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第三巻 Éternité
第1話「手袋とスマートグラス」③
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翌日、グループLINEに怜央さんからメッセージが届いた。
『手袋ありがとう。大切にするよ』
そう書かれたメッセージといっしょに、
手袋を着けた写真と、メンバーに囲まれてお祝いされている様子の写真が送られてきた。
すぐに、他のメンバーからのメッセージも次々に表示される。
椿翔平:おお、なんか彼女からもらいました感あるな
諏訪セナ:……別に、全然羨ましくねーし
井上信:言い方なw でも季節感バッチリだし、センス良き
天野蓮:それ、去年怜央くんがヘビロテしてたコートと合いそうじゃない?
豊田遊里:えー!いいなぁ!ちゃんとボクの誕生日も覚えててよね~!
柊真央:ちょ待って!?オレ、6月なんやけど!?逆に不安なってきたわ!!
椿翔平:いやまだ半年あんだろw
セナ君へのプレゼントは……まだ、思いつかない。
でもできるなら、“私らしいもの”を贈りたい。
セナ君は、今までどんなプレゼントをもらってきたんだろう。
怜央さんのときには感じなかった、特別な気持ちが胸に広がる。
“私らしいもの”
“私にしか、できないもの”
その答えを探すように、私はキーボードの前に座った。
もう何度聴いたかわからない。スターライトパレードの曲。
デビュー曲から全部聴き直して、楽譜を起こす。
“私にしかできないこと”を、考えたとき。
真っ先に浮かんだのは、これだった。
リビングの照明を落とし、譜面台に五線紙を立てる。
Macに繋いだキーボードの前に座り、指先に神経を集中させる。
何度目だろう。この曲を聴くのは。
『shooting stars』の再生ボタンを押すと、ふわりとイントロの電子音が広がった。
……最初に声が重なるのは、信さんと真央君。
澄んだハーモニーが、星の軌道を描くようで。
そこに蓮君の柔らかい声が重なり、一気に景色が変わる。
夜の空気に溶けてしまいそうな、儚さ。
サビ前で怜央さんのパートになると、ピアノの鍵盤を押す手に自然と力がこもる。
力強くて、頼れる声。まるで曲の“軸”みたいだった。
椿さんのシャウト。
その裏にある“想い”がいつも胸を打って、不思議と涙腺が刺激される。
遊里君の声は、透明感がすごくて……とても年下とは思えなかった。
そして……
「セナ君……」
ピアノの音が、ふと止まる。
彼の声が聴こえた瞬間、呼吸の仕方を忘れた。
まっすぐで、優しくて、ずるくて。
どうして、こんなふうに心の奥まで見透かすように歌えるんだろう。
“ぜんぶお見通し”って、言われてるみたい。
この曲を、彼らが歌ってくれたことが、今の私を支えてくれている。
この曲を、私の“音”で返したい。
そう思えた瞬間には、もう譜面に向かっていた。
再生を止めて、何度も、何度も、聴き直す。
彼らが歩んできた軌跡を、ピアノの音に乗せて、たどるように。
怜央さんの時と同じように、セナ君の誕生日前日にLINEを送った。
『こんばんは。明日、事務所に立ち寄るタイミングとかあるかな?』
『わり、明日は朝から移動なんだ』
やっぱり、直接渡すのは難しいかもな……
胸がチクリと痛んで、返事を打つ手が止まる。
どうしようか悩んでいたら、続けてメッセージが届いた。
『ひょっとして、誕プレ?』
見透かされたみたいで、心臓が跳ねた。
『うん、そうなの。でも、忙しそうだから……事務所に預けておくね』
既読がついて、それっきり……返事はなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし少しでも気になってもらえたら、フォローやお気に入りしていただけると励みになります。
第2話「マフラーとチョコ」①は【明日朝】に更新予定です!
ぜひまた覗きに来てくださいね!
『手袋ありがとう。大切にするよ』
そう書かれたメッセージといっしょに、
手袋を着けた写真と、メンバーに囲まれてお祝いされている様子の写真が送られてきた。
すぐに、他のメンバーからのメッセージも次々に表示される。
椿翔平:おお、なんか彼女からもらいました感あるな
諏訪セナ:……別に、全然羨ましくねーし
井上信:言い方なw でも季節感バッチリだし、センス良き
天野蓮:それ、去年怜央くんがヘビロテしてたコートと合いそうじゃない?
豊田遊里:えー!いいなぁ!ちゃんとボクの誕生日も覚えててよね~!
柊真央:ちょ待って!?オレ、6月なんやけど!?逆に不安なってきたわ!!
椿翔平:いやまだ半年あんだろw
セナ君へのプレゼントは……まだ、思いつかない。
でもできるなら、“私らしいもの”を贈りたい。
セナ君は、今までどんなプレゼントをもらってきたんだろう。
怜央さんのときには感じなかった、特別な気持ちが胸に広がる。
“私らしいもの”
“私にしか、できないもの”
その答えを探すように、私はキーボードの前に座った。
もう何度聴いたかわからない。スターライトパレードの曲。
デビュー曲から全部聴き直して、楽譜を起こす。
“私にしかできないこと”を、考えたとき。
真っ先に浮かんだのは、これだった。
リビングの照明を落とし、譜面台に五線紙を立てる。
Macに繋いだキーボードの前に座り、指先に神経を集中させる。
何度目だろう。この曲を聴くのは。
『shooting stars』の再生ボタンを押すと、ふわりとイントロの電子音が広がった。
……最初に声が重なるのは、信さんと真央君。
澄んだハーモニーが、星の軌道を描くようで。
そこに蓮君の柔らかい声が重なり、一気に景色が変わる。
夜の空気に溶けてしまいそうな、儚さ。
サビ前で怜央さんのパートになると、ピアノの鍵盤を押す手に自然と力がこもる。
力強くて、頼れる声。まるで曲の“軸”みたいだった。
椿さんのシャウト。
その裏にある“想い”がいつも胸を打って、不思議と涙腺が刺激される。
遊里君の声は、透明感がすごくて……とても年下とは思えなかった。
そして……
「セナ君……」
ピアノの音が、ふと止まる。
彼の声が聴こえた瞬間、呼吸の仕方を忘れた。
まっすぐで、優しくて、ずるくて。
どうして、こんなふうに心の奥まで見透かすように歌えるんだろう。
“ぜんぶお見通し”って、言われてるみたい。
この曲を、彼らが歌ってくれたことが、今の私を支えてくれている。
この曲を、私の“音”で返したい。
そう思えた瞬間には、もう譜面に向かっていた。
再生を止めて、何度も、何度も、聴き直す。
彼らが歩んできた軌跡を、ピアノの音に乗せて、たどるように。
怜央さんの時と同じように、セナ君の誕生日前日にLINEを送った。
『こんばんは。明日、事務所に立ち寄るタイミングとかあるかな?』
『わり、明日は朝から移動なんだ』
やっぱり、直接渡すのは難しいかもな……
胸がチクリと痛んで、返事を打つ手が止まる。
どうしようか悩んでいたら、続けてメッセージが届いた。
『ひょっとして、誕プレ?』
見透かされたみたいで、心臓が跳ねた。
『うん、そうなの。でも、忙しそうだから……事務所に預けておくね』
既読がついて、それっきり……返事はなかった。
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