10 / 22
ヒリキなぼくと公園と親たち
結団!
しおりを挟む
光岡は、猫の動画をお兄さんのアカウントでアップしたことがあるそうだ。
ダンスをしている高校生のお兄さんが、自分の動画をアップしているのに、便乗したらしい。動画再生回数100回ちょっとらしいけど…。
「こういう刺激的なのは、すぐに拡散するよ」と、光岡は興奮気味に言った。
どんどん話がオーバーになっていくの。13歳以下のアップは禁止だって、自分で言ってなかった? ダメだよ。一回、話を止めなきゃ。
「ちょっと待って。どうするのがいいのか、色々調べて、考えてみるから。それからでも、遅くないんじゃないかな」
「そんなゆっくりしたこと言ってられない。我慢なんかする必要ない。佐伯のお父さん、本当にひどいよね」
光岡って血の気が多すぎ。けど、光岡が普通に怒って、泣いて、虐待を止めようと言ってくれたことは心に染みた。彼女は、ぼくにはない行動力がある。危なっかしいけど、本気で心配してくれている。興味本位なところがないわけじゃないけど、熱い。自分にはとうていできない。心底、光岡がうらやましくなった。
佐伯はしばらく黙っていた。光岡の気持ちもわかってほしい。同じように、光岡も彼のつらさを理解すべきだ。
「佐伯の気持ち、考えてやれよ」
と、言うと、光岡は少し黙った後、口を開いた。
「ん、そうだね。お母さんにいつも『冷静に』って言われるんだけど、つい言っちゃうんだよ。ダメなの。ついヒートアップしちゃう。ごめんね」
と、謝った。
しかし、その言葉に続けた光岡らしい言葉を口にした。
「けど、何もしないのは、なしだよ。なし、なし! 行動あるのみ!」
ちょっとずっこけたけど、ぼくや佐伯が持っていないものを彼女は持っているんだと思った。佐伯も、やっと沈黙を破った。
「本当にできるのか」
不安そう。でも、じょじょにその口調は明るくなってきている。
「どうするか考えてみる。身体の写真って撮っておいたほうがいいのかな」
「いやなら止めるし、どうするかは、最終的に佐伯が決めて。勝手なことはしないから」
二人ともやっと落ち着いてきて、建設的な話ができるようになった。まだみんなの顔はぐちゃぐちゃだけど。そう大事なのは、前向きなことだ。そして、計画性も。きっと何かできるはず。
光岡はスマホを取り出すと、ぼくに佐伯の服をめくらせた。そして、背中やお腹のアザの写真をとった。顔も入れた。
写真を加工して、ねつぞうしたと疑われないようにするためらしい。けど、柔道の練習とか言われそう。どうやって大人を説得すればいいんだ。
「大丈夫。クラス一の頭脳と行動力がいるんだから。クラス一のイケメンの虐待くらい何とかできるって。OK?」
光岡は、そう笑った。そして、言った。
「あと、お父さんがどなっているの、録音してあるから。少し音は悪いけど、証拠はばっちりだよ」と。
いつ録音したんだ。あっ、スマホをゴソゴソしていた時か。行動力ありすぎだろ。光岡、たのもしいけど、怖いよ。
◇ ◇
「これから、どうする?」
光岡が言うと、めちゃくちゃ軽い。まるで、そこらへんに遊びに行こうって感じ。佐伯は、まだためらっているように見えた。
「やっぱりいいよ。自分のことで、みんなに迷惑をかけられない」
佐伯って、どうしてすぐに引くんだろう。自信がないのかな。
「何もしないのは、なしだって! どうして?」
「親父、すごいんだ。何回か近所の人が通報してくれたらしいけど、全部もみ消された。もうあきらめた」
「何で…。そんなこと、許されるの?」
光岡が不安そうに聞いた。
「わかんない…。警察との関係かもしれない。一度、柔道の特訓してるって言い訳してたのを聞いたことはある。それに、あの社宅には、親父の部下もいるし」
「じゃあ、あの録音や写真もダメ…なの?」
佐伯は、首を横にふった。
