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第一部 地球編
13 責任 (レッドマジシャン目線)
しおりを挟む「お願い助けて!お願い!」
悲痛な叫びが、私の頭の中でリフレインしていた。そして誰かに抱えられる感覚と共に目が覚めた
「えっ!サンストーン?」
サンストーンが何かを喋ったが、感覚がおかしく何も聞き取れない。だが、サンストーンが指差した方を見て全てを察した。暴走したんだ。そのあとガントンが国連に向けて放った弾で、建物が崩壊した。トリックスターに連絡しないと、ビーストソウルとの約束守らないと
「彼に連絡する!」
ビーストソウルは、今度はクラーケンになった。でかい魔物が、私達を数本の足で殺しにかかってる。CAの連中はどさくさに紛れて消えていた
「コンピューター!トリックスターに連絡!」
早く出て!お願い!
「繋がりました」
「トリックスター!今すぐこっちに応援に来てくれない?ビーストソウルが・・・」
ぶっとい足が飛んできた。私は急いで避ける
「何?」
「ビーストソウルが暴走した」
「こっちもヤバい状況なんだ。行けたら行く」
そっちも襲われたの?また足が飛んできた。能力が底をもうついてるが、最後にやらないと
「『トリックスターの能力』」
トリックスターが飛んで来れる用のボールを取り出しその場に置いた
「レッドマジシャン!彼はどうしたの?」
スノーメロディーが、氷壁で防御しながら叫んだ
「暴走したんだ!」
答えたのは、私ではなくサンストーンだった
「ビーストソウル!お前に随分前に残した伝言は覚えてるか!」
伝言?あっ!初任務から帰ったときの
「お前を暴走させてしまったのは、教官だった俺が、お前に無理させてしまったのも原因の一つだろう。そんな能力の副作用があると知らずに、経過観察をせずに!悪かった。だから、お前の教官として・・・師匠としてお前を元に戻してやる!たとえこの命落とそうと」
今度はヤマタノオロチに変身した。クネクネと八つの蛇が這い回ってる。唸り声が聞こえてくる。ヤマタノオロチは私達を丸呑みにしようとしたり、食い殺そうとしてる
「サンストーンだけじゃない!私もあなたの友として、家族として。正気に戻す!」
私に殺させないで、ビジョン通りになっちゃう。その時、さっき置いたボールがトリックスターに変わった
「はぁはぁ・・・来れた」
トリックスターは周りをキョロキョロ見てる
「どうなってる?みんなは無事なのか?」
ヤマタノオロチがトリックスターの方に向かった
「えっ何で?あっ!ビーストソウルか」
ヤバい!私とスノーメロディーはトリックスターの方に走った
「うわ~来るんじゃなかった」
私はトリックスターを引っ張り、スノーメロディーはヤマタノオロチの前方に氷の壁を出したが、突き破られた
「トリックスター。来てくれたのね」
「どうしてこうなった?」
私はCAと戦って気絶していたところまで話した。その間スノーメロディーとサンストーンがビーストソウルの相手をしてたが、全く歯が立ってない
「あなた能力は後どれくらい?」
「十メートル位の転移なら一回、物を出し入れするのは合計で四回ほど。移動してくるのに、すごい使った」
「私は、もう残って無い。次攻撃が直に当たったら多分死んじゃう」
「どうやって正気に戻す?」
「策はビーストソウルが初任務の後に話した時から考えてるけど、今出来るのは四つあるわ。サンストーン!スノーメロディー!作戦を!トリックスターは援護して」
「『解』」
トリックスターが閃光弾を投げて、目眩まししてる間に、二人が戻ってきた
「ダメだ。皮膚が硬くて刃が通らないぞ」
「今から私が四つの作戦を言うから、最善を考えましょ。一つ目は精神的に語りかける。王道冒険ファンタジーで仲間を説得するありきたりな感じで。二つ目は彼を半殺し程度にボコボコにして、能力消費をさせて元に戻す。三つ目はトリックスターが私達が初任務でエイリアンを倒した時に手に入れた、相手の脳に侵入できる女の血を取り出し、私がそれを飲み、彼の頭に入り込んでどうにかする。四つ目が撤退して他の誰かに処理させる」
三人とも真剣に聞いてたが、私が話した全ての策には、それぞれ欠点があった。みんなそれに気がついた
「ちょっと待ってよ。精神的に語りかけるって、こっちの身が持たないわ。私達の居場所を殺そうとしてくる人に教えるのだから」
「三つ目の策は僕は反対だ。君はもう能力残って無いし、テュールの能力を取り込んで五人分の負荷がかかってるのに、六人にするなんて、君の体が持たない」
「二つ目も酷い策だな、お前らしくない。四人とももう能力がそんなに残って無いし、万全の状態で戦っても負ける。お前も分かるだろ!真の戦士・・・」
「真の戦士とは、相手と対峙しただけで、自分と相手のどちらが強いか感じられ、どれくらいの差があるか把握できる人」
「そうだ。お前と島流しになった組手の時に教えたよな」
「そうね。あの感じだと負けるわ。落ち着かせないと。四つ目も最悪、撤退なんて。彼を助けるのに相応しい人は、ここにいる四人しかいない」
私が中途半端な策を出してる間に、ビーストソウルがこっちに来た。みんな一斉に散らばった。ビーストソウルは今度は、四足歩行の大きなドラゴンの姿になった
「僕に案がある!」
真剣な顔だった
「僕が駆けつけられるように渡しておいたボールをビーストソウルはいつも胃の中に入れてあるんだ。動物の力を使ってさ」
えっ!あいつ体内にしまってるの?
