26 / 160
第一部 地球編
23 師匠と弟子
しおりを挟む
カーナとレッドマジシャンのA.C.T からの逃亡事件から一週間が経っていた。A.C.T の上層部の方々はさらに上の組織の人達にこっぴどく怒られ、CAの壊滅を約束させられていた。サンストーンとセンスが必死になって日夜アジトを探してくれているが、CAの面々は途中で行方が分からなくなるように動いたりしてるのでアジトまで追えてなかった。また、アジトが世界中のどこにあるのか分からないので見つけるのに苦労してるらしい。それに一ヶ所に留まってないかもしれないし、複数アジトがあるかも分からなかった。マスターウェザーはそんな状況を見て
「流石です。上手く影に溶け込んでますね」
と相手を誉めていた。A.C.T が本気出せば、一日で見つかると思ってた戦士の何人かは元同僚達の恐ろしさを思い知っただろう
一方レッドマジシャンとカーナはポーランドにあるナチスドイツが掘った地下トンネル、リーゼに滞在していた。昔はA.C.T の隠れ家の候補になったこともある場所だが、黄金列車の伝説のせいで一般人が来るかもしれないと危惧したマスターウェザーが却下していた。だからあえてそこに隠れていた。トリックスターが連絡事項があれば来ると言ってたが、レッドマジシャンと仲良くしてた彼とビーストソウルは行動を常時見張られるようになったので、簡単に会いに行けるような状態ではなく、連絡も無いまま息を潜めてじっとしてた
「ここは安全なのカーナ?」
「分からないわ。ここに来るまでの乗り物は居場所がバレないように上手く処分したけど・・・後は仲間が上手くやるまで信じて待ちましょう」
「時間も有り余ってるし、黄金列車見つけにいく?」
「こんな時でも冗談言えるなんて・・・サンストーンだったらどんな行動すると思う?」
「素振りを永久的にしてるでしょ。ていうか、何でサンストーン?まさか!」
カーナは少し照れてた
「ご想像通りよ。彼の事は28年前、私が12歳の時から好きなの」
カーナはサンストーンに一目惚れしたとしても、恋愛禁止の掟をしっかりと守って過ごしてきた
「あの人すごく変わってるけど何で好きになったの?」
「28年前。私がまだ上手く能力を使えてなかった頃。私は兵士隊だけではなく、戦士隊からも怖がられてたの。そんなある日。勇戦班の一人が私の事を・・・」
カーナは少し言葉が詰まってしまった
「言いたくないなら言わなくても」
「歩く死神。そう、目の前で罵声を浴びせてきたの。泣き虫だった私が泣きながら、訓練生部屋に戻ると、同じく訓練生だったサンストーンが事情を知って、飛び出していったの。私は後日、知らされたんだけど、サンストーンは罵声を浴びせた人物を炎で炙り始めて、私を虐めたことを酷く怒ったの。しかも、その人物だけじゃなく、いつも陰で私のことを悪く言ってた人達まで攻撃し始めたの。兵士だけじゃなく戦士隊の先輩方も」
「流石です!A.C.T 随一の正義感を持った男で、最も狂ってる男!」
「その件をマスターウェザーは、彼の行いを誉めたのと同時に、二度と周りから悪く言われても手を出さないことを誓わされたわ」
「昔にそんなことあったなんて」
「そんな誰よりも、ぶれない正義感を持って。自分の正義を実行するのに迷走しすぎてしまった男に一目惚れしちゃったの」
「A.C.T 抜けたんだから、恋愛禁止じゃなくなったわよ」
カーナが笑みを浮かべた
「私はそうだけど、彼は違うわ。それに、もうオバサンだから・・・」
「その見た目でオバサンなんて、地球上の女性達に謝ったほうがいいわよ。それに人を愛するのに歳なんて関係ないでしょ?」
「そうよね!」
マスターウェザーは大西洋上空を横断中だった。理由はルーマニアの支部に用があっていたが、途中でサンストーンからCAの本拠地をメキシコで見つけたとの報告を受けたからだ。マスターウェザーは本拠地が見つからないことを心の奥で思ってしまっていた。なぜなら見つけたなら拘束しなければならず、そのためには本当の子供のように育ててきた人達と戦わなければならなかったからだ。メキシコの支部に着くと、サンストーンと共にCAを探していたセンスと合流した。センスは探知能力を使うことができて、捜索任務によく駆り出していた
「センス。報告してください」
「奴らは廃村の教会をアジトにしていました。ポルターガイストが出るということで、近隣の住民は近づいてないそうです」
「ポルターガイスト被害。ゴースの仕業ですか・・・」
「恐らく」
「どうやって探しました?」
