ヒリキなぼくと

きなり

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ヒリキかもしれないぼくとぶどう畑とくそじじい

佐伯母をたずねて30里

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 翌朝、佐伯と光岡を引き連れて、区のコミュニティセンターに行った。

 コミュニティセンターは、ぼくたちの住む南口ではなく、北口の駅前にある。市役所の出張所で、行政手続きができる窓口や図書館があるのだ。佐伯に健康保険証といくつか自分あてのハガキを持ってきてもらった。
 
 佐伯は新しい服を着ていた。青のラインが入った黒のスポーツブランドの上下。たぶん光岡のお兄さんからもらった服だ。その証拠に少しぶかぶかしている。

 結論、イケメンは何を着ていても似合うが、かっこいい服を着ると、よりグレードアップする。きっとお母さんに、この姿を見せたいんだなと思った。
 
 センターのカウンターに行って、戸籍謄本がほしいことを話した。こんな手続きをしたことがないから、ど緊張する。

「保護者の方は?」と窓口の人に聞かれた。

「仕事で来られないから、私たちだけで来ました。パスポートを作るので必要なの。今日、学校は振替で休みなんです。佐伯くんが一人じゃ行けないと言うので、つきそいで」

 光岡は、口からでまかせを言う、言う。ぼくにはできない芸当だ。さすがコミュニケーションモンスターとクラスで言われた女。尊敬する。ちなみに二人とも一言も口を出していない。

 それで納得したのか、すぐに戸籍謄本はゲットできた。お金を払い、ロビーで確認した。お母さんの本籍地『山梨県甲府市~』と載っている。ここに行けばいいのか。

「ちょっと待って」

 光岡は、スマホで戸籍の住所を検索し始めた。言いたいことを言うだけではなく、その先も考えてる。ひょっとして、ぼくが考えているより、光岡は頭がいいのかもしれない。

「住所を確認するアプリをお兄ちゃんに教えてもらったんだ。ここ見覚えある?」

 画面を佐伯に見せた。写真に出ている家は、平屋建ての古い家だった。光岡は、門を拡大して、表札を確認している。『雨宮』と出ていた。佐伯はスマホをのぞきこみながら、うなずいた。

「『雨宮』は、お袋の前の苗字。合ってる」

 佐伯のお母さんは、ここにいるんだ。駅のロータリーへと向かった。

 そこには、ドイツ車に乗った小田切先生がでんと待っていてくれた。

     ◇   ◇

 あの後、先生に電話をして、電車で山梨まで行くことを報告すると、子どもだけで動くことに反対された。ここから山梨までは電車で2時間くらいかかる。別に北海道や九州まで行くわけではないし、大丈夫だと思ってたんだけど、違うらしい。

 根間から甲府までの距離、約120キロ。フルマラソンだと約3回分。日本の単位なら30里。イギリスの単位なら131ヤード。などなど、めちゃくちゃ遠いことは確かだ。

 歩いたらすごい距離になるけど、楽勝だろうとのん気に考えていたけど…。やっぱり遠い、よな。

「どんな結果になっても、佐伯くんがダメージを受けて帰ってくるのは間違いない。それに、こんな遠くまで子どもだけで行かせることは、大人としてできないよ。この作戦を考えた時から、お母さんを探すなら、一緒に行こうと思っていたから。今回は車で行こう」
と小田切先生に言われた。
 
 その上で、ぼくと光岡の家の電話番号を聞かれ、教えると、すぐに二人の家に電話をし、親に許可までとってくれた。

 先生とアレは話した。その後のアレは何もなかったかのようにふるまっている。不思議だ、あれだけ怒っていたのに。

「疲れていたのよね。気がつかないで、ごめんね」
とだけ言った。ほとんど謝ったことのないアレが、ぼくに「ごめんね」と言ったことにびっくりした。変わってくれるかな。だといいんだけど…。でも、「わかった」とだけしか言えなかった。

 高級そうな車に乗りこみ、山梨までのドライブが始まった。革ばりのシートは、リッチな気分を倍増してくれる。

「家に電話してくれて、ありがとうございます。黙って行こうと思ってたんです。先生と話したら、すぐにOKもらえて、びっくり。何をしたんですか?」
と、光岡は、興味津々だ。

「きちんと身分を話して、君たちの安全を守りますって言っただけだよ。光岡さんは、佐伯くんのことをきちんと話していたんだね」

「だって、話しておかないと、いざっていう時、助けられないじゃないですか。お母さんもお兄ちゃんも協力はしてくれるって言ってくれたんだけど、危ないことはダメって言われて…。だから、こうなりゃ、黙って行くっきゃないって…。先生が一緒に行くと話してくれて、助かりました」

