悪役令嬢の破滅フラグ？転生者だらけの陰謀劇！勝者は誰だ

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グレン・エスタフォードと隣国の密使たちを捕らえたことで、王国は一時的な平穏を取り戻した。しかし、その平穏は表向きのものでしかなく、レティシアたちは次に動き出すべき課題を模索していた。

学園での日常が戻りつつある中でも、レティシアは新たな陰謀の影を感じ取っていた。廊下を歩いていると、遠巻きに彼女を見つめる視線がある。以前のような軽蔑や冷笑ではなく、警戒や興味に変わっている。

（私がここまで動いたことで、注目されるのも当然ね。でも、油断はできない）

レティシアは冷静に廊下を進みながら、自分がこれからどう動くべきかを考えていた。

その日の昼休み、庭園でアルフォンスとリシャールが顔を揃えた。二人が同時に揃うのは珍しいことで、レティシアは少し警戒を抱きながら席に着いた。

「どうしたの？ 二人とも、同時に私を呼び出すなんて」

レティシアの問いかけに、アルフォンスが口を開いた。

「少し気になる報告がある。グレンを捕らえたことで、ハロルド派の残党が次の動きを見せ始めた」

「次の動き……？」

「彼らは隣国との密約が失敗に終わったことを知り、別の方法で王国を揺るがそうとしている。その中心にいるのが――」

アルフォンスが話を続ける前に、リシャールが横から口を挟んだ。

「新たな貴族派閥が台頭し始めている。名前は『自由と平等の会』だ」

「自由と平等の会……？」

レティシアは眉をひそめた。その名前にはどこか聞き覚えがあるような、漠然とした不安を覚える。

リシャールは指を組みながら、彼独特の飄々とした口調で続けた。

「表向きは平民と貴族の間の融和を目指す団体だけど、その背後にはハロルド派の残党が関わっているという情報がある」

「つまり、また新しい陰謀が動き出しているということね」

アルフォンスが頷き、さらに言葉を重ねた。

「『自由と平等の会』は、次の集会を王都で開催する予定だ。その場で、新たな計画の詳細が明らかにされる可能性が高い」

「それにどう対処するつもり？」

レティシアが真剣な眼差しで問いかけると、アルフォンスは少し躊躇いながら答えた。

「集会に潜入し、彼らの計画を探る。だが、今回は危険度が高い。君を巻き込むのは気が引けるが……」

その言葉を遮るように、レティシアはきっぱりと答えた。

「私は行くわ。ここで止まるわけにはいかない」

「君らしい答えだ」

リシャールが少し笑みを浮かべながら口を挟む。

「ただし、今回は慎重に動こう。敵の数も多く、罠が仕掛けられている可能性も高い」

「分かっているわ。それでも、やるしかないの」

数日後、王都の一角で『自由と平等の会』の集会が開催されるという情報をもとに、レティシアたちは計画を練り始めた。

彼女たちは変装を施し、平民に紛れる形で集会に参加することを決めた。会場となるのは、王都の中でも古い建物を改装した大広間。そこには平民と貴族、そして様々な立場の者たちが一堂に会する予定だった。

「潜入するだけなら問題ないわ。でも、彼らの計画を暴くタイミングを見極めなければ」

レティシアは自分の役割を再確認しながら、深い息を吐いた。

集会当日、大広間には多くの人々が詰めかけていた。壇上には、『自由と平等の会』の幹部たちが並んでおり、その中心には見覚えのある顔があった。

「……ディアナ？」

レティシアは驚きの声を漏らした。そこに立っていたのは、かつての敵であるディアナ・ローレンスだった。

ディアナは華やかなドレスを身にまとい、貴族としての威厳を保ちながらも、集会の中心に立って演説を始めた。

「皆様、今日はお集まりいただき、ありがとうございます。この国が真の平等と自由を手にするため、我々は新たな一歩を踏み出します！」

その声に、会場は熱気を帯びた歓声に包まれた。

（彼女がまた舞台に上がってきた……？ 一体、何を企んでいるの？）

レティシアの胸には新たな疑問と警戒が渦巻く。ディアナの再登場により、事態はさらに複雑さを増していくのだった――。