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第三巻 Éternité
第1話「手袋とスマートグラス」①
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「お嬢様、とてもお肌がおきれいなので、どのお色もお似合いですよ」
目の前には、宝石箱みたいにキラキラしたかわいいメイク道具がずらっと並んでいた。
今日は、日本に帰国していたママが「遅くなったクリスマスプレゼントよ」と言って、メイク道具を一式買いに連れてきてくれた。
「肌診断の結果、お嬢様はブルベの中でも、特にサマータイプに近いお色味でして……」
「そうなの。この子、まだあまり化粧に慣れていないのよ」
さまー……たしか友達も“ぷるべ”とか“いえべ”とか言ってた気がする。
肌にも季節があるんだ……!
「よろしければ、髪も整えて差し上げましょうか?」
「お肌と髪の印象に合わせて、お洋服もいくつかご提案を」
「このあと食事に行くからお願いするわ。他にも似合いそうな服、何点か見繕ってくれる?」
ママがさらっと言うと、次々にお洋服が運ばれてくる。バッグに小物、ブーツまで。
「ママ……こんなにたくさん……」
「いいのよ。クリスマスプレゼントって言ってるでしょ?」
ママのコーディネートで、いろんな服を着たり脱いだり。
時々メイクもいじってもらったりして、なんだか舞台裏みたい。
スターライトパレードのライブを観に行った時の光景が思い出される。
あの時みんな、何度も着替えて、メイクして、髪を直して、歌って踊って……すごかったなぁ。
また、ライブ観に行きたいな。
今年は、やらないのかな。
あの眩しい光に包まれて、かっこよく歌うみんなを……もう一度、観たい。
一通りの買い物を終えて、部屋から出る。
「パパとの待ち合わせまで、まだ少し時間があるわね」
「あっ、ママ!私、怜央さんとセナ君の誕生日プレゼント買いたいんだった!」
「チッ!」
……え?ママ?
いま、すっごく小さく舌打ちが聞こえたような……
びっくりしてママの顔を見上げると、いつもの綺麗な笑顔が返ってくる。
……気のせい、かな。
11月の椿さんのお誕生日は、メッセージだけしか送れなかった。
今年は、去年の作曲でいただいたギャラを使って、ちゃんとお祝いしたい。
「ねぇ、ママはどんなプレゼントがいいと思う?」
「……手袋とかどうかしら?」
「手袋……?」
うん、たしかに。寒い季節にぴったりな贈り物な気がする。
「“あなたの大切な人が寒くないように”って贈るのよ。冬の贈り物は」
「……素敵! 怜央さんへのプレゼント、手袋にしようかな!」
「……レオ……?てっきり、あの頭悪そうな方が好きなのかと思ったけど……」
「ん?なに? 早く手袋売ってるお店行こ!」
「……私の勘も鈍ったかしら……」
ママといくつかのお店を回って、ようやく「これだ」と思える手袋に出会った。
……質のいいブラックのラムレザー。
余計な装飾はなく、縫製も丁寧で、どんな服にも合わせられそうな一品。
「怜央さんって、こういうの……ちゃんと使ってくれそう」
店員さんの説明を聞きながら、革の質感を指先で確かめる。
薄手なのに中はふわりと暖かくて、外でも手先が冷えなさそうだった。
何より、昨年貸してくれたコート。
あのコートにとてもよく似合うような気がした。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし少しでも気になってもらえたら、フォローやお気に入りしていただけると励みになります。
第1話「手袋とスマートグラス」②は【本日昼】に更新予定です!
ぜひまた覗きに来てくださいね!
目の前には、宝石箱みたいにキラキラしたかわいいメイク道具がずらっと並んでいた。
今日は、日本に帰国していたママが「遅くなったクリスマスプレゼントよ」と言って、メイク道具を一式買いに連れてきてくれた。
「肌診断の結果、お嬢様はブルベの中でも、特にサマータイプに近いお色味でして……」
「そうなの。この子、まだあまり化粧に慣れていないのよ」
さまー……たしか友達も“ぷるべ”とか“いえべ”とか言ってた気がする。
肌にも季節があるんだ……!
「よろしければ、髪も整えて差し上げましょうか?」
「お肌と髪の印象に合わせて、お洋服もいくつかご提案を」
「このあと食事に行くからお願いするわ。他にも似合いそうな服、何点か見繕ってくれる?」
ママがさらっと言うと、次々にお洋服が運ばれてくる。バッグに小物、ブーツまで。
「ママ……こんなにたくさん……」
「いいのよ。クリスマスプレゼントって言ってるでしょ?」
ママのコーディネートで、いろんな服を着たり脱いだり。
時々メイクもいじってもらったりして、なんだか舞台裏みたい。
スターライトパレードのライブを観に行った時の光景が思い出される。
あの時みんな、何度も着替えて、メイクして、髪を直して、歌って踊って……すごかったなぁ。
また、ライブ観に行きたいな。
今年は、やらないのかな。
あの眩しい光に包まれて、かっこよく歌うみんなを……もう一度、観たい。
一通りの買い物を終えて、部屋から出る。
「パパとの待ち合わせまで、まだ少し時間があるわね」
「あっ、ママ!私、怜央さんとセナ君の誕生日プレゼント買いたいんだった!」
「チッ!」
……え?ママ?
いま、すっごく小さく舌打ちが聞こえたような……
びっくりしてママの顔を見上げると、いつもの綺麗な笑顔が返ってくる。
……気のせい、かな。
11月の椿さんのお誕生日は、メッセージだけしか送れなかった。
今年は、去年の作曲でいただいたギャラを使って、ちゃんとお祝いしたい。
「ねぇ、ママはどんなプレゼントがいいと思う?」
「……手袋とかどうかしら?」
「手袋……?」
うん、たしかに。寒い季節にぴったりな贈り物な気がする。
「“あなたの大切な人が寒くないように”って贈るのよ。冬の贈り物は」
「……素敵! 怜央さんへのプレゼント、手袋にしようかな!」
「……レオ……?てっきり、あの頭悪そうな方が好きなのかと思ったけど……」
「ん?なに? 早く手袋売ってるお店行こ!」
「……私の勘も鈍ったかしら……」
ママといくつかのお店を回って、ようやく「これだ」と思える手袋に出会った。
……質のいいブラックのラムレザー。
余計な装飾はなく、縫製も丁寧で、どんな服にも合わせられそうな一品。
「怜央さんって、こういうの……ちゃんと使ってくれそう」
店員さんの説明を聞きながら、革の質感を指先で確かめる。
薄手なのに中はふわりと暖かくて、外でも手先が冷えなさそうだった。
何より、昨年貸してくれたコート。
あのコートにとてもよく似合うような気がした。
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