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第三巻 Éternité
第5話「模倣と創造」③
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音羽 奏 様
お世話になっております。
株式会社RiseTone Management 制作部の城田と申します。
このたびは、先日ご提出いただきました楽曲につきまして、
弊社所属アーティスト「スターライトパレード」の新シングル候補として、
採用が正式に決定いたしました。
ご提出いただいたデモは、メンバー・プロデューサーともに高く評価しており、
特にメロディラインの美しさと構成力において、大変素晴らしい作品だと感じております。
今後の制作に向け、以下の点につきましてご相談させていただきたく存じます。
楽曲のアレンジについて、細部のブラッシュアップを予定しております。
仮歌音源につきましては、ご自身での対応が難しい場合、弊社にて仮歌シンガーを手配いたしますのでご安心ください。
また、楽曲使用に伴う契約書類(譲渡契約・クレジット確認等)につきましては、
追って別途ご連絡させていただきます。
まずは取り急ぎ、採用決定のご報告と御礼を申し上げます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
———
株式会社RiseTone Management
制作部 A&Rセクション
城田 直也(しろた なおや)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「じゃあ、音羽さん。かけてみようか」
「はい……」
無事に再提出した曲で採用され、いくつかのブラッシュアップを経て……
今日は、初めて“みんな”に聴いてもらう日。
スターライトパレードのメンバーはもちろん、音楽プロデューサー、レコーディングエンジニア、マーケティングや舞台演出の担当者……
大人たちがたくさんいる会議室で、私の曲が再生される。
作曲だけやっていたときとは違う。
こんなにもたくさんの人が関わって、“音”をファンの人に届けてるんだ……
この緊張感……
……なんだか、コンクールの本番前を思い出す。
ステージ袖でひとり、いっぱい緊張して、それでも目の前のピアノに向かって、全部の想いをぶつけてきた。
終わった後の拍手が、大好きだった。
客席から立ち上がってくれた時は、私も飛び跳ねるくらい嬉しかった……
つけてもらったタイトルは、『Ignition』。
イントロが流れ出した瞬間、空気が変わった。
ざわついていた会議室が、ふっと静まり返る。
重低音のベースと、疾走感のあるビート。
鋭く刻まれるシンセ、ブレイクの“間”の緊張感。
そこに重なる歌声……
リズムのキレ、緩急、構成のドラマチックさ。
歌が乗るだけで、こんなに変わるんだ。
絶対、ライブで映える。そう確信した。
最初に口を開いたのは、演出担当の女性だった。
「……照明、映えるねこれ。3番手のセリフ前、赤一色から一気に白へ……舞台ごと止めたい」
「これ、スモーク入れたくなるな。後半のブレイクで、光と煙で“落差”つけたい」
照明、舞台のプロたちがどんどんアイデアを口にしていく。
「これ、演出つけたら倍になるタイプの曲だね」
「ラストの転調、すっげぇ……あの“溜め”の入れ方、やられた」
「コレオグラファー泣かせだね。でもこの展開、絶対ファン湧くやつ」
その頃には、メンバーたちも声を上げ始めていた。
「うわ、今のサビ前!完璧すぎない!?」
「このスピード感やば。踊るの超楽しみ!」
「音ハメの余地ありすぎて、振り付け欲しくなるなこれ!」
プロデューサーが、ゆっくり立ち上がる。
腕を組んだまま、静かに言った。
「……行けそうかな。このまま進めようか」
「は、はい……っ……よ、良かったですぅぅぅぅ……!!」
会議が終わって、少しずつ人が引いていく。
ふいに、頭をくしゃっと撫でられた。
「おつかれ」
セナ君のその一言で、緊張の糸がふっと切れて、私は机にばたんと突っ伏してしまった。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!
もし少しでも気になってもらえたら、フォローやお気に入りしていただけると励みになります。
アンサーストリート第5.5話「天才と凡才」は【明日昼】に更新予定です!
ぜひまた覗きに来てくださいね!
音羽 奏 様
お世話になっております。
株式会社RiseTone Management 制作部の城田と申します。
このたびは、先日ご提出いただきました楽曲につきまして、
弊社所属アーティスト「スターライトパレード」の新シングル候補として、
採用が正式に決定いたしました。
ご提出いただいたデモは、メンバー・プロデューサーともに高く評価しており、
特にメロディラインの美しさと構成力において、大変素晴らしい作品だと感じております。
今後の制作に向け、以下の点につきましてご相談させていただきたく存じます。
楽曲のアレンジについて、細部のブラッシュアップを予定しております。
仮歌音源につきましては、ご自身での対応が難しい場合、弊社にて仮歌シンガーを手配いたしますのでご安心ください。
また、楽曲使用に伴う契約書類(譲渡契約・クレジット確認等)につきましては、
追って別途ご連絡させていただきます。
まずは取り急ぎ、採用決定のご報告と御礼を申し上げます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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株式会社RiseTone Management
制作部 A&Rセクション
城田 直也(しろた なおや)
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「じゃあ、音羽さん。かけてみようか」
「はい……」
無事に再提出した曲で採用され、いくつかのブラッシュアップを経て……
今日は、初めて“みんな”に聴いてもらう日。
スターライトパレードのメンバーはもちろん、音楽プロデューサー、レコーディングエンジニア、マーケティングや舞台演出の担当者……
大人たちがたくさんいる会議室で、私の曲が再生される。
作曲だけやっていたときとは違う。
こんなにもたくさんの人が関わって、“音”をファンの人に届けてるんだ……
この緊張感……
……なんだか、コンクールの本番前を思い出す。
ステージ袖でひとり、いっぱい緊張して、それでも目の前のピアノに向かって、全部の想いをぶつけてきた。
終わった後の拍手が、大好きだった。
客席から立ち上がってくれた時は、私も飛び跳ねるくらい嬉しかった……
つけてもらったタイトルは、『Ignition』。
イントロが流れ出した瞬間、空気が変わった。
ざわついていた会議室が、ふっと静まり返る。
重低音のベースと、疾走感のあるビート。
鋭く刻まれるシンセ、ブレイクの“間”の緊張感。
そこに重なる歌声……
リズムのキレ、緩急、構成のドラマチックさ。
歌が乗るだけで、こんなに変わるんだ。
絶対、ライブで映える。そう確信した。
最初に口を開いたのは、演出担当の女性だった。
「……照明、映えるねこれ。3番手のセリフ前、赤一色から一気に白へ……舞台ごと止めたい」
「これ、スモーク入れたくなるな。後半のブレイクで、光と煙で“落差”つけたい」
照明、舞台のプロたちがどんどんアイデアを口にしていく。
「これ、演出つけたら倍になるタイプの曲だね」
「ラストの転調、すっげぇ……あの“溜め”の入れ方、やられた」
「コレオグラファー泣かせだね。でもこの展開、絶対ファン湧くやつ」
その頃には、メンバーたちも声を上げ始めていた。
「うわ、今のサビ前!完璧すぎない!?」
「このスピード感やば。踊るの超楽しみ!」
「音ハメの余地ありすぎて、振り付け欲しくなるなこれ!」
プロデューサーが、ゆっくり立ち上がる。
腕を組んだまま、静かに言った。
「……行けそうかな。このまま進めようか」
「は、はい……っ……よ、良かったですぅぅぅぅ……!!」
会議が終わって、少しずつ人が引いていく。
ふいに、頭をくしゃっと撫でられた。
「おつかれ」
セナ君のその一言で、緊張の糸がふっと切れて、私は机にばたんと突っ伏してしまった。
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