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ぼっちと幼女
幼女とクッキー大作戦
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「おにーちゃ……ちょっと……きて?」
「ん? どうした?」
何も気づいていない“フリ”を決め込んだまま、俺はわざとらしく首を傾げてミドリの方へ歩いていく。
視線はミドリだけを追っているように見せているが、意識の半分は背後に向けていた。
すり足みたいな、いかにも「忍び足です!」と言わんばかりの足音が、俺の背後に回り込んでくる。
シロが椅子によじ登って、テーブルの上――クッキーの皿――に手を伸ばそうとしているのが、気配で丸わかりだ。
「もうちょっと……こっち……」
「なんだなんだ?」
ミドリに袖を引かれるまま、一歩、また一歩と近づく。
そのたびに、俺の死角が少しずつずれていき、ついにクッキーの皿が視界から完全に消えた。
背後では、ちょいちょいっと椅子がきしむ音。
シロが小さな体で必死に椅子をよじ登っているらしい。
「これって…このままたべれないの…?」
「食べれないことはないけど、美味しくないぞ?」
「そうなんだ…」
ミドリが、焼く前の型抜きした生地をそっとつまみ上げ、少し不安そうに見上げてくる。
質問に答えると、しゅんっと眉を下げて、ちらりと俺の後ろを確認するように視線を動かす。
俺は、振り向かない。
気配と空気の流れだけで、シロが何をしているかくらい、今の俺には十分わかる。
――今ごろ、あいつは小さな口いっぱいにクッキーを詰め込んでる最中だろう。
一辺五センチくらいのサイズだから、シロの口なら一口でいける。
(……あ、手が挙がったな)
背後で、ひょいっと空気が揺れる。
シロが片手を挙げて「半分食べたよ」の合図をしたのが、魔力の流れで理解できる。
この後の作戦では、俺がシロに気づいて振り向き、そのタイミングでミドリが残りを確保する――って段取りなんだろう。
だが、俺がシロに気がついていなければ、その前提が崩れてミドリはクッキーを食べられない。
(さあ、どう出る? ミドリ)
少し意地悪く、もうしばらく知らん顔を決め込むことにした。
「うぅん……」
ミドリが小さく唸り、目線を下に泳がせる。
ぐるぐると考えが回っているのが、表情だけでもよくわかる。
そして――ぱっと顔が上がった。
頭の上に電球のマークでも浮かびそうな、「ひらめいた」顔だ。
「おにーちゃ……! おねーちゃ……たべてる……!」
「なんだと?」
「!?」
ミドリが、クッキー皿のある方向――つまりシロの方をびしっと指差して告げる。
まさかの、作戦の片割れを売る方向に舵を切った。
ここまで言われてしまっては、さすがの俺も振り向かざるを得ない。
ゆっくりと振り返ると――そこには、見事な「鳩が豆鉄砲を喰らったような顔」をしたシロが固まっていた。
両頬をぱんぱんに膨らませて、口の中にクッキーを溜め込んでいる。
ハムスターかお前は。
「シロ、ちょっと口の中見せてみろ」
俺が一歩近づくと、シロは椅子から飛び降りて、そのまま全力で駆け出した。
「あっ、おい! 待て!」
テーブルの周りをぐるぐると追いかけっこになる。
逃げながらも、シロはちゃっかり口をもぐもぐ動かし続けている。執念がすごい。
「はい、捕まえた。観念しろ」
タイミングを見計らい、シロの腰をがしっと抱え込む。
抱き上げて正面から見ると、シロはまだ頬を膨らませたまま、きょとんと首を傾げた。
――「何のこと?」と言わんばかりに。かわいい。
……いや、かわいいけど、口は開けろ。
俺がじっと見つめていると、シロは観念したのか、ごくんっと喉を鳴らして飲み込んだ。
「どーしたのー?」
何事もなかったかのように首をかしげてくる。
その満足そうな顔は、「美味しくいただきました」の証拠でしかない。
「クッキー食べただろ?」
「しらなーい!」
