スターライトパレード

木風

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第三巻 Éternité

第2話「マフラーとチョコ」③

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蓮君がふざけてポージングしていて、信さんはソファで仰向けに寝ている。
リラックスモード全開の空間に、少しだけ緊張する。

「え……お前、なんでここにいんの?」

セナ君と会うのは、あの誕生日の夜以来。

「えっと……八神さんに声をかけてもらって」

プレゼントのこと、感想を聞くのも怖くて……ずっと避けてた。

「これから、『Dear You』のMV撮るんだよ」
「えっ、今日これから!?アルバムの発売、来月なのに……?」

信さんと怜央さんが、メイクの合間に教えてくれる。
驚いていると、椿さんがさらっと補足する。

「今日と明日でMV撮って、来月あたりから告知開始かな」

メインMVのほかにDance Practice ver.を2日間で一気に撮影するそうで…
来月のリリース後は、テレビ出演やプロモーション。
アルバム告知と、空港の大型広告キャンペーンも控えているらしい。

もしこれがシングルの楽曲だったら、更にメイキング・メンバーソロver.・ファンイベント限定配信ver.……も追加になるとか。
たった1枚のCDの裏に、とんでもない数の人たちが関わっている。
その人たちの努力や時間、そしてお金が動いている。

……わかっていたつもりだった。
でも、こうして現場を目の当たりにすると……私の頑張りが、誰かに影響するってことが、ちょっと怖くなる。

「あ、そうだ!チョコ持ってきたの。よかったら、みんなもらってくれる?」
「もらうもらう!!メイク中からその紙袋めっちゃ気になってたんだよ~!」
「ボクのはどれ~?」

遊里君と真央君が、わらわらとテーブルに集まる。

「遊里君にはこれ。真央君には……これかな」

遊里君には、かわいいゲームとコラボした限定チョコ。
真央君には、柑橘系のボンボンショコラ。

蓮君には、はちみつとMILKのチョコ。
信さんには、王道のミルクチョコ。
怜央さんには、ビターな大人チョコ。
椿さんには、ちょっと変わり種のボンボンショコラ。

……そして、セナ君。

メイク中のセナ君のもとに、そっとチョコを持っていく。
メイクさんとの距離感が気になって、つい視線を逸らしてしまう。

「セナ君、甘いもの大丈夫?」
「ん、へーき」
「よかった。じゃあ、ここに置いとくね」

チョコに目を落としていたセナ君が、私を見上げる。

「中身、見して」
「え……?うん」

リボンを解いて、箱を開ける。
中には、丸くて艶やかなチョコ。金粉が乗った、ちょっと特別なやつ。

「あ」

……え?
気がつくと、セナ君が口を開けて、私をじっと見ていた。

「早く、食わして。メイク中で手ぇ使えねーから」

……えっ、私が……食べさせるの……?
いつか、マカロンをあーんってしてくれたの、思い出しちゃうじゃん……

そっとチョコを摘み、手を伸ばす。
でも、これ以上、指を近づけられないんですけどぉぉ……

ぱくっ

……っ!?

動けずにいる私にしびれを切らしたのか、セナ君が自分から顔を寄せて、私の指先ごと、奪うようにチョコを口に含んだ。

「……っ!!?え!?!?」

い、今、指……かすった……!??
固まる私を見上げながら

「あっま。ごっそさん」

ぺろ、と舌で唇を舐める仕草が、どうしようもなく色っぽくて。

私はもう、何度目かわからない。
セナ君の前で、またしゃがみ込んでしまった。


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最後まで読んでいただきありがとうございました!

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第3話「アルバムとホワイトデー」①は【明日朝】に更新予定です!

ぜひまた覗きに来てくださいね!
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