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第五巻 Prisoner
第1話「エプロンと制服」①
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好きな人ができたら、
毎日はもっとわくわくして、キラキラして、楽しくなるものだと思ってた。
でも実際は……
『明日の夕方から、翌日の昼までオフになった』
クリスマス。
セナ君と、キス以上のことをして……
セナ君が歌う『Only』を聴いて、自分の気持ちに気づいた。
だけど、それ以来ずっと心の整理がつかなくて……
『会いたい』
たった一通のLINEを見ただけで、飛び跳ねるほど嬉しくなる自分がいる。
なのに、そんな自分を「なんて都合のいい女なんだろう」って思ってしまう。
クリスマス以降、毎週末のように「会いたい」って言われても、どんな顔で会えばいいのかわからない。
今だって……何をどうすればいいのか、答えは出せないまま。
でも……
明日の0時を過ぎたら、セナ君の22歳の誕生日。
『私も』
やっぱり……顔を見て、お祝いしたい。
『学校から帰ってから行くので、7時くらいになると思います』
去年、セナ君の誕生日に渡したのは、スターライトパレードのシングル全曲をピアノアレンジした音源。
今年も、私にしかできないものを贈りたくて、数日前から準備だけはしていた。
『学校帰り、そのまま来いよ』
少し前なら、その言葉だけで飛んでいけたのに。
2時間早く会えるだけで嬉しくて仕方なかったはずなのに……
“誕生日の前日に会うってことは、当日は別の人と?”
そんな、考えても仕方ないことばかり浮かんできてしまうようになった。
……いつだったか、偶然耳にした、セナ君と元カノさんの会話が蘇る。
「……私、本気だったのに」
「もう、そういうのやめろって」
「本当にもう無理なの?」
「悪いけど、もう興味ない。そういうとこ、ホント無理」
「この前のもさ、あれ何?プレゼントなんてやった覚えねーんだけど」
「でも……食事行ったじゃない……」
「行ったけど?で?」
「ホテルにだって泊まったじゃない……!」
「はーっ……マジ、ダルッ」
あのときはただ、元カノさんが可哀想で。
そんな態度を取るセナ君に対して無性にイライラして、嫌な気持ちをぶつけてしまったけど……
今では……
あれが“私じゃなくて良かった”なんて、そんな風に思ってしまう自分がいて。
……本当に最低だと思う。
そして、明日の私は、あの元カノさんと同じような姿になるのかもしれないのに。
約束の日。
学校帰り、そのままセナ君のマンションへ向かう。
カバンの中には、プレゼント。
色々考えすぎて、軽くテンパってるけど……
やっぱり……好きな人に会えるのは、どうしようもなく嬉しい。
セナ君にもらった合鍵で、マンションのエントランスを抜けていく。
……もう、帰ってきてるかな。
インターフォンを押すと……かすかに足音が聞こえた気がした。
ガチャ。
「いらっしゃい」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
えっっっっっ!?!?
なんで!?エプロン!?
なんでこの人、エプロンなんかしてるのぉぉぉぉぉ!!!
不意打ちすぎて、その場で思わずしゃがみ込んでしまう。
「どした?体調悪い?」
同じようにしゃがんで、覗き込まれた。
……え、ちょっ、え、え、えっ!?
こ、この人、こんなに格好良かったっけ……?
ずっと前から格好良いとは思ってたけど……なにこれ……しんど……
「あ……エプロンにビックリしちゃって……」
「ふっ。なんだよそれ。入れよ」
案内されたリビングには、たくさんの食材が並んでいた。
「えっ……セナ君、お料理できるの!?」
「いや、ほぼ出来合いのもんだって」
……出来合いにしたって、サラダもメインも、ちゃんとある……!
