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ぼっちと幼女
幼女と買い物準備
しおりを挟む2人と風呂を一緒に入ってから1週間が経った。
あの日から風呂と寝るのは一緒にするのが日課となってしまった。
ゆくゆくは自分で洗うことも覚えさせないといけないな。
のぼせた状態で寝かせた後からだろうか。
そして服を着ないで寝る癖がついてしまったようだ。
無理やり着せて寝かせても朝起きたら服を着ていない状況が多発したので今は諦めた。
羞恥心を感じる年頃になれば自然と直っていくことに賭けよう。
今まで2人とずっと遊んでいたが重要なことに気がついた。
娯楽がない……ということだ。
俺が1人で過ごす分には何も問題は無いのだがシロとミドリの事を考えると何かしら用意しないといけない。
あと調味料とかも欲しい。
「よし、買い物に行くぞ」
「おー!」
今回はミドリを肩車してシロが膝の上に座っている。
少し違うのはシロが俺の方を向いているということだ。
抱きついて鳩尾の辺りに頭をグリグリしてくる。この歳で寸分狂わず鳩尾を狙ってくるとは将来有望だな。
ミドリは俺の髪の毛をいじってる。
自分のとは髪質が違うようなので触り比べでもしているのだろうか。
「なに……かう…ー?」
「欲しいものをメモしてみんなで買いに行くことにしよう」
「ほしいもの……?」
俺が欲しいものは食事に使う調味料だな。
塩はそこら辺の洞窟に岩塩が生えてるからどうにかなるが、それ以外は自家製だ。割と手間なので売っているといいんだが……。
後はこの世界の本だな。実はここにいる皆が読み書きできないんだ。
いや、シロとミドリは世界の加護のお陰で読みの方は自動で変換されて頭に入っているらしい。推測でしかないが。
ただ、書きに関しては自分で覚えないといけない。
取り敢えず俺が覚えて2人に教える感じにしたい。
「ほしいもの……ない」
「にーにがいればいいかなー」
「嬉しいことを言ってくれるじゃないの」
1週間で他に変わったことと言えば懐き度が青天井で上昇している。
朝起きてリビングに向かう時は足にしがみついて移動、飯を食うときは俺の正面じゃなく横で食べるようになった。
風呂と寝るときもそうだがトイレ以外は俺から50cm以上離れない。
「まち……いく……?」
「ああ、そんなに時間はかからないみたいだぞ」
1番近い街がココから2000km近く離れたところに有るのが魔力感知で分かった。
因みに俺たちがいる場所は森の中心部の様だった。
500km離れたところによく分からない気配があったが動く感じが無かったので頭の片隅にしまっておくことにした。
「本当に欲しいものが無いのか?」
「ない!」
「ない……」
そうか……。
街を見ながら買い食いでもして何か買ってやるか。
金に関しては魔物の素材を売ればどうにでもなるだろう。
「よし、今日はもう夕方だから準備だけして明日出発だ」
シロとミドリを装備したまま立ち上がる。
そのまま素材倉庫に向かった。
素材倉庫の中に入るとしがみ付いていたシロが降りて何処かへ走っていった。
何か見つけたのだろうか……素材倉庫は出入り口が1つしかないため外には出られないので安心して放置する。
風呂の時に展開した社遮断結界がまだ残っているはずなので大丈夫だろう。
さて、空間魔法を使って持って行きすぎるのもよろしくないな。
武器として使えそうなモノだけ持ってくか…
熊の爪、でっかいトカゲの牙、大蛇の毒袋…などなど20種類くらいを空間魔法を使って亜空間にぶち込んだ。
用済みなので戻るとしよう。
「シロー! 戻るぞー!」
「はーい!」
返事が返ってきた。
左手に何か持ちながらこっちに走ってくる。
「何持ってんだ?」
「このいしきらきら!」
「きれい……」
石を見せてくる。
これは…あれか、魔力が込められる石か。
俺が持っているフライパンとかの原材料とかになってる石だ。
「はいっ!」
「ん?」
「あげる!」
「おっ、おう…ありがとな」
笑顔で俺に渡してくる。
俺が採取してきた物なんだが…まあいいか。
丁度いい。アクセサリーでも作ってやるか。
ネックレスでいいか。
「【形状変換】」
形を2つのネックレスにして魔力を込める。
【遮断結界】と【完全回復】と【時間停止】の魔法を魔法陣として刻む。
完成だ。
「プレゼントだ」
「くれるの…?」
「そうだ。何か危ないことが起きたらそのネックレスを握って俺を呼べ。秒もかけずに駆けつける」
膨大な魔力と魔法を発動させる魔法陣がある。
魔法陣のトリガーは心の底から助けを求めると発動する。
「ありがと! へへへっ……」
「ありがと…」
「喜んでくれて何よりだ」
ネックレスを持ちながら何をする物なのだろう? と首を傾げている。
一旦、2人から受け取って首にかけてあげる。
大切にしてくれるとなお嬉しい。
シロが俺をよじ登って来た時と同じ位置に着く。
素材倉庫の外に出ると日が沈みかけていて空は赤く染まっていた。
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