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第8章 菓子と商会
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朝の広場に集まった学院生たちを、家族や使用人たちが見送っていた。
その中心に立つイザベラお姉様は、制服姿で、凛とした笑みを浮かべている。
「エレオノーラ、元気でね。またお茶会をしましょう」
「……はい。お姉様も、どうかご健勝で」
転移陣が光を帯び、まばゆい魔力の輪が広がっていく。
瞬間、イザベラと生徒たちの姿はかき消え、広場に残ったのは魔力の残滓だけだった。
私はしばらく立ち尽くした。
(……お姉様、もう結婚を考えてるんだよね。まだ十五歳なのに……)
胸の奥に、ちくりとした痛みが走る。
同じ姉妹でも、もう見ている世界が違うのだと痛感させられた。
――執務室に戻ってからも、そのことが頭から離れなかった。
羽ペンを持ったまま、私はつい隣のリヒャルトに問いかけてしまう。
「……リヒャルトには、婚約者が?」
リヒャルトは一瞬目を瞬き、それから穏やかに頷いた。
「はい。幼少より、家同士で決められております」
さらりと告げられたその事実に、思わず声を失う。
さらに気になって、後ろに控えるヴィルヘルムを振り返った。
「ヴィルヘルムは……?」
「私は既婚です」
いつも通りの無表情、淡々とした声音。
「…………えっ」
衝撃に、間の抜けた声が漏れた。
(……えっ、えっ……二人とも、もう“そういう大人の世界”にいるの!?)
私は机の上の書類に視線を落とし、必死に表情を取り繕った。
けれど心の中は、理解が追いつかないまま大混乱していた。
その中心に立つイザベラお姉様は、制服姿で、凛とした笑みを浮かべている。
「エレオノーラ、元気でね。またお茶会をしましょう」
「……はい。お姉様も、どうかご健勝で」
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瞬間、イザベラと生徒たちの姿はかき消え、広場に残ったのは魔力の残滓だけだった。
私はしばらく立ち尽くした。
(……お姉様、もう結婚を考えてるんだよね。まだ十五歳なのに……)
胸の奥に、ちくりとした痛みが走る。
同じ姉妹でも、もう見ている世界が違うのだと痛感させられた。
――執務室に戻ってからも、そのことが頭から離れなかった。
羽ペンを持ったまま、私はつい隣のリヒャルトに問いかけてしまう。
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リヒャルトは一瞬目を瞬き、それから穏やかに頷いた。
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「…………えっ」
衝撃に、間の抜けた声が漏れた。
(……えっ、えっ……二人とも、もう“そういう大人の世界”にいるの!?)
私は机の上の書類に視線を落とし、必死に表情を取り繕った。
けれど心の中は、理解が追いつかないまま大混乱していた。
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