「一般人が近づかず、都市部に近く、裏社会の奴らを操りやすい国。そして最近、見慣れない様々な人種の人達を見なかったかと聞き込みました」
センスの靴がボロボロだった
「そして自分の能力を使って見つけました」
「よく頑張りましたね」
「お褒めに預かり光栄です」
「サンストーンが今は見張ってるのですね」
「えぇ」
「戦士隊全員を集めてください」
センスが少し驚いた顔を見せた
「全員ですか?」
「えぇ。全員です」
「了解。兵士隊は?」
「彼らには関係のない問題です。それに戦士隊でも死人がでるかもしれません」
「カーナとレッドマジシャンの件は聞きました。彼女達は?」
「呼んでください」
「一斉に奇襲でも?戦争でも始める気ですか?」
「攻撃ではなく救済ですよ」
「すぐに召集します」
センスはそういうとマスターウェザーの目の前から消えた
トリックスターは、メキシコに行く前にレッドマジシャンとカーナに会いに行った
「マスターウェザーが二人を呼んだよ。どうやらCAを壊滅させるつもりらしい」
「これで私の容疑を晴らすことができるの?」
「多分な」
「けど私達はコスチュームを置いてきてしまったわ。武器と言っても、レッドマジシャンがストックしてたのしか」
「そういうと思ったので持って来ましたよ『解』」
トリックスターがコスチュームを取り出して二人に渡した。そしてレッドマジシャンの方を向いて
「君のは同じものを作り直したよ。そしてもうひとつあるよ。『解』」
赤みがかった日本刀を取り出した。レッドマジシャンは受け取ると、鞘から刀を取り出して、じっくり見始めた
「前の紅陽が折れちゃただろ?アルレットが渋々、新調してくれたよ」
レッドマジシャンが素振りをしだした。軽く刀を振って
「前のほうが好きだったわ。手に馴染んでいて」
「それは思い出も含めてだろ?ちなみに僕の武器もダメになったから、君と色違いのを新調してくれた。『解』」
黒色の日本刀を取り出した
「あとビーストソウルも白色の日本刀を」
すると見ていたカーナが
「日本刀ね~。折れやすいし、刃こぼれしやすいから嫌いなのよね」
「けど切れ味は良いわよ。それに刃こぼれは使い手によるわ」
「あぁそうだ。アルレットが頼むから折らないでくれよ。と」
「武器なら他にもストックしてたのに。まぁ最悪次折れたら、自分で打ちます」
「それでどこ行くの?」
「メキシコ」
「CAは全員集まったの?」
「センス!」
「あぁ。全員やっと集まった」
A.C.T の戦士隊は全員召集がかかり、CAが全員集まる機会を狙って待機をじっとしていた
「全員武器を持て!」
マスターウェザーがそう叫んだ。いよいよ殺し合いが始まることを聞いてた全員が震えていた。その震えは恐怖心からではなく、武者震いのほうだった
「できるなら殺すなよ。確保しろ!」
A.C.T の戦士全員が動いた。先陣をきったのはマスターウェザーとハンドジェットだった。それぞれの能力に合わせて戦士達は役割を別けられていた。例えば、敵の位置を把握しみんなに伝えるためのセンスや、自分の能力を削った分だけ、味方の運動能力を上げることのできるジャンヌは教会から少し離れた場所で待機してた。A.C.T 側は被害を最小限にして戦おうとしていた
CAは定例会議の為に廃村にある教会に全員集まってたのが数分前。いざ会議を始めようとしたところ、マスターウェザーとハンドジェットが物凄いスピードで飛び込んできた。誰も奇襲を受けると思ってなかったので、みんな反応が遅れた
「敵襲だ!」
誰かが叫んだが遅かった。マスターウェザーの能力は強力だ。経験の浅いコールドアイの頭を壁に打ちうけて気絶させた。ハンドジェットは体の大きさを変えられるフィートに攻撃を仕掛けたが、フィートのほうが先に巨大化した。フィートが巨大化したせいで、教会は元々古いのもあるが崩れていった。CAは急いで退避した。マスターウェザーは気絶させたコールドアイを連れて建物から逃げた。一番逃げるのが速かったのがクイックで、マスターウェザーとハンドジェットが入ってきたと同時にもう動いてた。CAが外に逃げるとA.C.T の面々と鉢合わせになった。みんなそれぞれ因縁がある相手と戦いたかったかもしれないが、今はそんなことを言えるやつが一人もいなかった
マスターウェザー対ガントン&プチューン。レッドマジシャン&スノーメロディー&ケイナン対クイック。タンク&ヘドロ対フィート。カーナ対アフィネ。サンストーン&ソーン対テュール。トリックスター&ハンドジェット対ゴース。ワイルドエコー&エスプーマ対ディスガイズ&バルドル。ビーストソウル&ヒラン対オールロード。気絶中のコールドアイ。そして後方支援に回ったセンス、ジャンヌ、ブルズアイの地球最強達による殺し合いが始まる
