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第二部 エリミア編

22 パーティー

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「シュリオン!ガルク!」

 先生達が、怒鳴りながら二人を追いかけている

「待ちなさい!罰則です!」

「無理だ!」

 シュリオンとガルクは、テストが終わり、パーティーまで暇だったので、ライクルスの練習をしていたが、見事にオールロードを大破させてしまった

「ライクルスやるときは、ルールに従いなさい!」

 オールロードを直せる能力者を用意していなかった。だから、先生達は学校に無駄な出費が出てしまいカンカンだった。二人は、全速力で走って逃げてる。やがて、自分の部屋に戻った

「シュリオン。僕まで怒られてるんだけど!」

 ガルクは、入った瞬間に壁を歩き、天井に行き、部屋とは逆さでシュリオンに怒鳴った

「悪かったって!それより・・・」

「話を逸らすな!」

「いや、パーティーの相手決まったのか?」

「決まってない。てか、今年はパーティーに行く気ない」

「どうして?」

「相手いないし。また、双子で踊らせられるかもしれない」

 そこに、フィオルが部屋に入ってきた

「二人とも。先生達が、部屋の前で待機してますよ」

「まだ、居んのかよ!」

「先生では入れるのは、校長だけだもんな」

「フィオルは、パートナー決まった?」

「いえ、躍りは自信ないので、誘ったら、相手を失望させてしまいます。なので、一人で行き。料理だけ楽しんだら、帰ります」

 ガルクとフィオルの本心は違った。本当は二人ともパーティーを楽しみたい。しかし、来年の勉強をもう始めたかった

「そうか。フェーナを楽しませるのはどうすんだ?」

「それは、シュリオンが頑張ってくれると思ってます」

「フィオルに同感だ。しかし、フェーナがお前から逃げてきたら、代打で僕たちが行くさ」



 パーティーの日。まだ子供なのに、思春期の上級生達の目を今年も釘付けにしながら、シュリオンとフェーナは行った。ガルクとフィオルは少し、離れたところの席に座って、勉強をしながら、二人を見てた

「こんな、うるさい所でしたくないが、仕方ない。シュリオンに任せておくと、フェーナの身が危険だ」

「監視するために来たんですか?」

「それ以外、ここに来る理由ないだろ?」

「僕はてっきり、豪華なご飯を食べたいのかと」

「それは、フィオルだろ?ところで、来年から23年生だが、何を専攻する?」

「今年と、同じのと。プラスで10教科何か取ろうと考えてます」

「でも、そのペースじゃ、50教科は無理だろ?」

「しかし、体は1つなので独学でやるしか・・・」

「同時に授業を受けることも可能だぞ」

「どうやって?」

「フェーナの家での勉強会で、フィオルが帰ったあとその話になったんだけど。まだ、方法を聞いていなかった」

「禁忌のクローンとかですかね」

「それは、ないだろ。意識は共有できないし」

「ですよね。違う授業の映像を見ながら、その授業を受ける感じてすかね」

「恐らくな」
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