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第二部 エリミア編

60 遺跡まで

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「ガルク。私から離れるな」

「了解」

 アイリンは走り出した。それに続いてガルクも走る。すると、翼がついた大蛇のような群れが襲ってきた

「ガルク。ここで、問題な」

 アイリンが反撃しながら、ガルクに言った。ガルクも必死に回避してる

「今?!」

「あぁ。さて、この生き物の名前は?それと、対処方法は何だと思う?これ、リンドルズ学校で勉強してるはずだぞ」

 アイリンが一匹を素手で鷲掴みにした

「えーと。この生き物はムーニュ。群れで行動する生き物で。毒は持っていないけど、巻き付かれると骨を砕かれる。対処方法は、明るいところが苦手だから、光を浴びせる」

「正解!」

 アイリンは腰のポーチから丸い球体を取り出し投げた。すると、投げられた球体は激しく発光した

「言うの遅いが、直視するな」

 ガルクは急いで目を閉じた

「直視しちゃいました!」

「安心しろ。最悪失明するくらいで、問題ない。再生できる」

「失明はしてないと思います」

「それは、良かった。もう、いいぞ。ムーニュの群れは消えた」

 ガルクは目を開けた。すると、球体は発光しておらず、ムーニュはいなかった

「あなたは、目を瞑らなかったの?」

「訓練を受けてる。初めて見た人が失明するくらいだ。ちなみにこれは、一度しか発光できんから」

「え?!この先、どうするの?」

「問題。どうすればいい?」

「戦う?」

「違う。正解は、逃げるんだよ。全力で逃げる。先に進むぞ」

 アイリンは走り出した。ガルクも後を追う。アイリンは途中途中で、地図を見るために立ち止まり。夜中になるまで走った。その間に、様々な動植物と対峙することになり、その度にガルクは死にかけてボロボロだった。夜中になったので野宿することになり、アイリンはポーチからカプセルを取り出し地面に置くと、それがテナントハウスみたいな家になった

「入れ」

 ネオルノ先生とドードルも合流し、四人で一夜を過ごすことになった

「ガルク。大丈夫だった?」

「問題ないよ。ただ、けっこう能力を使ってしまった」

「よく、頑張ったぞ。思ったんだが、群れで行動してない猛獣は、ドードル呼べば良かったな」

 ガルクは思った。この人、今さら気づいたみたいな顔してるけど、わざと僕にやらせてたのだろう

「ゆっくり休め。この、場所周辺には動物達は近づけないようになってるから、安心しろ」

 ガルク達は就寝した



 次の日、アクトの疲労が酷かったので、四人で歩いて進むことになった

「お前、大丈夫か?」

 ガルクだけ、アクトを肩に乗せて歩いているので、遅れてる

「大丈夫です!」

 半日ほど歩いたら、アイリンが止まった

「着いたぞ」

 洞窟のようになっているところを指差した

「ここ?ここが、遺跡なの?」

「遺跡らしくないが、立派な古代の建築物だぞ」

「暗くない?何にも見えないけど・・・」

「旧式の光源で進もうか」
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