STUDEMT WAR

水無月 陽

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ステルスメイト

第九話 保健室にて

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 5月22日、山を転送して気絶していたアランはラミセール学園の保健室です目を覚ました。
「ここは、、、」
知らない天井だ、、、というのはおいといて、どうしてこんなことになっているのだろう?
『やっと起きた!おはようアラン一ヶ月ぶりだね』
自分が寝ている場所はふかふかとしたベッドだ。
いつもの炬燵ではない。
「?」
 視界の端に何か黒いものを捉えた。
そいつは、高速で移動し自分のベッドの下に入ったように見えた。
「レイブン、何かベッドの下にいない?」
『勇者がいるよ』
 は?勇者?何言ってんだこいつ
「は?」
 『勇者つまり、、、クログロ虫だよ』
 その言葉を聞いた瞬間、思い出したくない記憶が蘇ってきた。
「あー、そうだった、そうだった」
『思い出したんだね、ご愁傷様』
 身体をベッドから起こすと、朝日が窓から差し込んでいるのが見えた。
「今、何時?」
『今、AM5時29分32秒』
「やけ『33秒』に細『34秒』かい『35秒』な、、、ってうるさい!」

 秒針のコチコチという音に合わせてレイブンが秒を告げてくるのを無視して、ベッドから飛び降りようとして、失敗した。
 詳しくいうと、頭から地面に激突した。
『アラン!』

  _________30分後_________

「アランさん、、、え?、血溜まり!?」
 その声で目を覚ますと駆け寄ってくる白衣を着た人が真っ赤な視界の中見えた。
「大丈夫ですか?」
「これで大丈夫だと思うなら眼科に行ったほうがいい」
 額の傷を抑えながらそう言った
『そんな、ひねくれた事を言っちゃダメだよ』
 血のせいで白い羽が赤くなってしまったレイブンがそう言う。
 めっちゃ、頭がグラグラする。気持ち悪い。

 言い忘れていたが、アラン以外はレイブンの声は聞こえていない。
「失礼な生徒ですね、まぁいいでしょう、ところで朝ごはんはたべますか?」
消毒用の綿を取り出しながら先生がそう言った。
 そういえば、お腹が減っている。
久しぶりに、鶏肉あたりを食べたい気分だ。
 そう思ってなんとなくレイブンを見ると、レイブンは何かの気配を察したらしい。
『ド、ドングリ探してくる』
 そう言って保健室の窓からの出て行った。
「アランさんは、あの烏さん・・・レイブンさんでしたっけ、とお話しできるんですか?」
「………知らない人とお話ししてはいけませんって祖父に言われたから無視する」
 喋るのが面倒くさい時の常套文句である。
「小学生かっ!!」
あ、この人ツッコミできるんだな
 ってことは出番は今回だけじゃな、、、
「メタい!!」
 そう、言いながらその先生は容赦なく額の傷口に消毒用の綿を押し当ててきた。
「いっだーーい」
 先生は消毒用の綿で傷口を抑えながら、杖を取り出して、詠唱を開始した。
「彼のものに女神の祝福を、ヒール」
 ズキズキする額に魔力の波動を感じたが傷は塞がらなかった。
「あれ?彼のものに女神の祝福を、ヒール」
何度か魔法を先生が使ったが、全く効果は無かった
「………本当に先生?」
「…失礼な、一応先生ですよ」
 先生が力無くそう呟くと、同時にガラーンガラーンと6時の鐘が鳴った。
「し…失礼…しま…す…あ、アランちゃん、やっと起きたんだ!おはよう」
 そう言いながら、保健室の木の扉をギィーっと鳴らしながら緑眼の女子生徒が入ってきた。
 
 初対面でちゃんづけとか…なんだコイツ…明らかにコミュ障っぽいのに、いきなりちゃんづけ…違和感が半端ない。

「こら、そんなこと思わない」
メンタルがちょっと回復した、先生が注意してきた。
「思うくらいいいじゃん!」
この先生、心よめんのかよ!
「はい、読めます」
そんな、平然と言われてもなんて返せばいいか分からんわい!!
「え!?血!」
 緑眼の子は一人だけ話題に置いていかれている。


 それから、その子は豪華な杖ケースからを取り出した。

 「殺す気か?」
 そう低い声で言うと同時に、一瞬で左のポケットから自分の真っ黒な杖を取り出し、その子の眉間に突きつけた。
 緊張が保健室にはしる。
「やめなさい!何をしてるの!!」
 無視した。
 割り込んでこようとするのを睨みつけて止めた。
コイツもアクア・ビリシアのように瞳が鮮やかな青色だ、信用なんてできるはずがない。
「もう一度聞く、殺す気か?」
「いや、傷を治そうとしただけで、、、」
「本当か?」

 いつでも、ように身体の中で魔力を練り上げながら聞く。
 怯えながら、緑眼の子はその杖をおろした。
「ほ、本当だよ、家紋に誓って」
 本当か、、、いや嘘かもしれない
嘘か、どうか確かめるために瞳をじっと見つめた。
 ただ、そこには怯えた二対の緑眼があるだ、、、、、、、
「ん?」
 左手で杖を突きつけながら、右手で瞳が見やすいように瞼を手で無理やり瞼を開けた。
「何を!?」
「緑だけど、うっすら青みがかかっている…」

     黒のサーユニだ!!
   
 杖を左ポケットに入れ、右手を瞼からはなした。

「フーッ、何怯えてんの演技だよ」
「えっ、演技?う、なんだ、演技だったのかー」
泣きかけの声でそう青緑の瞳の子は言った。
「お、どうやら、あなたの血は止まったみたいよ」
「おー、先生のヒールって言う置かれて効果が出てくるんだなー」
「んなわけあるかっ!」
「しくしく」
 青緑の瞳の子が泣き出した。
「もう、あーごめんってば」
と、謝ったと同時に窓からレイブンが帰ってきて
『あ、アランが謝った!?」
「うるさい!」
 近くのコップに入っていたコップの水をレイブンにかけた。
『理不尽な!』
「まぁ、このクソガラスはおいといて、お前名前は?」
「え?」
「だから、お前のなまえは?」
 
「あ、アイネ・エリベルです」

_______________________________________________

アイネ「始めまして、あ、アイネ・エリベルですよろしくお願いします。」
保健室の先生「始めまして、私はラリア・ラジアルよ、なんで本編で紹介されないんだか。」
アイネ「アランちゃんが名前を聞かないから、しやないでしょうか、」
ラリア「いや、別に理由を聞いたわけじゃないんだよ。まぁいいや、学校あるあるやっていきましょ」
アイネ「はい」

No.4  日曜日のLINE

生徒A~ 日曜ってさー            
               ? ~生徒B
生徒A~ 次の日、月曜なんだよね
          やめろぉぉぉ!~生徒B


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