そっか。佐伯はあきらめているんだ。
大人の事情ってものが何なのか、わからない。けど、こんなの…ひどい。
受験問題は、解法がある。この問題には、そんな答えはない。けれど、きっと何か解決方法はあるはずだ。どうすればいいのかわからないけど、行動を起こし、佐伯を守る。できないかもしれない。もしできなかったら、佐伯はどうなるのだろう。
「ねえ、何とか言ってよ」
光岡は、ぼくの身体をゆすった。決心が必要だ。
ヒリキだって、何かできるはず。佐伯に人殺しをさせちゃいけないし、死なせてもいけない。もしそうなったら、きっと、きっと一生後悔するに違いない。思わず、強く、宣言するように言った。
「何ができるかわからないけど、解決方法を見つける。絶対見つける」
声が少し枯れていた。そう言って、二人を見た。光岡がうなずいた。
「佐伯を守る仲間になろう。いいよね」
佐伯は、信じられないという顔をして、ぼくと光岡を見た。そして、「ありがとう」
と、だけ言った。
みんなまた泣きそう。ぼくもうなずいた。どうすればいいのか、わからない。不安だらけだ。でも、何とかしなきゃ。急に光岡が立ち上がった。
「じゃあ、手を重ねて」
光岡は、ぼくと佐伯の手をとって、重ねた。そして、叫んだ。
「ファイト! オー、オー」
運動部が試合前によくやるエールだ。なんだか嬉しくなって、思わず声が出た。そして、佐伯も…。
「ファイト! 佐伯! ファイト! 渋谷! ファイト! 光岡! お~」
三人で手を、太陽が輝く空にかざした。ぼくたちは、仲間になった。
どうして、大人は子どもを自分の思い通りにさせたいんだろう。ぼくたちは大人のロボットじゃない。リモコンを押せば、「はい」と言って、思うままに動く機械でもない。子どもだって、意思がある一人の人間だ。
光岡は、公園の先にある自宅の場所を佐伯に教え、「何かあったら逃げてきて」と言った。助かった。これで佐伯は逃げ場所を一つ確保できる。暴力を受けても、助けがあるってことだ。ホッとした。
光岡が自分の家を教えた時、昔、友だちを家に連れてきて、母親がいやな顔をしてたことを思い出した。後ろめたい。けれど、もう母親がどんな顔をしてもいいや。ぼくも、家の場所を教えることにした。避難場所は多ければ多いほどいいに決まってる。
佐伯のお父さんは、今日は夜勤らしく、朝までいないらしい。とりあえず今日は、これ以上殴られることはないだろう。
今日一日で、少し強くなった、ような気がする。あくまで気がするだけだけどね。
そのまま塾に行くか迷ったけど、いったん家に戻ろうと思った。塾の荷物が家にある。玄関を開けると、アレが食事をとっていた。やっぱりいたか。気が滅入る。
「塾に行ったのかと思った。どこほっつき歩いていたの? 勉強、遅れるでしょ」
ぼくの荷物があるってことにも、気がついてないんだ。
ごちゃごちゃうるさい。どんな感じなのか知らないくせに。Sクラスのトップ3だ。そんなこと言われる筋合いじゃない。それにこっちは佐伯が生きるか死ぬかという非常事態なんだ。つい声に出た。
「うるさいな。ちゃんとやってるから、色々言わないでいいよ」
心の中で思っていても言わない言葉がつい口から出た。しまった。でも、言葉は戻らない。
「やることやって、自慢できる息子をやってるんだから、いいでしょう。もうほっといて」
アレが反撃に出た。
「なんてことを親に言うわけ? 授業参観と懇談会にも出てきて、私も疲れてるの。塾に行っていると思っていたひびきが今ごろ帰ってくるし、一体何をしていたわけ?」
疲れているのは、自分のせいだ。別にぼくのせいじゃない。何って、ひどい目にあっている友だちを助けようとしているだけですけど。自分は何もしていないのに、こっちの努力を自慢げに言っていた人に言われたくない。
「関係ないでしょ」
「何なの! 心配しているのよ」
