魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊

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4章 はじめての冒険

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屋台街からギルドに戻ると、アリアはさっそく掲示板の前に駆け寄った。大勢の冒険者が張り付いている中をかき分けながら、掲示された依頼書を熱心に見つめる。

「さーて、今日の依頼は…これにしよっかな!」

アリアが手に取ったのは、小規模な魔物の討伐依頼だった。目的地は街からそう遠くない森の中。対象は一度に数匹しか現れない雑魚の類だが、時折強めの個体が混ざることがあるという。

「ほら、イアンも行こ!」

振り返ったアリアが、笑顔で手招きする。

「……私も、同行してよろしいのですか?」
イアンは少し戸惑ったように尋ねた。

「何言ってんの?さっき拾ったんだから、責任持って活躍してもらうよ!」

アリアの気軽な言葉に、イアンはわずかに口元を緩めた。

「…分かりました。お供しましょう。」

受付で依頼書を提出すると、奥の部屋からユーゴが姿を現した。金色の瞳で二人をじっと見据える。

「アリア、初めてのパーティーでの依頼だな。」

「そうだよ!ちょうどいいからイアンと行ってくる。」

「……イアン。」

ユーゴは静かに名前を呼び、彼に向き直る。

「アリアは前衛で突っ込みがちだが、力はある。だが、無理をすれば必ず隙が生じる。それを補えるのは君だ。」

「心得ております。」

イアンは一礼した。

「いいか、アリア。」

次にユーゴがアリアを見つめる。

「前衛は後衛を信じて動け。それがパーティーの基本だ。君がそれを学ぶ機会にもなるだろう。」

「はーい、分かってるって!」

アリアが適当な返事を返すと、ユーゴは軽くため息をついた。

「では、気をつけて行け。無茶はするな。」

目的地の森は街からほど近く、昼下がりには到着した。木々が生い茂る中を歩きながら、アリアは剣を片手に軽く振って準備運動をしている。

「こういう討伐依頼って久しぶりじゃん!たまには二人で行くのも楽しいかもね。」

「……君のその軽快さには、驚かされます。」
イアンは小さく呟きながら、杖をしっかりと握っていた。

そして、次の瞬間。

茂みの奥から唸り声が響く。狼のような魔物が3匹、鋭い牙を剥いてこちらに飛び出してきた。アリアは剣を構え、即座に動き出す。

「まずは私が行く!」

アリアが前衛で魔物を引き付け、その動きに合わせて剣を振る。鋭い一撃が1匹目の魔物を仕留めたが、その隙を突くように2匹目が飛びかかってくる。

「……後退を。」

イアンが冷静な声で告げる。

アリアが素早く一歩後ろに下がった瞬間、イアンの杖から冷気が放たれた。魔物はその場で凍り付き、動きを止める。

「すごいじゃん、イアン!次、あいつも頼む!」

最後の1匹がさらに猛スピードで迫ってきた。その動きに合わせてイアンが詠唱を始めるが、アリアが素早く前に飛び出した。

「いや、ここは私がやる!」

剣を勢いよく振り下ろし、最後の魔物を仕留める。瞬間、アリアは勝ち誇ったように剣を肩に担いだ。

「どう?やっぱりこういうのは体で動かなきゃね!」

イアンは少し眉をひそめた。

「……その体で動く、という行動が、隙になる場合もあるのですよ。」

「えー、でも結局倒したし問題ないじゃん!」

アリアが笑う一方で、イアンは肩をすくめながら呟いた。

「……やれやれ。君の動きに合わせるのが、これほど難しいとは。」

討伐を終えた二人は、森の入り口で一息ついていた。アリアは草の上に座り込み、剣を磨いている。

「イアンの魔法、すごかったじゃん!あんなに綺麗に凍るなんてさ。」

「あなたの剣も見事でした。ただ…あまり突っ込みすぎないようにしてください。」

「はいはい、分かってますって!」

アリアが笑顔で言うと、イアンは短くため息をついた。その顔には、わずかに安堵が浮かんでいる。

(…この人となら、少しずつだが歩み寄れるかもしれない。)

二人の初めての冒険は、ぎこちないながらも無事に幕を閉じた。




ステータス画面

アリア・マーウェラ

• レベル: 8
• 職業: 剣士(盾なし)
• 体力: 22
• 魔力: 0
• 力: 19
• 敏捷: 15
• 器用: 11
• 知力: 8
• 精神: 10

スキル一覧

• 剣の扱い Lv.3
• 投擲 Lv.1
• 身体強化 Lv.1
• 戦闘直感(パッシブ)

イアン

• レベル: 12 (変更なし)
• 職業: 魔法使い(呪術特化)
• 体力: 10
• 魔力: 38
• 力: 6
• 敏捷: 10
• 器用: 12
• 知力: 24
• 精神: 22

スキル一覧

• 氷結魔法 Lv.4
• 魔力制御 Lv.3
• 詠唱短縮 Lv.2
• 呪いの触(自動発動 / パッシブ)
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