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第二部 エリミア編

70 立てこもり

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 ガルクはフェーナとの話を切り上げて、フェルムス本部に戻ってきた

「おぉ!ガルク。事件だぞ!」

 ドードルと廊下で会った

「何があった?」

「通り魔殺人」

「犯人はもう、割れてんだろ?捕まえにいくだけなら、僕はパスだ」

「職務放棄とは、さすがだな!」

「お前が言うなよ。それより、隊長どこだ?」

「現場」

「よし!すぐに、犯人捕らえに行くぞ!」

「ガルク。大丈夫か?」

 ガルクはドードルに笑って、通り魔殺人の犯人を捕まえに現場に向かった



 フェルムス隊員の何人かが、アイリンを中心に集まってる

「ガルク。ドードル。来たか!」

「父さん。わざわざ呼び出すなんて、暇じゃないんだけど」

「隊長。犯人、まだ捕らえてないんですか?」

 アイリンはある建物を指差した

「人質立てこもり」

「だからか・・・。父さんの能力でどうにかすれば?」

「相手の能力の影響で憑依できなかった」

 その時、フィオルがアクトを連れてやって来た。アクトはガルクを見るなり、フィオルから離れガルクの肩に乗った

「フィオル。遅いぞ!」

「すいません」

「人質は、何人?」

「調べたところ、三人だ。問題は、立てこもり犯が二人いるということだ」

「突入して、一人仕留めても。もう一人が、人質を殺すかもしれない。ということですね」

「犯人の一人は、私の能力でどうにかできるが、もう一人は憑依できないからな・・・。それに、憑依できる方の能力は地雷設置だ。下手に踏み込んでも、フェルムスのシステムでも奴の地雷は分からないからな。吹き飛ばされる可能性もある」

「あー。帰りたい!」

「人質無視して、突入しましょう!」

「人質優先だろ!」

 フェルムス隊員には、まとまりがない

「だいだい捕まるのに、何で犯罪をするんだ?理解できない」

「捕まらなかったら、犯罪したいみたいな言い方だな。ドードル」

 フェルムス内でも、イライラが積もる中、アイリンはガルクの肩を叩いた

「ガルク。ちょっといいか?」

 アイリンとガルクは、フェルムス隊員達がいるところから、少し離れた位置で話をした

「ガルク。君の能力でどうにかできるか?」

「え?犯人殺すかもしれませんよ?」

「今回は殺しを許可する」

「もしかしたら、人質にまで手を出すかも・・・」

「そうなれば、私が君に憑依して止める」

 アイリンはガルクを真剣に見た

「やります」

「だったら、私が地雷の奴を憑依する。合図したら、突っ込め」

「けど、負の感情はそんなに集まらないので、そこまで強くなれないかも。フィオルの方が安心では?」

「負の溜まり場はあるだろ?」

 アイリンは、隊長が消え今にも殺し合いが起こりそうな、凶暴なフェルムス隊員達を指差した

「なるほど」
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