トリプルクラッシュ ~3つの星の時空を越えた運命~

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第一部 地球編

27 安泰な世 (スノーメロディー目線)

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 あれは、A.C.T アクトが分裂する前のこと。エイリアンがG7の首都を破壊するという、宣戦布告をしてきたため、私とトリックスターはカナダの首都、オタワに向かった。私はトリックスターとは仲があまり良くはないので共闘できるか不安しかなかったが、オタワに着いて戦いの準備をしていると、オールロードが応援に来てくれた。オールロードはその人当たりの良さから、みんなから好かれていて、私とトリックスターがいがみ合ってると、いつも仲裁してくれた。だから、私もトリックスターもオールロードを失望させないように頑張って戦った。途中、エイリアンそっちのけでトリックスターと殺しあったけど・・・。若手三人ということもあり、それなりに苦戦をし都市は半壊ではなくほぼ全壊したが、エイリアンは倒すことができた。エイリアンとの戦いで疲れ果てた私は冷たい道路の真ん中に仰向けで寝てた。そうすると、いつの間にかオールロードも私と同じ格好で寝ていた

「オールロード!いつから居たの?」

「ずっといたさ。そんなことより、俺達よく死なずに生きてるな」

「えぇ。奇跡よ生き残れたなんて」

「戦ってるときに思ったんだけど。今度、音楽鑑賞でもしようかな」

「どうして急に?」

「君のリズムを刻んで戦う動きを真似したくなってね。それにオーストリアのウィーンで行われる演奏会のチケットが二枚あってね。最初は君とレッドマジシャンにでも渡そうかと思ったけど。この戦いで君と行きたいと思ったんだけど」

「唐突。何?この私をデートにでも誘ってるの?」

「そうだ。嫌か?」

「別に・・・今回はいろいろ助けられたから、付き合ってあげるわ」 

 本当は嬉しかった。今まで、こんなことなかったから。素直じゃない私にオールロードはいつも合わせてくれる。そんな優しい人と一緒にいられて嬉しかった。ただ一つ引っ掛かる事があった。オールロードはデートに誘ったと言ったが、私は彼に対して恋愛感情を抱いたことがなかった。彼は私にそんな気があったのだろうか?レッドマジシャン達三人のように昔からお互いを知ってるわけじゃなし、お互いの一部しか理解してない。だから、友達とも思ってなかった。ふと思った。私達の関係って何なんだろう。同じ組織で働く同僚だが、そんな軽いものではない。その日から、その事ばかり考えてしまった



 本部に戻って、演奏会のことを詳しく話をしようと思ってたが、緊急会議が開かれることになった。私は地獄が始まるとも知らずに出席した。信頼してるマスターウェザーの口から聞かされたのは、A.C.T アクトの黒歴史と懺悔の言葉だった。先輩の何人かの表情は見ることができなかった。そしてことは、思わぬ方向にいってしまった。ガントンを中心とした複数人が、脱隊すると言い出した。分裂した。どっちの側につくか、わからなかった。ふとレッドマジシャンを見た。彼女は真っ直ぐな瞳で、マスターウェザーしか見てなかった。ビーストソウルを見ると寝起きなため、半目状態だった。トリックスターはレッドマジシャンの方しか見てない。彼女じゃなく自分で決めろよ!そう思った。最後にオールロードを見ると、彼はもうこっちを見てた。目が合う。彼は小さく首を横に振った。マスターウェザーが一時間以内に出ていけと言って会議は終わった



 会議が終わると真っ先にオールロードの部屋に向かった。彼は来るのが分かってたかのように、コーヒーを二杯淹れていた。私はオールロードの部屋のテーブルについた

「メロディー。時間が無いから手短に話すよ。あっ!コーヒー熱いから気を付けろよ」

 私が熱いのが苦手なのを気遣ってくれた

「分裂してどう思った?」

「分からなくなった。A.C.T アクトが正しいのか?」

「そうだな」

「けど、救ってきたものも沢山ある組織よ。マスターウェザーが頑張ってくれた。罪悪感に苛まれながら」

「だが、ガントン達の言うことも分かるぞ。あの人達は優しい人達だ。けど、守ってきた者に、優しくした者に裏切られるのは、優しい者には一番苦しい攻撃なんだよ」

「私はこの組織もみんなも好きよ。居場所だもの」

「僕もだ。けど、ここからは予想でしかないけど、ガントン達はA.C.T アクトに代わる組織を創るかもしれない」

「どういうこと?」

「君も会見を聞いていたろ?国連はこの組織を売った。自分達を守るために。ガントン達は新しく組織を創って、自分達が治めるんだよ。この世界を」

「支配者になるの?地球の?」

「支配者か。まぁそういう表現もできるな。やることは国連と変わらないと思う。堂々と人を助け、世界を助ける。僕達の存在は社会的に消されてるだろ?」

 私は頷いた

「何でだと思う?」

「能力を持ったことにより、身近な人達に危害が及ばないように」

「そうだ。そして監視するためだよ。反逆を起こさないようにって。だから、国連は兵士隊も創った。いつでも倒せるように。強い奴は、自分より弱い奴の命令や指図を受けることが屈辱でしかない。A.C.T アクトはそれを耐えてきた。マスターウェザーやエドガーに言われてるから。けど脱隊したら?」

