あいつは彼氏

町はずれのヨキョウ

文字の大きさ
3 / 4

深朝な二人

しおりを挟む
もたついてる玲子の方にダッシュし彼女を抱きかかえる。
へっ?
驚く彼女をよそに、その後亮は彼女を歩道に振り投げ、彼自身も飛び込むように歩道に向かって走る。しかし
ボゴッ
彼の足先が走ってきたワンボックスに触れてしまい、同時に違和感を感じる。それでも彼はなんとか歩道に辿り着き、真っ先に玲子に声を掛けた。
「だっ大丈夫です?」
「ぅう~んむ…?」
投げ飛ばされた衝撃で若干意識レベルが下がっていた彼女は朦朧としていた。更に酔いが覚めてないこともあって、寝落ちするように目を閉じた───


───誰かのくしゃみで目が覚めた。
サムい。
身体を起こそうとするもあちこちがジンジンする。更に身辺を見回すと、秋風で冷え切った公園のベンチで、到底掛け布団とは呼べないパーカーを掛けている。
どこここ。
空を見上げると枕元に男性がいることに気が付く。思わず声を上げてしまった。
「え、いやっ!」
「……んぁあ、あっ!?」
「えっあっ、いやあの……」
「ああいやいや、あの、すいません」
「えっ、あいやその…」
「ああ決して怪しいものでは……」
「……昨夜の方ですよね?」
「えあはい、そのなんてゆーか……」
玲子は亮の姿を見て、彼が寒そうにしてる事に気付く。
「あのもしかして、これ貴方のパーカーですか?」
「あはいそうです」
「どうもありがとうございます……」
「あ、いや、いえいえ…」
気分を落ち着かせて、昨夜の事を出来る限り思い出そうとする。しかし酒のせいで風景しか思い出せない。その上自分の身体がどうしてこうなってるのか分からない。
「あの、身体大丈夫ですか?」
亮が話しかける。
原因はこいつか?
そんな事を言ってはいけないと頭では考えていた。仮に男が無差別暴力を行ったとして、この気温にも関わらず自分にパーカーを掛けてくれるほど優しくはないだろうと思ったのだ。
「あはい、まだ少し痛みが残ってるんですけど……」
遂に玲子は思い切って聞いてみた。
「あの、貴方はどちら様ですか?私に昨夜何があったのですか?何かここに至る過程を知っていたら、全て教えて下さい」
男は少し驚いた様子で彼女を見張る。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

処理中です...