「外から攻撃が効かないなら内側から攻撃するんだ。あいつ体が大きいから内蔵も大きくなるだろう。僕がワープできるスペースは十分だ。数メートルまで近づいて胃の中入って切り刻むから。誰かが、僕が通信したらあいつに数メートルまで近づいて、僕が帰ってこれるようにして」
「残ってるの?」
「多分大丈夫だ。で誰が?」
「俺がやろう。師匠としてのけじめだ」
サンストーンが袴の内側から小さなボールを取り出した
「そして、体内の傷を再生するために能力を使わせて変身能力を解くんだ。その間レッドマジシャンは精神的に語りかけて。落ち着くか分からないけど試してみてくれ」
私は頷いた
「分かったわ。スノーメロディーは、ラストに全能力使ってとっておきの一撃ぶちこんで!彼が年上だからって容赦はしないで」
全員が顔を見合わせた。みんな死を覚悟してた。それぞれ自分の役割をまっとうするために動いた。私はドラゴンの背中に飛び乗り。スノーメロディーは物陰に隠れ音叉使って集中し、じっとしてた。トリックスターはドラゴンの真正面から突撃し、ドラゴンが攻撃してきた瞬間に消えた。消えるのと同時に、サンストーンがドラゴンの前に躍り出て、攻撃を避けながら距離を詰めている。私も自分の仕事をしないと
「ビーストソウル!あなたは誰よりも強い心の持ち主よ!まだ私達が組織に入る前の小学生だった頃、一時間目から六時間目まで熟睡して、先生が起こそうとしても起きず。最後には校長室に保護者と共に呼び出されても、何も改心しないような強靭的な精神力を昔から持っていたじゃない!こんなことで自分自身に負けたりなんかする人じゃない!」
言い終わるのと同時に、ビーストソウルは咆哮を上げた。そして口から吐血した後、毒を吐き散らし唸ってる。毒をサンストーンは必死に避けている。トリックスターが内側から攻撃したんだ。そして、サンストーンがボールを投げた。一秒後トリックスターが血まみれで現れた
「負けるな!ビーストソウル!負けるな!闘え!」
サンストーンはそれだけ言った後、トリックスターをかばって、直で攻撃を受けた
「あなたは誰にでも優しい人。大丈夫!みんな暴走なんて気にしてないわ」
私は背中を擦りながらそう語りかけた。呼吸が少し落ち着いたようだ。そうしてる間に、出血してるサンストーンが戻ってきた
「『火流』」
サンストーンが火を吹き、ドラゴンの顔面に当てた。ビーストソウルは叫び声をあげてる。背中にいる私も火傷しそうだ
「辛かったわね。あなたの苦しみ少し分かるわ、私もあなたの能力使う度に、壊れそうだもの。よく一人でここまで耐えれたわね。尊敬するわ」
ドラゴンの動きが止まった。とても熱いのにじっとしてる。今なら戻せる
「今よ!」
サンストーンが火を吹くのを止めるのと同時に、ビーストソウルの前にスノーメロディーが現れた。ビーストソウルには、炎で見えなかっただろう。スノーメロディーは振りかざしてた拳で殴った。私は同時に飛び降りた
「『f』」
ビーストソウルは真後ろに吹っ飛び、横に倒れた。そして、徐々にビーストソウル本来の姿に戻った。私はすぐに駆け寄り、強く抱きしめた。ビーストソウルはかすれた声で
「僕の手で大切な人たちを殺さないで良かった」
その言葉を聞いて、口角が上がった
「私には、ビジョンという保証があるから死なないわよ。まぁ未来変わってれば別だけど」
「前から思ってたんだけどさ。君の前で死んだだけで君が殺してる訳じゃないだろ?」
「否定も肯定もできないわ」
次の瞬間、トリックスターが飛び込んできた。まずい聞かれた?そんな心配は無用だった
「心配させんなよ!君が死んだら、一緒に馬鹿やってくれる人がいなくなる」
「来てくれたのか?ベルギーにいたはずだろ」
どんどん声がかすれていってる
「もう喋らないで!コンピューター!応援を」
スノーメロディーとサンストーンも駆け寄ってきた
「良かった」
「生きてたか、まぁ俺が育てたからな」
スノーメロディーは安堵の表情をしてた。サンストーンはもっといい言葉あるだろと私は思ったが、ビーストソウルは笑ってた。きっとこの二人はお互いをよく知ってるのだろう。サンストーンが強がってるのを
「サンストーン。笑わせないでよ!前に暴走したら僕を殺して、切腹するって言ったじゃん」
「そうだな。だったら俺は嘘をつくことになったな」
その言葉を言い終わるのと同時に、寝息が聞こえた。サンストーンもその場に倒れた
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