもいいのにと思った。
カードキーをかざしてドアを開けた。
まだ新築の真新しい匂いが漂った。
靴を脱いで静まり返っているリビングへ入った。
確かに広くはないけれど、今風のステキなデザイナーズマンション。
まだ二人がけのソファやテーブルが残されてはいたけれど、生活感はまったく感じられなかった。
しばらく釧路へ行って、家を空けていたからだろうか。
冷蔵庫の中は空っぽで、すでにコンセントも抜かれていた。
リビングの隣は5畳ほどで、部屋の隅に箱詰めされたダンボールが数個置かれてあった。
空っぽのカラーボックスひとつに、セミダブルのベッド。
掛け布団や枕はなく、シーツも剥がされていた。
まるで私が来ることを予見していたかのように、なんの痕跡も見当たらなかった。
キッチンの排水溝も、バスルームも綺麗に磨きあげられていた。
修二さんはなんて几帳面なんだろう。
私以上に綺麗好きかも知れない。
知佳さんや女性と暮らしたような痕跡は、なにひとつも見つからなかった。
「よかった。長い髪の毛なんかが落ちてたら、どうしようかと思っちゃった」
ホッとして、そんなひとり言がもれた。
その時、玄関のドアが開く音がきこえた。
えっ、だ、だれ?
修二さんだろうか、
恐る恐るリビングのドアを開けた。
「キャァーッ!!」
と叫んだのは私ではなかった。
バケモノにでも遭遇したかのように、その女性は私を見て目を丸くした。
ち、知佳さん!!
「あなた、誰? どうしてここにいるの?」
居丈高に咎める知佳さんにライバル意識が芽ばえた。
「そんなことに答える義務はありません。ちゃんと許可を得て来てますから」
「あなたって、この間ルパンに声をかけた人よね? 修二さんから許可を得てるってことなの?」
「そうです!」
まだ役所には提出されていないかも知れないけど、私と修二さんはもう夫婦なのだ。
どんなに知佳さんが修二さんと深い関係だろうと、尻ごみすることなどない。
「あ、そうか、わかったわ。お掃除を頼まれたんでしょう? だけどもう、することないわよ。レンジフードも浴室も私がきれいにしておいたから」
知佳さんは私のことを、お手伝いかなにかと勘違いしているようだった。
「お掃除なんて頼まれてません。どんな感じのマンションか見に来ただけです。気に入ったら来月からここに住むつもりですからっ!」
修二さんと美冬と親子3人で!!
すっかり取り乱し、ひどく挑戦的になる気持ちを抑えきれなかった。
「そうだったの。ごめんなさい、勘違いしていたわ。物件を探していたなんて思わなくて。修二さんからここを紹介されたってわけなのね」
誤解をした知佳さんは、すっかり機嫌をよくして微笑んだ。
「そ、そうじゃなくて、、」
「私は犬の世話を頼まれてるの。買い置きの餌を持ち帰るの忘れてしまったから取りに来ただけよ。ちょっとあがらせてもらうわね」
知佳さんはズカズカとリビングへ入ってくると、キッチンの収納棚の扉をあけた。
「あったわ、これこれ」
上部の棚から犬の餌が入った袋を引っ張り出した。
「見学中にお邪魔してごめんなさいね。じゃあ、ごゆっくり」
知佳さんは爽やかな笑みを浮かべてマンションを出て行った。
玄関のドアがパタリと閉じた途端、悔し涙があふれた。
やっばり知佳さんとここで一緒に暮らしていたんだ。
知佳さんのあの様子からして、修二さんは未だに別れようとさえしていないのだろう。
ここを引っ越して、今はどこで一緒に暮らしているの?
朝早く出かけて、夜遅くまで帰って来られないのはそのせいだったのね。
取材で釧路へ行くと言っていたのも、なんとなく嘘の匂いがしていた。
これから幸せな結婚生活が待っているのだとばかり思っていたのに。
現実は結婚前からこんな状況なんだ。
" 有紀、……僕は君にひどいことをしている ”
昨日の夜、修二さんはそう言って泣いていた。
もしかしたら修二さんは、知佳さんと結婚するつもりでいたのかも知れない。
突然子供を連れて現れた私と美冬は、修二さんを苦しめているの?
すっかり意気消沈して、谷家へ戻った。
「ただいま」
「おかえりなさい。早かったのね。マンションはどんな感じだった? やっぱり狭いのでしょう?」
「……そうですね。ちょっと狭かったです」
「ちょっとこれ見て欲しいいんだけど、、」
お母様は新聞の折り込み広告を、テーブルに広げて私を手招きした。
それは分譲マンションのチラシだった。
「差し出がましいようだけど、マンションぐらいは私たちに用意させてもらえないかしら? 有紀ちゃんにはそれくらいのことしてあげないと気がすまないわ。もちろん、このマンションが気に入らないなら別のでもかまわないのよ」
豪華なダイニングキッチン。広々としたリビングの大きなベランダから、きらめく札幌の夜景が写し出されていた。
札幌駅まで徒歩3分という好立地。
分不相応な高級マンションに現実感はともなわなかった。
「お母様、せっかくですが二人で頑張りますから……」
マンションなど今はもう、どうでも良い気持ちになっていた。
そもそも、この結婚は正しいことなの?
「それからね、明日の美冬のお誕生会だけれど、メニューはこれでよかったかしら? 」
お母様はメニューが書かれたお品書きをひろげた。
パドルフィッシュキャビア添え、道産合鴨フォワグラのソテー、、、
食べたこともない高級料理を私が判断できるはずもない。
「お母様にお任せします」
「有紀ちゃんのご家族にお会いできるなんて、本当に楽しみだわ。家にも今度連れていらしてね」
「ありがとうございます」
うちの両親も顔合わせを兼ねた美冬のお誕生会を、とても楽しみにしていたけれど。
美冬が修二さんの子供だということは、まだ両親に言えてなかった。どう説明していいのかわからなくて。
この結婚はやっぱり考え直したほうがいいのかもしれない。
深刻に思いつめていたら、お母様に気づかれた。
「あら、どうしたの? なんだか元気がないわね」
「そ、そんなことないです。あ、美冬まだ寝てるんですね。あまり昼寝させると夜寝てくれなくて困っちゃう。もう起こしちゃおうかなぁ~」
少しおどけて、寝ている美冬を見に行った。
婚姻届は修二さんがサインをして提出すると言っていたけれど……。
もう提出されているのだろうか。
遼介と結婚するときはふたりで一緒に役所へ行って提出した。
ふたりで結婚指輪を買いに行ったり、新居を探しまわったり、いつも一緒だった。
そんな事のひとつひとつがとっても楽しくて幸せで。
今が一番幸せなはずなのに……。
修二さんは忙しそうに朝早く家を出て、遅くまで帰ってこない。
ライターなのだから、どこかにパソコンを持ち込んで書いているのに違いない。
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