「温かいもんもあるから、早く食おうぜ」
そう言ってキッチンへ戻っていく背中を、私はぽかんと見つめたまま動けなかった。
さっきまで胸を締めつけていた不安やモヤモヤが、少しだけ……ほんの少しだけ、ほどけていく気がした。
リビングのテーブルには、色とりどりのお皿。
ミニトマトとモッツァレラのカプレーゼ、スモークサーモンのマリネ、ローストビーフ、香ばしい匂いのグラタン。
一つずつ小皿に分けられていて、まるでビュッフェみたいに華やかだった。
毎日はもっとわくわくして、キラキラして、楽しくなるものだと思ってた。
でも実際は……
『明日の夕方から、翌日の昼までオフになった』
クリスマス。
セナ君と、キス以上のことをして……
セナ君が歌う『Only』を聴いて、自分の気持ちに気づいた。
だけど、それ以来ずっと心の整理がつかなくて……
『会いたい』
たった一通のLINEを見ただけで、飛び跳ねるほど嬉しくなる自分がいる。
なのに、そんな自分を「なんて都合のいい女なんだろう」って思ってしまう。
クリスマス以降、毎週末のように「会いたい」って言われても、どんな顔で会えばいいのかわからない。
今だって……何をどうすればいいのか、答えは出せないまま。
でも……
明日の0時を過ぎたら、セナ君の22歳の誕生日。
『私も』
やっぱり……顔を見て、お祝いしたい。
『学校から帰ってから行くので、7時くらいになると思います』
去年、セナ君の誕生日に渡したのは、スターライトパレードのシングル全曲をピアノアレンジした音源。
今年も、私にしかできないものを贈りたくて、数日前から準備だけはしていた。
『学校帰り、そのまま来いよ』
少し前なら、その言葉だけで飛んでいけたのに。
2時間早く会えるだけで嬉しくて仕方なかったはずなのに……
“誕生日の前日に会うってことは、当日は別の人と?”
そんな、考えても仕方ないことばかり浮かんできてしまうようになった。
……いつだったか、偶然耳にした、セナ君と元カノさんの会話が蘇る。
「……私、本気だったのに」
「もう、そういうのやめろって」
「本当にもう無理なの?」
「悪いけど、もう興味ない。そういうとこ、ホント無理」
「この前のもさ、あれ何?プレゼントなんてやった覚えねーんだけど」
「でも……食事行ったじゃない……」
「行ったけど?で?」
「ホテルにだって泊まったじゃない……!」
「はーっ……マジ、ダルッ」
あのときはただ、元カノさんが可哀想で。
そんな態度を取るセナ君に対して無性にイライラして、嫌な気持ちをぶつけてしまったけど……
今では……
あれが“私じゃなくて良かった”なんて、そんな風に思ってしまう自分がいて。
……本当に最低だと思う。
そして、明日の私は、あの元カノさんと同じような姿になるのかもしれないのに。
約束の日。
学校帰り、そのままセナ君のマンションへ向かう。
カバンの中には、プレゼント。
色々考えすぎて、軽くテンパってるけど……
やっぱり……好きな人に会えるのは、どうしようもなく嬉しい。
セナ君にもらった合鍵で、マンションのエントランスを抜けていく。
……もう、帰ってきてるかな。
インターフォンを押すと……かすかに足音が聞こえた気がした。
ガチャ。
「いらっしゃい」
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
えっっっっっ!?!?
なんで!?エプロン!?
なんでこの人、エプロンなんかしてるのぉぉぉぉぉ!!!
不意打ちすぎて、その場で思わずしゃがみ込んでしまう。
「どした?体調悪い?」
同じようにしゃがんで、覗き込まれた。
……え、ちょっ、え、え、えっ!?
こ、この人、こんなに格好良かったっけ……?
ずっと前から格好良いとは思ってたけど……なにこれ……しんど……
「あ……エプロンにビックリしちゃって……」
「ふっ。なんだよそれ。入れよ」
案内されたリビングには、たくさんの食材が並んでいた。
「えっ……セナ君、お料理できるの!?」
「いや、ほぼ出来合いのもんだって」
……出来合いにしたって、サラダもメインも、ちゃんとある……!
「温かいもんもあるから、早く食おうぜ」
そう言ってキッチンへ戻っていく背中を、私はぽかんと見つめたまま動けなかった。
さっきまで胸を締めつけていた不安やモヤモヤが、少しだけ……ほんの少しだけ、ほどけていく気がした。
リビングのテーブルには、色とりどりのお皿。
ミニトマトとモッツァレラのカプレーゼ、スモークサーモンのマリネ、ローストビーフ、香ばしい匂いのグラタン。
一つずつ小皿に分けられていて、まるでビュッフェみたいに華やかだった。
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