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番外編
第一話 いぬのきもち 前半
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拙者、菊野家にて番犬の任を賜ったどどいつと申す犬でござる。犬種としてはジャーマン・シェパードに分類される。ジャーマン・シェパードとは和の国の言葉でいうと「独逸の牧羊犬」という意味でござる。名の通り、独逸にて犬種認定を受けてから牧羊犬と活躍していたが、後に軍用犬としても任に就くことになったという歴史を持つ。
現在では、和の国を含め数多の国にて、一般家庭で飼われるのみならず、警察犬など多方面で活躍している。
拙者も元警察犬であった。災害救助犬として訓練され、しばしば現場に警察官と共に役目に励んでおった。現場で負った怪我が原因で早期引退となった。拙者は委託警察犬であったので、一旦は拙者の育ての親である人間の元へ戻ったが、その後、菊野家の番犬として暮らしている。現在八歳、初老と呼ばれる域でござる。
次に菊野家の話を致そう。拙者が菊野家の居候となった当初、拙者は、御屋敷に殿がお一人、北の方と側室がそれぞれお一人ずつおられるのだと思っていた。しかし殿の奥方は北の方お一人で、拙者が側室だと勘違いしていた女性は寡婦であらせられ、殿の弟君の北の方だったと殿に教えて頂いた。
殿の御名は勝明様。北の方は蕗子様。こちらの菊野家にはかつて若様が三人おられたそうだ。拙者が居候になったときにはすでに独立されており、勝明様夫妻が二人で住んでおられる。ご長男とご次男が時折、お出でになることもあるが、ずっとお二人で過ごされている。
一方、寡婦であられる郁様には若様がお一人、姫様がお二人おられる。それぞれ、若様は香月様、姫様は椎奈様と奈月様、香月様と奈月様は双子でいらっしゃる。
この度、椎奈様が、番いとなる殿方と会う次第となられた。
無礼を承知で申し上げると、拙者から見たところ、椎奈様は少々気弱であらせられる。道中見回り(殿たちは散歩と称す)にて、椎奈様に手綱を握られることは、拙者は好まぬ。かの姫は不安性なのか、見回りの最中、惑って足を止められることが多い。
ちなみに最も信頼でき、気合いが入る相手は殿であるが、殿は週に一、二度程度しか拙者の見回りの共をして下さらぬ。
拙者との見回り頻度が最も高いのは香月様だ。香月様は遊び心に溢れた方で、所謂「犬は大好きだが人間は困る」行為に付き合って下さる。香月様もそれを楽しんでおられるのがよく分かるので、拙者も楽しさに我を忘れることがある。
話が逸れた。
ともかく拙者は、気弱な椎奈様は、強く逞しい殿方と早く番われたほうが、姫も安心され、心安らかに過ごされるであろうと常に考えておった。
その椎奈様が、とうとう嫁がれるかもしれぬ。拙者はおおいに喜んでいた。
ところがである。
椎奈様がお見合いを終えられた翌朝、姫は離れより本宅であるこちらに戻られた。
だがおかしい。姫のお相手の匂いがあまりしない。傍に寄り、ようやく椎奈様の首から人間の雄の匂いがした。
なるほど、殿や郁様、かつて共に任務に就いた人間たちと同じ匂いがする。
加え、なんとも懐かしい匂いもするではないか。拙者が現役のとき、仲間のうち、大麻という粉を探す役目を担った犬もいた。その粉はご禁制の薬剤で、所持している人間や隠し場所を探すのがその仲間の仕事だった。
椎奈様の首筋に残った雄の匂いは、姫の帯にもある。正確には、帯の中の何かだ。椎奈様の相手からの贈り物かもしれぬ。怪しいものではないかどうか、椎奈様のため拙者が改めねばならぬ。鼻を使って帯から出した。
出てきたのは光沢のある包みに入ったものだった。拙者の後を追ってきた奈月様にえらいとお褒め頂き、背を掻いて頂いた。
しかしこれは何でござろう。拙者は初めて見るものだ。
「おねえ……なんでコンドーム?」
「お母さんには、黙っててくれる?」
今度産むという代物らしい。しかも違法なものなのか、椎奈様は郁様に知られたくないもののようだ。
元同僚の仲間だと安心したが、椎奈様はよくない相手と番いになられるのか?