嘘つけ。心配なんてしていないくせに。一度、吹きだした暗い感情は止められない。
「心配しているのは、成績だけでしょ。疲れているって、同級生のお母さんたちに自慢していただけじゃない。インフルで入院した時、夜中、ほっぽっていた人に言われたくないんですけど」
あ、思わず言葉に出ちゃった。まあ、いいか。ずっと言いたくて、言えなかったことだ。あまりにもするっと声に出たので、自分自身が一番驚いた。アレもどう返していいかわからないという顔をして、黙りこんだ。ざまあみろ。
「これから塾に行くから」
そう言って、自分の部屋に戻った。
そして、塾用のかばんを手にとり、すぐに玄関に向かった。アレはまた大声でどなり始めていたけど、知るか。どう思われようとかまわない。今までに感じたことがない解放感に包まれた。そして、ぼくは家を出た。
ダンスをしている高校生のお兄さんが、自分の動画をアップしているのに、便乗したらしい。動画再生回数100回ちょっとらしいけど…。
「こういう刺激的なのは、すぐに拡散するよ」と、光岡は興奮気味に言った。
どんどん話がオーバーになっていくの。13歳以下のアップは禁止だって、自分で言ってなかった? ダメだよ。一回、話を止めなきゃ。
「ちょっと待って。どうするのがいいのか、色々調べて、考えてみるから。それからでも、遅くないんじゃないかな」
「そんなゆっくりしたこと言ってられない。我慢なんかする必要ない。佐伯のお父さん、本当にひどいよね」
光岡って血の気が多すぎ。けど、光岡が普通に怒って、泣いて、虐待を止めようと言ってくれたことは心に染みた。彼女は、ぼくにはない行動力がある。危なっかしいけど、本気で心配してくれている。興味本位なところがないわけじゃないけど、熱い。自分にはとうていできない。心底、光岡がうらやましくなった。
佐伯はしばらく黙っていた。光岡の気持ちもわかってほしい。同じように、光岡も彼のつらさを理解すべきだ。
「佐伯の気持ち、考えてやれよ」
と、言うと、光岡は少し黙った後、口を開いた。
「ん、そうだね。お母さんにいつも『冷静に』って言われるんだけど、つい言っちゃうんだよ。ダメなの。ついヒートアップしちゃう。ごめんね」
と、謝った。
しかし、その言葉に続けた光岡らしい言葉を口にした。
「けど、何もしないのは、なしだよ。なし、なし! 行動あるのみ!」
ちょっとずっこけたけど、ぼくや佐伯が持っていないものを彼女は持っているんだと思った。佐伯も、やっと沈黙を破った。
「本当にできるのか」
不安そう。でも、じょじょにその口調は明るくなってきている。
「どうするか考えてみる。身体の写真って撮っておいたほうがいいのかな」
「いやなら止めるし、どうするかは、最終的に佐伯が決めて。勝手なことはしないから」
二人ともやっと落ち着いてきて、建設的な話ができるようになった。まだみんなの顔はぐちゃぐちゃだけど。そう大事なのは、前向きなことだ。そして、計画性も。きっと何かできるはず。
光岡はスマホを取り出すと、ぼくに佐伯の服をめくらせた。そして、背中やお腹のアザの写真をとった。顔も入れた。
写真を加工して、ねつぞうしたと疑われないようにするためらしい。けど、柔道の練習とか言われそう。どうやって大人を説得すればいいんだ。
「大丈夫。クラス一の頭脳と行動力がいるんだから。クラス一のイケメンの虐待くらい何とかできるって。OK?」
光岡は、そう笑った。そして、言った。
「あと、お父さんがどなっているの、録音してあるから。少し音は悪いけど、証拠はばっちりだよ」と。
いつ録音したんだ。あっ、スマホをゴソゴソしていた時か。行動力ありすぎだろ。光岡、たのもしいけど、怖いよ。
◇ ◇
「これから、どうする?」
光岡が言うと、めちゃくちゃ軽い。まるで、そこらへんに遊びに行こうって感じ。佐伯は、まだためらっているように見えた。