ど直球の質問を投げたら、全力でそっぽを向かれた。
あからさまに視線を逸らし、足をぱたぱたさせている。
脇に抱えたまま、シロを連れてキッチンに戻る。
ふとクッキーの皿を見ると――綺麗さっぱり、何も残っていなかった。
俺の顔を見たミドリが、びくっと肩を揺らし、慌てて口をもぐもぐさせ始める。
そして、一拍置いてから、ごくん、と飲み込んだ。
「あれぇー? 何でクッキーが無いんだ?」
わざとらしく、しかし大げさすぎない程度の調子で、ミドリの方を見ながら言ってみせる。
ミドリは小さく肩を跳ねさせ、こちらを見る――が、目は合わせない。
「おねーちゃ……ぜんぶ……たべた」
「ぜんぶはたべてないよー?」
「食ったのは認めたな?」
「あっ!?」
シロが、うっかり余計な一言を付け足した瞬間、ミドリの顔が固まる。
「しまった」と言わんばかりに、シロは自分の口を両手で塞いだ。
俺は、持ち方を変えて、シロの脇に両手を入れ、そのままひょいっと持ち上げて正面に構える。
ぶら下げられた子猫のように、シロは足をぷらぷらさせて黙り込んだ。
そのまま無言でじっと見つめ続けると――視線に耐えきれなくなったのか、シロがぽつりと口を開く。
「みどりがやれって……」
申し訳なさそうに言って、チラリとミドリの方を見る。
視線を向けた先のミドリは、完全に目が泳いでいた。
真っ直ぐ見返してくる度胸は、今はないようだ。
「……ごめんなさい」
小さな声で、だけどはっきりと謝罪の言葉が出る。
肩をすくめて、指先をもじもじさせている。
「いや、怒ってないからな?」
ここまでやらかしても、俺の内心は不思議と怒っていなかった。
むしろ「よくまあここまで考えたな」という感心の方が勝っている。
面白いものを見せて貰ったし、何より悪戯の範疇で済んでいる。
シロを床に降ろすと、とぼとぼとした足取りでミドリの方へ歩いていった。
クッキー強奪作戦の共犯者同士、並んで縮こまっている。
小さな背中が二つ並ぶと、部屋の空気が少しだけ重く感じる。
自分たちが「悪いことをした」と理解している分、その沈黙は余計に苦いのだろう。
「シロ、ミドリ。こっち来い」
声をかけると、今にも泣き出しそうな顔で、二人揃ってこちらを見上げてくる。
おずおずと歩いてきて、俺の前で止まる。
ひどい顔だ。目は潤んでるし、口はへの字だし。
ただ、こういう経験も、いつかどこかで必要にはなるだろう。悪事の線引きとか、そういうやつだ。
だが――今はその時じゃない。
「二人のクッキーが焼け終わったみたいだ。食べるか?」
同じ目線になるように腰を落とし、笑って問いかける。
その言葉が耳に届いた瞬間、二人の表情がぱっと明るくなった。
「たべる!」
「たべる……!」
シロが勢いよく飛びつき、ミドリも少し遅れて、だけどしっかりと腕にしがみついてくる。
そのまま二人を抱き上げ、犬畜生――二百年前に狩った、やたら強かった犬っぽい魔物――の毛皮が敷いてあるリビングへ移動する。
焼き上がったクッキーの皿は、魔法でふわりと浮かせて一緒に運ぶ。
立てかけてあった折りたたみ式の小さなテーブルを展開し、その上に皿を置いた。
床に胡座をかき、その膝の上に、いつものようにシロとミドリを乗せる。
ここが、二人の“定位置”になってしまった。
「よし、食うぞ」
「「おー!」」
タイミングを合わせたように、元気な声が重なる。
ジュースを用意し、キッチンでは残りの生地を適当な大きさに切り分けて、次の分をオーブンへ入れておく。
魔力を流し込むだけで、温度管理も時間管理も全部やってくれる魔道オーブンは、本当に便利だ。
(……魔法って、やっぱり反則レベルで便利だよな)
そんなことをぼんやり考えながら、目の前の二人を見る。
シロとミドリは、焼きたてのクッキーを両手で掴み、まだ熱が残るそれをふうふうと冷ましながら口に運んでいた。
サクッとした小気味いい音が響き、続けて甘い香りがふわりと広がる。
噛むたびに表情がとろけていき、ジュースを一口飲めば、もう完全に「幸せです」と顔に書いてあるような笑顔になる。
