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第六話:テイム完了?
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勝利のファンファーレが鳴り終わると、オーガの巨体が砂のように崩れ落ち、その跡地に「ぽん」と小さな宝箱が現れた。
『これって、報酬アイテムかな? 開けていい? いいよね? 開けるよ☆彡』
「……う、うん」
みるちんのカーソルが、迷いなく宝箱をクリックする。軽快なSEとともに、ポップアップが表示された。
________________________________________
《イベント限定アイテム:魅了のホイッスル》
使用すると、周辺のモンスターが仲間になります。(※10分間有効)
※効果は一部モンスターに制限されます。
________________________________________
リカが説明文を読み終える間もなく、みるちんのテンションが爆発した。
『えっ!? 仲間!? なにそれ神アイテム!? あたし使うー!! ていうかもう使ったー☆彡』
「おいちょっと待っ──」
間に合わなかった。
ホイッスルの音とともに、近くの木の上から小型モンスターが姿を現す。
バサッと羽音を立て、みるちんの肩にとまったのは──黒い鳥。《飛行タイプ:八咫烏》。
『あ、かわいい! なんか来た! すごーい☆彡』
「この子だけなんだね……あれ、他には?」
『うーん、でもこの子かわいいからOK! よーし、名前つけるよ~! 八咫烏の君は“やっちゃん”ね☆彡』
ぴょこぴょこと懐くようにプレイヤーたちのまわりを跳ね回る八咫烏。その愛らしい動きに、リカとみるちんはすっかり夢中になっていた。
──だが、ダイだけは違和感を覚えていた。
(……様子が変だ。ホイッスルの効果時間は過ぎている。それなのに……まるで“意志”があるみたいに、こいつは俺たちのそばにいる)
説明を見る限り、ホイッスルの効果は10分のはずだ。
だが、それを過ぎても八咫烏は傍を離れようとせず、むしろさらに懐いているようにさえ見える。テイムマークも、ずっと残ったままだ。
──そして、三十分後。
『ねぇ、師匠はどんな仕事をしているの?』
「ふふん、こうみえても在宅勤務の敏腕プログラマーよ!」
『さすが師匠!いっぱいゲームできるね☆彡』
などと取り留めのない雑談に華を咲かせているおバカコンビでも、ようやく異変に気がついたようだった。
「……え、これ、まだテイム状態なの……?」
『わーい☆ ずっと一緒なんだ~! ふふ、やっちゃんはあたしの子~♪』
「……え? え?」
困惑するリカ。喜ぶみるちん。そして、頭を抱えるダイ。
──だが、真実はもっと深く、複雑だった。
***
その頃。運営モニター室。
AI「シャル」は、イベントログを静かに確認していた。
【……うん。リンクは安定してる。干渉もなし。観察体としては、まあ合格、かな】
スクリーンには、プレイヤーたちのまわりを旋回する八咫烏の姿が映っている。
【うまくやってね。……あの子の傍で】
そのつぶやきに添えるように、シャルの口元にわずかな笑みが浮かぶ。
【ダイ。あなたは、目覚めてしまった。……その行き先が、どこであっても】
【……わたしは、知っておきたいの】
やっちゃん──それはただのイベントモンスターではなかった。
シャルが密かに送り込んだ、観察用の“サブAI”。
彼女はモニターをそっと閉じ、再びログ画面を呼び出す。
【あなたは……何者なの?】
その問いに答える者は、まだいない。
『これって、報酬アイテムかな? 開けていい? いいよね? 開けるよ☆彡』
「……う、うん」
みるちんのカーソルが、迷いなく宝箱をクリックする。軽快なSEとともに、ポップアップが表示された。
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《イベント限定アイテム:魅了のホイッスル》
使用すると、周辺のモンスターが仲間になります。(※10分間有効)
※効果は一部モンスターに制限されます。
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リカが説明文を読み終える間もなく、みるちんのテンションが爆発した。
『えっ!? 仲間!? なにそれ神アイテム!? あたし使うー!! ていうかもう使ったー☆彡』
「おいちょっと待っ──」
間に合わなかった。
ホイッスルの音とともに、近くの木の上から小型モンスターが姿を現す。
バサッと羽音を立て、みるちんの肩にとまったのは──黒い鳥。《飛行タイプ:八咫烏》。
『あ、かわいい! なんか来た! すごーい☆彡』
「この子だけなんだね……あれ、他には?」
『うーん、でもこの子かわいいからOK! よーし、名前つけるよ~! 八咫烏の君は“やっちゃん”ね☆彡』
ぴょこぴょこと懐くようにプレイヤーたちのまわりを跳ね回る八咫烏。その愛らしい動きに、リカとみるちんはすっかり夢中になっていた。
──だが、ダイだけは違和感を覚えていた。
(……様子が変だ。ホイッスルの効果時間は過ぎている。それなのに……まるで“意志”があるみたいに、こいつは俺たちのそばにいる)
説明を見る限り、ホイッスルの効果は10分のはずだ。
だが、それを過ぎても八咫烏は傍を離れようとせず、むしろさらに懐いているようにさえ見える。テイムマークも、ずっと残ったままだ。
──そして、三十分後。
『ねぇ、師匠はどんな仕事をしているの?』
「ふふん、こうみえても在宅勤務の敏腕プログラマーよ!」
『さすが師匠!いっぱいゲームできるね☆彡』
などと取り留めのない雑談に華を咲かせているおバカコンビでも、ようやく異変に気がついたようだった。
「……え、これ、まだテイム状態なの……?」
『わーい☆ ずっと一緒なんだ~! ふふ、やっちゃんはあたしの子~♪』
「……え? え?」
困惑するリカ。喜ぶみるちん。そして、頭を抱えるダイ。
──だが、真実はもっと深く、複雑だった。
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その頃。運営モニター室。
AI「シャル」は、イベントログを静かに確認していた。
【……うん。リンクは安定してる。干渉もなし。観察体としては、まあ合格、かな】
スクリーンには、プレイヤーたちのまわりを旋回する八咫烏の姿が映っている。
【うまくやってね。……あの子の傍で】
そのつぶやきに添えるように、シャルの口元にわずかな笑みが浮かぶ。
【ダイ。あなたは、目覚めてしまった。……その行き先が、どこであっても】
【……わたしは、知っておきたいの】
やっちゃん──それはただのイベントモンスターではなかった。
シャルが密かに送り込んだ、観察用の“サブAI”。
彼女はモニターをそっと閉じ、再びログ画面を呼び出す。
【あなたは……何者なの?】
その問いに答える者は、まだいない。
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