「やっぱりいいよ。自分のことで、みんなに迷惑をかけられない」
佐伯って、どうしてすぐに引くんだろう。自信がないのかな。
「何もしないのは、なしだって! どうして?」
「親父、すごいんだ。何回か近所の人が通報してくれたらしいけど、全部もみ消された。もうあきらめた」
「何で…。そんなこと、許されるの?」
光岡が不安そうに聞いた。
「わかんない…。警察との関係かもしれない。一度、柔道の特訓してるって言い訳してたのを聞いたことはある。それに、あの社宅には、親父の部下もいるし」
「じゃあ、あの録音や写真もダメ…なの?」
佐伯は、首を横にふった。
そっか。佐伯はあきらめているんだ。
大人の事情ってものが何なのか、わからない。けど、こんなの…ひどい。
受験問題は、解法がある。この問題には、そんな答えはない。けれど、きっと何か解決方法はあるはずだ。どうすればいいのかわからないけど、行動を起こし、佐伯を守る。できないかもしれない。もしできなかったら、佐伯はどうなるのだろう。
「ねえ、何とか言ってよ」
光岡は、ぼくの身体をゆすった。決心が必要だ。
ヒリキだって、何かできるはず。佐伯に人殺しをさせちゃいけないし、死なせてもいけない。もしそうなったら、きっと、きっと一生後悔するに違いない。思わず、強く、宣言するように言った。
「何ができるかわからないけど、解決方法を見つける。絶対見つける」
声が少し枯れていた。そう言って、二人を見た。光岡がうなずいた。
「佐伯を守る仲間になろう。いいよね」
佐伯は、信じられないという顔をして、ぼくと光岡を見た。そして、「ありがとう」
と、だけ言った。
みんなまた泣きそう。ぼくもうなずいた。どうすればいいのか、わからない。不安だらけだ。でも、何とかしなきゃ。急に光岡が立ち上がった。
「じゃあ、手を重ねて」
光岡は、ぼくと佐伯の手をとって、重ねた。そして、叫んだ。
「ファイト! オー、オー」
運動部が試合前によくやるエールだ。なんだか嬉しくなって、思わず声が出た。そして、佐伯も…。
「ファイト! 佐伯! ファイト! 渋谷! ファイト! 光岡! お~」
三人で手を、太陽が輝く空にかざした。ぼくたちは、仲間になった。
どうして、大人は子どもを自分の思い通りにさせたいんだろう。ぼくたちは大人のロボットじゃない。リモコンを押せば、「はい」と言って、思うままに動く機械でもない。子どもだって、意思がある一人の人間だ。
光岡は、公園の先にある自宅の場所を佐伯に教え、「何かあったら逃げてきて」と言った。助かった。これで佐伯は逃げ場所を一つ確保できる。暴力を受けても、助けがあるってことだ。ホッとした。
光岡が自分の家を教えた時、昔、友だちを家に連れてきて、母親がいやな顔をしてたことを思い出した。後ろめたい。けれど、もう母親がどんな顔をしてもいいや。ぼくも、家の場所を教えることにした。避難場所は多ければ多いほどいいに決まってる。
佐伯のお父さんは、今日は夜勤らしく、朝までいないらしい。とりあえず今日は、これ以上殴られることはないだろう。
今日一日で、少し強くなった、ような気がする。あくまで気がするだけだけどね。
そのまま塾に行くか迷ったけど、いったん家に戻ろうと思った。塾の荷物が家にある。玄関を開けると、アレが食事をとっていた。やっぱりいたか。気が滅入る。
「塾に行ったのかと思った。どこほっつき歩いていたの? 勉強、遅れるでしょ」
ぼくの荷物があるってことにも、気がついてないんだ。
ごちゃごちゃうるさい。どんな感じなのか知らないくせに。Sクラスのトップ3だ。そんなこと言われる筋合いじゃない。それにこっちは佐伯が生きるか死ぬかという非常事態なんだ。つい声に出た。
「うるさいな。ちゃんとやってるから、色々言わないでいいよ」
