処刑を望んだ悪役令嬢ですが、幼なじみの騎士が手放してくれません

藤原遊

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番外編 もう一人のヒロイン

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テーブルに運ばれてきたケーキを見た途端、セラフィーナの瞳がきらきらと輝いた。
ふわりと盛られたクリームの白に、鮮やかな果実が映えている。

「わあぁぁ……! く、クリームがこんなに……! 夢みたいです……!」

椅子から立ち上がりそうな勢いで身を乗り出す。
そのはしゃぎぶりに、俺は思わず笑ってしまった。

(辺境伯領にいる騎士見習いや、男爵家の娘たちも、こういうときは素直に喜ぶんだよな……)

親しみを覚える光景。けれど――。
ここは王都。高位の令嬢や子息ばかりが集まる場では、彼女の反応は浮くだろうと、ふと頭の隅で思った。

しかし、次の瞬間。
セラフィーナは背筋を伸ばし、ナイフとフォークを取り上げると、淑女らしく微笑んだ。

「アメリア様に、マナーを教えていただいたんです。だから大丈夫です!」

そう言って、優雅に一口ケーキを口に運ぶ。
さっきまで子どもみたいに喜んでいたのが嘘のように、洗練された動き。

にこりと笑ったその顔は――驚くほど美しかった。

(……っ)

胸の奥が、不意に跳ねた。
無邪気で、庶民っぽくて、でもちゃんと令嬢の顔も持っている。
そのギャップに、俺は目を離せなくなっていた。
感想 1

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