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第三巻 Éternité
第1話「手袋とスマートグラス」②
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「もう1つ買うんでしょ?」
「うーん……セナ君は……手袋って感じじゃないんだよなぁ……」
セナ君って……欲しいものは自分で買いそうだし、なんかこだわりとかもありそう……
「そういえば……セナ君スマートグラス買おうかな……とか言ってたかも」
「スマート……グラスですって……?」
「売ってるかなぁ、いくらくらいで買えるんだろう」
「あいつ……やっぱりヴァイオリンで殴って止めを刺しておくべきだったわ……!」
「……ママ?」
その後のママはセナ君に対して凄い辛辣で……
「強めの香水でも贈ってあげたら?自分の匂いに酔ってそうだし」
「夜遊びばかりしてそうだから、アイマスクとか少しは眠れるようにしてあげたら?もうそのまま永遠の眠りに付けばいいのよ」
「手元に目がいくようにキラキラした腕輪でもつけておけば?手錠とかいいんじゃないかしら」
「ハチミツとかいいんじゃない?ちょっとは歌もうまくなるでしょ。そのまま蟻が群がればいいのよ」
結局、セナ君へのプレゼントは見つからないまま、パパとの食事へ向かうことに。
「これは、まだ企画段階だけどね……」
めずらしく、パパが食事の場で仕事の話を始めた。
帰国してすぐ、みんなが所属する事務所……RiseTone Managementと打ち合わせがあったこと。
そして、新しい製品の開発に伴って、CM展開を予定していること。
「そのCMに、RiseToneの若手グループを起用できないか、打診してるんだ」
「えっ……!」
「ちなみに今回は、ちょっとした“仕掛け”も考えていてね」
「……仕掛け?」
「“起動音声入りイヤホン”だよ。各メンバーのカラーモデルに、それぞれの音声が起動時に流れる仕様にするつもりなんだ」
「き……起動……お、おとっ、音声っ!?」
「“Let’s go”とか“おはよう”とか、挨拶レベルの短いフレーズをね。イヤホンの電源を入れるたびに、聞こえるんだ」
えっ……えええっ……!?
起動するたびに、みんなの声が流れるの……!?
“今日もお疲れさま”とか……言ってくれるの……??
……音楽聴くどころじゃないんだけど……
ふと隣のママを見ると、ものすごく退屈そうな顔で、黙々と食事をしていた。
帰宅後。怜央さんにLINEを送る。
『こんばんは。明日、事務所に立ち寄られるお時間とかありますか?』
怜央さんへのプレゼントは、無事に買えた。
だけど、セナ君へのプレゼントは……まだ決まらない。
どうせなら、喜んでもらえるものを渡したい。
翌朝、目が覚めると、LINEに返事が届いていた。
『返事が遅くなってごめんね。明日は一日外のロケなんだ』
……送信時間、午前3時。
こんな時間まで……しかも誕生日にまで、撮影してたんだ。
本当に、過酷な世界でみんな頑張ってるんだなって、改めて思った。
椿さんの誕生日のことを思い出して、SNSを開いてみる。
するとやっぱり、あった。
『#御影怜央誕生祭』のハッシュタグ。
「わぁ……みんな、すごい……」
怜央さんをイメージしたケーキ。
ホテルの部屋で写真を撮る人。
飾り付けをして、楽しそうにお祝いするファンたち。
こんなお祝いの仕方があるなんて、知らなかった。
でも、なんだかあたたかくて、素敵だと思った。
その日の放課後。
八神さんに連絡して、事務所でプレゼントを預かってもらうことに。
メッセージカードも、ちゃんと入れた。
セナ君とケンカして、追いかけてきてくれた怜央さん。
あのときのことを思い出しながら、手袋を預けた。
いつ、怜央さんの手元に届くかな。
気に入ってくれたらいいな……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし少しでも気になってもらえたら、フォローやお気に入りしていただけると励みになります。
第1話「手袋とスマートグラス」③は【本日夜】に更新予定です!
ぜひまた覗きに来てくださいね!
「うーん……セナ君は……手袋って感じじゃないんだよなぁ……」
セナ君って……欲しいものは自分で買いそうだし、なんかこだわりとかもありそう……
「そういえば……セナ君スマートグラス買おうかな……とか言ってたかも」
「スマート……グラスですって……?」
「売ってるかなぁ、いくらくらいで買えるんだろう」
「あいつ……やっぱりヴァイオリンで殴って止めを刺しておくべきだったわ……!」
「……ママ?」
その後のママはセナ君に対して凄い辛辣で……
「強めの香水でも贈ってあげたら?自分の匂いに酔ってそうだし」
「夜遊びばかりしてそうだから、アイマスクとか少しは眠れるようにしてあげたら?もうそのまま永遠の眠りに付けばいいのよ」
「手元に目がいくようにキラキラした腕輪でもつけておけば?手錠とかいいんじゃないかしら」
「ハチミツとかいいんじゃない?ちょっとは歌もうまくなるでしょ。そのまま蟻が群がればいいのよ」
結局、セナ君へのプレゼントは見つからないまま、パパとの食事へ向かうことに。
「これは、まだ企画段階だけどね……」
めずらしく、パパが食事の場で仕事の話を始めた。
帰国してすぐ、みんなが所属する事務所……RiseTone Managementと打ち合わせがあったこと。
そして、新しい製品の開発に伴って、CM展開を予定していること。
「そのCMに、RiseToneの若手グループを起用できないか、打診してるんだ」
「えっ……!」
「ちなみに今回は、ちょっとした“仕掛け”も考えていてね」
「……仕掛け?」
「“起動音声入りイヤホン”だよ。各メンバーのカラーモデルに、それぞれの音声が起動時に流れる仕様にするつもりなんだ」
「き……起動……お、おとっ、音声っ!?」
「“Let’s go”とか“おはよう”とか、挨拶レベルの短いフレーズをね。イヤホンの電源を入れるたびに、聞こえるんだ」
えっ……えええっ……!?
起動するたびに、みんなの声が流れるの……!?
“今日もお疲れさま”とか……言ってくれるの……??
……音楽聴くどころじゃないんだけど……
ふと隣のママを見ると、ものすごく退屈そうな顔で、黙々と食事をしていた。
帰宅後。怜央さんにLINEを送る。
『こんばんは。明日、事務所に立ち寄られるお時間とかありますか?』
怜央さんへのプレゼントは、無事に買えた。
だけど、セナ君へのプレゼントは……まだ決まらない。
どうせなら、喜んでもらえるものを渡したい。
翌朝、目が覚めると、LINEに返事が届いていた。
『返事が遅くなってごめんね。明日は一日外のロケなんだ』
……送信時間、午前3時。
こんな時間まで……しかも誕生日にまで、撮影してたんだ。
本当に、過酷な世界でみんな頑張ってるんだなって、改めて思った。
椿さんの誕生日のことを思い出して、SNSを開いてみる。
するとやっぱり、あった。
『#御影怜央誕生祭』のハッシュタグ。
「わぁ……みんな、すごい……」
怜央さんをイメージしたケーキ。
ホテルの部屋で写真を撮る人。
飾り付けをして、楽しそうにお祝いするファンたち。
こんなお祝いの仕方があるなんて、知らなかった。
でも、なんだかあたたかくて、素敵だと思った。
その日の放課後。
八神さんに連絡して、事務所でプレゼントを預かってもらうことに。
メッセージカードも、ちゃんと入れた。
セナ君とケンカして、追いかけてきてくれた怜央さん。
あのときのことを思い出しながら、手袋を預けた。
いつ、怜央さんの手元に届くかな。
気に入ってくれたらいいな……
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