 素直に感謝している。おい、光岡、昨日、「秘密にしたい」って文句を言ったの、自分だぞ。何だったんだよ。ツッコミたくなる。

「こういう時、東大っていうのは、役に立つんだ。信用してもらえるっていうのかな。あんまり使いたくないんだけど、この大学名は信用度が高いから、こういう時には、使ってしまうね」
と言った。

 そうだよね。東大っていうブランド価値は高い。アレは時々「東大に行け」とか言うことがある。勘弁してくれ。

「うちにも光岡と同じことを言ったんですか?」と聞くと、先生は首をふった。

「ひびきの家には、『東大でIQの研究をしていて、そのために1日、お時間をいただけませんか』と言っておいたよ」

 うちの事情もよくわかって、一番アレが耳ざわりのいい言葉を投げたんだな。かしこすぎる。とりあえずお礼だけは言っておいた。

     ◇   ◇

 高速に乗ると、車はスピードを上げ、進んでいく。梅雨の真っ最中なのに、空は青く、快晴だ。途中から富士山が見えた。どんどんでかくなっていく。山梨に向かっているという実感がわいた。富士山を見るのは、2年前、新幹線で父親の住む岡山に行って以来だ。

 佐伯の様子を横目で確認する。車に乗ってから、ほとんど話さない。話しかけても、生返事しかしない。自分のこれからのことを考えているのだろうか。

「次のサービスエリアでトイレ休憩するね」

 車で行くと、山梨ってそんなに遠くないんだな。どんどん空気がきれいになってきたような気がする。それにつれて、佐伯の顔色がだんだん悪くなっていった。

「大丈夫か?」 

 声をかけた。

「気持ち悪い…」

 ちょっとタンマ。待て、待て。

 サービスエリアに着くと、すぐにトイレに駆けこむ。吐いてもいいよう、背中をさすった。何も出てこない。佐伯は、「うえっ」という声だけをあげている。むかつくけど、胃に何も入ってない状態って感じだ。何も吐かないので、トイレから出て、近くのベンチに座った。佐伯はぐたっとしている。

「胸やけなら、炭酸を飲めば。スッキリするんじゃない?」
と、光岡は、座りこんでいるぼくたちに持ってきたのは、コーラだった。

 アホか。炭酸飲んだら、よけいにゲップが出て、気持ちが悪くなるじゃん。先生が、イオン飲料を持ってきてくれた。さすが。もったいないので、コーラはぼくが飲んだ。ゲップが出た。

     ◇   ◇

「そんなに緊張するなら」と、先生は、展望デッキに連れて行ってくれた。平日の午前中のせいか、がらんとしている。

 でっかい富士山が目の前にずどんとある。はけでさっと描いたような雲がたなびいていた。すじ雲だ。東京のもわっとした風ではなく、ひんやりとしている。

「ヤッホー」

 光岡が叫んでいる。アホか。山の中じゃないし、やまびこのまねをしても、響かないつうの。単なる展望デッキだ。何だよ、青春か。かっこわるっ。

 急に隣にいた佐伯が、いきなり叫んだ。

「親父のばかやろう。くそ、あほ、ばか!」

 何だ、それは。人が聞いたら、ヤバいぞ。それを見ていた光岡も、また叫び始めた。

「バッキャロー!」

 何なんだ、この二人は。アホか。先生は、げらげらと笑い、ぼくの肩に手を置いた。
「お前も叫びたいだろ」

 こうなりゃ、やけくそだ。
「絶対許さないからな! 親なんて、どうでもいい! 好きに生きてやる!」

 すっきりした。大声を出すって、発散できるわ。初めて知った。みんなで笑いあった。

 梅雨なのに、天気は快晴、どっしりとかまえた富士山は、何もかも受け止めてくれるような気がした。

「あんたたち、2クールじゃなくて、2ばかね」と、光岡が皮肉っぽく言った。誰が最初に大声を出したんだよ。自分だけいい子ぶるな。

「2ばかじゃなく、3ばかだよ」と言い返したら、彼女は、ちょっとすねたような顔をした後、笑った。佐伯も顔がほころんでいる。

     ◇   ◇

 先生に煮干しだしたっぷりのしょうゆラーメンをごちそうになった。チャーシュー3枚入りだ。お礼に400円もする極上ソフトクリームをおごろうと思った。これでプラモのため、貯金していたお金がなくなった。すっからかんだ。いっか、また貯めればいい。

 さすがに一人でソフトクリームを4つも持てないので、光岡に一緒に来てもらった。

「私さ、2クールにあこがれていたんだ」
と、急に光岡が言った。

 げっ、何を言ってるんだ。嘘だろ。

「女子の中を、気持ちを察しながら、泳ぎ切るのって大変なんだよ。神経使うんだ。けっこう疲れるの。そんな中、クラスで渋谷と佐伯だけが我関せずって感じでさ。複雑な人間関係の中を渡っている私としては、うらやましかったんだ」
 
