悪役令嬢の破滅フラグ？転生者だらけの陰謀劇！勝者は誰だ

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王宮の会議室に再び、アルフォンス殿下を中心にレティシア、リシャール、ディアナ、レオン、そしてマリアが集まった。各自が掴んだ情報を持ち寄る場が設けられたのだ。

アルフォンス殿下が静かに口を開いた。

「皆、よく集まってくれた。それぞれの調査から得た情報を共有し、今後の方針を決めたい」

その言葉に、一同が頷いた。

まず口を開いたのはディアナだった。

「旧ハロルド派は、彼ら自身が考える以上に外部からの影響を受けています。彼らの中で大きな動きがあるたびに、背景には貴族社会の動きが絡んでいました」

「貴族社会が？」

レオンが補足する。

「特に目立ったのは、王宮の一部の者と接触している動きだ。その結果、旧ハロルド派が煽られている。だが、これは単純な指示ではなく、あくまで“外堀”を埋めるような形だ」

アルフォンス殿下は考え込むように眉をひそめた。

「つまり、旧ハロルド派を直接支援しているわけではなく、意図的に環境を整え、動きを促しているということか」

「ええ。その目的は、王宮内の混乱を引き起こし、殿下の権威を失墜させることにある可能性が高いです」

ディアナの言葉に、アルフォンス殿下は深く頷いた。

「分かった。では、次は貴族社会についての調査だ」

レティシアが静かに口を開いた。

「私たちの調査では、特定の貴族が情報を操作し、噂を流していることが分かりました。その多くが、旧ハロルド派を恐れる振りをしている者たちです」

リシャールが補足する。

「ただし、それは表向きの姿だ。その裏では、文書偽造に加担している可能性がある。特に、特定の夜会に出席した者たちの動きが不自然だった」

「不自然？」

アルフォンス殿下が問いかけると、リシャールは軽く頷いた。

「夜会で一部の貴族が、偽造文書が“本物”だと思わせるような噂を流していた。そして、その場にいた者の中には、王宮で影響力を持つ者もいた」

その言葉に、マリアが小さく声を漏らした。

「王宮で影響力を持つ者……」

彼女の呟きを聞き、アルフォンス殿下の表情が険しくなった。

「つまり、王宮内にも共謀者がいる可能性があるということか」

「その通りです」

レティシアがきっぱりと答えた。

アルフォンス殿下は深く考え込むように視線を落とし、数秒後に顔を上げた。

「皆の話を総合すると、今回の問題は三つの層で進行していることが分かる。旧ハロルド派、貴族社会、そして王宮内だ」

その言葉に、一同は静かに頷いた。

「まずは、王宮内に潜む共謀者を見つける必要がある。ここが最も重要だ」

アルフォンス殿下の視線がレオンとディアナに向けられる。

「君たちには引き続き、旧ハロルド派の動きを監視してほしい。彼らの行動が王宮とどのように繋がっているのか、その具体的な証拠を掴むんだ」

「承知しました」

ディアナとレオンが頷き、席を立とうとしたとき、リシャールが口を開いた。

「王宮内の調査については、僕とレティシアが協力するべきだろうね」

「どういうことだ？」

レオンが問うと、リシャールは微笑を浮かべた。

「貴族社会の動きと王宮内の共謀者の関係性を掴むには、君たちの力よりも僕たちの方が適している。レティシア嬢の観察力と、僕の……まあ、少し特殊な手段を活かせるだろう」

レティシアは軽く頷いた。

「確かに、貴族社会と王宮の動きは切り離して考えるべきではないわ。私たちがその役割を担います」

アルフォンス殿下は少し考えた後、静かに頷いた。

「分かった。君たちに任せる。ただし、十分に注意するんだ。相手は慎重で、狡猾だ」

それぞれの役割が再び決まり、一同は新たな行動を開始する準備を整えた。王宮内外で進行する陰謀の真実が、少しずつその輪郭を現し始める。

だが、それは同時に、さらなる危険が迫ることを意味していた――。