「復讐する?」

 彼は頷いた

「予想でしょ?」

「しかし、見守る必要がある。どちらが正しい世の中に、安泰な世をつくるのか」

「どうするの?」

「僕はガントン達についていく」

「私も行く!」

 そう言うと彼は私の手を握った

「君はここに残るんだ!もしかしたら二つの組織で殺し合う日が来るかもしれない。そうなった時のために、被害を最小限に減らすため、こっちに残ってほしい」

「うん」

「そろそろ行かないと。この部屋は好きに使ってくれ。コンピューター!彼女の入室を許可しとく」

「了解しました」

 彼は立ち上がり、部屋を出ようとした

「そうだ。演奏会楽しみだな」

 そう言って出ていった。彼のデスクの上にチケットが一枚残されていた



 その後。彼の言った通りになった。ガントン達はCAを結成し、世界中に宣戦布告した。しかし、私とオールロードは宣戦布告する前に会った。私がウィーンの演奏会の場所に行くと、フードを被った人にぶつかった

「すいません。じゃあないわね。オールロード」

「ごめんな。ホール内には入らない。人目が多く、警備もカメラもある。どこか別のところを探そう」

「分かったわ。私ここが故郷だから、詳しいわ」

「故郷?君はオーストラリア人だろ?」

「言ってなかった?私、オーストラリア人とオーストリア人のハーフよ」

 彼は一瞬の間があってから

「分かりにく。えっ!ネタなの?」

「正確にいうと、母がオーストリア人で。時々帰省しただけ」

「知らなかった・・・」

 私はオールロードを連れて、昔行ったことがある、レストランに入った。食事をしながら話し始めた

「早速本題な。ガントン達はCAという組織を結成した。CAは国連やEU、ホワイトハウス等を襲う気だ。そこでだ、戦士達を警護につかせてくれ」

 彼はCAが襲撃するところを教えてくれた

「あくまでも自然に向かわせくれよ」

「誰が何処を襲撃するの?襲う場所に行ったらA.C.T アクトいました。なんて不自然じゃない?」

「そうだな。しかし、護衛無しは・・・」

「護衛にしてる戦士に相性がいい能力を持つ人を襲わせれば。そうすれば数の差も埋められる」

「CAは国連本部をなんとしても潰しにかかるだろう。ここはどうする?」

「今。レッドマジシャンとサンストーンが護衛してるわ。そこにビーストソウルと私が行く」

「分かった。僕もそこに行くよう仕向けよう。この話は終わりだな。そっちに動きは?」

「う~ん。タンク副隊長がオーストラリアに少し先だけど向かうとビーストソウルから聞いたわ」

 詳しい日程を教えた

「何だろう?何をしてるか僕が確かめるよ。そろそろ行くか」

 別れ際

「君と戦うのは僕だからな!」

「本気で?」 

「まさか。本気でやると勝っちゃうからな。まぁ引き分けを目指して戦おう!」

 私は不意に彼の腕を掴んだ

「正しい道よね。私達のすることは」
 
「正しいかどうかは誰にも分からない。けど、僕が・・・僕らが歩いていくところが道になるんだ。そして全て終わったら、ちゃんとデートに来よう」



 その後国連とシドニー、廃村での戦いを話した。みんな私の話を真剣に聞いてくれた。CAの連中にも聞いてもらうため、コンピューターが独房に私の事を映し出してくれた

「オールロードは全員の為を考えてくれたんだ。みんなを守った」

 そう言うとレッドマジシャンは部屋を出ていった。レッドマジシャンとカーナは疑いを晴らせたので、組織に復帰できていた。数分後。部屋にもどってくると、独房に入ってるはずのCA全員を連れてきた

「脱獄させるな!」

「そうじゃなくて。提案を全員に聞いてほしいの」

 そう言うと彼女はマスターウェザーの腕とガントンの腕を掴み、手繰り寄せた

「ここにいる全員が居ないと、彼が望んだ安泰な世は訪れない。けど、私達が揉めれば、誰も世界を救えない。お互い思うところはあるかもしれないけど、もう一度手を取り合わない?」

「そうしたいが、お互いの組織は平和を望んでる。それぞれのやり方で」

「また。犠牲者を出したいの?対立したいの?」

 二人が首を横に振った

「だったら。ここにいる一人一人が信じて誓いましょう!もう内輪揉めはしない、戦わない。そうさせないって!まずは、私から」

 そういうと彼女は手を前に出した

「ほら!二人とも」

 二人とも渋々、手をレッドマジシャンの手の上に重ねた

「これで二つの組織が仲良くなった。これで、宇宙のどんな組織も私達には敵わない!」

「オールロードの為に!」

「オールロードに!」

 みんな口々にオールロードの名前を言った。彼が夢見た世界がまた一歩近づいた瞬間だった
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