 そっか。そんなふうに思ってくれていたんだ。本当は、単になじめなかっただけなんですけど。それに、何さ「あこがれていた」っていう過去形。もうあこがれてないんかい。

「光岡は、あのグループで、うまくやってるんだと思ってた」

「うまくやってはいるよ。そりゃ、楽しいこともたくさんあるけど…。違うなって思っても言えないのも本当。言っちゃうと、あとから何を言われるか、わかんないから…。それに、これからもっと気をつけないと。佐伯を好きな子からねたまれるの、目に見えているし」

 面倒くさいな、そんな関係。女子のグループって大変なんだ。考えてみると、クラス内のシカトもそんなことから始まってたな。成績がいいとか、かわいいとか、そんな小さなねたみから。みんな、心が小さいな。別だからいいのにさ。

「あのさ、どうしても聞きたいことがあるんだけど、いい?」

 何を聞かれるんだろう。しょうがない。うなずいた。

「何で、佐伯を助けようとするの?」

 急に光岡は、シリアスなことを聞いてきた。どきっとした。理由なんて考えたことはなかったかも。衝動的に動いてしまっただけだ。

「渋谷って、自分が損することをするような人じゃないでしょ。クラスで知ってる渋谷はずっとそうだった。不思議でさ」

 むっとした。それじゃあ、ぼくは自分の得になることしかしないやつみたいじゃん。

「光岡、そんなことを言ったら、お前だって同じだろ」

「言ったじゃん。許せないって。ああいうこと大嫌いなんだよ」

 そう言って、笑った。そうだ。あの時、すごく怒っていた光岡を思い出していた。

「自分のことしか考えてないような人間で悪かったな」
 
そう、余裕がなかっただけだ。他人からはそう見えるのか。ちょっとショックかも。

「そういうことじゃなくってさ。単純な疑問なんだ。二人は似てるよね。だからなの?」

 どうなのかな。佐伯を助ける理由なんて、考えてもみなかった。

「群れないとことか。クールな感じだけど、押しつけない感じみたいなのがね。だから2クールって言われるんじゃない? 今は3ばかみたいだけど」

 光岡は、楽しそうに言った。

 3ばかのほうがいいな。2クールか。クールと言われるなら、そうなのかもしれない。大人から色々なものを強制されているから、他人に自分の希望や気持ちを押しつけたくないだけなんだけど…。そのことをクールって言うのなら、そうかもしれない。でも、なんだかそのことを光岡には言いたくはなかった。

「なぜなのかな。わからないんだ」

 そう言うしかなかった。本当のところは、自分でもよくわからない。光岡は、納得していないようだった。佐伯のことはほうってはおけない。その気持ちだけは確かなんだ。

 極上ソフトが出てきた。たれて、手につきそう。急いで運んだ。四人で富士山と空を見上げながら食べた。なめらかで濃厚なミルク味のソフトクリームは、むちゃくちゃうまかった。

「そろそろ行くか。ひびき、ごちそうさん」
と、先生が言った。おいしいものを食べると、幸せな気分になる。そういうの、いいな。

 そして、みんなで富士山をバックに自撮りした。大変な状態なのに、ソフトクリーム効果なのか。みんな楽しそうに笑っている。なんだか幸せな気分になった。

     ◇   ◇

 甲府南インターチェンジを下り、市内へと車はまっすぐに進んだ。

 甲府市内は、どこの田舎でもある同じ風景が続く。大型書店や服屋、ファミレスが道路沿いに並んでいる。うちの近くとあまり変わりない。あえていうなら、道路が広くて、富士山が見えるということくらいだ。

 富士山を真正面に見ながら、そのまま山のほうへと向かった。山道を上り始めると、風景が一変した。右手は崖、左手は延々と続くぶどう畑。ぶどう直売所と書かれた看板やのぼりが目についた。実のつく季節じゃないせいか、全部お店は閉まっていた。少しずつ山道を上がっていくと、甲府市内の全体が見えた。甲府盆地と呼ばれる地形は、甲府市内がまるでおわんの中にすっぽりと町が入っているように見えた。

 山道に入ると、カーナビがうるさくなってきた。カーブもひどく、左右に身体がゆれる。乗り心地がいいはずなのに、気持ち悪くなってしまった。さっきの佐伯と同じだ。胃から変なものがこみ上げてくる。心配になって、佐伯をチラ見すると、もう青い顔をしていなかった。ずっとまっすぐ前を見ている。吹っ切れたのかな。

 これまで乗ってきた感想。先生の運転は雑。

「あれっ、道、あってるかな」とか言いながら運転している。高い車なのに、宝の持ち腐れだ。作戦を話すどころではない。

 カーナビが「目的地、周辺です」とアナウンスが聞こえた。さっきスマホで見た家がそこにあった。車を道路脇に停めた。

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