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第二部 エリミア編
17 新学期
しおりを挟む「これからは、僕らがフェーナの家族だ」
「新学期が始まる頃には、前みたいに戻ってほしいな」
ガルクとシュリオンは、フェーナが大好きだ。誰よりも、明るい女の子があんな風に心を閉ざすのが許せなかった
リンドルズ学校の長期休暇が終わり。生徒が学校に戻ってきた。フェーナは、前よりは喋るようにはなったが、いまだに二人にも心を閉ざしてるようだった。周囲の生徒も、下手に喋りかけない方がいいと思ったのか、大半は近寄らなかった。だが、一部の心無い生徒もいた
「フェーナ。どんな事故だったの?」
「両親の記憶と喋ったりするの?」
そんなこと言ったやつは、ガルクとシュリオンが、殴っていった。それが問題になり、罰則を何回か受けた
ガルクとシュリオンが罰則で、薬草学の授業の準備を手伝わされていた
「棚から、決められた薬草を人数分取っていけばいいから」
薬草学の先生は言うが、二人は謎だった
「どうして、ロボットにやらせないのですか?」
「他の授業は、人が動くことは、ほぼないですよ」
「私は、ロボットに頼ることが嫌いなの。もちろん、恩恵も受けてるわ。ちょっと前まで、仕分けや運搬。薬草の栽培をやらせてたんだけど。薬草の質が落ちたり。薬草に傷ができたりしたのよ」
「でも、植物はすぐに育てられるでしょ?特殊栽培で」
植物を通常より、早く育てる装置が開発されていた
「あなた達も、知ってるでしょ?確かに、早いし。その分、量も増えるわ。しかし、栄養は少ない。植物は時間と愛情をかけるほうが、質がいいのよ」
「なるほど」
「さっさと、終わらせるわよ!」
薬草学の先生の指示通りに二人は動いた。労力がすごかった
能力制御術では、二人一組になれと言われた。ガルクとシュリオンは、フェーナにバディになれと、言ってしまった
「フェーナ。僕と組まない?」
「は?フェーナと組むのは、俺だ」
「僕の方が先だ!」
「兄貴に譲れよ」
「たった。数時間の差だろ?」
「うるさいわね。二人とも」
ガルクとシュリオンの言い争いに、フェーナがあきれてる。二人とも内心、ホッとした
「フィオル!一緒に組まない?」
フェーナが、女子達に囲まれて困ってるフィオルに言った
「喜んで!ごめんなさい、みんな。フェーナさんと組むことにするね。また、今度組もう!」
フィオルが、女子達に謝ってる。それを、見てるガルクとシュリオンが嫉妬しだした
「おい!フェーナがフィオルを選びやがった」
「僕らが、わざわざ誘ったのに。誘ってないやつを選ぶなんて」
「まるで、魅力がないみたいだな。俺たち」
「フィオルも。フィオルだな。さっさと、女子の大群から選べば、フェーナと組むこともなかったのに」
「何で、俺たちよりモテるんだ?」
ガルクとシュリオンも、それなりにモテる。ただ、フェーナという強敵がいる以上、他の女子は声をかけることができてなかった
「さすが飛び級。やっぱり、飛び級はモテるな」
「俺たちの学年だと。フィオルとフェーナだけだもんな」
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