異世界転生した世界は男尊女卑。

馳 影輝

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第20話 恥辱に耐えて

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美穂さんは私に大事な事を伝えたいと食堂で向き合って座っている。
キョロキョロと周りに人がいない事を確認されている素振りを見せる。

「この芸能界は男尊女卑の世界で男性が力を持ってる。
詩織さんが頑張れば頑張るほど男性達に目をつけられる。
そうなると、どんな恥辱に耐えながら仕事をして行く事になるか、私は危惧しています。
そうならない為にも私は尽力しますが、詩織さんにも伝えておいた方が良いと思って話をしました。」

「わかりました。
美穂さんが私を心配してくれてる事も有難いです。
男尊女卑なら私は適任かも知れませんよ。」
男尊女卑に関する事は、誰よりも理解している。
もう1人の転生者の影響が特に強いのだろうか?

「それはどう言う事?」
眉間に少しだけ皺を寄せて疑問が先に立っている顔をしている。

「この可愛い見た目と可愛い声を駆使して男尊女卑をレディーファーストに変えて見せますよ!」
可愛さとか可愛い声如きでは変えられないけど、私には絶世の乙女スキルと歌姫スキルがある。
全員まとめて魅了してやる。

ちなみに最新のステータスチェック。

私のステータス。
種族 人間 レベル23
職業 女子高生レベル10
体力320  腕力46  魔力120
気力70   魅力∞   運200
敏捷性∞
スキル
器用 歌姫 絶世の美少女 探知 危険予知 即再生 威嚇 神眼 知略家
魔法 水属性
称号 転生者 女神の使者 力を求める者

多少の能力向上している。
魅了と絶世の乙女が統合して絶世の美少女になって、異性に対して魅了効果が50%から70%にアップ。
同性に対しては好感を持たれる追加効果有り。
向上する効果とは別に体力と腕力が10%低下する効果が生まれてしまう。
この絶世の美少女スキルがどれ程の効果なのか、これから試していく必要がある。

スキルボードは私にしか見えない。
美穂さんはどうやら丹羽さんから電話が来たようで今対応している。

「詩織さん。
社長が呼んでます。
行きましょう。」

「はい。」

丹羽さんと両親が話していた応接室にやって来た。
応接室では、丹羽社長とお父さんが和かに会話をしていた。

「社長。
詩織さんをお連れしました。」

「詩織さん。
こちらに。」
私は両親の隣に座った。

「ご両親とお話しさせて頂いて、契約内容には問題無いと言う事で最後は詩織さんの意志に任せると言う事ですので、少し話しをしましょうか。」
美穂さんに連れられてお父さんとお母さんは部屋を出ていった。

「契約の内容を話しますね。
先ず、3ヶ月は仮契約でボイスレッスンやダンスレッスン、演技の練習などをして貰います。
3ヶ月後から本契約を交わします。
会社としては、女子高生シンガーとしてデビューかグループのボーカルとしてのデビューを考えています。
詩織さんの成長を見てこちらで精査します。
給料面ですが、3ヶ月は固定月給で15万。
3ヶ月後は基本給18万と活動により歩合制として支給します。
報酬については、詩織さんの活躍次第見直していきます。
移動や宿泊などの経費は全て会社が負担します。
仕事に関しては、こちらから出勤を要請します。
学校もありますから、仕事は基本的に土日と昼からになりますね。
ですが、学校側とは会社から連絡をして休みをとってもらう事もあると思いますので、覚えておいてください。
大まかな内容はこんな所で、細かい所は契約書に書いてある通りです。
時間を差し上げるので、一読してください。」

「はい。
わかりました。」
私が契約書を読み始めると丹羽社長は退席した。

契約書には細かく待遇であったり、報酬のこと、福利厚生や必要な事が事細かく書かれていた。
特に問題ある事は無さそうだ。
お父さんとお母さんも読んで大丈夫だと思った筈。

頃合いを見て丹羽さんが部屋に入って来た。

「読みましたか?」

「はい。」
丹羽さんは私の前に座った。

「決して悪い条件ではないと思います。
詩織さんが頑張れば見返りも十分ありますし、是非とも契約してもらいたい。」

「はい。
よろしくお願いします。」

私は株式会社ニワプロダクションと契約を交わした。
最初は週に2回ほどレッスンに通う。
学校もあるので土曜日か日曜日を入れて平日は行けそうな時に学校が終わってから通う。

芸能界は男尊女卑の世界と美穂さんに言われたけど、もしかすると芸能界にあの人、もう1人の転生者も居るのも知れない。
もしそうだとすると、直接的に会う事も想定しておかなくてはいけない。
私はこの世界をレディーファーストに変える事を目指す。

お母さんもお父さんが丹羽さんとどんな話しをしたのか気になる。

帰りの電車の中で。
「お父さん。
丹羽社長とどんな話ししたの?」

「気になるのか?
契約書の説明と詩織に対する丹羽社長の想いを話されていたよ。
凄く情熱的な方だな。
心配なのは、芸能界は男性が活躍している業界だけに詩織に対する強い風当たりもあるだろうとおしゃっていた。」

確かに美穂さんの話と合致する。
どれくらいの影響を私に与えてくるのか、不安な要素もあるが、私の絶世の美少女に進化したスキルの効果を試す良い機会になる。


数日後、丹羽社長に事務所に来て欲しいと連絡が来た。
急な呼び出しだが、夏休みなので特に問題はない。
社長はラフな服装で良いよと言っていた。
と言う事は、打ち合わせとかなのだろう。
「さあ~てと、何を着ようかな~。」
ラフって普段着でいいって事よね?
普通のTシャツとデニムミニのスカート、キャップにスニーカーと言う組み合わせ。

事務所に着くと、入り口で美穂さんが待っていた。

「詩織さん。
おはようございます。」

「おはようございます。」
ひと通り挨拶を交わして事務所に向かった。
5階の事務所に入って、中にある応接スペースに案内されると中にはテーブルと椅子があり、簡易的な打ち合わせが出来る様になっている。

椅子に座って美穂さんも私の隣に腰掛けた。
ノートパソコンを開いて立ち上げている。

「急に呼び出してしまってごめんなさいね。
詩織さんのデビューの事について、相談があるの。」

「はい。
もうデビューですか?」
レッスンやダンスやら演技なども何もしてないのに、デビューの話が先に来るとは思わなかった。

「正確にはデビューに向けての準備をする為のお仕事をして貰う事になります。」

話を始めると、部屋のドアが開いて丹羽社長が入って来た。
「おはようございます。
詩織さん。
ご苦労様。」

「おはようございます。」
私は立ち上がって会釈をした。

「彼女から聞いたと思うけど、良い話があってね。
お願い出来ないかと言う事で来てもらったんだけど。」
丹羽社長は終始笑顔で優しく話している。

「マーサ・遠藤は知ってるかしら?」

「あ、知ってます。
ブルームーンのギターリストですよね?
最近はプロデュースも精力的にこなしていて、プロデュースしたボーイズグループのラストワンは今大人気ですよね。」
今の高校生には絶大な人気を得ているラストワンはオーディションでメンバーを決めていく様子をネットやテレビで放送して成長していく過程や仲間との絆を深めていく様子が多くの若者の心を掴んだ事は間違いない。

「そのマーサさんが今度はガールズグループを作る事を公開したのよ。
そのオーディションに詩織さんに出て欲しいの。」

「え?オーディションを受けるんですか?」
確か、このオーディションは募集を締め切っているはずだ。
テレビで募集を始めたのは春頃。
近々オーディションが始まると思うんだけど。

「まあ、オーディションと言っても、詩織さんはうちの事務所からの推薦枠だから絶対に一次審査は通過するよ。
そして、最終までは残る。
でも、そのガールズグループには残らない。」
淡々と社長は話す。
美穂さんも私に視線を向けて静かに社長の話しを聞いているようだ。

「………。オーディションを受けるのが仕事なんですね?」
何となくだが、社長や美穂さんの言いたい事は理解できた。
恐らくそのオーディションは絶対に世間の注目を浴びる。
その事が重要なのだろう。

「理解が早くて助かるよ。」
社長の意図する所はそう言う事だと確信した。

「詩織さんが最終まで残るのはシナリオとしてマーサさんと打ち合わせ済みなの。
その後、デビューを考えてるわ。
オーディション番組でレッスンをして貰えるから一石二鳥なのよ。」
なるほど、オーディションにはレッスン風景は付き物。
そこで自己も高められた上に名も売れる。
一石二鳥どころの話でない。

「上手くいけば、詩織さんにもデビューする前からファンがつく事も予想できる。
世間の後押しを得てデビューという可能性も有ると思うんだ。」

「わかりました。
私、やります。」
どんな結末になるかは、自分次第。
人生を楽しむつもりでいろいろな事にチャレンジしてみたい。
この経験が私を大きくしてくれる気がした。
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