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第二部 エリミア編

23 上級生女子

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 ガルクとフィオルが喋ってると、リッゾルがやって来た

「二人は、踊らないの?」

「あぁ」

「踊りが苦手なんで」

「来年から、二人は先輩か~」

「先輩なんてやめてくださいよ」

「いや、学年が1つ上になるし・・・。僕は、ライクルスを極めようかな」

「いいと思います」

「そういえば、25年生から校内でのライクルス大会がありましたよね?」

「あぁ。優勝すれば、ライクルスの名門チームのオファーが来るし。テストで落第しても、卒業はできる」

「あの、優遇制度ですね」

「僕は、勉強が得意じゃないから、卒業できるか心配なんだ。だから、ライクルスで優勝して、名門チームと契約したい!」

「頑張ってください」

「リッゾル。悪いが、僕らもライバルだ!」

 ガルクはライクルスで優勝したときの優遇制度を話の中で思い出した

「ガルク。ライクルスやるの?」

 フィオルが聞いてきた

「フィオル。ライクルスの優遇制度は、卒業だけじゃない。フェルムスにも優遇される。50教科を、45教科にできるんだ」

「えっ!そうなんですか?!」

「ガルク。フェルムス入りたいの?!」

「リッゾル。僕はフェルムスに入る」

「そうなんだ~。それじゃあ、僕はそろそろ」
 
 リッゾルは、二人との会話の途中だったが、行ってしまった

「変なやつだな」

「ライクルスの練習でもするんじゃないんですか?それで、優遇は本当ですか?」

「確かそうだ。この後、確認してみるよ」

「本当なら45教科は、嬉しいですね!」

「あぁ。難しいのは変わらないが・・・」

 その時、上級生の女子達の軍団が二人のところにやってきた。二人より、断然年上で、背も高い

「ガルク君とフィオル君でしょ?」

「はい。何でしょう?」

「私達と楽しまない?」

「可愛がってあげるわ」

 女子達は、二人の腕を掴んで、立ち上がらせた

「えっ?!」

「ねっ。楽しもうよ!」

「あの、僕たちはパーティーに参加する気はないです」

 ガルクはきっぱりと言った

「あら。パーティーに参加しなくても、楽しめる方法はあるわ」

「勉強してるんです。邪魔しないでください!」

 ガルクは腕を振りほどいた

「残念。フィオル君は、来てくれるでしょ?」

「え?いや、あの・・・」

 フィオルは断りたいが、人が良いので、断れない



 その頃、シュリオンとフェーナは、みんなの真ん中で踊っていた

「楽しい?フェーナ」

「いえ。周りの注目がヤダ」

「確かに。しかし、フェーナと踊れて俺は楽しいぞ」

「それは、私も」

 二人とも、ニッコリと微笑んだ。しかし、すぐにフェーナが笑うのをやめた

「ごめん!」

 シュリオンとのダンスの途中に、フェーナは踊るのをやめて、走っていった

「えっ!?」

 シュリオンは訳が分からず、立ち尽くした。周囲も、走っていったフェーナを見て、ザワザワしだした



「あの。僕はその・・・」

「フィオルも勉強してるんです」

「フィオル君も、私達と遊びたいでしょ?」

 フィオルは困惑してる

「あの。勉強したいです。でも、勘違いしないでください!僕は皆さんとも遊びたいです!」

 ガルクは頭を手で叩いた。きっぱりと言えよ!

「お姉さん達。フィオルには先客がいるの。ごめんなさい!」

 いつの間にか、フェーナが後ろに立っていた

「フェーナ?!なにしてんの?シュリオンは?」

「シュリオンと踊ったら、フィオルと踊る約束でしょ?」

 フェーナがウィンクした
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