悪役令嬢の破滅フラグ？転生者だらけの陰謀劇！勝者は誰だ

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ロランの事件が解決してから数日後、王宮はようやく平穏を取り戻していた。混乱の余韻は残っていたものの、それぞれの人々が自分たちの役割を果たし、立て直しに動き出していた。

レティシアは邸宅で朝の紅茶を楽しんでいた。庭園から吹き込む爽やかな風に、事件の緊張感が徐々に和らいでいくのを感じる。

「これでようやく、少しは落ち着けそうね」

彼女が一人呟くと、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。

「君が落ち着いているところを見るのは珍しいね」

振り返ると、リシャールが微笑みながら立っていた。

「リシャール？ どうしてここに？」

「事件の後始末が一区切りしたから、君の様子を見に来たんだよ。と言っても、君が落ち込むような性格じゃないことは知ってるけどね」

リシャールの軽口に、レティシアは苦笑しながらも椅子を勧めた。

「せっかくだから、お茶でもどうぞ。今日の紅茶は特に美味しいわ」

「ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えようかな」

リシャールは椅子に腰を下ろし、紅茶を一口飲んで目を細めた。

「確かに美味しい。君が選んだものだから、当然かもしれないけどね」

その軽やかな言葉に、レティシアは微かに笑みを浮かべた。

「ところで、あなたはこれからどうするの？」

「どうするって？」

リシャールはわざととぼけた表情を作ったが、レティシアの真剣な眼差しに、観念したように笑みを浮かべた。

「そうだね。君と同じで、これからのこの国を見守っていくつもりだよ。でも、それだけじゃ物足りないから、もう少し近くで動けたらいいと思っている」

その言葉に、レティシアは少し驚いた様子を見せたが、すぐに冷静な声で返した。

「それは……期待してもいいのかしら？」

「君が望むなら、いつでもね」

リシャールの柔らかな笑みに、レティシアは照れ隠しのように紅茶に口をつけた。

一方、王宮では、アルフォンス殿下とマリアが新しい計画について話し合っていた。
大広間の一角、穏やかな陽射しが二人を包み込む。

「マリア、君のおかげで今回の事件を乗り越えることができた。本当にありがとう」

アルフォンス殿下の感謝の言葉に、マリアは小さく首を振った。

「いえ、私は何も……ただ、殿下のお力添えを少しお手伝いしただけです」

「そんなことはない。君がいなければ、僕は正しい判断ができなかったかもしれない」

その言葉に、マリアの頬がわずかに赤く染まった。

「それにしても、これからが本番だ。国を立て直し、人々が安心して暮らせるようにしなければならない」

「そのために、私もお力になります」

マリアの言葉に、殿下は優しく微笑んだ。

「その言葉に甘えるよ。君は、僕にとって頼もしい仲間だからね」

マリアの心は少しだけ温かくなり、これからも殿下の隣に立つ覚悟を新たにした。

その頃、広場ではディアナとレオンが旧ハロルド派のメンバーと話をしていた。
彼らは、事件後に王宮と協力して活動を再編することを決めたのだった。

「君たちが正しい道を選んでくれて嬉しいよ」

レオンが真剣な声でそう言うと、リーダー格の男は静かに頷いた。

「あんたたちのおかげだ。もし話を聞かされていなかったら、俺たちはロランの手先のままだった」

「これからは、自分たちで考え、選び続けてほしい。それが、この国を良くするための第一歩だから」

ディアナの言葉に、男たちは一斉に深く頭を下げた。

「……ありがとう」

その感謝の言葉に、ディアナとレオンは静かに頷き合った。

事件を乗り越えた全員が、それぞれの新たな日常を迎えようとしていた。
そこにはまだ課題が山積していたが、それでも、彼らの表情には確かな希望が宿っていた。