幸先不安でござる。
椎奈様は敵前逃亡を企てられた。奈月様の追求を逃れる口実として、拙者と現在見回りをしている。
拙者も、見回りであるならお供せざるを得ない。仕方なく椎奈様とこうしている。決して楽しいからではない。仕方なくだ。尾が揺れているのは風のせいだ。
その見回りの途中で、拙者は少年に声をかけられた。
椎奈様は足を止められた。
これだ。
殿ならまだしも、椎奈様はこのように、時折、相手が危険かどうかの判断もされずに他人に近づくことがある。しかも、それを恐れているにもかかわらずだ。
君子危うきに近寄らず。椎奈様は、このようなことをすべきではない。
拙者が判断するところ、相手の少年の発する匂いに、おかしなものが混じっている。普通ではあり得ない匂いだ。
椎奈様は惑っておられるようだが、傍に行くべきではない。
拙者は椎奈様を促し、先へ進んだ。姫は未練があるようだが、拙者の行動を優先して下さった。
それがいい。あれは、椎奈様が知らなくてもいいものだ。
時々、人間の世界は恐ろしいと感じることがある。
思わぬところに修羅が潜んでおる。拙者は、そこから、姫のような善良で弱き者を遠ざける。それが今の拙者の役目でござる。
その日の夕刻、拙者は香月様、奈月様と共に見回りに出ておった。雨が降りそうな匂いがしておる。
落雷があるやもしれぬ。椎奈様が心配でござる。
椎奈様は雷が苦手でおられる。そんなとき、拙者は椎奈様の傍に控えておく。決して、拙者が雷を苦手としているのではない。あの大きな音が好きではないが、苦手ではない。
椎奈様は今夜も、お見合いのため離れに向かわれた。雨の音と、雷の音も聞こえる。
お相手となる方が、椎奈様の気弱なところを、きちんと理解下さる方だとよいのだが。
「キューン……」
「どどいつ、おいで」
郁様よりお声がけがあった。仕方ない。郁様の傍に控えねばならぬ。
決して、雷が怖いわけではない。決して。
翌朝、椎奈様は昨日より遅く本宅へ戻られた。椅子に腰掛けるなり気怠げに、ひとつ大きな欠伸をされた。
微かに、発情し契りを交わした雌雄の匂いを纏わせている。
迂闊ながら、人間は頻繁に体を洗うことを昨日は失念しておった。椎奈様からほとんど、お相手の匂いがしなかったのはそのせいだろう。
だが、本日は、ある。無事、契りを交わされたようだ。
これで一安心でござる。拙者も、安心して明日の見回りに励むことができる。
拙者は香月様との見回りを終えたあと、殿の屋敷へ入れられた。つまり、明日は殿が非番の日だ。
拙者は殿のお供で見回りをおこなう。故に今晩、殿の屋敷にて一泊するのだ。
身が引き締まる思いである。尾も鍛えるために振っている。
決して、楽しみだからではない。
拙者が、夕刻の散歩を今かと待っていたときでござった。
「どどいつー。散歩いこーぜー」
何故だ。どうして香月様と同行することになった?
いや香月様と見回りに行くことは問題ない。だが、殿はどうされたのだ。
「あー。どどいつ、やっぱりどうして伯父さんじゃないの?って顔してんな」
そのような顔はしていない。香月様の言いがかりでござる。
それより、どうして殿は夕刻の見回りをされないのだ。
「どどいつ。かっちゃんとお散歩いってらっしゃい」
北の方が、拙者の背を撫でた。
北の方は常に朗らかな方だ。しかし今日、その朗らかさが半分ほどなくなっている。
そうか。殿は緊急の任務に向かわれたのだ。
かつて、拙者が、災害が起こった現場に向かったような、非常事態が起こったのだ。
残念である。殿と見回りができないことも。
殿が休みを返上し任務に就かねばならない事態が起こったことも。
香月様と月夜の元、見回りをする中、はたと思い至った。
郁様も、椎奈様のお相手も、殿と同業の方であるはずだ。
椎奈様は、大丈夫なのだろうか。
郁様は翌朝に戻られた。明らかに憔悴されておる。炊事場に留まられている。椎奈様を待っておられるようだ。
拙者は居間にて、二人のお邪魔をしないように待機した。
□□□
先も申したが、犬もそうであるが、人間というのは実に様々な性質のものがいるようだ。
拙者が警察犬として訓練を受ける前に育った家や、委託警察犬として勤務していたときに住んでいた場所、そして現在の菊野家。それぞれ様々な環境でそれぞれの事情を抱えつつも、全て、善良な人間たちが拙者の傍におられた。