心の中で思っていても言わない言葉がつい口から出た。しまった。でも、言葉は戻らない。
「やることやって、自慢できる息子をやってるんだから、いいでしょう。もうほっといて」
アレが反撃に出た。
「なんてことを親に言うわけ? 授業参観と懇談会にも出てきて、私も疲れてるの。塾に行っていると思っていたひびきが今ごろ帰ってくるし、一体何をしていたわけ?」
疲れているのは、自分のせいだ。別にぼくのせいじゃない。何って、ひどい目にあっている友だちを助けようとしているだけですけど。自分は何もしていないのに、こっちの努力を自慢げに言っていた人に言われたくない。
「関係ないでしょ」
「何なの! 心配しているのよ」
嘘つけ。心配なんてしていないくせに。一度、吹きだした暗い感情は止められない。
「心配しているのは、成績だけでしょ。疲れているって、同級生のお母さんたちに自慢していただけじゃない。インフルで入院した時、夜中、ほっぽっていた人に言われたくないんですけど」
あ、思わず言葉に出ちゃった。まあ、いいか。ずっと言いたくて、言えなかったことだ。あまりにもするっと声に出たので、自分自身が一番驚いた。アレもどう返していいかわからないという顔をして、黙りこんだ。ざまあみろ。
「これから塾に行くから」
そう言って、自分の部屋に戻った。
そして、塾用のかばんを手にとり、すぐに玄関に向かった。アレはまた大声でどなり始めていたけど、知るか。どう思われようとかまわない。今までに感じたことがない解放感に包まれた。そして、ぼくは家を出た。
0
あなたにおすすめの小説
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
【完結】キスの練習相手は幼馴染で好きな人【連載版】
猫都299
児童書・童話
沼田海里(17)は幼馴染でクラスメイトの一井柚佳に恋心を抱いていた。しかしある時、彼女は同じクラスの桜場篤の事が好きなのだと知る。桜場篤は学年一モテる文武両道で性格もいいイケメンだ。告白する予定だと言う柚佳に焦り、失言を重ねる海里。納得できないながらも彼女を応援しようと決めた。しかし自信のなさそうな柚佳に色々と間違ったアドバイスをしてしまう。己の経験のなさも棚に上げて。
「キス、練習すりゃいいだろ? 篤をイチコロにするやつ」
秘密や嘘で隠されたそれぞれの思惑。ずっと好きだった幼馴染に翻弄されながらも、その本心に近付いていく。
※現在完結しています。ほかの小説が落ち着いた時等に何か書き足す事もあるかもしれません。(2024.12.2追記)
※「キスの練習相手は〜」「幼馴染に裏切られたので〜」「ダブルラヴァーズ〜」「やり直しの人生では〜」等は同じ地方都市が舞台です。(2024.12.2追記)
※小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、ノベルアップ+、Nolaノベル、ツギクルに投稿しています。
※【応募版】を2025年11月4日からNolaノベルに投稿しています。現在修正中です。元の小説は各話の文字数がバラバラだったので、【応募版】は各話3500~4500文字程になるよう調節しました。67話(番外編を含む)→23話(番外編を含まない)になりました。
合言葉はサンタクロース~小さな街の小さな奇跡
辻堂安古市
絵本
一人の少女が募金箱に入れた小さな善意が、次々と人から人へと繋がっていきます。
仕事仲間、家族、孤独な老人、そして子供たち。手渡された優しさは街中に広がり、いつしか一つの合言葉が生まれました。
雪の降る寒い街で、人々の心に温かな奇跡が降り積もっていく、優しさの連鎖の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる