毒舌アイドルは毒の魔物に転生する。

馳 影輝

文字の大きさ
99 / 158
第十二章 最悪のノエル

第九十九話 苦悩するノエル

しおりを挟む
保健室のベッドで眠っていたノエルは、やがてゆっくりと目を開けた。
見慣れぬ天井──そして自分が寝かされていることに気づく。

「目が覚めたみたいね」

ベッド脇の椅子に腰かけていたのはティアだった。

「……何だ。
笑いに来たのか?」
ノエルは不機嫌に顔を背ける。

「え?
そんなわけないでしょ」
ティアは軽く笑う。
「さっきまで同じクラスの子たちが心配してここにいたけど、下校時間だから代わりに私が残ったのよ」

「クラスメイト……?
なぜだ。
何故そいつらがここにいた?」

「あなたを心配したからに決まってるじゃない」

「……何故だ?」

「それは、自分で聞いてみたら?」

「バカな!
俺がそんなこと聞くわけないだろう!」

ティアは小さく肩をすくめる。
「でも、心配かけたんだから『ごめん』くらい言った方がいいと思うよ。
みんないい子たちじゃない。
あなたをここまで運んでくれたんだから」

「……俺はそんなこと頼んでないぞ!」

「そうね。
でも、それが“友達”ってものよ」
ティアはふっと微笑み、立ち上がった。
「もう私は帰るから。
あなたも早めに休みなさい」

そう言い残し、保健室を後にする。

ベッドに残されたノエルは、吐き捨てるように呟いた。
「……友達?
だと……。
何だそれは……!」
理解できない苛立ちが胸を掻きむしる。


翌朝。

登校途中のティアとメリルは、前方を歩くノエルの姿を見つけた。
背中は丸まり、元気なく俯いている。

「ねえ、あの子」

「そうね。
元気ないわ」

ティアは足を止め、メリルに微笑む。
「ごめん。
ちょっと声かけてくる」

「うん」

ティアはノエルに追いつき、隣に並んだ。

「おはよう。
元気なさそうね」

「構うな……俺はお前が嫌いだ」
ノエルは吐き捨てるが、その声には力がない。

「嫌われちゃったか。
まあいいけど」
ティアは悪びれず微笑む。
「で、どうしてそんなに元気ないの? 
昨日までの威勢はどこに行ったの?」

「うるさい……どんな顔でクラスに行けばいいのか考えてただけだ」

「ああ、恥ずかしいのね」

「そ、そんなわけあるか!」
ノエルは慌てて否定する。
「クラスメイトが……何を考えてるのか分からないんだ。
困ってる」

「何が分からないの?」

「……なぜ俺を保健室まで運んだ? 
なぜ待ってた? 
謎だらけだ」

ティアは目を瞬かせ、そして柔らかく笑った。
「クラスメイトが倒れたら保健室に運ぶのは普通でしょ? 
友達が目を覚まさなければ心配にもなる」

「普通……?
心配……? 
何故そこまでする必要がある」

「ふふ、あなた複雑なのね。
分かった」
ティアは指を一本立てる。
「教室に入ったら『昨日はありがとう、迷惑をかけてごめんなさい』って言えばいいのよ。
きっとみんな喜ぶわ」

「なぜ俺が礼を言う必要が……? 
あいつらが勝手にやったことだろう」

「それでも、何かしてもらったら『ありがとう』って言葉にするのが大事なの」

ノエルはしばらく黙り込み、やがてぼそっと呟いた。
「……覚えてたらな」

そう言い残し、彼は駆け足で教室へ向かっていった。

少し遅れて追いついてきたメリルがティアに声をかける。
「ティア、どうだった?」

「うん……あの子、ちょっと複雑なものを抱えてるわ。
今は見守るしかないかも」

「そうなんだ」

ティアは複雑な思いを抱えたまま、学園の門をくぐった。

ティアはノエルのことが気になり、こっそり後をつけていた。
ノエルは校舎の裏庭に出ると、ひとつ椅子を見つけて腰を下ろす。
そして、聞き取れないほど小さな声で何かをぶつぶつと呟き続けている。

(……練習してるのね)
ティアは微笑を浮かべたが、それ以上は近づかず、じっと様子を見守った。

十分ほど経ったころ、ノエルは急に立ち上がり歩き出す。
ティアが後をつけていることにはまるで気づかない。
それだけ彼は、自分の中の葛藤に必死で向き合っているのだろう。

「まったく、何をしてるのかしら」
小さく呟くティア。

ノエルは廊下でもなお、小さな声で言葉を繰り返し練習していた。
やがて彼は一年三組の教室の前まで来て、足を止める。
拳を握りしめ、動けずにいる。

(頑張れ……!)
ティアは心の中で強くエールを送った。
彼のプライドを考えれば、手を出すことなどできない。
あとは自分で踏み出すしかない。

ノエルは重い足取りで、ついに教室の扉を開けた。

「お! ノエル! 
大丈夫だったか!」
「心配したんだぞ!」
「お前すげえよ! 
あのティア先輩に決闘なんて!」
「マジ勇者だな!」

クラスメイトたちが一斉に笑顔で駆け寄り、彼を囲む。

廊下の陰から覗き見ていたティアは、そっと息をついた。
「ふふ……いい子たちね。
これなら心配はいらないかしら」
そう呟いて、自分の教室へと戻っていった。

一方その教室の中で、ノエルは俯いたまま震える声を吐き出す。
「……お前ら! 
なんで俺を保健室に運んだんだ! 
なんで待ってたんだ!」

突如の大声にクラスメイトたちは一瞬きょとんとしたが、すぐに笑顔で口々に返した。

「何言ってんだよ! 
当たり前だろ!」
「友達が倒れてたら助けるの、当然じゃん!」
「そうそう! 
みんな心配してたんだよ。
目が覚めなかったらどうしようって!」

その言葉に、ノエルの胸が大きく揺さぶられる。
理解はできない。
けれど、自分を気遣う気持ちだけは痛いほど伝わってくる。

そして──。
「あっ……あ、ありがとう……!」
ノエルは顔を上げ、大声で叫んだ。

それは生まれて初めて、人に感謝を伝えた瞬間だった。

「気にすんなって!」
「お前はクラスの英雄だぜ!」
「勇気あるよな! 
私なら絶対ムリ!」
「三組だってバカにしてる一組二組に、一矢報いた気分だぜ!」

笑顔で肩を叩き、笑い合うクラスメイトたち。
ノエルは呆然としながら、その温かさを全身で受け止めた。

「……英雄? ……なのか」

その意味はまだ分からない。
けれど、皆の向ける笑顔には、不思議と誇らしさが宿っているように思えた。

ノエルは意を決して、近くにいた男子クラスメイトに声をかけた。
「……おい。
さっき言っていた“一組と二組に一矢報いた”って、どういう意味だ?」

男子は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑みを浮かべて説明を始める。
「そうか、ノエルは知らないのか。
この学園はな、成績や魔力量、それにレベルの高さで一組から五組まで振り分けられてるんだ。
一組はトップエリートで、成績も優秀、魔力量も桁違いさ」

「そうだったのか……。
じゃあ、そのレベルって高いやつはどのくらいなんだ?」

「一組は平均で150以上。
二組は120以上だな。
三組以降は大体100から80ってところだ。
俺たち三組にも、まれに“限界突破”してレベル100を超える奴がいるけど……普通は99止まりだ」

ノエルの眉がぴくりと動いた。
「何を言っている。
レベルは99が上限のはずだろう?」

「まあ、一般的にはな。
でもこの学園に入ってくるような連中は、ほとんどが“突破者”か、突破を目指して修行してる奴ばかりだぜ」

「あり得ない……! 
99以上のレベルが存在するなんて……!」

「そうでもないんだよ。
研究記録じゃ、人間の最高到達点はおよそレベル500だって言われてる。
大賢者フェルンは480まで行ったって記述があるし、前任の勇者ロディアスは確かレベル500だったはずだ」

「……っ、なんてことだ……!」
ノエルは思わず頭を抱えた。
自分の知る“常識”が一瞬で崩れ去っていく。

男子は肩をすくめて続けた。
「まあ、人にはそれぞれ限界があるらしい。
修行しても130くらいで止まる奴もいれば、100に達した時点で上がらなくなる奴も珍しくない。
全員が英雄級に強くなれるわけじゃないさ」

「……うう……。
なんて世界だ……」
ノエルは混乱に目を回しそうになりながらも、なんとか踏みとどまる。

そして、恐る恐る口にした。
「……ちなみに……その、ティアという先輩は……レベルいくつなんだ?」

男子は苦笑いを浮かべ、首を振った。
「それが分からないんだ。
どんなに優秀な鑑定士でも、ティア先輩のステータスは見えないらしい。
噂じゃ……五百はあるんじゃないかって言われてる」

「な……!」

ノエルの顔から血の気が一気に引いていった。
自分が“レベル99”を誇りにしていたことが、急にちっぽけで愚かに思えてしまう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

処理中です...