だが、世の全ての人間が、拙者の知るところのそれではない。
我々の世界にもいる。人間に虐げられ、人間を信じられなくなった犬も。
悲しいことであるが、道を外す生き物は永遠になくなったりはしない。
何かをきっかけに、善良な人間も、魔が差すことがある。
今の椎奈様は、まさにそれであった。
「うらぎりもの」
悲哀と憤怒を発し、椎奈様は郁様を侮蔑された。
切ないが、拙者にできることはなにもない。
ただ、お二人の仲が戻るよう、祈ることしかできない。
拙者も、人と同じように話をすることができたら、二人の溝を埋めることができたのであろうか。
現在では、和の国を含め数多の国にて、一般家庭で飼われるのみならず、警察犬など多方面で活躍している。
拙者も元警察犬であった。災害救助犬として訓練され、しばしば現場に警察官と共に役目に励んでおった。現場で負った怪我が原因で早期引退となった。拙者は委託警察犬であったので、一旦は拙者の育ての親である人間の元へ戻ったが、その後、菊野家の番犬として暮らしている。現在八歳、初老と呼ばれる域でござる。
次に菊野家の話を致そう。拙者が菊野家の居候となった当初、拙者は、御屋敷に殿がお一人、北の方と側室がそれぞれお一人ずつおられるのだと思っていた。しかし殿の奥方は北の方お一人で、拙者が側室だと勘違いしていた女性は寡婦であらせられ、殿の弟君の北の方だったと殿に教えて頂いた。
殿の御名は勝明様。北の方は蕗子様。こちらの菊野家にはかつて若様が三人おられたそうだ。拙者が居候になったときにはすでに独立されており、勝明様夫妻が二人で住んでおられる。ご長男とご次男が時折、お出でになることもあるが、ずっとお二人で過ごされている。
一方、寡婦であられる郁様には若様がお一人、姫様がお二人おられる。それぞれ、若様は香月様、姫様は椎奈様と奈月様、香月様と奈月様は双子でいらっしゃる。
この度、椎奈様が、番いとなる殿方と会う次第となられた。
無礼を承知で申し上げると、拙者から見たところ、椎奈様は少々気弱であらせられる。道中見回り(殿たちは散歩と称す)にて、椎奈様に手綱を握られることは、拙者は好まぬ。かの姫は不安性なのか、見回りの最中、惑って足を止められることが多い。
ちなみに最も信頼でき、気合いが入る相手は殿であるが、殿は週に一、二度程度しか拙者の見回りの共をして下さらぬ。
拙者との見回り頻度が最も高いのは香月様だ。香月様は遊び心に溢れた方で、所謂「犬は大好きだが人間は困る」行為に付き合って下さる。香月様もそれを楽しんでおられるのがよく分かるので、拙者も楽しさに我を忘れることがある。
話が逸れた。
ともかく拙者は、気弱な椎奈様は、強く逞しい殿方と早く番われたほうが、姫も安心され、心安らかに過ごされるであろうと常に考えておった。
その椎奈様が、とうとう嫁がれるかもしれぬ。拙者はおおいに喜んでいた。
ところがである。
椎奈様がお見合いを終えられた翌朝、姫は離れより本宅であるこちらに戻られた。
だがおかしい。姫のお相手の匂いがあまりしない。傍に寄り、ようやく椎奈様の首から人間の雄の匂いがした。
なるほど、殿や郁様、かつて共に任務に就いた人間たちと同じ匂いがする。
加え、なんとも懐かしい匂いもするではないか。拙者が現役のとき、仲間のうち、大麻という粉を探す役目を担った犬もいた。その粉はご禁制の薬剤で、所持している人間や隠し場所を探すのがその仲間の仕事だった。
椎奈様の首筋に残った雄の匂いは、姫の帯にもある。正確には、帯の中の何かだ。椎奈様の相手からの贈り物かもしれぬ。怪しいものではないかどうか、椎奈様のため拙者が改めねばならぬ。鼻を使って帯から出した。
出てきたのは光沢のある包みに入ったものだった。拙者の後を追ってきた奈月様にえらいとお褒め頂き、背を掻いて頂いた。
しかしこれは何でござろう。拙者は初めて見るものだ。
「おねえ……なんでコンドーム?」
「お母さんには、黙っててくれる?」
今度産むという代物らしい。しかも違法なものなのか、椎奈様は郁様に知られたくないもののようだ。
元同僚の仲間だと安心したが、椎奈様はよくない相手と番いになられるのか?
