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第三巻 Éternité
第9話「ケーキとプレゼント」②
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「あー、明日もあるし、部屋戻るか」
「だな、そろそろ解散だな」
セナ君の言葉で椿さんがみんなを促す。
「今日は本当にありがとう。また明日も、頑張ってね」
最後に部屋を出ようとしたセナ君が、ふと振り返る。
「手、出して」
……あ、そういえば。
さっきのプレゼントの中に、セナ君のだけ、なかった。
差し出した手の上に、パステルグリーンの小さな箱がそっと置かれる。
「誕生日おめでと。おやすみ」
そう言って、静かに扉の向こうへ。
「え~~~!Tiffanyじゃ~~~ん!!」
「セナ君、ガチすぎでしょ……!」
扉の向こうから聞こえた声に、私の胸がまたぎゅっとなった……
ベッドに座りながら、もらった緑色の箱をそっと開ける。
中に入っていたのは、かわいいハートモチーフのキーリング。
……かわいい。
手に取ると、キーリングにはもうひとつキーホルダーが付いていて……
よく見ると、それには「KANADE OTOHA」と刻印されたドッグタグのようなチャームが揺れている。
「……ピアスとか、ど?」
「私、ピアスの穴……開けてなくて!」
「ん、ホントだ。……じゃ、ホールも、オレが開けてやんよ」
1年前の今日、セナ君と交わしたそんな会話が、耳の奥に蘇る。
ふいに触れられた耳が熱くなって、そっとその場所を指でなぞった。
このキーリングも、本当にうれしい。
でも……昨年の約束を忘れられていた気がして、ほんの少しだけ胸が痛んだ。
それでも、みんなからもらったプレゼントに囲まれてベッドに体を預けると、気づけばそのまま眠りに落ちていた。
まだお客さんが誰もいない東京ドーム。
でも照明も音響も、本番とまったく同じ。
“ゲネプロ”と呼ばれるこの時間は、本番そのもののような緊張感に包まれていた。
「本番のように。じゃなくて、本番以上に」
円陣の中でそう言った椿さんの声が、今も耳に残っている。
私は客席にひとり座り、その光景を見つめていた。
音と振動が、足元から伝わってくる。
そのひとつひとつが、心に響いて止まない。
怜央さんは、立ち位置を確認しながら目線の送り方まで調整していた。
椿さんは演出のテンポをスタッフさんに伝え、真央君は軽やかなステップを何度も何度も繰り返す。
遊里君は大きく手を振って、ファンの視線を想像するように笑顔をキープ。
信さんの歌声は、まだ全力じゃないのに、不思議と心に沁み込むようだった。
そして、セナ君。
カメラを見つけた瞬間、表情を変えるその速さ。
誰よりも早く“アイドルの顔”になる彼を、やっぱりすごいと思った。
そのセナ君が、ステージの上から私を見つけると、手招きをする。
「……あのさ、今日ってライブ後、何か予定ある?」
「予定?まっすぐ帰るつもりだったけど……」
「……ライブ後、ちょっとだけ打ち上げ顔出したら、すぐ帰るから。家、来いよ」
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第9話「ケーキとプレゼント」③は【本日夜】に更新予定です!
ぜひまた覗きに来てくださいね!
「だな、そろそろ解散だな」
セナ君の言葉で椿さんがみんなを促す。
「今日は本当にありがとう。また明日も、頑張ってね」
最後に部屋を出ようとしたセナ君が、ふと振り返る。
「手、出して」
……あ、そういえば。
さっきのプレゼントの中に、セナ君のだけ、なかった。
差し出した手の上に、パステルグリーンの小さな箱がそっと置かれる。
「誕生日おめでと。おやすみ」
そう言って、静かに扉の向こうへ。
「え~~~!Tiffanyじゃ~~~ん!!」
「セナ君、ガチすぎでしょ……!」
扉の向こうから聞こえた声に、私の胸がまたぎゅっとなった……
ベッドに座りながら、もらった緑色の箱をそっと開ける。
中に入っていたのは、かわいいハートモチーフのキーリング。
……かわいい。
手に取ると、キーリングにはもうひとつキーホルダーが付いていて……
よく見ると、それには「KANADE OTOHA」と刻印されたドッグタグのようなチャームが揺れている。
「……ピアスとか、ど?」
「私、ピアスの穴……開けてなくて!」
「ん、ホントだ。……じゃ、ホールも、オレが開けてやんよ」
1年前の今日、セナ君と交わしたそんな会話が、耳の奥に蘇る。
ふいに触れられた耳が熱くなって、そっとその場所を指でなぞった。
このキーリングも、本当にうれしい。
でも……昨年の約束を忘れられていた気がして、ほんの少しだけ胸が痛んだ。
それでも、みんなからもらったプレゼントに囲まれてベッドに体を預けると、気づけばそのまま眠りに落ちていた。
まだお客さんが誰もいない東京ドーム。
でも照明も音響も、本番とまったく同じ。
“ゲネプロ”と呼ばれるこの時間は、本番そのもののような緊張感に包まれていた。
「本番のように。じゃなくて、本番以上に」
円陣の中でそう言った椿さんの声が、今も耳に残っている。
私は客席にひとり座り、その光景を見つめていた。
音と振動が、足元から伝わってくる。
そのひとつひとつが、心に響いて止まない。
怜央さんは、立ち位置を確認しながら目線の送り方まで調整していた。
椿さんは演出のテンポをスタッフさんに伝え、真央君は軽やかなステップを何度も何度も繰り返す。
遊里君は大きく手を振って、ファンの視線を想像するように笑顔をキープ。
信さんの歌声は、まだ全力じゃないのに、不思議と心に沁み込むようだった。
そして、セナ君。
カメラを見つけた瞬間、表情を変えるその速さ。
誰よりも早く“アイドルの顔”になる彼を、やっぱりすごいと思った。
そのセナ君が、ステージの上から私を見つけると、手招きをする。
「……あのさ、今日ってライブ後、何か予定ある?」
「予定?まっすぐ帰るつもりだったけど……」
「……ライブ後、ちょっとだけ打ち上げ顔出したら、すぐ帰るから。家、来いよ」
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