「流石です。上手く影に溶け込んでますね」
と相手を誉めていた。A.C.T が本気出せば、一日で見つかると思ってた戦士の何人かは元同僚達の恐ろしさを思い知っただろう
一方レッドマジシャンとカーナはポーランドにあるナチスドイツが掘った地下トンネル、リーゼに滞在していた。昔はA.C.T の隠れ家の候補になったこともある場所だが、黄金列車の伝説のせいで一般人が来るかもしれないと危惧したマスターウェザーが却下していた。だからあえてそこに隠れていた。トリックスターが連絡事項があれば来ると言ってたが、レッドマジシャンと仲良くしてた彼とビーストソウルは行動を常時見張られるようになったので、簡単に会いに行けるような状態ではなく、連絡も無いまま息を潜めてじっとしてた
「ここは安全なのカーナ?」
「分からないわ。ここに来るまでの乗り物は居場所がバレないように上手く処分したけど・・・後は仲間が上手くやるまで信じて待ちましょう」
「時間も有り余ってるし、黄金列車見つけにいく?」
「こんな時でも冗談言えるなんて・・・サンストーンだったらどんな行動すると思う?」
「素振りを永久的にしてるでしょ。ていうか、何でサンストーン?まさか!」
カーナは少し照れてた
「ご想像通りよ。彼の事は28年前、私が12歳の時から好きなの」
カーナはサンストーンに一目惚れしたとしても、恋愛禁止の掟をしっかりと守って過ごしてきた
「あの人すごく変わってるけど何で好きになったの?」
「28年前。私がまだ上手く能力を使えてなかった頃。私は兵士隊だけではなく、戦士隊からも怖がられてたの。そんなある日。勇戦班の一人が私の事を・・・」
カーナは少し言葉が詰まってしまった
「言いたくないなら言わなくても」
「歩く死神。そう、目の前で罵声を浴びせてきたの。泣き虫だった私が泣きながら、訓練生部屋に戻ると、同じく訓練生だったサンストーンが事情を知って、飛び出していったの。私は後日、知らされたんだけど、サンストーンは罵声を浴びせた人物を炎で炙り始めて、私を虐めたことを酷く怒ったの。しかも、その人物だけじゃなく、いつも陰で私のことを悪く言ってた人達まで攻撃し始めたの。兵士だけじゃなく戦士隊の先輩方も」
「流石です!A.C.T 随一の正義感を持った男で、最も狂ってる男!」
「その件をマスターウェザーは、彼の行いを誉めたのと同時に、二度と周りから悪く言われても手を出さないことを誓わされたわ」
「昔にそんなことあったなんて」
「そんな誰よりも、ぶれない正義感を持って。自分の正義を実行するのに迷走しすぎてしまった男に一目惚れしちゃったの」
「A.C.T 抜けたんだから、恋愛禁止じゃなくなったわよ」
カーナが笑みを浮かべた
「私はそうだけど、彼は違うわ。それに、もうオバサンだから・・・」
「その見た目でオバサンなんて、地球上の女性達に謝ったほうがいいわよ。それに人を愛するのに歳なんて関係ないでしょ?」
「そうよね!」
マスターウェザーは大西洋上空を横断中だった。理由はルーマニアの支部に用があっていたが、途中でサンストーンからCAの本拠地をメキシコで見つけたとの報告を受けたからだ。マスターウェザーは本拠地が見つからないことを心の奥で思ってしまっていた。なぜなら見つけたなら拘束しなければならず、そのためには本当の子供のように育ててきた人達と戦わなければならなかったからだ。メキシコの支部に着くと、サンストーンと共にCAを探していたセンスと合流した。センスは探知能力を使うことができて、捜索任務によく駆り出していた
「センス。報告してください」
「奴らは廃村の教会をアジトにしていました。ポルターガイストが出るということで、近隣の住民は近づいてないそうです」
「ポルターガイスト被害。ゴースの仕業ですか・・・」
「恐らく」
「どうやって探しました?」
「一般人が近づかず、都市部に近く、裏社会の奴らを操りやすい国。そして最近、見慣れない様々な人種の人達を見なかったかと聞き込みました」
センスの靴がボロボロだった
「そして自分の能力を使って見つけました」
「よく頑張りましたね」
「お褒めに預かり光栄です」
「サンストーンが今は見張ってるのですね」
「えぇ」
「戦士隊全員を集めてください」
センスが少し驚いた顔を見せた
「全員ですか?」
「えぇ。全員です」
