異世界転生した世界は男尊女卑。

馳 影輝

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第11話 夏の日々

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夏休みに入って部活のない日は友達を誘ってプールに行ったり、ショッピングや映画など休みを満喫していた。
最近仲が良いのは笹倉由希ちゃん、工藤朱莉ちゃん、それに牧野杏奈ちゃん。
気が合うというか、一緒に居て落ち着く人達だ。

「詩織ちゃん。
アピルステーション行って見ない?」

「ああ、そうだね。」
朱莉ちゃんが言うアピルステーションとは最近出来たショッピングモールで数多くのショップやブランドメーカーが入っている。

「うわぁ~、やっぱ凄いね。」
最新のファッションや有名ブランドショップが煌びやかに見える。
私が好きなブランドのマリアコルサは若い女の子に絶大な人気を博している。
可愛さと明るいカラーバリエーション。
夏休みはバイトして沢山買い物もしたいし、やりたい事が沢山ある。

だが、
今日の目的地は古着屋さん。
全国的に展開している古着専門店が出店している。
学生は金欠だから、本当に助かる。

思わず沢山買ってしまった。
家に帰ってきてそれらを鑑賞しつつ、試着タイム。
スカートにワンピ、Tシャツにキャミにブラウス。
沢山買って大満足。

毎日部活もあるので、部活のない日は何らかの予定を入れている。

夏休みに入って数日後、その日は書店に出向いていた。
ギターの練習用に何か無いかと探しにきたのだ。

それ以外にも興味深い小説や漫画も見て回りたい。
店の中を巡っていると。

「楢崎じゃん。」

「ん?」
すぐ側に男性が居る。
よく見ると同じクラスの堀越響也くん。
高身長でバスケ部。
とても爽やかに微笑む好青年。
世間的にはイケメンの部類に入る良い男だ。

「本探してるのか?」

「うん。
ギター弾きの楽譜とか漫画とかいろいろよ。
堀越くんは?」

「漫画だな。」

「そうなのね。
タイトルは?」
実は殆ど堀越くんとは話したことがない。
もしかすると過去一話しているかも。

「バックアップって言う漫画なんだけど。
知ってる?」
しかし、堀越くんは身長が高い。
私は158センチだから見上げる感じだ。
それに爽やかに微笑む。

「バックアップね。
知ってるよ。
矢頭咲也先生の絵は私も好きだなぁ。
確か、去年マンガ大賞取ってたよね。」

「そうなんだよ。
絵も好きだし、展開も早くてセリフも良い。
新刊が出たから買いに来たんだ。」
この書店は品揃えも多いし、同級生や先輩達にも出会す可能性は高いよね。

「じゃあ、帰ったら読むのが楽しみだね。」
私も堀越くんの爽やかな笑みに負けないように、ニッコリと微笑んでみた。

「あのさ。
楢崎って、彼氏居るの?」

「え?
あ~、今は居ないよ。
急にどうしたの?」
私の事に興味があるのだろう。
ほんの少し恥ずかしそうな顔をしているようにも見えた。

「そうなんだ。
もし、嫌でなかったらLINK交換しない?」
なんと!
連絡先の交換を御所望か~。
嫌ではないけど。
急な展開だな。
ちなみにLINKとはこの世界のSNSで無料でメールや電話なども出来る。
一般的に連絡先交換はLINKを求められる。

「堀越くんってさ。
凄く背が高いね。」

「あ~、まあ、そうだな。
182センチあるからな。
楢崎は?」

「私は158センチ。
一般的な女の子の身長だね。」

「良いくらいの身長だよ。
俺はバスケ部だから、この身長で良いとは言え、いろいろ不便な時もあるからな。」

「そうなんだ。」

「ちょっと天井や柱が低い所で頭を打つ。
あるあるだろう。」

「確かに有りそうだね。」

「だからさ、もう少し低くても良かったなぁ~って思う時はある。」

「身長高い人の悩みだね。
私は高身長好きだけどなぁ~。
あ!
話がそれちゃったね。
LINK交換だよね。
良いよ。」
スマホをバックから取り出した。

「ありがとう。」
堀越くんもスマホを出してLINK交換をした。
この世界に来てから男の子と初交換な気がする。

「じゃあね。
私本を見るから。」

「ああ、またな。」
と言う事で堀越くんと別れて本を探すことにした。

今日の出来事を朱莉ちゃんとLINKでメールのやり取りをした。
堀越くんはバスケ部で高身長、爽やかな雰囲気でモテるらしい。
私も好きなタイプではある。
身長は兎も角控えめで大人しい雰囲気が良い。
などとやり取りをしていると、朱莉ちゃんの方からLINK電話がかかって来て。

「どうなの?」

「どうって言われてもね。
偶然会っただけだし。」
どうやら朱莉ちゃんは私と堀越くんの今後が気になるらしい。

「でも、LINK交換したんだよね。
もうメールとか来てるんじゃない?」

「まだ、来てないと思うけど。
朱莉ちゃんさぁ~凄く食いついてきてるよね?」

「え?
まあ~詩織ちゃんの恋愛に興味があるのよ。」

「恋愛って。
まだそんな関係じゃないし。」

「わからないじゃん。
楽しみだね。
メール来るよ。
いろいろ聞かれるよ。」
ただ単に楽しんでいるようにしか思えませんが。

「いろいろ聞かれるって。
何よそれ?」

「堀越くんは詩織ちゃんの事が、恐らく間違いなく好きだから。」

「え?
そんなの分からないよ。」

「好きに決まってるじゃん。
嫌いな人にLINK交換お願いする?」
確かに。
深く考えて居なかったけど、朱莉ちゃんの言う事も最もだ。

「ちょっと、やめてよ。
緊張するでしょ。」

「メールで何聞かれたか教えてね。
私、これから出掛けるからまたね。」
と一方的に会話をして電話を切られてしまった。
忙しい人だ。

それにしても堀越くんが私に好意を寄せているかも知れないと言われると凄く緊張してきた。
意識してしまうじゃない。
全く余計な事を私に植え付けて楽しんでるな~。

暫くして、堀越くんからメールが来た。
バックアップの最新刊の写真と。
「凄く良かった!」
のメッセージ付き。

「良かったね。」
と単純な言葉で返す。

朱莉ちゃんは堀越くんからいろいろ聞かれるよって言うから、メールが気になって仕方がない。

「楢崎は?
本は見つかった?」

「うん。
ギター弾きの楽譜と漫画は「月と花と君と」っていうイハラ沙羅先生の恋愛漫画。
切なくて好きなの。」

「見つかったんだ。
良かったな。」
何気ない会話を少しして、もっといろいろ聞かれるのかと緊張していたけれど、特に深く聞いてこなかった。

その数日後、クラスの女子と男子で海に行くことになった。
夏のイベントだよね。
女子は私を入れて5人。
男子も5人。
海でやる合コンの様な人数合わせだ。

朱莉ちゃんと杏奈、由希ちゃんと三咲ちゃんと私は良く一緒に遊ぶ仲良しグループ。
男子は三咲ちゃんと杏奈ちゃんと仲が良い、慎吾くんと春輝くんと仲の良い晶くんと真斗くん、そして、偶然にも堀越くんが来た。
LINKでも今日くる事は言っていなかったので、いる事に驚いた。

「なんだ~、堀越くん何もメールで言ってなかったから来てるとは思わなかったよ。」

「ああ、俺も楢崎が居るとは思わなかった。」
2人とも偶然にもお互いがいる事を知らなかったようだ。

「さあ~水着に着替えるよ~。」
ノリノリなのは朱莉ちゃんだ。
海に来ると人は開放的な気分になるのだろうか?

更衣室が設けられている。
海の家もあって、飲み物も食べ物も一通り楽しめる。

「ねえ。
詩織ちゃんは堀越くんだよね?」

「え?
何が?」
朱莉ちゃんは早速私の所に近寄ると楽しそうに笑顔で話しかけてくる。

「決まってるじゃない。
この夏で彼氏を作る。
私は春樹くん狙いだから。
邪魔しないでね。」

「しないよ!
宮間春樹くんって、確か剣道部だよね。
確か、この前の地区大会で優勝したそうじゃない。」

「そうなの。
試合見に行ったんだけど。
ほんとにカッコよくてさ~。」

あ~。
一目惚れね。

「詩織ちゃんはビキニよね?」

「うん。」
水着は由希ちゃんと一緒に買いに行ったのだ。
2人で迷いに迷ってビキニを購入した。

「可愛い水着~。
詩織ちゃんはスタイルも良いから似合うよ。
それに、胸も良い形で大きい!」

「あ、ありがとう。」
一応朱莉ちゃんに褒められた。
と言う朱莉ちゃんはかなり派手目のビキニだ。

「うん。
朱莉ちゃんも可愛いよ。」
5人でワイワイ言いながら水着に着替えた。

「ねぇ、日焼け止め使う?」

「ああ、使う~。
助かる~。」
皆んな日焼け止めを塗り始めた。

実は私は即再生スキルのお陰で日焼けをしない。
日焼けしたとしても直ぐ回復する。
だが、一応みんなに合わせて日焼け止めは塗っておこう。

「お待たせ~。」
男子達は待ちくたびれた顔で外で待っていた。

「遅いぞ!」
晶くんが真っ先に声を挙げた。
北条晶くんは水泳部で海にはよく来ているらしい。
全身日焼けで黒くなっている。

「女の子は準備に時間がかかるのよ。」
三咲ちゃんと杏奈ちゃんが声を揃えて腰に手を当てて不機嫌そうに返答した。

「海の家でボートとか、ビーチボールとか借りられるってよ。」
春樹くんがそう言うと真斗くんと堀越くんがいろいろな物を海の家に借りに行ってくれた。

「ねぇ!
ビーチバレーやろうよ。」
そう言い始めたのは朱莉ちゃんだ。

「お!
良いね。」
乗ってきたのは薮田真斗くんだ。
彼はバレー部。
そりゃ~ノリノリになるよね。

「丁度男女5人だし。
ペア作ろうよ。」
やっぱりそう来たか。
率先して朱莉ちゃんが仕切り始めた。
いや、ペアを作りたいのだろう。

「私は春樹くんと組む~。
良いでしょ?」
近くにいた春樹くんの腕に朱莉ちゃんはしがみ付いて割れ先にペアをお願いした。

「お、おお。」
春樹くんもまんざらでは無い。
恥ずかしそうに了承した。

「じゃあ~、詩織ちゃんとペアになりたい男子は?」
どうやら全てを朱莉ちゃんは仕切りたい様だ。
その瞬間、2人の男子が手を挙げた。
堀越くんと慎吾くんだ。
2人は同時に手を挙げて睨み合う形になっている。
柳生慎吾くんと堀越響也くんは同じバスケ部。
仲良しで良く一緒に遊ぶそうだ。

「響也。
ジャンケンだな!」

「慎吾。
ここは譲れない。
3回勝負だな。」
ジャンケンかよ。
それも3回勝負とは。
私とのペアを賭けた真剣勝負が始まった。
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