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第二部 エリミア編

7 生徒vs凶悪犯

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 フィオルは、ゆっくりと前に出て、ホログラムの男を見てる

「距離とれよ」

 先生にそう言われ、フィオルが少し離れた

「先生。能力はいいんですか?」

「ダメだ。ホログラムもこの男の能力を考慮されていない。素の強さだ。初めていいか?」

 フィオルがゆっくりと頷いた

「始め!」

 フィオルは男とは逆方向に向き。全速力で走り出した。ホログラムの男も後を追う。10秒でホログラムの男が追いつき、フィオルはホログラムに背後からタックルされた

「ハヤッ!」

 シュリオンの心の声が漏れている。先生はシュリオンのその声が聞こえたので、注意した

「シュリオン。フィオルは早かったか?先生はそうは、思わないぞ」

「どうしてですか?」

「治安維持局のフェルムスですら、苦労して捕まえた男だ。10秒も逃げるなんてすごいと思う。いいかみんな!相手が怖かったり、勝てる自信がなければ、逆方向に逃げろ。逃げることを恥と思うな!」

 遠くまで、行ったフィオルが帰ってきた。帰ってくるなり、シュリオンがフィオルに声をかけた

「悪い。侮辱してしまった」

「ハッ!シュリオン様」

「タメ口でいいぞ」

「タメ口なんて、絶対にできません!」

 そこに、ガルクとフェーナが入ってきた

「フィオル。いつまで、敬語で喋ってるの?あなたは、飛び級できるほどの才能の持ち主よ。この双子より優秀よ」

「フェーナはもう少し、礼儀を覚えた方がいいかもしれないが。フィオルはこれくらいの口調でもいいくらいだ」

「そうですか」

「そうだ!再来週から、長期休みに入るでしょ?三人とも私の家に来ない?」

 ガルクとシュリオンは、宮殿に居るのも、フェーナがいない学校に残るのも、退屈なので。すぐに
 
「行く!」

 と口を揃えた

「フィオルは?」

「僕もですか?」

「来るでしょ?一緒に勉強しようよ」

「分かりました」
 
「良かった~」

 フィオルが、ガルクに小さな声で喋りかけた

「ガルク様」

「ガルクって呼んで」

「ガ、ガルク」

「何?」

「フェーナさんに手土産は、必要ですよね」

「要らないよ。フェーナも、持ってきても受け取らないと思うぞ」

「それは、良かったです。何を渡せばいいか分からなかったもので」

「面白いな」

 そんな話をしてたら、先生が咳払いをした

「雑談中悪いが、次にやりたいやついるか?」 

 シュリオンが真っ先に手を上げた

「いいぞ。シュリオン」

 シュリオンが、ホログラムの男と少し離れた位置に立った

「始めていいですよ」

 シュリオンが言った瞬間に、ホログラムは襲いかかってきた。しかし、シュリオンは一発目の拳を上手く避けた

「やるな~」

 先生が言った瞬間に、二発目に当たった。ガルクの元に、残念そうな顔で戻ってきた

「お前なら、能力使うかと思った」

「人間には、いけるが。ホログラムには、無理だ」

「そうか」
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