「了解。兵士隊は?」
「彼らには関係のない問題です。それに戦士隊でも死人がでるかもしれません」
「カーナとレッドマジシャンの件は聞きました。彼女達は?」
「呼んでください」
「一斉に奇襲でも?戦争でも始める気ですか?」
「攻撃ではなく救済ですよ」
「すぐに召集します」
センスはそういうとマスターウェザーの目の前から消えた
トリックスターは、メキシコに行く前にレッドマジシャンとカーナに会いに行った
「マスターウェザーが二人を呼んだよ。どうやらCAを壊滅させるつもりらしい」
「これで私の容疑を晴らすことができるの?」
「多分な」
「けど私達はコスチュームを置いてきてしまったわ。武器と言っても、レッドマジシャンがストックしてたのしか」
「そういうと思ったので持って来ましたよ『解』」
トリックスターがコスチュームを取り出して二人に渡した。そしてレッドマジシャンの方を向いて
「君のは同じものを作り直したよ。そしてもうひとつあるよ。『解』」
赤みがかった日本刀を取り出した。レッドマジシャンは受け取ると、鞘から刀を取り出して、じっくり見始めた
「前の紅陽が折れちゃただろ?アルレットが渋々、新調してくれたよ」
レッドマジシャンが素振りをしだした。軽く刀を振って
「前のほうが好きだったわ。手に馴染んでいて」
「それは思い出も含めてだろ?ちなみに僕の武器もダメになったから、君と色違いのを新調してくれた。『解』」
黒色の日本刀を取り出した
「あとビーストソウルも白色の日本刀を」
すると見ていたカーナが
「日本刀ね~。折れやすいし、刃こぼれしやすいから嫌いなのよね」
「けど切れ味は良いわよ。それに刃こぼれは使い手によるわ」
「あぁそうだ。アルレットが頼むから折らないでくれよ。と」
「武器なら他にもストックしてたのに。まぁ最悪次折れたら、自分で打ちます」
「それでどこ行くの?」
「メキシコ」
「CAは全員集まったの?」
「センス!」
「あぁ。全員やっと集まった」
A.C.T の戦士隊は全員召集がかかり、CAが全員集まる機会を狙って待機をじっとしていた
「全員武器を持て!」
マスターウェザーがそう叫んだ。いよいよ殺し合いが始まることを聞いてた全員が震えていた。その震えは恐怖心からではなく、武者震いのほうだった
「できるなら殺すなよ。確保しろ!」
A.C.T の戦士全員が動いた。先陣をきったのはマスターウェザーとハンドジェットだった。それぞれの能力に合わせて戦士達は役割を別けられていた。例えば、敵の位置を把握しみんなに伝えるためのセンスや、自分の能力を削った分だけ、味方の運動能力を上げることのできるジャンヌは教会から少し離れた場所で待機してた。A.C.T 側は被害を最小限にして戦おうとしていた
CAは定例会議の為に廃村にある教会に全員集まってたのが数分前。いざ会議を始めようとしたところ、マスターウェザーとハンドジェットが物凄いスピードで飛び込んできた。誰も奇襲を受けると思ってなかったので、みんな反応が遅れた
「敵襲だ!」
誰かが叫んだが遅かった。マスターウェザーの能力は強力だ。経験の浅いコールドアイの頭を壁に打ちうけて気絶させた。ハンドジェットは体の大きさを変えられるフィートに攻撃を仕掛けたが、フィートのほうが先に巨大化した。フィートが巨大化したせいで、教会は元々古いのもあるが崩れていった。CAは急いで退避した。マスターウェザーは気絶させたコールドアイを連れて建物から逃げた。一番逃げるのが速かったのがクイックで、マスターウェザーとハンドジェットが入ってきたと同時にもう動いてた。CAが外に逃げるとA.C.T の面々と鉢合わせになった。みんなそれぞれ因縁がある相手と戦いたかったかもしれないが、今はそんなことを言えるやつが一人もいなかった
マスターウェザー対ガントン&プチューン。レッドマジシャン&スノーメロディー&ケイナン対クイック。タンク&ヘドロ対フィート。カーナ対アフィネ。サンストーン&ソーン対テュール。トリックスター&ハンドジェット対ゴース。ワイルドエコー&エスプーマ対ディスガイズ&バルドル。ビーストソウル&ヒラン対オールロード。気絶中のコールドアイ。そして後方支援に回ったセンス、ジャンヌ、ブルズアイの地球最強達による殺し合いが始まる
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
34
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる