頼ってください!と教え子たちがうるさいので、ソロ討伐を引退した俺をもらってくれる奇特な誰かがいるそうです

波乃宮

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知りたい猫はその扉を開ける

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「で、どぉよ? 学園長に紹介されたヒトとはうまくやれてんの?」

 ヴィユの肩に手を回して顔を寄せてきた親友からは、酒の匂いしかしなかった。
 今年入ってきた新採の講師もかなり飲める口だが、瓶ごと持ってきてもらってもすぐ空にしてしまう酒豪のラザリオには勝てそうにない。
 それだけ飲んでも締まった腹と輪郭のゆるまない端正な顔立ち。
 運動部の顧問をしているだけで、現状を保てるのだから恐ろしい。
 恵まれた体質に生まれてきた親友は、生徒からの人気も高く、目の保養だとありがたがっているファンも多い。
 
 酒が入るといつも以上に場を仕切ってくる先輩ナディル・ルーシャンもヴィユの相手に興味があるようだった。
 瑠璃鳥種ラピセラ特有の飾羽は鮮やかな赤で、彼女の緑ががった黒髪によく映える。
 声の美しさと容姿の華やかさはラピセラの共通項で、ナディルはそこにいるだけで皆の視線を集めてしまう。
 それはそれで面倒だろうと思うのだが、彼女にとって他者からの好意など光や風のようなものだと言う。

 帰り際、ラザリオとナディルに声をかけられた時から、根掘り葉掘り聞かれるのは覚悟していた。

「ルーラントさんは、俺より年は4つ上で……」

 一緒にいる時の様子をいくつか話して聞かせるとナディルがふっと微笑み、お姉さんぶったアドバイスをしてくる。
 
「出会ってすぐなのに、もう懐柔されかけてるじゃない。優しくて気の利く男なんてどこにでもいるわ。どんなクズだって、目当ての子の前じゃ、素敵な自分を演じてみせるものよ」

 目元をふちどる緑のアイカラーはきらめき、唇に乗せたジュエルグロスがつやつやと輝く。
 努力や研究を重ねて、より綺麗になっていく彼女はいつだって凛々しく美しい。

「君たちが2人が付き合っちゃえばって、私はいつも言ってたでしょ。あれ、本気でオススメしてるんだけどなぁ」
「ラザリオは付き合った相手をダメにするくらい甘やかして甘やかす男ですよ。気安く勧めてこないでください」
VVヴィヴィくんとだったら、ラズくんのそーゆー依存させたい厄介気質も発動しないのに」
「ナディルねぇ~さん、それ本人の前で言うのやめてもらえません?」
「何よぉ。事実を語っちゃいけないって法律でもあるの? まあ、とりあえずふたりとも飲みましょ!」 

 欠けも剥げも見当たらないネイルは、細やかな手入れが不可欠であろう。
 自分を磨きあげることを楽しんでいるナディルと比べて、ヴィユの美容意識はかなり低い。
 教職に就いてから、清潔感や体臭には人一倍気を配っているが、より良く見せたいという意識はない。

 生徒達の噂話で指摘されていたように、普段のヴィユは男受けの良い装いなんて選ばない。
 取り扱いのしやすさや素材感を重視し、似たようなデザインや色を好むせいで同じような服ばかりになっている。
 
 ルーラントとのデートで着ていった服は流行に詳しいラザリオに任せて、上から下まで揃えてもらったものだ。
 その時は気にしなかったけれど、肌を見せ合う関係になるのだから、下着のことも考えなくてはならない。
 最近は男性用の下着も色々あるし、ハイミア用のデザインには刺激的なものも多いのだ。
 
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