幸先不安でござる。
椎奈様は敵前逃亡を企てられた。奈月様の追求を逃れる口実として、拙者と現在見回りをしている。
拙者も、見回りであるならお供せざるを得ない。仕方なく椎奈様とこうしている。決して楽しいからではない。仕方なくだ。尾が揺れているのは風のせいだ。
その見回りの途中で、拙者は少年に声をかけられた。
椎奈様は足を止められた。
これだ。
殿ならまだしも、椎奈様はこのように、時折、相手が危険かどうかの判断もされずに他人に近づくことがある。しかも、それを恐れているにもかかわらずだ。
君子危うきに近寄らず。椎奈様は、このようなことをすべきではない。
拙者が判断するところ、相手の少年の発する匂いに、おかしなものが混じっている。普通ではあり得ない匂いだ。
椎奈様は惑っておられるようだが、傍に行くべきではない。
拙者は椎奈様を促し、先へ進んだ。姫は未練があるようだが、拙者の行動を優先して下さった。
それがいい。あれは、椎奈様が知らなくてもいいものだ。
時々、人間の世界は恐ろしいと感じることがある。
思わぬところに修羅が潜んでおる。拙者は、そこから、姫のような善良で弱き者を遠ざける。それが今の拙者の役目でござる。
その日の夕刻、拙者は香月様、奈月様と共に見回りに出ておった。雨が降りそうな匂いがしておる。
落雷があるやもしれぬ。椎奈様が心配でござる。
椎奈様は雷が苦手でおられる。そんなとき、拙者は椎奈様の傍に控えておく。決して、拙者が雷を苦手としているのではない。あの大きな音が好きではないが、苦手ではない。
椎奈様は今夜も、お見合いのため離れに向かわれた。雨の音と、雷の音も聞こえる。
お相手となる方が、椎奈様の気弱なところを、きちんと理解下さる方だとよいのだが。
「キューン……」
「どどいつ、おいで」
郁様よりお声がけがあった。仕方ない。郁様の傍に控えねばならぬ。
決して、雷が怖いわけではない。決して。
翌朝、椎奈様は昨日より遅く本宅へ戻られた。椅子に腰掛けるなり気怠げに、ひとつ大きな欠伸をされた。
微かに、発情し契りを交わした雌雄の匂いを纏わせている。
迂闊ながら、人間は頻繁に体を洗うことを昨日は失念しておった。椎奈様からほとんど、お相手の匂いがしなかったのはそのせいだろう。
だが、本日は、ある。無事、契りを交わされたようだ。
これで一安心でござる。拙者も、安心して明日の見回りに励むことができる。
拙者は香月様との見回りを終えたあと、殿の屋敷へ入れられた。つまり、明日は殿が非番の日だ。
拙者は殿のお供で見回りをおこなう。故に今晩、殿の屋敷にて一泊するのだ。
身が引き締まる思いである。尾も鍛えるために振っている。
決して、楽しみだからではない。
拙者が、夕刻の散歩を今かと待っていたときでござった。
「どどいつー。散歩いこーぜー」
何故だ。どうして香月様と同行することになった?
いや香月様と見回りに行くことは問題ない。だが、殿はどうされたのだ。
「あー。どどいつ、やっぱりどうして伯父さんじゃないの?って顔してんな」
そのような顔はしていない。香月様の言いがかりでござる。
それより、どうして殿は夕刻の見回りをされないのだ。
「どどいつ。かっちゃんとお散歩いってらっしゃい」
北の方が、拙者の背を撫でた。
北の方は常に朗らかな方だ。しかし今日、その朗らかさが半分ほどなくなっている。
そうか。殿は緊急の任務に向かわれたのだ。
かつて、拙者が、災害が起こった現場に向かったような、非常事態が起こったのだ。
残念である。殿と見回りができないことも。
殿が休みを返上し任務に就かねばならない事態が起こったことも。
香月様と月夜の元、見回りをする中、はたと思い至った。
郁様も、椎奈様のお相手も、殿と同業の方であるはずだ。
椎奈様は、大丈夫なのだろうか。
郁様は翌朝に戻られた。明らかに憔悴されておる。炊事場に留まられている。椎奈様を待っておられるようだ。
拙者は居間にて、二人のお邪魔をしないように待機した。
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先も申したが、犬もそうであるが、人間というのは実に様々な性質のものがいるようだ。
拙者が警察犬として訓練を受ける前に育った家や、委託警察犬として勤務していたときに住んでいた場所、そして現在の菊野家。それぞれ様々な環境でそれぞれの事情を抱えつつも、全て、善良な人間たちが拙者の傍におられた。
だが、世の全ての人間が、拙者の知るところのそれではない。
我々の世界にもいる。人間に虐げられ、人間を信じられなくなった犬も。
悲しいことであるが、道を外す生き物は永遠になくなったりはしない。
何かをきっかけに、善良な人間も、魔が差すことがある。
今の椎奈様は、まさにそれであった。
「うらぎりもの」
悲哀と憤怒を発し、椎奈様は郁様を侮蔑された。
切ないが、拙者にできることはなにもない。
ただ、お二人の仲が戻るよう、祈ることしかできない。
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