本当に今にも、背中から天使の羽でも生えて、そのまま天に昇っていきそうな――そんな幸せそうな顔だった。
「ん? どうした?」
何も気づいていない“フリ”を決め込んだまま、俺はわざとらしく首を傾げてミドリの方へ歩いていく。
視線はミドリだけを追っているように見せているが、意識の半分は背後に向けていた。
すり足みたいな、いかにも「忍び足です!」と言わんばかりの足音が、俺の背後に回り込んでくる。
シロが椅子によじ登って、テーブルの上――クッキーの皿――に手を伸ばそうとしているのが、気配で丸わかりだ。
「もうちょっと……こっち……」
「なんだなんだ?」
ミドリに袖を引かれるまま、一歩、また一歩と近づく。
そのたびに、俺の死角が少しずつずれていき、ついにクッキーの皿が視界から完全に消えた。
背後では、ちょいちょいっと椅子がきしむ音。
シロが小さな体で必死に椅子をよじ登っているらしい。
「これって…このままたべれないの…?」
「食べれないことはないけど、美味しくないぞ?」
「そうなんだ…」
ミドリが、焼く前の型抜きした生地をそっとつまみ上げ、少し不安そうに見上げてくる。
質問に答えると、しゅんっと眉を下げて、ちらりと俺の後ろを確認するように視線を動かす。
俺は、振り向かない。
気配と空気の流れだけで、シロが何をしているかくらい、今の俺には十分わかる。
――今ごろ、あいつは小さな口いっぱいにクッキーを詰め込んでる最中だろう。
一辺五センチくらいのサイズだから、シロの口なら一口でいける。
(……あ、手が挙がったな)
背後で、ひょいっと空気が揺れる。
シロが片手を挙げて「半分食べたよ」の合図をしたのが、魔力の流れで理解できる。
この後の作戦では、俺がシロに気づいて振り向き、そのタイミングでミドリが残りを確保する――って段取りなんだろう。
だが、俺がシロに気がついていなければ、その前提が崩れてミドリはクッキーを食べられない。
(さあ、どう出る? ミドリ)
少し意地悪く、もうしばらく知らん顔を決め込むことにした。
「うぅん……」
ミドリが小さく唸り、目線を下に泳がせる。
ぐるぐると考えが回っているのが、表情だけでもよくわかる。
そして――ぱっと顔が上がった。
頭の上に電球のマークでも浮かびそうな、「ひらめいた」顔だ。
「おにーちゃ……! おねーちゃ……たべてる……!」
「なんだと?」
「!?」
ミドリが、クッキー皿のある方向――つまりシロの方をびしっと指差して告げる。
まさかの、作戦の片割れを売る方向に舵を切った。
ここまで言われてしまっては、さすがの俺も振り向かざるを得ない。
ゆっくりと振り返ると――そこには、見事な「鳩が豆鉄砲を喰らったような顔」をしたシロが固まっていた。
両頬をぱんぱんに膨らませて、口の中にクッキーを溜め込んでいる。
ハムスターかお前は。
「シロ、ちょっと口の中見せてみろ」
俺が一歩近づくと、シロは椅子から飛び降りて、そのまま全力で駆け出した。
「あっ、おい! 待て!」
テーブルの周りをぐるぐると追いかけっこになる。
逃げながらも、シロはちゃっかり口をもぐもぐ動かし続けている。執念がすごい。
「はい、捕まえた。観念しろ」
タイミングを見計らい、シロの腰をがしっと抱え込む。
抱き上げて正面から見ると、シロはまだ頬を膨らませたまま、きょとんと首を傾げた。
――「何のこと?」と言わんばかりに。かわいい。
……いや、かわいいけど、口は開けろ。
俺がじっと見つめていると、シロは観念したのか、ごくんっと喉を鳴らして飲み込んだ。
「どーしたのー?」
何事もなかったかのように首をかしげてくる。
その満足そうな顔は、「美味しくいただきました」の証拠でしかない。
「クッキー食べただろ?」
「しらなーい!」
ど直球の質問を投げたら、全力でそっぽを向かれた。
あからさまに視線を逸らし、足をぱたぱたさせている。
脇に抱えたまま、シロを連れてキッチンに戻る。
ふとクッキーの皿を見ると――綺麗さっぱり、何も残っていなかった。
俺の顔を見たミドリが、びくっと肩を揺らし、慌てて口をもぐもぐさせ始める。
そして、一拍置いてから、ごくん、と飲み込んだ。
「あれぇー? 何でクッキーが無いんだ?」
わざとらしく、しかし大げさすぎない程度の調子で、ミドリの方を見ながら言ってみせる。
ミドリは小さく肩を跳ねさせ、こちらを見る――が、目は合わせない。
「おねーちゃ……ぜんぶ……たべた」
「ぜんぶはたべてないよー?」
「食ったのは認めたな?」
「あっ!?」
シロが、うっかり余計な一言を付け足した瞬間、ミドリの顔が固まる。
「しまった」と言わんばかりに、シロは自分の口を両手で塞いだ。
俺は、持ち方を変えて、シロの脇に両手を入れ、そのままひょいっと持ち上げて正面に構える。
ぶら下げられた子猫のように、シロは足をぷらぷらさせて黙り込んだ。
そのまま無言でじっと見つめ続けると――視線に耐えきれなくなったのか、シロがぽつりと口を開く。
「みどりがやれって……」
申し訳なさそうに言って、チラリとミドリの方を見る。
視線を向けた先のミドリは、完全に目が泳いでいた。
真っ直ぐ見返してくる度胸は、今はないようだ。
「……ごめんなさい」
小さな声で、だけどはっきりと謝罪の言葉が出る。
肩をすくめて、指先をもじもじさせている。
「いや、怒ってないからな?」
ここまでやらかしても、俺の内心は不思議と怒っていなかった。
むしろ「よくまあここまで考えたな」という感心の方が勝っている。
面白いものを見せて貰ったし、何より悪戯の範疇で済んでいる。
シロを床に降ろすと、とぼとぼとした足取りでミドリの方へ歩いていった。
クッキー強奪作戦の共犯者同士、並んで縮こまっている。
小さな背中が二つ並ぶと、部屋の空気が少しだけ重く感じる。
自分たちが「悪いことをした」と理解している分、その沈黙は余計に苦いのだろう。
「シロ、ミドリ。こっち来い」
声をかけると、今にも泣き出しそうな顔で、二人揃ってこちらを見上げてくる。
おずおずと歩いてきて、俺の前で止まる。
ひどい顔だ。目は潤んでるし、口はへの字だし。
ただ、こういう経験も、いつかどこかで必要にはなるだろう。悪事の線引きとか、そういうやつだ。
だが――今はその時じゃない。
「二人のクッキーが焼け終わったみたいだ。食べるか?」
同じ目線になるように腰を落とし、笑って問いかける。
その言葉が耳に届いた瞬間、二人の表情がぱっと明るくなった。
「たべる!」
「たべる……!」
シロが勢いよく飛びつき、ミドリも少し遅れて、だけどしっかりと腕にしがみついてくる。
そのまま二人を抱き上げ、犬畜生――二百年前に狩った、やたら強かった犬っぽい魔物――の毛皮が敷いてあるリビングへ移動する。
焼き上がったクッキーの皿は、魔法でふわりと浮かせて一緒に運ぶ。
立てかけてあった折りたたみ式の小さなテーブルを展開し、その上に皿を置いた。
床に胡座をかき、その膝の上に、いつものようにシロとミドリを乗せる。
ここが、二人の“定位置”になってしまった。
「よし、食うぞ」
「「おー!」」
タイミングを合わせたように、元気な声が重なる。
ジュースを用意し、キッチンでは残りの生地を適当な大きさに切り分けて、次の分をオーブンへ入れておく。
魔力を流し込むだけで、温度管理も時間管理も全部やってくれる魔道オーブンは、本当に便利だ。
(……魔法って、やっぱり反則レベルで便利だよな)
そんなことをぼんやり考えながら、目の前の二人を見る。
シロとミドリは、焼きたてのクッキーを両手で掴み、まだ熱が残るそれをふうふうと冷ましながら口に運んでいた。
サクッとした小気味いい音が響き、続けて甘い香りがふわりと広がる。
噛むたびに表情がとろけていき、ジュースを一口飲めば、もう完全に「幸せです」と顔に書いてあるような笑顔になる。
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