悪役令嬢の破滅フラグ？転生者だらけの陰謀劇！勝者は誰だ

藤原遊

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『自由と平等の会』の集会から数日が経過したが、その余波は王都全体に広がっていた。ディアナの演説は平民たちの間で支持を集める一方、貴族社会には不安を巻き起こしていた。

学園でもディアナの名は再び話題となり、彼女の復活を祝う者もいれば、警戒する者もいた。
レティシアはその状況を冷静に観察しながら、自分がどう動くべきかを考えていた。

（ディアナはまた舞台の中心に立ち、注目を集めている。でも、彼女の計画はこの国を不安定にするだけ……）

そんな思考を巡らせていると、アルフォンスが廊下の向こうから歩み寄ってきた。

「話がある。時間を取れるか？」

「もちろんよ。どこで話す？」

「学園の外だ。落ち着いた場所がいい」

レティシアは頷き、アルフォンスに従うことにした。

学園の外れにある静かな庭園で、二人は向き合っていた。アルフォンスの表情はどこか険しく、その目には深い決意が宿っている。

「ディアナの計画が本格化してきた。彼女はただの集会で終わるつもりはない」

「次に何をするつもりなの？」

レティシアの問いに、アルフォンスは短く息を吐いた。

「平民と貴族の融和を表向きに掲げているが、裏では一部の過激派を利用し、王宮を揺さぶるつもりだ」

「……王宮を？」

「彼女は、王宮内の保守派の貴族たちを攻撃の対象にし始めている。そして、それを『自由と平等』という言葉で正当化しようとしている」

アルフォンスの言葉に、レティシアは眉をひそめた。

「つまり、彼女の本当の狙いは王宮内の権力構造を変えること……？」

「その通りだ。だが、彼女が王宮に手を伸ばすことを許せば、この国は分裂する」

アルフォンスは拳を握りしめながら続けた。

「ディアナの次の行動を防ぐために、僕たちも具体的な手を打たなければならない。そのためには、君の力が必要だ」

「私の力……？」

「君が彼女の信用を崩すことができれば、彼女の動きは大きく鈍る。君が表舞台で戦う必要がある」

その言葉に、レティシアは一瞬驚いたが、すぐに冷静さを取り戻した。

「私は、舞台を壊す側だったはずよ。それなのに、今度は私が表に出る……」

「君にしかできないことだ」

アルフォンスの言葉には、彼女への深い信頼が感じられた。

「……分かったわ。やるしかないものね」

レティシアは深く息を吸い込み、覚悟を固めた。

その夜、レティシアは邸宅の書斎で一人、これからの行動計画を練っていた。ディアナをどう追い詰めるか、その手段を模索していると、不意に窓をノックする音が聞こえた。

「またあなた？」

窓を開けると、そこにはリシャールが立っていた。相変わらずの余裕を漂わせながら、彼は静かに笑った。

「君が困っているんじゃないかと思ってね」

「困っているわけじゃないわ。ただ、考えているだけ」

レティシアがそう答えると、リシャールは室内に足を踏み入れ、机の上の地図に目をやった。

「ディアナをどう追い詰めるか……難しい問題だね」

「分かっているわ。でも、彼女の計画を止めるためには、表で戦うしかないの」

「君が表に立つなら、僕も協力しよう」

リシャールの申し出に、レティシアは少しだけ驚いた。

「あなたが？本当に？」

「もちろんさ。僕は君の舞台を見るのが好きだからね」

彼の軽口に、レティシアは短く息を吐きつつも頷いた。

「分かったわ。なら、しっかり手伝ってもらうわよ」

「それが僕の役目だからね」

リシャールの笑みには、どこか安心感があった。

次の日、レティシアたちはディアナを直接追い詰めるための新たな計画を開始した。ディアナが次に行動を起こすのは、王宮内でのある重要な集会――王宮貴族と平民代表が一堂に会する「国政懇談会」だった。

「ここが彼女の狙いね」

レティシアはアルフォンスとリシャールに向かって言い放った。

「彼女がこの場で何を企もうとしているのか、暴く必要がある」

「懇談会は僕の名のもとで開かれる。彼女の動きを封じることができるのは、僕たちしかいない」

アルフォンスの言葉に、レティシアは短く頷いた。

「ここが本当の勝負になるわね」

リシャールも微笑みながら応じた。

「次の舞台で、君がどう動くか楽しみにしているよ」

こうして、新たな対決の舞台が整えられた。ディアナが本当に望むものは何か。そして、それに立ち向かうレティシアの覚悟は――。

夜空の下、彼女の中には強い決意が燃え上がっていた。

（ディアナ、この舞台の主役は私よ。あなたの計画を、必ず止めてみせる――）

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