【書籍化に伴い近日一部非公開へ移行予定】幼女となった社畜は異世界の救世主となる

藤原遊

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第2部

2章 浮かび上がる違和感

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翌朝、ミユは食堂で朝食を取っているルイスたちの元へ足早に向かった。図書室で見つけた本のことを早く伝えたくて、昨夜はほとんど眠れなかった。

「おはよう、ミユ」

ルイスが彼女に気づき、席を指し示した。

「ここに座って、話を聞かせてくれ」

ミユは頷き、慌てて持参した本をテーブルに置いた。

「これを見てください。昨日、エリオット様と図書室で調べていて見つけました。この文字、塔の結晶に刻まれていたものと同じです」

ルイスは本を手に取り、丁寧にページをめくった。

「確かに……塔で見たものと一致するな。だが、この本はどこのものだ?」

「分かりません。ただ、記録を見る限り、かなり古い本のようです」とミユは答えた。

ライアンが腕を組んで本を覗き込みながら呟く。

「他国のものだとすれば、塔の結晶が外部から持ち込まれた可能性が高いな。だが、これをどうやって調べればいい?」

「まずはこの本の出所を探るべきだな」とルイスが結論を出した。
「オーウェンに頼んで、この本について詳しく調べてもらおう。過去の記録が残っているかもしれない」

エリオットは黙ってその様子を見守っていたが、杖を軽く握りしめる手に力が入っているのが、ミユの視界に入った。彼はいつも通りの軽い調子を装って口を開いた。

「本の調査なら、オーウェン様に任せれば間違いない。俺たちは次の調査の準備を進めておくか?」

ルイスはその提案に頷き、一行は食事を終えてそれぞれの役割を果たすために散った。



一方、エリオットは人目を避けて図書室に戻っていた。本棚の隅で立ち止まり、深いため息をつくと、杖の先を軽く地面に突きつけた。

「もう、時間がないか……」

彼は低く呟き、顔を歪めた。

「あの本が見つかった以上、いずれ俺が何者かもバレる。だが……」

その時、彼の杖から微かな黒い光が漏れ出し、彼の瞳が赤く輝いた。一瞬だけ表情が苦しげになる。

「まだ……命令には従わないといけない……くそっ!」

エリオットは怒りを抑えきれない様子で壁に拳を叩きつけたが、すぐに深呼吸をして平静を装った。



その日の午後、ミユは王城の廊下を歩きながら、ふと図書室でのエリオットの様子を思い返していた。彼の態度には何か違和感があったが、それをうまく言葉にできない。

「エリオット様……何か隠しているのかな」

彼の笑顔を思い浮かべながら、ミユは胸に募る疑問を抱えたまま歩き続けた。

その時、背後からルイスの声がした。

「どうした、ミユ。何か考え込んでいるようだな」

彼女は少し驚いて振り返ったが、ルイスの落ち着いた表情に心が和らいだ。

「いえ……エリオット様のことが少し気になっていて。何だか、いつもと違う感じがしたんです」

ルイスは少し考え込みながら答えた。

「あいつが何か隠しているとしたら、いずれ分かるだろう。だが、焦らずに見守るのも大事だ」
「……そうですね」

ミユは頷き、ルイスの言葉を心に留めた。
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